デフォルトのデータ・モデルについて学習

Oracle Unityには、一連のデータ・オブジェクトおよび属性があらかじめパッケージされたデフォルトのデータ・モデルが用意されています。デフォルトのデータ・モデルを設定した後は、データ・モデルが組織の特定のニーズを満たすように、必要なカスタマイズを行うことができます。

デフォルトのデータ・モデルでは、データ・オブジェクトがオブジェクト・グループ(「プロファイル」、「行動」、「トランザクショナル」、「製品」または「その他」)に編成されます。データ・オブジェクトはいつでも他のオブジェクト・グループに移動できますが、データ・オブジェクトが属することができるのは1つのオブジェクト・グループのみです。

データ・モデルに含まれている次のデータ・オブジェクトおよびデータ・オブジェクト・グループについて説明します。

Business-to-consumerデータ・モデル(B2C)

B2Cデータ・モデルには、次のデフォルト・データ・オブジェクトが付属しています。

プロファイル・データ・オブジェクト

プロファイル・オブジェクト・グループには、顧客に関連するデータ・オブジェクトのグループが表示されます。

  • Customer: 顧客を識別する特性。通信プリファレンスも含まれます。このデータ・オブジェクトの属性には、First Name、Birth DateおよびOk To Callがあります。
  • MasterCustomer: このデータ・オブジェクトは、顧客レコードのマスター・コピーを表します。Oracle UnityでID解決のタスク(顧客レコードの重複除去、マージおよびプロモーション),を実行すると、結果がMasterCustomerに格納されます。このデータ・オブジェクトにはデータをインポートできません。
  • Address: 顧客に関連付けられている住所。このデータ・オブジェクトの属性には、City、StateおよびZip Codeがあります。
  • Social identity: ソーシャル・インタラクションにおける顧客のID。たとえば、Facebookの名前やTwitterハンドルなどです。このデータ・オブジェクトの属性には、Handle、Display NameおよびIs Activeがあります。
  • Customer_Associate: 顧客オブジェクトと関連オブジェクトの間の相互参照オブジェクト。これにより、顧客と営業担当の間のインタラクションがリンクされます。このデータ・オブジェクトの属性には、Customer ID、Associate IDおよびOrganization IDがあります。
  • Customer_Group: 顧客オブジェクトとグループ・オブジェクトの間の相互参照オブジェクト。これにより、顧客と、その顧客に関連付けられたグループがリンクされます。このデータ・オブジェクトの属性には、CustomerIDおよびGroup IDがあります。
  • Customer_MasterCustomer: CustomerオブジェクトとMaster Customerオブジェクトの間の相互参照オブジェクト。これにより、CustomerオブジェクトのデータとMaster Customerオブジェクトがリンクされます。

行動データ・オブジェクト

行動オブジェクト・グループには、顧客アクションに関連するデータ・モデルのデータ・オブジェクトのグループが表示されます。

  • Message: 顧客に表示されるコンテンツ。たとえば、Eメール・メッセージやテキスト・メッセージなどです。このデータ・オブジェクトの属性には、Subject、ContentおよびCampaign IDがあります。
  • Launch: キャンペーンのインスタンス。これは、主に定期的キャンペーンにおいて、インスタンスに紐づく統計や行動を確認するのに使われます。このデータ・オブジェクトの属性には、Execution Date、Created ByおよびStatusがあります。
  • Promotion: 購入、キャンペーンまたはその他の類似するエンティティに関連付けることができるマーケティング・プロモーション。様々なタッチ・ポイントにまたがるプロモーションの効果を確認するのに役立ちます。このデータ・オブジェクトの属性には、URL、NameおよびIs Activeがあります。
  • Campaign: 様々なマーケティング活動を含むマーケティング・キャンペーン。このデータ・オブジェクトの属性には、Type、Start DateおよびMediumがあります。
  • Event: 顧客が行う一つのアクション。たとえば、レビューのお気に入り登録や、ビデオの表示などです。このデータ・オブジェクトの属性には、Cookie、EmailおよびOrder IDがあります。
  • Social engagement: ソーシャル・アウトリーチおよびインタラクションに重点を置いたソーシャル・イベント。このデータ・オブジェクトの属性には、Handle、TitleおよびHashtagsがあります。
  • Incident: 顧客とのサポート・インタラクションを中心とするサポート・イベント。このデータ・オブジェクトの属性には、Summary、SeverityおよびChannelがあります。

トランザクショナル・データ・オブジェクト

トランザクショナル・オブジェクト・グループには、顧客トランザクションに関連するデータ・モデルのデータ・オブジェクトのグループが表示されます。

  • Associate: 製品またはサービスを販売する営業担当。このデータ・オブジェクトの属性には、Name、RoleおよびTeamがあります。
  • Order: 1つ以上の製品、サービスまたはサブスクリプションの購入。オーダーのライフサイクルおよび売上を確認するために使用できます。このデータ・オブジェクトの属性には、Total、QtyおよびDiscount Totalがあります。
  • Order item: 製品、価格、税金などのデータを確認できるオーダーの明細品目。このデータ・オブジェクトの属性には、List Price、CostおよびTaxがあります。

