23 HCMデータ・ローダーおよびHCMスプレッドシート・データ・ローダーのベスト・プラクティス

この章の内容は次のとおりです。

HCMデータ・ローダーのベスト・プラクティス: 考慮する点

このトピックでは、データ・ロードのいくつかのベスト・プラクティスについて説明します。HCMデータ・ローダーを使用したデータの作成および保守を正常に実施するために、次の推奨事項に従ってください。

ソース・キー

ソース・キーは、すべての実装に使用可能な推奨されるキー・タイプです。データを作成するときにソース・キーを指定すると、ソース・キーを使用して、該当のデータを更新したり、単に参照することもできます。

ユーザー・キーのみを使用してオブジェクトを識別する場合、一部のオブジェクトは更新できません。たとえば、ユーザー・キーのみを指定する場合、就業者オブジェクトのほとんどのコンポーネントは更新できません。変更対象となる属性は、通常、レコードの識別に使用される属性です。たとえば、個人住所コンポーネントでは、更新する住所の識別と新しい値の指定の両方にAddressLine1属性が使用されます。したがって、可能な場合は、常にソース・キーを使用することをお薦めします。

データ移行

HCMデータ・ローダーを使用してビジネス・オブジェクトを作成する場合は、次のようにします。

  • .zipファイルごとに1つのオブジェクト・タイプを提供します。たとえば、.zipファイルをジョブに対して1つ、等級に対して1つ、就業者に対して1つ、などのように作成します。データ参照エラーを回避するには、確実に正しい順序で.zipファイルをロードし、次のファイルをロードする前にすべてのエラーを修正する必要があります。

  • 特に、大量のデータをロードする場合は、必要でなくなったデータ・セットのステージ表データを定期的にパージします。

  • 有効日データを作成するためのルールを理解し、これに従います。

オブジェクトの更新

HCMデータ・ローダーを使用してビジネス・オブジェクトを更新する場合は、次のようにします。

  • 有効日データを保守するためのルールを理解し、これに従います。特に、既存の先日付の変更がすべて保持されるように、常にSET PURGE_FUTURE_CHANGES N命令を.datファイルに含めてください。

  • 同じ.zipファイルで、すべてのビジネス・オブジェクト・ファイルを提供します。これらはHCMデータ・ローダーによって正しい順序で処理されます。参照先となるデータは、それを参照するデータよりも前にロードされます。

    注意: ビジネス・オブジェクト・ファイル間に依存性が存在する場合は、METADATA行に、依存オブジェクトを参照するサロゲートID属性を含めます。

    たとえば、Worker.datファイルとJob.datファイルの両方を一緒にロードする場合があります。就業者オブジェクトに新規ジョブへの参照が含まれる場合は、Worker.datファイルのMETADATA行にJobId属性を含める必要があります。このルールは、ユーザー・キーも指定する場合にも適用されます。JobId属性の値を指定する必要はありません。この属性をMETADATA行に含めることによって、HCMデータ・ローダーが依存性を識別できます。

  • 変更されたすべての属性値、および更新するレコードへの一意の参照を指定します。また、ファイル内のオブジェクト間に依存性が存在する場合は、METADATA行にサロゲートID属性を含めます。それ以外の場合、.datファイルのMETADATA行に未変更のオプション属性を含めないでください。HCMデータ・ローダーでは、METADATA行のすべての属性名が検証されます。データを指定しない属性を含めると、パフォーマンスに悪影響を与えます。

  • 同じファイル内の同じレコードに、DELETEとMERGEの両方の命令を含めないでください。HCMデータ・ローダーでは、ファイル行の処理順序は保証されません。

ステージ表の維持: 概要

大量のデータをOracle HCM Cloudにロードすると、ステージ表が急速に拡大する可能性があります。ステージ表で必要なくなった、処理済のデータ・セットは削除することをお薦めします。ステージ表から処理済のデータ・セットを削除する頻度は、データ・ロードのボリュームおよび頻度によって異なります。大規模なデータ・セットは、データ移行中、それぞれの処理が完了する都度削除することを検討してください。このトピックでは、データ・ロードでのステージ表の役割について説明し、最適なパフォーマンスを得るためのステージ表の維持方法を要約しています。

