Oracle Modeling 360を使用したルックアライク・モデルの作成

Oracle Data CloudプラットフォームのUIで、ルックアライク・モデルを使用することにより、最も好ましい顧客およびコンバータと行動が類似する価値の高いユーザーを抽出し、ターゲット・オーディエンスのリーチと精度を高めることができます。

このトピックの内容

Oracle Modeling 360について

Oracle Data Cloudのセルフサービス型自動モデリング・ソリューションであるOracle Modeling 360を使用して、モデリング・ベンダーにモデル・リクエストを送信できます。モデル・リクエストには、次のものを含めます。

  • モデリングする対象のユーザー(シグナル・オーディエンス)
  • シグナル・オーディエンスのユーザーをランク付けするために使用されるカテゴリのグループ(プロファイル入力)
  • 返されるデータの粒度(たとえば、カスタムのルックアライク・モデルのユーザーの上位0-1%、1-5%および6-10%)などの、モデル・リクエストを調整するための指示

モデリング・ベンダーでは、モデル・リクエストを受信した後、シグナル・オーディエンスの属性に対する一致度に従い、ユーザーにスコアとスタック・ランクを付け、ルックアライクの上位のパーセンテージを新しいカテゴリとしてタクソノミに追加します。これにより、ルックアライクを、ターゲッティング、分析、最適化のために、複数のメディア実行プラットフォームにまたがって配信することができます。

ルックアライク・モデリングには、次のメリットがあります。

  • 自動化されたワークフロー: Oracle Data Cloudプラットフォームでは、モデル・リクエストをルックアライク・モデリング・パートナに送信するプロセスが自動化されています。
  • 幅広いデータを使用したカスタム・モデル: ファーストパーティ・データ、自分と共有されているセカンドパーティ・データ、およびOracle Data Marketplaceからのサードパーティ・データからモデルを作成できます。
  • 多変量のモデル: 多変量のルックアライク・モデルでは、ユーザーが属性でタグ付けされた頻度やリーセンシを含む、ユーザーのすべての属性が考慮されます。
  • 迅速なモデルの作成とアクティブ化: 数分でモデル・リクエストを作成し、1週間以内にルックアライクを受け取ることができます。
  • 自動リフレッシュ: ルックアライク・モデルは毎週リフレッシュされます。それにより、最新の最も好ましいユーザーのスコアを持つことができます。

要件: ルックアライク・モデル・リクエストを計画するときは、次の要件に留意してください。

  • シグナル・オーディエンスでは、Oracle Data CloudデスクトップとモバイルWebのCookieにリンクされているユーザー・プロファイルのみをターゲットできます。モデリングは、Mobile Advertising ID (IDFAおよびGoogle AdID)にリンクされているユーザー・プロファイルに対しては実行できません。
  • シグナル・オーディエンスには、最小限のリーチとして、リーセンシが7日間であるプロファイルが5000件以上必要です。オーディエンスのリーチがこの最小サイズを下回ると、モデルは作成されません。オーディエンスが十分に大きいかどうかをチェックするには、オーディエンス作成ページでリーセンシ設定を7日間に変更し、Projected Reachを確認してください。
  • シグナル・オーディエンスには、Oracle、In-Market、DatalogixおよびAddThisのサードパーティ・カテゴリを含めることができます。その他のサードパーティ・ブランドのデータを含めることはできません。

ルックアライク・モデルを作成してアクティブ化する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Modeling 360ルックアライク・モデリング・アプリをインストールします
  2. モデル・リクエストを作成します
  3. モデル・リクエストをモニターします
  4. ルックアライク・モデルをアクティブ化します

ノート: オーディエンスを配信すると、ルックアライク率が設定されます。これは通常、レート・カードに設定されるインプレッションのCPMとなり、オーディエンスを作成するときに、モデル・カテゴリに表示されます。

Oracle Modeling 360アプリのインストール

アプリ・カタログには、ルックアライク・モデルを作成するためのOracle Modeling 360アプリが含まれています。このアプリでは、使い始めるまでの準備期間は必要ありません。

