24 給与データのロード

この章の内容は次のとおりです。

概要

給与バッチ・ローダー、事前定義済のプロセスおよびWebサービスを使用して、初期の移行や一括データ入力用に給与データをロードできます。また、事前定義済のフローを使用して、タイム・カード、休暇欠勤エントリおよび福利厚生登録の通常のインポートを自動化することもできます。

この概要では、次のデータ・ロード要件を満たすためのオプションについて説明します。

  • 設定データのロード

  • テスト環境と本番環境間での設定データのエクスポートおよびインポート

  • 継続的なデータ・ロード

設定データのロード

実装中にHCMデータ・ローダーを使用して、エレメント・エントリや給与などHCM設定データを移行できます。ただし、次の表に示すように、給与関連のほとんどの設定データおよび就業者データには給与バッチ・ローダーを使用します。データは、スプレッドシートまたはファイルからロードできます。

給与設定データ 就業者データ

バランス・グループ内のバランス

エレメント

Formulaグローバル

オブジェクト・グループ

給与定義

ユーザー定義表

割当済給与

個人支払方法の銀行詳細

エレメント・エントリ

初期バランス値

「給与管理」、「データ交換」または「チェックリスト」作業領域で「バッチ・ローダー」タスクを使用して、次の処理を実行します。

  1. オブジェクト・タイプに固有のワークブック形式でデータを入力するか、変換Formulaを使用してファイルからバッチを作成します。

  2. エントリをステージング表に保存します。

  3. ステージング表のデータを検証します。

  4. 「バッチの転送」フローを送信して、アプリケーション表にデータをロードします。初期バランス値には、かわりに「初期バランスのロード」フローを使用します。

環境間での設定データのエクスポートおよびインポート

通常、最初はテスト環境にデータを移行します。テストが正常に完了したら、次のいずれかのタスクを使用して本番環境にデータを移動できます。

  • 構成パッケージをエクスポートおよびインポートするには、「設定および保守」作業領域で構成パッケージの管理タスクを使用します。

  • エレメントやFormulaなどの、移行する特定のオブジェクトを選択するには、「給与管理」作業領域で「オブジェクトのバッチの作成」プロセスを使用します。

継続的なデータ・ロード

給与バッチ・ローダーおよび事前定義済のバッチ・プロセスを使用して、エレメント・エントリとその他の給与データを継続的にロードできます。フロー処理のWebサービスを使用すると、フローの送信を自動化できます。

給与処理用に給与関連データをロードする場合には、「休暇欠勤バッチのロード」プロセスなど固有のフローがあります。これらのフローでは、インタフェース・タイプと、ロードするデータが含まれているXMLファイルを指定します。

第三者給与プロバイダから処理済の給与データや給与明細などのデータをインポートするには、HCMデータ・ローダーを使用できます。

初期バランスのロード: 説明

別のアプリケーションから給与データを移行するときには、初期バランス値の設定が不可欠なタスクとなります。まず、バランス値をバッチ・ビューにロードし、次に、「給与計算」作業領域から「初期バランスのロード」プロセスを送信します。このプロセスでは、情報を検証してからバッチをロードします。

バランス初期化エレメント

初期化したバランスごとに、バランス初期化分類にエレメントを作成し、それをバランス挿入としてバランスに追加する必要があります。

次のレベルに対して最大3つのバランス初期化エレメントを作成できます。

  1. アサイメント

  2. 雇用条件

  3. 給与関係

各バランス初期化エレメントは、次の条件を満たしている必要があります。

  • 変動処理かつバランス調整専用です。

  • 給与計算で処理できます。

  • バランスを挿入するための入力パラメータと、バランスで必要になる各コンテキストの入力パラメータがあります。

    ヒント: 多数のバランスに初期値を設定する必要がある場合は、単一エレメントに対して複数の入力パラメータを定義し、各入力パラメータで異なるバランスを挿入するようにします。
  • 早期の有効開始日で適格レコードが関連付けられています。