Oracle HCM Cloudにデータをロードする方法

次の図は、アプリケーション表へのデータのロード方法を示しています。

HCMデータ・ローダーまたはHCMスプレッドシート・データ・ローダーを使用してロードしたデータは、最初に、一部の検証が実行されるステージ表にインポートされます。HCMスプレッドシート・データ・ローダーには専用のステージ表があり、そこから有効なデータがHCMデータ・ローダー・ステージ表にロードされます。有効なデータはHCMデータ・ローダー・ステージ表からアプリケーション表にロードされます。

この図は2つのフローを示しています。1つ目は、
HCMスプレッドシート・データ・ローダーから専用のステージ表へのフローで、
そこからHCMデータ・ローダー・ステージ表にデータがロードされます。2つ目は、
HCMデータ・ローダーからHCMデータ・ローダー・ステージ表への直接のフローです。どちらのフローでも、
データはHCMデータ・ローダー・ステージ表からアプリケーション表に
ロードされます。

ステージ表からの処理済データ・セットの削除

両方のステージ表から、処理済のデータ・セットを削除できます。データ・セットを削除するには、次のようにします。

  • HCMスプレッドシート・データ・ローダー・ステージ表の場合、「スプレッドシート・ステージ表データの削除」タスクを使用します

  • HCMデータ・ローダー・ステージ表の場合、「ステージ表データの削除」タスクを使用します

どちらのタスクも、「データ交換」作業領域で実行します。

注意: HCMスプレッドシート・データ・ローダー・ステージ表から処理済のデータ・セットを削除すると、HCMデータ・ローダー・ステージ表からも自動的に削除されます。HCMデータ・ローダー・ステージ表から明示的にスプレッドシート・データ・セットを削除することもできます。この場合、HCMスプレッドシート・データ・ローダー・ステージ表では、引き続き使用可能です。

次のものを削除できます。

  • 個々のデータ・セット

  • 指定された基準に現在一致しているすべてのデータ・セット

定期的な削除要求をスケジュールすることもできます。たとえば、指定された基準に一致するすべてのデータ・セットの週次削除をスケジュールできます。

削除されたデータ・セットはリカバリできません。そのため、レポートするデータ・セットまたはエラー情報を抽出するデータ・セットは削除しないでください。

HCMデータ・ローダー・ステージ表の維持: 手順

このトピックでは、データ・セットを即時に削除するか、または定期的な削除要求をスケジュールすることによって、HCMデータ・ローダーのステージ表を維持する方法について説明します。

「データのインポートおよびロード」ページでの1つのデータ・セットの削除

「データのインポートおよびロード」ページでステージ表から1つのデータ・セットを削除するには、次の手順に従います。

  1. 「データ交換」作業領域の「タスク」パネル・タブで、「データのインポートおよびロード」を選択します。

  2. 削除するデータ・セットを検索して選択します。

  3. 「検索結果」セクションで、選択したデータ・セットの「削除」アイコンをクリックします。

  4. 「要求の予定」ダイアログ・ボックスで、「ソース・ファイルの削除」パラメータを「はい」に設定し、Oracle WebCenter Contentサーバーからソース・ファイルを削除します。

    注意: ソース・ファイルを削除しなくても、ステージ表からデータを削除できます。「ソース・ファイルの削除」パラメータを「はい」に設定してこのデータ・セットをロードした場合、このソース・ファイルはすでに削除されています。この場合、「要求の予定」ダイアログ・ボックスで「はい」を選択しても何も影響はありません。
  5. 「送信」をクリックします。削除プロセスのIDが表示されます。

  6. 「OK」をクリックして、「確認」ダイアログ・ボックスを閉じます。

「ステージ表データの削除」ページでの複数のデータ・セットの削除

ステージ表から1つ以上のデータ・セットを即時に削除できます。または、定期的な削除プロセスをスケジュールすることもできます。次の手順に従います。

  1. 「データ交換」作業領域の「タスク」パネル・タブで、「ステージ表データの削除」を選択します。

  2. 「ステージ表データの削除」ページで、データ・セット基準を設定し、削除するデータ・セットを特定します。次の表は、主な基準を示しています。

    フィールド 説明

    最終更新以降の日数

    データ・セットの最後の更新日以降の日数を指定します。たとえば、直近の週に更新されなかったすべてのデータ・セットを識別するには、このフィールドを7に設定します。デフォルト値は30、最大値は60、最小値は1です。

