ロックボックスと相互通貨入金
ロックボックスを使用して、入金とトランザクションの通貨が異なる場合に入金をインポートして消し込むことができます。
換算レート情報
ロックボックスでは、銀行伝送ファイルで次のフィールド・タイプを使用して、固定レート関係のない通貨間の相互通貨入金を消し込みます。
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消込トランザクション金額(amount_applied): トランザクション通貨で消し込む入金額。
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消込入金額(amount_applied_from): 入金通貨で消し込む入金額。
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換算レート(trans_to_receipt_rate): 2つの通貨間の換算レート。
これらのすべての値が伝送ファイルに存在する場合、ロックボックスは、次の計算が正しいことを検証して、入金のインポート前に金額に矛盾がないことを確認します。
amount_applied * trans_to_receipt_rate = amount_applied_from
amount_applied_from / trans_to_receipt_rate = amount_applied
ロックボックスが相互通貨入金を消し込むために使用する算式は、次のとおりです。
Transaction Amount Applied * Conversion Rate = Receipt Amount Applied
入金通貨とトランザクション通貨に固定レート関係がある場合、ロックボックス伝送ファイルには、入金に消し込むための消込トランザクション金額または消込入金額のみが必要です。
入金通貨とトランザクション通貨に固定レート関係がない場合、ロックボックス伝送ファイルでは、入金を消し込むために、換算レートが存在するか、換算レートを決定できる必要があります。
換算レートに加え、消込トランザクション金額または消込入金額のいずれかが欠落している場合、ロックボックスは、「相互通貨レート・タイプ」システム・オプションの設定を使用して、レートと他の欠落値を導出するか、入金を拒否します。
この表は、銀行伝送ファイルで提供される情報の様々な組合せに基づいて、ロックボックスが換算レートと入金消込を処理する方法を示しています。
伝送ファイルで提供される情報 |
処理 |
結果 |
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すべての値が正しいことを検証します。 |
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使用する換算レートを計算するか、一般会計からレートを導出します。 |
入金を消し込みます。 |
固定レート関係:
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欠落している1つ以上の値を計算します。 |
入金を消し込みます。 |
変動レート関係:
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欠落している値を計算します。 |
入金を消し込みます。 |
固定レート関係:
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固定換算レートを導出し、欠落している値を計算します。 |
入金を消し込みます。 |
変動レート関係:
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「相互通貨レート・タイプ」システム・オプションを参照してください。 |
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送金額の端数処理
銀行伝送ファイルで支払金額を合計するために顧客が使用している方法は、ロックボックスで相互通貨入金を全額消し込むことができるかどうかに影響する可能性があります。
端数処理金額の差異
顧客がそれぞれ1000 EURの3つの請求書を持っています。顧客は各請求書金額を加算して、その合計をUSDに換算します。使用される換算レートは、1 EUR = .860956 USDです。
各請求書金額を加算してその合計を換算した結果は、次のとおりです。
Transaction * Rate = Amount (in receipt currency)
3000.00 EUR * .860956 = 2,582.87 USD (rounded)
この方法は数学的には正しいのですが、ロックボックスは、送金額を計算するのに別の手順を使用します。その手順は次のとおりです。
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各トランザクションを入金通貨に換算します。
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入金通貨で各金額を加算します。
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合計を消込入金額(amount_applied_from)として送金します。
同じインボイスと換算レートを使用した場合、この手順の結果は次のとおりです。
Transaction * Rate = Amount (in receipt currency)
1,000.00 EUR * .860956 = 860.96 USD (rounded)
1,000.00 EUR * .860956 = 860.96 USD (rounded)
1,000.00 EUR * .860956 = 860.96 USD (rounded)
合計は2,582.88 USDです。
銀行伝送ファイルに入力されている消込入金額(amount_applied_from)は、2582.87ですが、ロックボックスでは、消込入金額が2582.88と計算されます。この差異の結果、ロックボックスでは.01の未消込が残り、請求書の1つがオープンのままになります。
このような差異発生の可能性を回避するため、送金額がロックボックスと同じ方法を使用して計算されるように、顧客とビジネス手順を確立しておくのがベスト・プラクティスです。