6ファイル・ベース・エクスポートの使用

この章の内容は次のとおりです。

ファイル・ベース・データ・エクスポート: 説明

ファイル・ベース・データ・エクスポートでは、データのセットをエクスポートできます。親オブジェクトおよび関連付けられた一連の子オブジェクトを選択し、オブジェクトごとに独立したファイルが含まれているZIPファイルを出力できます。出力データ・セットには、親/子オブジェクトに対して指定した表示基準に一致する親レコードと、選択されたオブジェクトに関連する子レコードのみが含まれています。ファイル・ベース・データ・エクスポートは、複数CSVファイル形式をサポートしています。このファイル形式は、ファイル・ベース・データ・インポートでもサポートされています。ファイル・ベース・データ・エクスポートとファイル・ベース・データ・インポートの組合せを使用して、ラウンドトリップ・エクスポート/インポートを実行できます。

ファイル・ベース・データ・エクスポートと一括エクスポートとの違い

ファイル・ベース・データ・エクスポート(FBDE)は、エクスポートされるデータのセットと出力されるデータの書式の両方が一括エクスポートとは異なります。一括エクスポートでは親レベルまたは子レベルでデータをエクスポートする機能がサポートされている一方、FBDEでは、指定したフィルタ基準に一致する親レコードに関連付けられた子レコードのみが出力データ・セットに含められるようにエクスポート操作を構成できます。

例を次に挙げます。一括エクスポート - アカウントおよびアカウント担当者が選択されています。ただし、エクスポートされる子レコードのセットは、子レベルで構成されたフィルタ基準によって異なります。FBDE - アカウントおよびアカウント担当者が選択されています。ただし、エクスポートされる子レコードのセットには、親レベルで指定したフィルタ基準に一致する親レコードに関連付けられているもののみが含まれます。FBDEは、子レベルのフィルタ基準をサポートしていません。

FBDEによって生成される複数CSVファイル形式は、1つ以上のCSVファイルが含まれているZIPファイルで構成されます。各CSVファイルは、個別のオブジェクト(親または子)を表します。子CSVファイル内のレコードは、親CSVファイル内に含まれている親レコードに関連付けられます。子から親レコードへの関連付けは、親レコードに対する外部キーによって実現されます。1つの親レコードに関連付けられたすべての子レコードの外部キーは同じです。FBDE操作からの出力は次のようになります。USER_SPECIFIED_FILENAME.ZIP PARENTOBJECTNAME.CSV CHILDOBJECT1.CSV CHILDOBJECT2.CSV CHILDOBJECTn.CSV。FBDE構成の一部として個別のCSVファイルの名前を変更することはできません。

Oracle Applications Cloudにインポートする予定のデータをエクスポートする場合の考慮事項

あるOracle Applications Cloudインスタンスからデータをエクスポートして、別のインスタンスにインポートできます。この場合、選択した親オブジェクトのすべての子オブジェクトおよび属性をエクスポートすることをお薦めします。これは、このようにすることで、エクスポートしたデータ・セットにすべての必須属性が含まれるようになるためです。FBDEではデリミタ、タイムスタンプ書式、日付書式などのオプションのデフォルト値はいずれもファイル・ベース・データ・インポートと同じデフォルト値を使用するため、データを再度Oracle Engagement Cloudインスタンスにインポートする予定がある場合には、デフォルト値を使用することをお薦めします。

ファイル・ベース・データ・エクスポートは、レコードのID値をエクスポートする機能をサポートしています。このID値は、ソース・インスタンス内でのみ有効となり、他のOracle Applications Cloudインスタンスでは使用できません。このため、ターゲットOracle Applications Cloudインスタンスにデータをインポートするときには、ファイル・ベース・データ・インポートの「フィールドのマップ」ステップで、レコードのID値を「無視」に設定する必要があります。

すべてのカスタム・オブジェクトおよび属性が、ターゲット・インスタンスに存在することを確認する必要があります。ターゲット・インスタンスに、対応するカスタム・オブジェクトまたは属性が作成されていない場合、ターゲット・インスタンスにデータを正常にインポートするには、事前に作成する必要があります。

データ・オブジェクトのエクスポート

データ・オブジェクトをエクスポートするには、次の手順を実行する必要があります。

  1. ファイル・ベース・データ・エクスポート・アクティビティの作成

  2. アクティビティのスケジュール

ファイル・ベース・データ・エクスポート・アクティビティの作成

「設定および保守」作業領域で、次の項目に移動します。

  • オファリング: 販売

  • 機能領域: データのインポートおよびエクスポート

  • タスク: ファイル・エクスポート・アクティビティの管理

新しいエクスポート・アクティビティを作成し、親オブジェクト、アクティビティ名およびファイル名の詳細を指定する必要があります。ファイル・ベース・データ・エクスポートを構成するときには、エクスポートしたデータがどのように使用されるかを考慮する必要があります。そのデータを外部アプリケーションで使用する場合は、エクスポート後にデータを編集する必要がないように、適切な日時書式とデリミタ値を選択してください。