バッチ・ビュー

バッチ・ビューに初期化日付のバランス値を移入するには、給与バッチ・ローダー・ワークブックを使用します。これは、「給与管理」、「データ交換」または「チェックリスト」作業領域からダウンロードできます。

ビューには次のものが含まれています。

  • PAY_BALANCE_BATCH_HEADER

  • PAY_BALANCE_BATCH_LINES

注意: PAY_BALANCE_BATCH_LINESビューには、複雑な定義があります。このビューにバランス値を直接挿入することはできません。バッチ・ローダー・ワークブックを使用する必要があります。

バッチ・ヘッダーおよびバッチ・ラインを作成するときには、次のことを考慮します。

  • 従業員を個別のバッチに分割し、各バッチのサイズを制限します。

  • バッチ内に、個人に対してすべてのバランスが初期化されるようにバッチ・ラインを含めます。1個人のラインを複数のバッチをまたいで分割することはできません。

  • ライン・レベルで上書き日を入力しないかぎり、バッチ・ヘッダーに指定した日付がすべてのラインに適用されます。ライン・レベルの日付は、ヘッダーの日付よりも前である必要があります。

  • 給与処理を実行した後で、バランスを初期化することはできません。

  • どのラインにも、給与関係番号の値を含める必要があります。ラインが条件レベルのバランスを初期化する場合には、条件番号も入力する必要があります。アサイメント・レベルのバランスを初期化するラインの場合は、条件番号およびアサイメント番号も入力する必要があります。

初期バランス: ロード方法

「初期バランスのロード」プロセスは、バッチ・ビューにロードする初期バランス値を検証して処理します。バランス調整を作成して、必要な値を設定します。初期バランスをロードするには、「給与計算」作業領域で「プロセスまたはレポートの送信」タスクを使用します。

初期バランスに影響を与える設定

バッチ・ビューにロードするデータによって、プロセスが初期化する定義済バランスと、プロセスが使用する値が決まります。通常、従業員をバッチにグループ化して、従業員のバランスの初期化を管理します。

バランスの初期化方法

「初期バランスのロード」プロセスは、バッチ・データで参照されているエンティティの存在を検証します。対象となるエントリは次のとおりです。

  • バランス

  • バランス・ディメンション

  • 税レポート・ユニット

  • 給与

  • 給与関係

  • 雇用条件

  • アサイメント

また、各バランス・ディメンションによって使用されるコンテキストで値を使用できることを確認します。たとえば、指定した組織に従業員が割り当てられていることは確認しません。検証が正常に完了すると、バランス調整が作成されます。

バッチ・ライン・ステータス 説明

V

バッチ・ラインは有効です。

T

バッチ・ラインは正常に処理されました。

次の表は、6月18日にロードされる簡単な3つのライン・バッチを示しています。

定義済バランス

Total_Earnings_PTD

100

Total_Earnings_QTD

250

Total_Earnings_YTD

500

このバッチの場合、次の表に示すように、プロセスは各ディメンションに関連する期間の最初の日に調整を作成します。

調整日 調整値 バランス調整

6月1日

100

Total_Earnings_PTD

Total_Earnings_QTD

Total_Earnings_YTD

4月1日

150

Total_Earnings_QTD

Total_Earnings_YTD

1月1日

250

Total_Earnings_YTD

バランス・バッチ・ヘッダーおよびラインの表示

「初期バランスのロード」プロセスは、PAY_BALANCE_BATCH_HEADERビューおよびPAY_BALANCE_BATCH_LINESビューを使用して、バランス値を初期化するためのデータを保持します。

給与バッチ・ローダー・ワークブックを使用するか、またはPAY_BALANCE_BATCH_LINES_PKG PL/SQLパッケージのAPIを使用して、これらのビューにデータをロードする必要があります。