    ファイル・タイプ

    次のいずれかを選択します。

    • 圧縮DATファイル

    • スプレッドシート

    インポート・ステータス

    ステータスを選択します。たとえば、正常にインポートされたデータ・セットをリストするには、「成功」に設定します。

    データ・セット

    特定のデータ・セットを指定します。

    作成者

    データ・セットを作成したユーザーのユーザー名を入力します。

    ロード・ステータス

    ステータスを選択します。たとえば、正常にロードされたデータ・セットをリストするには、「成功」に設定します。

    コンテンツID

    Oracle WebCenter Content IDを入力します。

  3. 「現在の結果の表示」をクリックします。

  4. 「データ・セット」表のすべてのデータ・セットを即時に削除するには、次のようにします。

    1. 「削除の予定」をクリックします。

    2. 「要求の予定」ページの「パラメータ」タブに、「ステージ表データの削除」ページのデータ・セット基準が表示されます。「要求の予定」ページではこれらの値を編集できません。

      ヒント: データ・セット基準を変更するには、「ステージ表データの削除」ページでデータ・セット基準を編集し、「現在の結果の表示」をクリックして、再度「削除の予定」をクリックします。「削除の予定」をクリックする前に、「現在の結果の表示」をクリックする必要があります。そうしないと、「要求の予定」ページの「パラメータ」タブのパラメータが更新されません。
    3. デフォルトでデータ・セットのソース・ファイルがOracle WebCenter Contentサーバーから削除されます。ソース・ファイルを保持するには、「ソース・ファイルの削除」パラメータを「いいえ」に設定します。

    4. 「送信」をクリックします。削除プロセスのIDが表示されます。

  5. 指定された基準に一致するすべてのデータ・セットに対して定期的な削除プロセスをスケジュールするには、次のようにします。

    1. 「ステージ表データの削除」ページで「削除の予定」をクリックします。

    2. 「要求の予定」ページで、「スケジュール」タブをクリックします。

    3. 「実行」「スケジュールの使用」に設定します。

    4. 削除プロセスの頻度を指定します。たとえば、直近の7日間更新されなかったすべてのデータ・セットを削除するには、週次で実行するようにプロセスをスケジュールできます。

    5. 開始日と終了日を入力します。

      注意: 開始日が明日の日付である場合、プロセスは明日実行された後、終了日まで指定された間隔(週次など)で実行されます。開始日が本日の日付である場合、プロセスは頻度が週次であると仮定して、1週間後に初めて実行されます。
    6. 「送信」をクリックします。

削除プロセスのステータスをレビューするには、「ステージ表データの削除」ページの「プロセスのレビュー」をクリックします。プロセスのログ・ファイルに要求パラメータが表示され、削除されたデータ・セットが示されます。定期的な削除要求は、「待機」ステータスの親プロセスとともに「プロセス」ページに表示されます。親プロセスは、スケジュールされた削除要求ごとに子プロセスを開始します。

スプレッドシート・データ・セットの削除

「ステージ表データの削除」ページで「ファイル・タイプ」「スプレッドシート」に設定した場合、検索結果にはスプレッドシート・データ・セットが含まれます。これらのデータ・セットをHCMデータ・ローダー・ステージ表から削除できます。ただし、スプレッドシート・データ・セットは、HCMスプレッドシート・データ・ローダー・ステージ表に引き続き存在します。このため、これらのスプレッドシート・データ・セットは、HCMデータ・ローダー・ステージ表から削除した後も、引き続き編集およびアップロードできます。このようなスプレッドシートは、次に保存またはアップロードしたときに、HCMスプレッドシート・データ・ローダー・ステージ表から再ロードされます。両方のステージ表からスプレッドシート・データ・セットを削除するには、「スプレッドシート・ステージ表データの削除」タスクを使用します。

