スコアリング・モデル計算の定義方法
「スコアリング・モデル」ページを使用して、顧客または顧客アカウントのクレジット・スコア計算で使用するスコアリング・モデルを作成および更新します。
クレジット・スコアのスコアリング・モデル計算には、スコアリング・モデルの各データ・ポイントに割り当てられた、次のスコアリング属性が使用されます。
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データ・ポイントの値範囲。
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各データ・ポイントの値範囲に割り当てられたスコア。
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各データ・ポイントに割り当てられた加重。
データ・ポイント、その相対加重およびその各値範囲のスコア全体が、クレジット・スコアを得るために使用されるスコアリング・モデルの計算です。
スコアの割当
スコアリング・モデルに含まれるデータ・ポイントごとに、値範囲と各範囲に対応するスコアを割り当てる必要があります。データ・ポイントの値範囲は、通常、信用リスクのレベルを表します。
範囲については、スコア可データ・ポイントの行ごとに1つの範囲値を入力して、数値範囲と英数字の範囲を入力できます。
スコアには、数値を入力する必要があります。対応する信用リスクは、並べ方に応じて、昇順または降順の数値スコアの結果になります。
この表は、請求書遅延支払済パーセント・データ・ポイントの範囲とスコアの例を示しています。
信用リスク |
範囲: 自 |
範囲: 至 |
スコア |
---|---|---|---|
低 |
0 |
10 |
100 |
中 |
10 |
60 |
50 |
高 |
60 |
100 |
0 |
この表は、「売上債権回転日数」(DSO)データ・ポイントの範囲とスコアの例を示しています。
信用リスク |
範囲: 自 |
範囲: 至 |
スコア |
---|---|---|---|
低 |
0 |
10 |
100 |
中 |
10 |
25 |
60 |
高 |
25 |
50 |
25 |
最高 |
50 |
100 |
10 |
加重の割当
スコアリング・モデルの各データ・ポイントの相対的な重要度を示すために、各データ・ポイントに重み付けファクタを割り当てます。相対的な重要度の定義は、スコアリング・モデルの使用の計画方法によって異なります。
たとえば、スコアリング・モデルを作成して、自社との長年の与信履歴がある既存の顧客に対して信用限度額増加を決定する場合は、より高い重み付けファクタを請求書遅延支払済パーセント・データ・ポイントに割り当て、より低い重み付けファクタを、たとえば信用機関のスコアや評価を表すデータ・ポイントなどに割り当てることができます。
この例で続行するために、この表は、請求書遅延支払済パーセント・データ・ポイントと「売上債権回転日数」(DSO)データ・ポイントの2つのデータ・ポイントの可能な重み付けファクタを示しています。
データ・ポイント |
加重 |
---|---|
請求書遅延支払済パーセント |
75 |
売上債権回転日数(DSO) |
25 |
この例では、各加重が次のようにクレジット・スコア合計に影響します。
-
請求書遅延支払済パーセントの加重は75/(25+75)=75%、つまり0.75
-
「売上債権回転日数」(DSO)の加重は25/(25+75)=25%、つまり0.25
請求書遅延支払済パーセントの加重は、合計クレジット・スコアに向けて75%寄与します。「売上債権回転日数」(DSO)の加重は、合計クレジット・スコアに向けて25%寄与します。
スコアの計算
このスコアリングの例は、前述の例で定義されたスコアリング・モデルに基づくクレジット・スコアの計算方法を示しています。
クレジット・スコアの計算は、加重獲得ポイントの合計をパーセントで表したものです。獲得ポイントは、データ・ポイントの値に割り当てられるスコアであり、データ・ポイントの範囲に割り当てられたスコアによって決まります。加重獲得ポイントは、獲得ポイントとデータ・ポイントに割り当てられた加重の積です。
この表は、このスコアリング・モデルを使用するクレジット事例フォルダの獲得ポイントを示しています。
カテゴリ |
データ・ポイント |
値 |
獲得ポイント |
---|---|---|---|
請求および支払 |
請求書遅延支払済パーセント |
57% |
50 |
請求および支払 |
売上債権回転日数(DSO) |
15日 |
60 |
この顧客の請求書遅延支払済のパーセントは57%で、スコアリング・モデルでは10% > 60% の中リスク範囲になります。この範囲に割り当てられたスコアは50で、獲得ポイントは50です。
スコアリング・モデルでこのデータ・ポイントに割り当てられた加重は、75%、つまり.75です。請求書遅延支払済パーセント・データ・ポイントの加重獲得ポイント(獲得ポイントx加重)は、50 x .75 = 37.5となります。
この顧客の「売上債権回転日数」(DSO)は15日で、スコアリング・モデルでは10 > 25日の中リスク範囲になります。この範囲に割り当てられたスコアは60であるため、獲得ポイントは60です。
スコアリング・モデルでこのデータ・ポイントに割り当てられた加重は、25%、つまり.25です。「売上債権回転日数」(DSO)データ・ポイントの加重獲得ポイント(獲得ポイントx加重)は、60 x .25 = 15となります。
加重獲得ポイントの合計をパーセントで表したクレジット・スコアの算式は、次のようになります。
Credit score = points earned 1 x weight 1 (in percentage) + points earned 2 x weight 2 (in percentage) + ...
この場合、獲得ポイント1 = 50、加重1 (パーセント)は0.75、獲得ポイント2 = 60、加重2 (パーセント)は0.25です。つまり、次のようになります。
クレジット・スコア= 50x0.75 + 60x0.25 = 52.5 (全体を100とした場合)