BATCH_LINE_STATUSをU (未処理)に、PAYROLL_REL_ACTION_ID列を空白のままにして、各バッチ・ラインを作成します。バッチ・アップロード・プロセスは、この2つの列を更新します。

必須の列

注意: ビューに問い合せると、完全な列リストを表示できます。ビューの詳細は、『Oracle HCM Cloudの表およびビュー』ガイドを参照してください。

PAY_BALANCE_BATCH_LINESビューでは、次の表に示した列が必須になります。同じエンティティにID列と名前列の両方がある場合(たとえば、PAYROLL_ASSIGNMENT_IDとASSIGNMENT_NUMBER)、どちらの列も設定できます。ただし、少なくとも1つを設定する必要があります。ID列を空白のままにした場合、バッチ・アップロード・プロセスは名前列の値を使用してID値を導出します。

コメント

PAYROLL_RELATIONSHIP_ID + PAYROLL_RELATIONSHIP_NUMBER

このバランス値の給与関係を識別します。

BALANCE_TYPE_ID + BALANCE_NAME

このバランス値のバランスを識別します。

BALANCE_DIMENSION_ID + DIMENSION_NAME

このバランス値のバランス・ディメンションを識別します。DIMENSION_NAMEには、PAY_BALANCE_DIMENSIONSに保持されたグローバルなDIMENSION_NAMEではなく、国固有のディメンション使用ディメンション名を移入する必要があります。

VALUE

アップロード日のバランスの値を識別します。

UPLOAD_DATE

バランス値の日付を識別します。この日付は、バッチ・ヘッダーのアップロード日より前である必要があります。

PAYROLL_ID + PAYROLL_NAME

バランス値を評価するために必要なコンテキストを、それがディメンションのコンテキストではない場合も含めて、識別します。

コア・コンテキスト

このコンテキストの値がバランス・ディメンションで予期されている場合は、次の表に示したコア・コンテキストを設定する必要があります。

コメント

PAYROLL_TERM_ID + TERM_NUMBER

必要に応じて、このバランス値の給与条件を識別します。同じエンティティにID列と番号列の両方がある場合は、どちらの列も設定できますが、少なくとも1つを設定する必要があります。

PAYROLL_ASSIGNMENT_ID + ASSIGNMENT_NUMBER

必要に応じて、このバランス値の給与アサイメントを識別します。

LEGAL_EMPLOYER_ID + LEGAL_EMPLOYER_NAME

該当なし

TAX_UNIT_ID + TAX_UNIT_NAME

該当なし

AREA1 + AREA2 + AREA3 + AREA4

都道府県および郡コード情報を識別します。

注意: Oracle E-Business Suiteでは、これらのアイテムはSTATE_CODEやCOUNTY_CODEなどでした。

THIRD_PARTY_PAYEE_ID + THIRD_PARTY_PAYEE_NAME

該当なし

TIME_DEFINITION_ID + TIME_DEFINITION_NAME

該当なし

RUN_TYPE_NAME + RUN_TYPE_ID

該当なし

ELEMENT_ENTRY_ID

該当なし

BALANCE_DATE

該当なし

CALC_BREAKDOWN_ID

給与条件に関連付けられたIDを識別します。計算ブレークダウンの種類別の処理は次のとおりです。

  • 計算カードの場合、PAY_DIR_CARDS_F.DIR_CARD_IDを入力します。

  • 計算コンポーネントの場合、PAY_DIR_CARD_COMPONENTS_F.DIR_CARD_COMP_IDを入力します。

国別仕様またはユーザー定義のコンテキスト列

これらのコンテキストの値がバランス・ディメンションで予期されている場合に設定する必要がある、国別仕様またはユーザー定義のコンテキストが6個あります。コンテキストごとに、コンテキストID、名前および値があります。次に例を示します。

