支払ベースの偶発収益

支払ベースの偶発収益の収益認識は、オープン・トランザクションに対して行われた支払に依存します。顧客や、支払を受け入れた場合にのみ収益が認識されるようにする特定のトランザクションに対しては、支払ベースの偶発を使用します。

トランザクションまたはトランザクション明細に支払ベースの偶発が含まれる場合、次のルールが適用されます。

  • Receivablesでは、まず、税金、運送費および延滞手数料を除くすべての明細残高の合計に関して収益を繰り延べます。

    支払ベースの偶発が1明細にのみ存在し、かつ、次のいずれかの状況に該当する場合、Receivablesでは、関連する明細についてのみ収益を繰り延べます。

    • 支払ベースの偶発がデフォルトでトランザクションのすべての明細に割り当てられ、かつ、特定の明細の偶発が手動で失効した場合。

    • 支払ベースの偶発が1つ以上の明細に手動で適用された場合。

  • 自動インボイス・インポート中、インポートされたトランザクションに対する入金の全額または一部消込によって、以前の繰延収益の自動認識がトリガーされる場合があります。このような場合、Receivablesでは、消し込まれた入金の金額で、前受収益勘定から該当する実現収益勘定への収益配分が開始されます。

  • 支払ベースの偶発を含むトランザクションに入金を消し込む場合、認識される収益合計金額がトランザクションの当初未払金額または消込可能なクレジット・メモを超えることはありません。

  • 後で入金の戻し処理が必要になった場合は、Receivablesによって戻し処理済入金の金額が前受収益勘定に自動的に戻されます。

支払ベースの偶発の使用

支払ベースの収益管理は、トランザクションに繰延収益が存在するときに、信用価値、拡張支払条件、不良回収の可能性といった偶発収益が原因で発生します。

  • 信用価値: 信用価値がないことを示す与信分類を顧客プロファイルまたはサイト・プロファイルに割り当てることができます。また、そのような与信分類を3つまで収益ポリシーに割り当てることができます。

    Receivablesがトランザクションの顧客をこのいずれの与信分類にも関連付けることができない場合、その顧客は信用価値があるとみなされます。Receivablesが顧客をこのいずれかの与信分類と関連付けることができる場合、信用価値の偶発がすべてのトランザクション明細に割り当てられ、トランザクション金額全体が繰り延べられます。

  • 拡張支払条件: 収益ポリシーに支払条件しきいを定義します。

    トランザクションの支払条件が定義されたしきい値を超える場合、Receivablesは拡張支払条件の偶発をすべてのトランザクション明細に割り当て、トランザクション金額全体を繰り延べます。

  • 不良回収の可能性: 通常、延滞手数料の回収可能性は不確実であるため、支払を受け入れるまでは実現収益とみなされません。

    不良回収の可能性についての決定は、通常、自動インボイスによるインポートが発生する前に、フィーダ・システムで行われます。

これらの偶発と時間ベースの偶発の組合せが原因で、繰延収益がトランザクションに存在する可能性があります。そのような場合は、時間ベースの偶発が失効した場合にのみ、消込支払が収益認識を開始します。

次の場合、入金消込は収益認識に影響を与えません。

  • その他入金を消し込む場合。収益認識の対象となるのは標準入金のみです。

  • 手動で繰り延べた収益があるトランザクションに対して入金を消し込む場合。

  • 時間ベースの偶発が失効していないために繰り延べられた収益があるトランザクションに対して入金を消し込む場合。

    この場合、Receivablesによってトランザクションまたはトランザクション明細の収益金額が前受収益勘定で保守されますが、偶発が失効するまで、トランザクションには収益認識保留中のマークが付けられます。

「未収」トランザクションにおける支払ベースの偶発

支払ベースの偶発を使用して、「未収」請求ルールを使用するトランザクションの収益を認識できます。通常の「未収」請求ルールでは、トランザクション明細に割り当てられた収益スケジューリング・ルールに基づいて収益が認識されます。

トランザクション明細に支払ベースの偶発収益を割り当てると、これにより、支払が受領されるまで収益認識が一時的に繰り延べられます。

ノート: 収益スケジューリング・ルールの「繰延収益」オプションが有効になっているトランザクション明細に、支払ベースの偶発を割り当てることはできません。これらのトランザクション明細の収益は、「収益修正の管理」ページを使用して手動でスケジュールする必要があります。

「未収」請求ルールを使用するトランザクションに支払ベースの偶発を割り当てることを可能にするには:

  1. 「売掛/未収金参照の管理」ページにナビゲートします。

  2. AR_FEATURES参照タイプを検索します。

  3. AR_FEATURESの下にAR_CONT_INV_INARREARS_RULE参照を作成して有効にします。

入金の一部消込を「未収」トランザクションに対して行う場合、支払ベースの偶発を含むトランザクション明細に配賦された金額は、偶発の除去の対象となります。消込済入金額は、繰延金額に比例して収益スケジューリング期間に按分されます。

「未収」トランザクションに対するクレジット・メモや修正など、偶発収益の作成後の活動は、前受収益に対する控除として処理されます。対応する金額が、活動会計の一部として前受収益勘定から戻し処理されます。