複数期間会計

複数期間会計により、単一の会計イベントに対して、複数の会計期間にわたる会計仕訳を作成することができます。この機能は主に、複数の会計期間にわたって、収益または前払費用の認識を繰り延べるために使用されます。

次のことができます。

  • 複数の会計期間に金額を配分する方法を決定できます。

  • 前払費用または繰延勘定を指定できます。

  • 最終仕訳を作成および転記する前に、複数期間仕訳をプレビューできます。

    • 「複数期間会計の作成」プロセスをドラフト・モードで発行できます。

    • 「複数期間会計の作成実行レポート」で複数期間仕訳をレビューできます。

    ノート: 1つの会計期間の複数期間仕訳のみをプレビューできます。

複数期間会計プロセスのフロー

この図は、複数期間会計プロセスのフローを示しています。

この図は、複数期間会計プロセスのフローを示しています。
  1. 複数期間会計の日付範囲を指定したトランザクションを入力します。

  2. 会計イベントを作成します。トランザクション・オブジェクトで複数期間会計の開始日と終了日を作成します。

  3. 「会計の作成」プロセスを発行します。

    • 最初の仕訳に対して作成された最終仕訳ですか。はい

      • 「会計の作成」プロセスを発行して複数期間仕訳を生成します。

    • 最初の仕訳に対して作成された最終仕訳ですか。いいえ

      • 最初の仕訳のために作成されたドラフト仕訳ですか。はい

        • 例外を解決します。

      • 最初の仕訳のために作成されたドラフト仕訳ですか。いいえ

        • 「複数期間会計の作成」プロセスを発行して複数期間仕訳を生成します。

実装ステップ

実装ステップ・プロセスのフロー

この図は、実装ステップを示しています。

この図は、実装ステップを示しています。
  1. 入力金額を複数の会計期間に配分する方法を決定するユーザー定義算式を定義します。必要に応じて、事前定義された複数期間の新しいソースを使用できます。たとえば:

    • 複数期間当初入力金額

    • 複数期間認識済入力金額

    • 複数期間会計の最終日

    • 現会計期間の日数

    「会計属性の管理」タスクの「入力金額」会計属性に算式またはソースを割り当てます。

  2. 次の各会計属性にソースを割り当て、複数期間の日付範囲を示します。
    • 複数期間開始日
    • 複数期間終了日
  3. 「補助元帳会計参照の管理」タスクを使用して、複数期間区分を定義します。

    • 参照タイプ: ORA_XLA_MULTIPERIOD_CLASS

  4. 複数期間区分を指定する繰延仕訳用に、複数期間ではない仕訳明細ルールを定義します。このルールは、繰延勘定に手数料金額を転記するために使用されます。

    見越入力の非複数期間仕訳明細ルールを定義します。
    • 「複数期間」オプションを使用不可にして、複数期間区分を指定します。
    • 見越計上金額があるソースを「入力済金額」会計属性に割り当てます。
    • 関連するソースを「複数期間開始日」と「複数期間終了日」会計属性に割り当てます。
  5. 認識仕訳用に、複数期間の仕訳明細ルールを定義します。

    • 「複数期間」オプションを有効にし、前述のステップ4で作成した非複数期間仕訳明細ルールと同じ複数期間区分を割り当てます。

    • 「入力金額」会計属性にユーザー定義算式を割り当てます。

    • 関連するソースを「複数期間開始日」と「複数期間終了日」会計属性に割り当てます。

  6. 両方の仕訳明細ルールを、次とともに同じ仕訳ルール・セットに割り当てます。

    • 複数期間ではない仕訳明細ルールに割り当てられる繰延勘定ルール。

    • 複数期間の仕訳明細ルールに割り当てられる収益または費用の勘定ルール。

  7. 会計処理基準に仕訳ルール・セットを割り当てます。

  8. 「複数期間会計の作成」プロセスを、「会計の作成」プロセスの後で実行するようにスケジュールすることで、認識仕訳を各期間に正しく記帳します。いずれかの補助元帳レベル・セカンダリ元帳に複数期間会計も実装されている場合は、プライマリ元帳とその各補助元帳レベル・セカンダリ元帳に対して「複数期間会計の作成」プロセスをスケジュールする必要があります。