重要: ルックアライク・アプリは削除できません。ルックアライク・パートナからプラットフォームへのデータのフローを保護するために、削除権限が無効になります。

Modeling 360アプリを追加する手順は、次のとおりです。

  1. My Oracle Support (MOS)に連絡して、Oracle Modeling 360を使用したルックアライク・モデリングへのアクセスをリクエストしてください。
  2. partner.bluekai.comにログオンし、「Apps」「Install Apps」を選択します。
  3. 「App Catalog」をクリックします。
  4. 「Look-alikes」キャンペーン・ソリューション・タイプをクリックします。
  5. Oracle Modeling 360を選択します。
    「Apps Catalog」ページのイメージ
  6. 「App Name」ボックスに、ルックアライク・アプリ構成を識別する名前を入力します。
  7. (オプション)「App Profiles」セクションで、「App Profile Name」ボックスにカスタム・プロファイルのわかりやすい名前を入力し、含めるカテゴリを選択して、「Add App Profile」をクリックします。複数のカスタム・プロファイルを追加できます。

    ヒント: 可能なかぎり大きいデータ・セットが含まれるものが最適なモデルです。デフォルトのプロファイルでは、使用可能なすべてののカテゴリが含まれており、最適なモデルが生成されます。

  8. 「Save」をクリックします。ルックアライク・アプリが「Install Apps」ページに追加されます。
  9. Audience for Oracle Modeling 360 Lookalike - [Partner ID YourPartnerID + Vendor Name M360 - Default Lookalike Model App]というオーディエンスがパートナ・シートに作成されて、Oracle Modeling 360と共有されます。これには、次のカテゴリが含まれます。

    • タクソノミのプライベート・ノードの下にあるすべてのファーストパーティ・カテゴリ。
    • 作成したすべてのファーストパーティ・カテゴリを含む、Self-Classificationノード。
    • モデリング、ターゲッティングおよびアナリティクスの権限とともに、別のDMPユーザーがあなたをホワイトリストに登録したすべてのセカンドパーティ・カテゴリ。
  10. ルックアライク・パートナのシートにサーバー・データ・トランスファー(SDT)キャンペーンが自動的に作成されて、毎時バッチ・ファイルでファーストパーティ・カテゴリとセカンドパーティ・カテゴリが配信されます。ルックアライク・パートナによって、ファーストパーティ・データの収集が開始されます。Oracle Data Marketplaceのすべてのサードパーティ・データは、すでに個別のSDTバッチ配信で送信されて収集されています。

  11. ルックアライク・パートナにモデル・リクエストを送信でき、モデル・リクエストにより、カスタム・アプリ・プロファイルを使用する準備が整います。

モデル・リクエストの作成

モデリング・アプリを追加したら、モデル・リクエストを作成できます。モデル・リクエストを作成する際には、基本的な識別情報と、モデルの作成方法を決定する次のオプションを指定します。

  • モデリングするユーザーを含むシグナル・オーディエンス(コンバータや購入者を含むオーディエンスなど)。
  • モデル・カテゴリ形式。この形式によって、プライベート・タクソノミの新しいカテゴリに分類するモデルのルックアライクが構成されます。次の表は、モデル・カテゴリ形式のオプションをまとめたものです。

    オプション 作成されるカテゴリ 説明
    Default 0-1%、1-5%および5-10% モデル内のユーザーの上位0-1%、1-5%および5-10%を表す3つのカテゴリを含み、パフォーマンスと規模のバランスを取ります
    Extreme Performance . 0-.01%, .01-.1%, .1-1%, 1-2%, 2-5%, 5-10% 粒度と精度が高い高パフォーマンス・モデル。上位ランクのルックアライクの中から、最上位のルックアライクをターゲットする場合に便利です
    Scale 0-1%, 1-5%, 5-10%, 10-15%, 15-20%, 20-30% リーチが拡張され、多数のルックアライクをターゲットする場合に便利です。この形式はデフォルト・モデルに基づいていますが、ルックアライクのより低いパーセンテージのカテゴリが追加されて、規模が拡張されています。
    Custom ユーザー指定 カスタムのルックアライク・モデル。整数と小数を含めることができる、範囲のカンマ区切りリストを入力します(例: 0.1-0.5%, 0.5-1%, 1-2%)
  • モデル・カテゴリに含める国。デフォルトでは、米国のルックアライクのみが含まれます。米国または他の国のいずれかを指定できますが、両方を同じモデルで指定することはできません。たとえば、米国、ベルギーおよびルクセンブルクを含むモデルを作成することはできません。この状況では、米国用のモデルとベルギーおよびルクセンブルク用の別のモデルを作成する必要があります。