  • CONTEXT1_ID + CONTEXT1_NAME

  • バランス・ディメンションでCONTEXT1を使用する場合は、CONTEXT1_VALUEを設定します

注意: コア・コンテキストの値はそれ自体がIDである一方、国別仕様コンテキストの値はコンテキストのIDとは別のものです。

CONTEXT[1-6]_NAMEには、その国別仕様またはユーザー定義のコンテキストのコンテキスト使用の名前を移入します。CONTEXT[1-6]_VALUEには、そのコンテキストの実際の値を移入します。

複数のバランスの調整: 手順

複数の従業員に影響を与えるバランス調整を管理するには、給与バッチ・ローダーを使用して単一バッチで調整を処理します。エレメントの単一バッチで複数のバランス調整を同時にインポートするには、次の一連の手順を完了します。

  1. 「給与管理」作業領域で「バッチ・ローダー」タスクを使用します。

    注意: 「バッチ・ローダー」タスクは、「データ交換」または「チェックリスト」作業領域で使用することもできます。
  2. 「バランスの調整」タスク処理を使用して、統合Microsoft Excelワークブックにデータを入力します。ワークブックのデータ列は、国別仕様データ・グループおよび選択したエレメントによって異なります。

    注意: バッチ・ローダーでは、同じバッチ内の別の給与または別の包含ルールに対するバランス調整はサポートされていません。「有効日」、「給与」、「原価計算プロセスに含む」、「支払バランスに含む」の各列は、同じ値である必要があります。これらの列の値が異なる場合、組合せごとに個別のバッチを作成する必要があります。
  3. ステージング表にデータを保存します。

  4. 「給与管理」作業領域で「バッチの転送」タスクを使用して、バランス調整インタフェース表にデータを移動します。

  5. 「給与計算」作業領域で「複数バランスの調整」タスクを使用して、インタフェース表からデータを取得し、バッチ内のラインごとにバランス調整エレメント・エントリを作成します。

    「複数バランスの調整」プロセスは、バッチに含まれている個人ごとにエレメント・エントリ・レコードを更新します。

  6. 「給与計算」または「給与チェックリスト」作業領域で「個人プロセス結果の表示」タスクを使用して、調整のバランス結果を検証します。

バランスの調整: 重要な選択

適切な再計算プロセスを送信することによってソース・データを訂正できない例外的状況では、バランス調整を使用します。たとえば、初期化バランスを訂正したり、四半期末や年度末に法定レポートに含まれているバランスを修正するために調整を処理できます。また、従業員が年度末に異動し、その通知が間に合わない状況では、バランス調整プロセスを使用することもできます。従業員の税バランスを調整し、誤って集められた金額を払い戻すことができます。

単一バッチで1人以上の個人の既存のエレメントのバランスを調整できます。

バランス調整を実行する前に、次の要因をレビューします。

  • 制限および関連するバランス

  • 1人の個人のバランス調整

  • 複数の個人のバランス調整

  • 調整するエレメントおよび入力パラメータ

  • どのようなときに調整を原価計算するか

給与を処理する場合は、次のことも考慮します。

  • どのようなときに払戻の支払が発生するか

  • 調整のレポート

制限および関連するバランス

バランス調整では、エレメントとそのバランスが再計算されないため、選択したバランスは更新されますが、関連するバランスは更新されません。また、バランス調整ではシステム検証がバイパスされます。つまり、制限が検証されません。調整を実行する前に、関連するバランスを調整する必要があるかどうか、および調整が法定限度を超えるかどうかを考慮します。たとえば、あるバランスの上限を上げた場合、関連バランスの下限を訂正し、両方のバランスが法定限度を満たすようにすることが必要になることがあります。

1人の個人のバランス調整

たとえば、個人のバランスを最初にロードし、税バランス・ディメンションのバランスが正しくないことを検出したときには、個人のバランスを調整します。バランスの調整は2つの要因によって決定されます。つまり、個人の給与計算でエレメントを処理したかどうかと、バランス・ディメンションのコンテキストを調整する必要があるかどうかです。