アクティビティのスケジュール

アクティビティは、即時または後日にスケジュールできます。後日にスケジュールする場合は、次のオプションがあります。

  • 増分 - 詳細は、増分エクスポートの構成に関する説明を参照してください

  • 単発スケジュール

  • 繰返し

増分エクスポートの場合、間隔の初期日時、開始日時、終了日時、繰返し頻度および繰返し単位を指定する必要があります。エクスポート・プロセスを開始するには、アクティビティの詳細および構成をレビューし、アクティビティをアクティブ化する必要があります。エクスポート・プロセスは、子オブジェクトごとにCSVファイルが含まれているZIPファイルを生成します。

ファイル・ベース・データ・エクスポートでの親子参照

ファイル・ベース・データ・エクスポートを使用してデータをOracle Applications Cloudからエクスポートした場合、子データが含まれているCSVファイルには、それらが関連付けられている親オブジェクトへの参照が含まれています。使用される特定のキーは、オブジェクト間で異なることがあります。次の表に、ファイル・ベース・データ・エクスポートでサポートされている各子オブジェクトの親オブジェクトを識別するために使用されるキーを示します。

サポートされているオブジェクトおよびキー

次の表に、様々な親オブジェクト、子オブジェクト、対応する出力ファイル名および親キーをリストします。

親オブジェクト 子オブジェクト 出力ファイル名 親キー

アクティビティ

アクティビティ割当先

Activity_Assignee.csv

ACTIVITY_ID

アクティビティ

アクティビティ担当者

Activity_Contact.csv

ACTIVITY_ID

資産

資産担当者

Asset_Contact.csv

ASSETID

資産

資産リソース

Asset_Resource.csv

ASSETID

契約ヘッダー

契約パーティ

Contract_Party.csv

ID

契約ヘッダー

契約パーティ

Contract_Party.csv

MAJOR_VERSION

契約パーティ

契約パーティ担当者

Contract_Party_Contact.csv

ID

契約パーティ

契約パーティ担当者

Contract_Party_Contact.csv

MAJOR_VERSION

アカウント・プロファイル

アカウント追加名

AdditionalName.csv

PARTY_ID

アカウント・プロファイル

アカウント住所

Address.csv

PARTY_ID

アカウント・プロファイル

アカウント住所目的

AddressPurpose.csv

PARTY_ID

アカウント・プロファイル

アカウント分類

Classification.csv

PARTY_ID

アカウント・プロファイル

アカウントFAX

Fax.csv

PARTY_ID

アカウント・プロファイル

アカウント・プライマリ電話

PrimaryPhone.csv

PARTY_ID

アカウント・プロファイル

アカウント関係

Relationship.csv

PARTY_ID

アカウント・プロファイル

アカウント販売プロファイル

SalesAccountProfile.csv

PARTY_ID

アカウント・プロファイル

アカウントWeb

Url.csv

PARTY_ID

担当者プロファイル

担当者追加名

AdditionalName.csv

PARTY_ID

担当者プロファイル

担当者住所

Address.csv

PARTY_ID

担当者プロファイル

担当者住所目的

AddressPurpose.csv

PARTY_ID

担当者プロファイル

担当者分類

Classification.csv

PARTY_ID

担当者プロファイル

担当者関係

ContactRelationship.csv

PARTY_ID

担当者プロファイル

担当者Eメール

Email.csv

PARTY_ID

担当者プロファイル

担当者FAX

Fax.csv

PARTY_ID

担当者プロファイル

担当者ソーシャル・ネットワーク

InstantMessenger.csv

PARTY_ID

担当者プロファイル

担当者携帯

Mobile.csv

PARTY_ID

担当者プロファイル

担当者電話

Phone.csv

PARTY_ID

担当者プロファイル

担当者販売プロファイル

SalesAccountProfile.csv

PARTY_ID

リード

リードTCメンバー

Lead_Contact.csv

LEAD_ID

リード

リード項目関連付け

Lead_Product.csv

LEAD_ID

リード

リード・リソース

Lead_Resource.csv

LEAD_ID

リード

リード・テリトリ関連付け

Lead_Territories.csv

LEAD_ID

商談

商談競合相手

OPPORTUNITY_COMPETITOR.csv

OPTY_ID

商談

商談担当者

OPPORTUNITY_CONTACT.csv

OPTY_ID

商談

商談リード

OPPORTUNITY_LEAD.csv

OPTY_ID

商談

商談参照

OPPORTUNITY_REFERENCE.csv

OPTY_ID

商談

商談リソース

OPPORTUNITY_RESOURCE.csv

OPTY_ID

商談

商談レスポンス

OPPORTUNITY_RESPONSE.csv

OPTY_ID

商談

売上

OPPORTUNITY_REVENUE.csv

OPTY_ID

商談

売上パートナ

OPPORTUNITY_REVENUE_PARTNER.csv

OPTY_ID

商談

商談ソース

OPPORTUNITY_SOURCE.csv

OPTY_ID

製品グループ詳細

製品グループ変換

ProductGroup.csv

PROD_GROUP_ID

製品グループ詳細