    サードパーティ・モデル(シグナル・オーディエンスやプレディクタに3pが含まれる)には、アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、チリ、コロンビア、インド、インドネシア、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、フィリピン、サウジアラビア、シンガポール、南アフリカ、タイ、トルコ、アラブ首長国連邦、英国、米国、ベトナムのルックアライクを含めることができます。ファーストパーティ・モデル(シグナル・オーディエンスおよびプレディクタが1pのみ)には、すべての国のルックアライクが自動的に含まれます。

 

 

Oracle Data Cloudパートナ・シートで最大50のモデル・リクエストを指定します。

モデル・リクエストを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「Manage」「Models」を選択します。「Models」ページが表示されます。
    「Models」ページのイメージ
  2. 「Create Model」をクリックします。「Create Model Request」ダイアログが開きます。
  3. 「Model Name」ボックスに、モデル・リクエストを後で識別しやすい、わかりやすい名前を入力します。モデル名に特殊文字を含めることはできません。
  4. 「Signal Audience」リストで、モデリングするユーザーを含むオーディエンス(コンバータや購入者を含むオーディエンスなど)を選択します。オーディエンスをフィルタして選択するには、オーディエンス名の2つ以上の文字を入力します。
    オーディエンスを選択すると、「Reach」フィールドに、過去30日間に、選択したオーディエンスで検出されたユーザーの数(モデルのProjected Reachではなく)が表示されます。
  5. ヒント: シグナル・オーディエンスのチェック・ボックスを選択して、「Create」「Create Model」を選択することで、「Audiences」ページからシグナル・オーディエンスを直接選択できます。

  6. 「State Date」ボックスと「End Date」ボックスに、モデルの実行をいつ開始して、いつ終了するかを入力します。デフォルトでは、「Start Date」は明日の日付に設定され、「End Date」は6か月後に設定されます。

  7. 「Model Categories Format」リストで、シグナル・オーディエンスのルックアライクから新しいカテゴリを作成するための形式を選択します。
  8. 「Country」ボックスで、サードパーティ・モデル(シグナル・オーディエンスやプレディクタに3pが含まれる)を作成する場合は、ルックアライクをモデル・カテゴリに含める国を選択します。デフォルトでは、米国のみが選択されています。

    米国と他の国の両方のルックアライクを同じサードパーティ・モデルに含めることはできないことに注意してください。必要に応じて、別個のモデルを作成します。

    ファーストパーティ・モデル(シグナル・オーディエンスおよびプレディクタが1pのみ)を作成する場合、1pモデルにはすべての国のルックアライクが含まれるため、このオプションは表示されません。

  9. 「Predictors」で、モデル内のすべてのルックアライクをランク付けするために使用されるカテゴリのグループ(ファーストパーティ・データまたはサードパーティ・データ、あるいはその両方)を選択します。デフォルトはサードパーティ・データのみです。

  10. (オプション)。「Notes」ボックスに、モデル・リクエストに関連する任意のコメントを入力します。
  11. 「Save」をクリックします。モデル・リクエストが「Manage」「Models」ページに追加されます。

