顧客固有のGL残高キューブのディメンション値に関する考慮事項
キューブを作成する際は、顧客が定義するディメンションと、部分的または完全に事前定義されているディメンションを考慮します。
「勘定体系」および「シナリオ」ディメンションには、顧客固有のディメンション値を設定するため、ユーザーの手順によるキューブの移入が必要です。「会計期間」、「通貨」および「元帳」の各ディメンションは顧客固有ですが、該当するユーザー・インタフェースで加えられた変更からキューブに自動的に作成されます。「金額タイプ」や「残高金額」などのその他のディメンションには、事前定義のメンバーのみが含まれます。
「勘定体系」および「シナリオ」ディメンション・メンバーに対してキューブを設定および移入する際には、次の点を考慮してください。
勘定科目階層の作成
値セット、勘定体系および値の設定後に、「勘定科目階層の管理」ページまたは「ツリーおよびツリー・バージョンの管理」ページで「勘定体系」ディメンションの勘定科目階層を作成します。値セットの値間の管理、法的または地理的な関連を識別するための勘定科目階層(ツリー)を作成します。時間の経過による各階層内の組織の変化を反映するために、有効日ツリー・バージョンを定義します。
勘定科目階層を作成するには、「設定および保守」領域で次の項目に移動します。
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オファリング: 財務
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機能領域: 財務レポート体系
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タスク: 勘定科目階層の管理
勘定科目階層の公開
ツリー・バージョンを定義したら、勘定科目階層(ツリー・バージョン)をキューブに公開します。公開する前に、GL: セグメント値摘要にキューブ別名を設定というプロファイル・オプションを設定します。このプロファイル・オプションの設定時には、次の点を考慮してください。
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GL残高キューブに表示されるメンバー別名。
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はい: セグメント値摘要のみが表示されます(例: Cash)。
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いいえ: セグメント値およびセグメント値摘要が表示されます(例: 1110 Cash)。
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プロファイル・オプション設定を変更した場合は、階層を再公開してください。
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デフォルト値は「いいえ」です。同じ値セット内に重複するセグメント値摘要がある場合は、「いいえ」を選択する必要があります。摘要は、キューブの「別名」に格納されます。別名はキューブ内のディメンションで一意である必要があります。たとえば、「コスト・センター」値セットの複数のセグメント値に「West」という摘要が存在する場合、キューブの作成プロセス全体が失敗します。
ノート: Essbaseキューブでは、摘要の最初の80文字のみが表示されるため、摘要の最初の80文字が一意である必要があります。 -
重複するセグメント値摘要が存在する場合は、このプロファイルを「いいえ」に設定してキューブを作成できます。重複が削除されたら、いつでもプロファイルの値を「はい」に変更できます。その際は、勘定科目階層(ツリー・バージョン)をキューブに公開または再公開する必要があります。
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このプロファイル値を「はい」に設定して、エンタープライズ・スケジューラのプロセス実行からキューブを再構築したり、会計構成を発行してキューブを作成したときに、重複する摘要が存在する場合は、キューブの作成プロセスでエラーが発生します。この時点では2つのオプションがあります。
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プロファイル値を「いいえ」に設定して、「キューブの作成」プロセスを実行します。新しい勘定体系と会計カレンダの組合せが設定された新しい元帳に対して、会計構成を発行します。
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単一のセグメントのみでなく、すべてのディメンションにわたって重複を削除します。その後、「キューブの作成」プロセスを実行するか、会計構成を再発行します。
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「設定および保守」作業領域で、次の項目に移動します。
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オファリング: 財務
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機能領域: 財務レポート体系
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タスク: 勘定科目階層の公開
「勘定科目階層の公開」ページを使用して、勘定科目階層を検索して公開します。
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「公開」チェック・ボックスを選択します。これは、チェック・ボックスを選択して残高キューブに含める内容を示したり、チェック・ボックスの選択を解除して残高キューブに含めない内容を示すインジケータです。
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行を選択します。複数の行を選択できる機能が用意されています。
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「公開」ボタンを選択して、残高キューブを更新します。プロセスが生成されます。
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「スケジュール済プロセス」作業領域からプロセスを監視します。
「シナリオ」ディメンション・メンバーの定義
顧客固有の「シナリオ」ディメンション・メンバーは、「値セットの管理」ページおよび「値の管理」ページの会計シナリオという値セットで定義します。顧客固有の「シナリオ」ディメンションは、すべての残高キューブに含まれます。
ベスト・プラクティスとして、最初の元帳を作成し、残高キューブが生成される「会計構成」プロセスを実行する前に、顧客固有の「シナリオ」メンバーをこの値セットで設定することをお薦めします。キューブがすでに存在する場合は、「シナリオ・ディメンション・メンバーの作成」プロセスを実行すると、新しいメンバーに対して残高キューブを更新できます。