製品データ・オブジェクト

製品オブジェクト・グループには、製品カタログに関連するデータ・モデルのデータ・オブジェクトのグループが表示されます。

  • Product: 製品を表します。これは、SKU、ブランド、モデルなどのデータを確認します。このデータ・オブジェクトの属性には、SKU、BrandおよびSizeがあります。
  • Category: 製品のカテゴリ。このオブジェクトには、製品カテゴリの4つのレベルの階層を格納できます。たとえば、レベル1は電子機器、レベル2はTV、レベル3は4K TVなどです。このデータ・オブジェクトの属性には、Name、Level 1 NameおよびLevel 2 Nameがあります。
  • Subscription: 製品の定期配送を表します。これを使用して顧客の更新時期を確認できます。このデータ・オブジェクトの属性には、Name、TypeおよびStart Timestampがあります。
  • Product_Category: 製品オブジェクトとカテゴリ・オブジェクトの間の相互参照オブジェクト。これにより、購入した製品と製品のカテゴリがリンクされます。このデータ・オブジェクトの属性には、Type、Product IDおよびCategory IDがあります。

その他データ・オブジェクト

その他オブジェクト・グループには、他のいずれのオブジェクト・グループにも属していないデータ・オブジェクトが表示されます。

  • Organization: 製品が購入された場所、または顧客とのなんらかのインタラクションが発生した場所を表します。このデータ・オブジェクトの属性には、Territory、StatusおよびDivisionがあります。
  • GroupOracle Unityから他のマーケティング・プラットフォームにセグメントをエクスポートするために使用できる一般的なグループ化メカニズム。このデータ・オブジェクトの属性には、Name、TypeおよびSource Group IDがあります。
  • Currency: 通貨換算データを保持します。このデータ・オブジェクトの属性には、Base Currency、Exchange RateおよびExchange Dateがあります。
  • GeoDemographics: 地理的なデモグラフィックを格納します。このエンティティを住所オブジェクトと結合すると、地理的デモグラフィックに基づいて個人をグループ化できます。このデータ・オブジェクトの属性には、City、CountryおよびStateがあります。
  • DataDeletionRequest: 顧客データの削除要求の処理に使用されるデータ・オブジェクト。データの削除についてさらに学習します。

Business-to-businessデータ・モデル(B2B)

B2Bデータ・モデルには、デフォルトのB2Cデータ・モデルのすべてのデータ・オブジェクトに加え、Accountデータ・オブジェクトとCustomerデータ・オブジェクトの追加属性が付属しています。

  • Account: ビジネス・アカウントを識別する特性。このデータ・オブジェクトの属性には、Account Source、Ownership TypeおよびAnnual Revenueがあります。
  • Customer: このデータ・オブジェクトには、企業間データ・モデルの追加属性(Business Phone、Fax、Job Title、Job Title Description、Job Title Level、Job DepartmentおよびJob Specialty)が含まれます。

自動車データ・モデル

自動車データ・モデルには、デフォルトのB2Cデータ・モデルのすべてのデータ・オブジェクトに加え、次の追加データ・オブジェクトが付属しています。

  • Vehicle: 購入した車両の詳細を格納します。このデータ・オブジェクトの属性には、Model、TrimおよびNext Service Dateがあります。
  • MasterVehicle: このデータ・オブジェクトは車両レコードのマスター・コピーを表します。Oracle UnityでID解決のタスク(車両レコードの重複除去、マージおよびプロモーション)が実行された後、結果はMasterVehicleに格納されます。このデータ・オブジェクトにはデータをインポートできません。
  • Vehicle Finance: 車両購入の財務詳細を格納します。このデータ・オブジェクトの属性には、ARR Percent、Financed AmountおよびAccount Maturity Dateがあります。
  • Vehicle IOT KPI: Internet of Things (IOT)およびキー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)を表します。このデータ・オブジェクトは、車両の様々なセンサーおよび部品(バッテリ、空調設備、ラジエータなど)からストリーミングされたすべてのデータ・ポイントを取得します。このデータ・オブジェクトの属性には、Diagnostic Trouble Code、SeverityおよびNext Best Actionがあります。
  • Vehicle Plate: 車両プレート情報を格納します。このデータ・オブジェクトの属性には、Vehicle ID、NumberおよびStart Dateがあります。
  • Vehicle Sale: 車両販売に関する情報を格納します。このデータ・オブジェクトの属性には、Sales Type、Odometer ReadingおよびRegistration Dateがあります。
  • Vehicle Optional: 車両の追加機能を表します。このデータ・オブジェクトの属性には、Vehicle ID、CodeおよびNameがあります。
  • Vehicle Ownership: 車両の所有権情報を格納します。このデータ・オブジェクトの属性には、Start Date、Is Primary OwnerおよびAverage Annual Mileageがあります。
  • Vehicle Service: 車両サービス情報を格納します。このデータ・オブジェクトの属性には、Description、SeverityおよびResolved byがあります。
  • Vehicle Warranty: 車両保証情報を格納します。このデータ・オブジェクトの属性には、End Date、NameおよびDescriptionがあります。
  • Vehicle Subscription: 車両のサブスクリプション情報を格納します。このデータ・オブジェクトの属性には、Status、Asset IDおよびSubscription Order IDがあります。

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Oracle Unityデータ・モデルの管理

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