HCMスプレッドシート・データ・ローダー・ステージ表の維持: 手順

このトピックでは、データ・セットを即時に削除するか、または定期的な削除要求をスケジュールして、HCMスプレッドシート・データ・ローダーのステージ表を維持する方法について説明します。

HCMスプレッドシート・データ・ローダー・ステージ表からのデータ・セットの削除

次の手順に従います。

  1. 「データ交換」作業領域の「タスク」パネル・タブで、「スプレッドシート・ステージ表データの削除」を選択します。

  2. 「スプレッドシート・ステージ表データの削除」ページで、データ・セット基準を設定し、削除するデータ・セットを特定します。次の表は、基準を示しています。

    フィールド 説明

    最終更新以降の日数

    データ・セットの最後の更新日以降の日数を指定します。たとえば、直近の週に更新されなかったすべてのデータ・セットを識別するには、このフィールドを7に設定します。デフォルト値は30、最大値は60、最小値は1です。

    テンプレート

    テンプレートから生成されたスプレッドシートで作成したデータ・セットを特定するには、HCMスプレッドシート・データ・ローダー・テンプレートを選択します。

    データ・セット

    特定のデータ・セットを指定します。複数のスプレッドシートがデータ・セットのロードに使用されている場合、それらのすべてがリストされます。

    ステータス

    次のいずれかを選択します。

    • インポートはエラーありで完了

    • ロードはエラーありで完了

    • ロード・ステータス

    • ロード正常完了

    最終更新者

    データ・セットを最後に更新したユーザーのユーザー名を入力します。

    作成者

    データ・セットを作成したユーザーのユーザー名を入力します。

  3. 「現在の結果の表示」をクリックします。

  4. 1つのデータ・セットを削除するには、「データ・セット」表でデータ・セットを選択し、「削除」アイコンをクリックします。

  5. 「データ・セット」表のすべてのデータ・セットを即時に削除するには、次のようにします。

    1. 「削除の予定」をクリックします。

    2. 「要求の予定」ページの「パラメータ」タブに、「スプレッドシート・ステージ表データの削除」ページのデータ・セット基準が表示されます。「要求の予定」ページではこれらの値を編集できません。

      ヒント: データ・セット基準を変更するには、「スプレッドシート・ステージ表データの削除」ページでデータ・セット基準を編集し、「現在の結果の表示」をクリックして、再度「削除の予定」をクリックします。「削除の予定」をクリックする前に、「現在の結果の表示」をクリックする必要があります。そうしないと、「要求の予定」ページの「パラメータ」タブの基準が更新されません。
    3. 「送信」をクリックします。

  6. 指定された基準に一致するすべてのデータ・セットに対して定期的な削除プロセスをスケジュールするには、次のようにします。

    1. 「スプレッドシート・ステージ表データの削除」ページで「削除の予定」をクリックします。

    2. 「要求の予定」ページで、「スケジュール」タブをクリックします。

    3. 「実行」「スケジュールの使用」に設定します。

    4. 削除プロセスの頻度を指定します。たとえば、直近の7日間更新されなかったすべてのデータ・セットを削除するには、週次で実行するようにプロセスをスケジュールできます。

    5. 開始日と終了日を入力します。

      注意: 開始日が明日の日付である場合、プロセスは明日実行された後、終了日まで指定された頻度(週次など)で実行されます。開始日が本日の日付である場合、プロセスは頻度が週次であると仮定して、1週間後に初めて実行されます。
    6. 「送信」をクリックします。

削除プロセスのステータスをレビューするには、「スプレッドシート・ステージ表データの削除」ページの「プロセスのレビュー」をクリックします。プロセスのログ・ファイルに要求パラメータが含まれ、削除されたデータ・セットが示されます。定期的な削除要求は、「待機」ステータスの親プロセスとともに「プロセス」ページに表示されます。親プロセスは、スケジュールされた削除要求ごとに子プロセスを開始します。

HCMスプレッドシート・データ・ローダー・ステージ表からデータ・セットを削除すると、HCMデータ・ローダー・ステージ表からも削除されます。