バランス調整は、「給与計算」作業領域から開始します。ここから、次のことができます。

  • 「個別バランスの調整」タスクを使用します

  • 「個人プロセス結果の表示」ページの「バランス結果」セクションで、「処理」メニューから「バランスの調整」を選択します。

次の表では、2つのタスクを対比しています。

次の表は、バランスが存在するかどうか、およびコンテキストを更新できるかどうかに基づいて使用するメソッドを示しています

調整タスク 実行で処理されるエレメントを調整できるか コンテキストを更新できるか

個別バランスの調整

はい

また、給与計算で処理されないエレメントについて新しいバランス結果を作成することもできます。

はい

バランスの調整

はい

いいえ、コンテキストは給与計算に使用されるものです。

複数の個人のバランス調整

「給与管理」作業領域で「バッチ・ローダー」タスクを使用して、エレメントの複数のバランス調整をアップロードします。統合Microsoft Excelワークブックにデータを入力し、ステージング表にデータを保存し、バランス調整インタフェース表にデータを転送します。「給与計算」作業領域で「複数バランスの調整」タスクを使用して、インタフェース表からデータを取得し、バッチ内のラインごとにバランス調整エレメント・エントリを作成します。

給与バッチ・ローダーを使用してバッチを作成するときには、次のことを考慮します。

  • ロードするデータ

    エレメントや入力パラメータなどバッチにロードするデータによって、調整するバランスおよびバランスの調整に使用される値が決まります。

  • データ列

    データ列には、「個別バランスの調整」タスクを使用して調整を処理するときにエレメントで使用できるものと同じ属性が表示されます。

  • バッチ・サイズ

    プロセスの管理には比較的小さいバッチを使用することがベスト・プラクティスとなります。たとえば、バランス調整を国別仕様データ・グループ別に個別のバッチに分割し、各バッチのサイズを5000ラインに制限します。

  • バッチ処理

    バッチは単一スレッドです。処理を簡素化するには、複数のバッチを入力し、パラレルに処理します

調整するエレメントおよび入力パラメータ

バランス調整の目的で新規エレメントを作成するのではなく、既存のエレメントのバランスを調整することがベスト・プラクティスとなります。新規エレメントの作成は、バランス挿入および入力パラメータを作成し、関連するすべてのバランスを調整することが必要になるため、お薦めしません。

「エレメントの管理」タスクを使用してエレメントを作成するときには、エレメント定義を作成するためのテンプレートを作成します。エレメント分類によっては、このテンプレートを送信すると、結果エレメントなどの関連エレメントが自動的に作成されます。

バランスを調整するために必要となる、適切な入力パラメータを調整します。たとえば、年金プラン・エレメントに別の開始日を入力したり、支給項目エレメントに地理値を入力できます。給与期間に処理されるエレメントを調整する場合、スキップした入力パラメータでは元のエントリからの値が使用されます。