モデル・リクエストのモニター

「Models」ページを使用して、モデル・リクエストをモニターして管理できます。

「Models」ページ

このページには、モデル・リクエストのステータスが一覧表示されています(モデル作成プロセスの中の順序で並んでいます)。

Status 説明
「Sent」アイコンのイメージ Sent モデル・リクエストが、ルックアライク・モデラーに配信されました。
「Ramping」アイコンのイメージ Ramping このモデルはファーストパーティ・データを使用しており、現在モデラーによって処理されています。データの収集が完了すると、ステータスは「Creating」状態に切り替わります。ファーストパーティ・データを含む後続のモデル・リクエストには、この収集時間は必要なく、標準の期間である1週間以内に処理されます。収集は、サードパーティ・データのみを含むモデル・リクエストには適用されません。
「Creating」アイコンのイメージ Creating ベンダーがモデル・リクエストを受信し、現在、モデルが作成処理中です。ベンダーは、ルックアライク・モデリング・データを配信するために、次のことを行います。
  1. ルックアライク・パートナは、モデルの作成を完了すると、モデル・リクエストで指定されたモデル化カテゴリにルックアライク・ユーザーのオンライン・プロファイルをマッピングするためのオフライン・ファイルを作成します。
  2. ルックアライク・パートナが、オフライン・ファイルをOracle Data Cloudアップロード・サーバーに置きます。その後、24から48時間以内に、ルックアライク・パートナのタクソノミの中の新しいモデル化カテゴリに、ルックアライク・ユーザーがオンボーディングされます。Oracle Data Cloudの作成済ルールによって、オフライン・ファイルのユーザーが、新しいモデル化カテゴリにマッピングされます。
  3. そして、新しいモデル化カテゴリが、あなたのタクソノミにホワイトリスト登録されます。
「Active」アイコンのイメージ Active ルックアライクを表すカテゴリがタクソノミのOracle Modeling 360- Privateノードに追加されました。モデルは、毎週継続的に更新されます。
「Pending」アイコンのイメージ Pending Info モデルは、追加情報の待ち状態であり、アクティブ化できません。通常、これは、モデル・リクエストに十分なデータが含まれていないことを意味します。詳細は、My Oracle Support (MOS)に連絡してください。
「Disabled」アイコンのイメージ Disabled Oracle Data Cloudパートナ・シートのユーザーによってモデルが無効化されています。

「Models」ページには、割り当てられている50の内、作成したモデルの数も表示されます。また、ID、名前、プロファイル、カテゴリ、モデル・リクエストのラベル、モデルを作成したユーザー、モデルの作成日およびモデルの最終更新日を表す列も含まれます。モデルは、これらの列を使用してソートしたり、名前とステータスに基づいてフィルタをかけることができます。

モデルの無効化

アクティブ・モデルを無効にして、モデルの継続的なトレーニングと、ルックアライク・カテゴリのユーザーの更新を停止できます。よりビジネス目標に適した別のモデルを使用する場合に、アクティブ・モデルを無効化するかもしれません。

モデルを無効にするには、無効にするモデルのチェック・ボックスを選択し、「Disable」をクリックして、確認ダイアログで「Disable」をクリックします。

無効化されたモデルのアクティブ化

無効化されたモデルをアクティブ化して、モデルの再トレーニングと更新を開始するには、そのチェック・ボックスを選択し、「Enable」をクリックします。再アクティブ化されたモデルは、現在のデータ・セットに基づいて再トレーニングされます。ルックアライク・カテゴリが使用可能となり、Active状態となる前に、新しいモデルが作成されるのを待機する必要があります。

モデルの詳細の表示

モデルをクリックして、作成中のモデル・カテゴリ、モデル・ベンダーおよびシグナル・オーディエンスに関する情報を含む、モデルの詳細なサマリーを表示できます。

選択したモデルの詳細が表示されたイメージ

ルックアライク・モデルのアクティブ化

ルックアライク・カテゴリがタクソノミに追加されたら、それらをターゲット・オーディエンスに追加して、複数のメディア実行プラットフォームをまたいで配信できます。プライベート・タクソノミ内のファーストパーティ・モデル(シグナル・オーディエンスおよびプレディクタが1pのみ)のルックアライク・カテゴリは、「Oracle Modeling 360」というカテゴリの下にあります。サードパーティ・モデル(シグナル・オーディエンスやプレディクタに3pが含まれる)のルックアライク・カテゴリは、「Oracle Modeling 360 - Private」「<自分のシート名>」「Shared Data」にあります。詳細は、ここをクリックしてください。