製品グループ変換

ProductGroup.csv

REVISION_NUM

製品グループ詳細

製品グループ製品

ProductGroupItem.csv

PROD_GROUP_ID

製品グループ詳細

製品グループ製品

ProductGroupItem.csv

REVISION_NUM

製品グループ詳細

製品グループ・サブグループ

ProductGroupRelationship.csv

PROD_GROUP_ID

製品グループ詳細

製品グループ・サブグループ

ProductGroupRelationship.csv

REVISION_NUM

営業リソース目標

営業リソース期間目標

Resource_Period_Quota.csv

RESOURCE_QUOTA_ID

営業テリトリ

営業テリトリ・カバレッジ

TERR_COVERAGE.csv

TERRITORY_VERSION_ID

営業テリトリ

営業テリトリ事業分野

TERR_LOB.csv

TERRITORY_VERSION_ID

営業テリトリ

営業テリトリ・リソース

TERR_RESOURCE.csv

TERRITORY_VERSION_ID

営業テリトリ目標

営業リソース目標

Resource_Quota.csv

TERRITORY_QUOTA_ID

営業テリトリ目標

営業テリトリ期間目標

Territory_Period_Quota.csv

TERRITORY_QUOTA_ID

パートナ

パートナ住所

Address.csv

PARTY_ID

パートナ

パートナFAX

Fax.csv

PARTY_ID

パートナ

パートナ階層

Hierarchy.csv

PARTY_ID

パートナ

パートナ認証

PartnerCertification.csv

PARTY_ID

パートナ

パートナ専門分野

PartnerExpertise.csv

PARTY_ID

パートナ

パートナ・ディメンション地理

PartnerGeography.csv

PARTY_ID

パートナ

パートナ・ディメンション業種

PartnerIndustry.csv

PARTY_ID

パートナ

パートナ・インタフェース

PartnerInterface.csv

PARTY_ID

パートナ

パートナ・ディメンション製品

PartnerProductSpecialty.csv

PARTY_ID

パートナ

パートナ・アカウント・リソース

PartnerTeam.csv

PARTY_ID

パートナ

パートナ・ディメンション販売チャネル

PartnerType.csv

PARTY_ID

パートナ

パートナ・プライマリ電話

PrimaryPhone.csv

PARTY_ID

パートナ

パートナWeb

Url.csv

PARTY_ID

プログラム登録

プログラム登録契約

PartnerEnrollmentContract.csv

PROGRAM_ENROLLMENT_ID

プログラム登録

プログラム登録関係者

PartnerEnrollmentParticipant.csv

PROGRAM_ENROLLMENT_ID

ファイル・ベース・データ・エクスポートを使用したデータのエクスポート: 作業例

この例では、ファイル・ベース・データ・エクスポートを使用して商談オブジェクトをエクスポートする方法を示します。

商談オブジェクトのエクスポート

商談オブジェクトをエクスポートするには、次の手順を実行する必要があります。

  1. 「設定および保守」作業領域で、次の項目に移動します。

    • オファリング: 販売

    • 機能領域: データのインポートおよびエクスポート

    • タスク: ファイル・エクスポート・アクティビティの管理

  2. 「概要」ページで、階層のエクスポートをクリックします。「作成」をクリックします。

  3. 「エクスポート・プロセス定義の作成」ページで、アクティビティの名前を入力し、親オブジェクトとして「商談」を選択し、ファイル名を入力します。エクスポート・アクティビティが完了すると、登録済の電子メール・アドレスに通知メールが送信されます。「通知Eメール」フィールドに電子メール・アドレスを指定した場合は、その電子メール・アドレスにもメールが送信されます。

  4. 「次」をクリックします。「エクスポート・プロセス定義の作成: レビュー」ページに、商談オブジェクトのすべての属性が表示されます。

  5. 「使用可能」チェック・ボックスを使用して、エクスポートする属性を選択します。

  6. エクスポート・プロセスを開始するには、表示基準を作成し、保存する必要があります。「フィルタ基準の編集」ボタンをクリックして、表示基準を作成します。

  7. 「フィルタ基準の編集」ウィンドウで、表示基準の名前およびステータスを入力します。「保存」をクリックします。

  8. 「次」をクリックして、「エクスポート・プロセス定義の作成」ページに移動します。

  9. エクスポート・プロセスを即時または後日に、対応するラジオ・ボタンを選択して、スケジュールします。

  10. 「次」をクリックするとレビュー・ページに移動し、ここでは、「戻る」をクリックして任意の設定を変更したり、後でプロセスを実行する場合は「保存」および「クローズ」したり、プロセスを「アクティブ化」できます。

  11. 「概要」ページで、エクスポート・アクティビティのステータスをレビューします。

  12. 「エクスポート済データ・ファイル」列で生成済ZIPファイルをクリックし、ファイルをデスクトップに保存します。

  13. エクスポート・アクティビティが完了すると、次の情報が含まれている電子メールが登録済の電子メール・アドレスに送信されます。

    • エクスポートの開始および終了時間(日付と時刻)と、その間隔の計算

    • 環境名

    • エクスポートのステータス

    • オブジェクト名

    • レコード件数: 読取り、成功、エラー、警告

    • 送信者