バランス調整に使用するエレメントおよび入力パラメータを決定する場合は、次の表を参照してください。

次の表は、バランス調整でエレメント分類ごとに使用するエレメント入力パラメータを示しています

プライマリ分類 セカンダリ分類 テンプレート・カテゴリ 調整に使用するエレメント 調整に使用するエレメント入力パラメータ

標準支給項目

すべて

標準

ベース・エレメント

支払値

副支給項目

すべて

標準

ベース・エレメント

支払値

直接支払

すべて

標準

ベース・エレメント

支払値

従業員税控除

すべて

標準

結果

支払値、累積、未払、控除外

事業主費用

すべて

標準

結果

支払値、累積、未払、控除外

事業主税

すべて

標準

結果

支払値、累積、未払、控除外

標準控除項目

すべて

標準控除項目

結果

計算される控除項目

標準控除項目

すべて

標準控除項目

保守

累積額、控除外金額、未払額

標準控除項目

すべて

標準控除項目

処理料金結果

計算される料金、計算される初期料金

標準控除項目

すべて

標準控除項目

組織料金結果

計算される料金

標準控除項目

すべて

標準控除項目

個人料金結果

計算される料金

法定前控除項目

すべて

標準

結果

支払値、累積、未払、控除外

法定前控除項目

法定前控除項目

法定前年金プラン

福利厚生

従業員拠出金

事業主拠出金

追加拠出金

拠出金額

課税対象福利厚生

すべて

標準

ベース・エレメント

支払値

任意控除項目

すべて

標準

結果

支払値、累積、控除外

任意控除項目

任意控除項目

税引後年金プラン

福利厚生

従業員拠出金

事業主拠出金

追加拠出金

拠出金額

エレメントおよびバランスの表示オプションは、指定する日付およびエレメントに関連付けられた雇用レベルによって異なります。たとえば、「バランス調整の管理」ページで使用可能なバランスには、雇用階層の選択したレベルを対象にした給与計算で処理されるバランスのみが表示されます。

どのようなときに調整を原価計算するか

給与を計算する場合には、原価計算調整を考慮します。1つのガイドラインとして、元のバランスを原価計算し、調整によって金額または勘定科目番号が変更される場合に、調整を原価計算するようにします。調整を原価計算するには、「個別バランスの調整」ページの「原価計算および支払詳細」セクションで、原価計算プロセスに調整を含めるオプションを選択します。

次の表は、バランス調整を原価計算する可能性のある2つの例を示しています。

調整 調整の原価計算 説明

支給項目エレメントまたは税引前控除

はい

元のバランスを原価計算します。調整したバランスは、四半期賃金および税レポート要件に影響を与えます。

初期化バランスの誤った値

いいえ

通常、バランスの原価は前のアプリケーションに正しく入力されたものになっています。

分配グループに含まれている支給項目エレメント(超過勤務エレメントなど)に対してバランス調整を処理する場合には、金額の上書き原価勘定科目を指定できます。

分配済原価計算を使用するエレメント(事業主税など)に対してバランス調整を処理する場合には、調整した金額が仮勘定科目に対して原価計算されます。この状況が発生するのは、原価計算プロセスでは分配したエレメントの調整済バランスを分配グループに含まれている支給項目エレメントに関連付けないためです。支給項目エレメントのバランスの金額および原価計算を訂正するには、支給項目エレメントごとに原価調整を処理します。

たとえば、事業主税の分配グループに定期、超過勤務、シフトの各支給項目エレメントが含まれている場合は、定期、超過勤務、シフトの各支給項目エレメントの金額および原価計算に対して原価調整を処理します。

どのようなときに払戻の支払が発生するか

バランス調整によって、給与を計算するときに処理する払戻が発生することがあります。たとえば、税などのバランスを調整することによって負担額が増減した場合、そのバランスは個人の次の給与計算で調整されます。払戻が発生する入力パラメータを調整する場合、支払の対象は個人となります。

調整の支払を実行するには、次のようにします。

  1. 「個別バランスの調整」ページの「原価計算および支払詳細」セクションで、支払バランスに調整を含めるオプションを選択します。

  2. 次のいずれかの方法で払戻の支払を実行します。

    • 次の給与計算で支払を処理します。

    • 「支払前処理の計算」プロセスを送信して、調整額を取得し、それを現金支払として支払います。

バランス調整のレポート

バランス調整の有効日がレポート送信パラメータ用に指定した日付範囲内にある場合、給与を計算した後で送信するレポートにはバランス調整が含まれます。たとえば、総支給額と差引支給額レポートを送信して、現在の給与計算に結果を表示できます。あるいは、給与計算処理を送信して、年末実行結果をアーカイブする前にバランス調整を表示できます。

注意: 年末レポートを送信する場合は、年末給与計算結果をアーカイブする前にバランス調整を実行してください。

分配済原価計算を使用し、分配グループに含まれているエレメント(超過勤務支給項目エレメントなど)に対してバランスを調整する場合は、金額の原価勘定科目を指定して通常の原価計算プロセスを上書きできます。

分配済原価計算を使用するエレメント(事業主税など)に対してバランスを調整する場合、バランス調整原価計算では仮勘定科目に対して金額が処理されます。この状況が発生するのは、支給項目グループの値がバランス調整結果に関連付けられていないためです。分配したエレメントの金額および原価計算を訂正するには、各調整エントリの結果に対して原価調整を処理します。

バランスの調整: 作業例

この例では、初期バランスが誤ってロードされた従業員の個別バランスを調整する方法を示しています。

次の表では、訂正処理の実行、実行時にエレメントが処理されたかどうかの判断、および調整に使用する日付について考慮する決定事項を要約しています。

考慮する決定事項 この例の場合

調整にはどのような有効日を使用すればよいですか。

2013年6月30日

これは、初期バランスがロードされた日付です。

ベースまたは結果エレメントを調整しますか。

結果エレメント

個人に対する払戻の義務がありますか。

いいえ

バランス調整には原価計算が必要ですか。

いいえ

6月30日の年度中間実装中に、会社がバランスを初期化しました。初期バランスには、Marie Kleimに対して300 USDではなく200 USDの生命保険控除項目が含まれていました。7月31日の月次給与で、Marieの給与計算結果には生命保険に対する50 USDの控除項目が含まれていたため、年累計合計は250 USDになります。Marieが7月31日の支払を受け取ったため、実行結果をロールバックして基になるエントリを訂正することは現実的ではありません。また、生命保険控除項目に対するバランス調整は、課税対象の賃金に影響を及ぼしません。Marieの生命保険控除項目に対する100 USDの調整を送信して、バランスを訂正します。

個別バランスの調整

  1. 「給与計算」作業領域から、「個別バランスの調整」を選択します

  2. Marie Kleimのレコードを検索して表示します。

  3. 「個人詳細の管理」ページの個別バランス・エレメント詳細の調整セクションで、次の表に示すようにフィールドに入力します。この表に示したもの以外は、デフォルト値を使用します。

    次の表では、フィールド名とそのそれぞれの値をリストしています。

    フィールド

    有効日

    2013年6月30日

    エレメント名

    生命保険結果

    アサイメント番号

    E33312345

  4. 「調整値」セクションで、「支払値」に100 USDを入力します。

    この例では、税引前控除の結果エレメントは支払値を計算値として使用しています。

  5. 「原価計算および支払詳細」セクションで、両方の質問に「いいえ」を入力します。

    個人の差引支給額は変わらないため、払戻の義務はありません。年度中間実装が発生する前に、前のアプリケーションで控除項目の原価計算が処理されたため、調整の原価計算は行いません。

バランス調整のレビュー

バランス調整の完了後、Marieのバランス調整をレビューできます。

  1. 「給与計算」作業領域から、「個人プロセス結果の表示」を選択します。

  2. 「個人プロセス結果の表示」ページで、2013年7月31日に処理されたMarie Kleimのバランス調整を検索します。

  3. 「検索結果」セクションで、Marieのレコードに対するリンクをクリックします。

  4. 「個人プロセス結果の表示」ページで、矢印をクリックして「バランス結果」セクションを表示します。

  5. 「バランスの検索」セクションで、表に示すように検索基準を入力します。

    次の表では、フィールド名とそのそれぞれの値をリストしています。

    フィールド

    検索基準

    バランス・グループ

    バランス・グループ

    支給明細の税引前控除

    検索結果には、100 USDのバランス調整の実行結果が表示されます。その後、8月31日の月次給与計算を送信すると、生命保険控除項目に対するMarieの新規バランスの実行結果には400 USDと表示され、これには100 USDのバランス調整と8月31日の50 USDの給与控除項目が含まれています。