27国拡張機能および住所ルール

この章の内容は次のとおりです。

構成した国または地域の住所形式および住所検証レベルを管理するには、「国または地域別の機能の管理」タスクを使用します。設定できる値は、国または地域と選択した国拡張機能の組合せによって異なります。たとえば、カナダの場合は、国拡張機能を「人事管理」または「なし」に設定した場合のみ、住所形式のデフォルト値を変更できます。国拡張機能を「給与」または「給与インタフェース」に設定した場合は、住所形式のデフォルト値を変更できません。

住所形式

選択した住所形式により、アプリケーションで使用可能なおよび保守される住所属性が決まります。住所形式と住所検証の組合せにより、検証レベルが決まります。

国または地域と選択した国拡張機能に応じて、次のいずれかまたは両方の住所形式オプションを使用できます。住所形式ごとに独自の検証が用意されています。

住所形式 住所形式の機能

郵送先住所

この住所形式は、国または地域の住所属性の基本的なセットを提供します。この形式により、補足属性が追加される場合があります。たとえば、この住所形式には、「都道府県」や「郵便番号」など、関連しない一般的な住所属性が含まれる場合があります。

追加の課税およびレポート住所

属性変更に対して検証を強制します。

たとえば、この形式により、郵便番号の特定の検証が追加される場合があります(特定の順序で特定の文字数が必要な場合など)。

自国に提供されている内容を確認するには、「国または地域別の機能の管理」タスクを使用します。国ごとにデフォルトの住所形式が設定されており、国拡張機能の選択によってデフォルトの住所形式を変更できるかどうかが決まります。

国拡張機能に基づく住所検証

住所検証は、郡、市区町村、都道府県、郵便番号の組合せの検証です。

従業員は、納税カードを受信して、税金計算が正確であることを確認するために、有効な住所を持っている必要があります。

住所検証は、一部のライセンスと製品拡張の組合せに対して自動的に有効になります。たとえば、カナダの場合、デフォルトは「追加の課税およびレポート住所」です。ただし、この表に示すように、住所形式および住所検証は国拡張機能によって異なります。

拡張機能 形式の強制 検証の強制

人事管理

いいえ

いいえ

給与インタフェース

はい

いいえ

給与

はい

はい

カナダの場合は、「人事管理」をインストールするように選択すると、住所形式の値をいずれかの書式に変更できます。「給与インタフェース」または「給与」をインストールするように選択すると、住所形式の値を変更できません。これを「追加の課税およびレポート住所」に設定する必要があります。その要件を強制するために、検証が実装されます。

住所形式の変更

事前定義されたほとんどの国および地域では、アプリケーションによって住所形式が強制され、自分で変更できません。ただし、住所形式が強制されない場合(顧客が構成した国別仕様など)に、住所形式を変更すると検証ルールに影響する可能性があります。そのため、住所データの整合性および検証に関する問題が発生する可能性があります。

たとえば、カナダの場合、最初に「郵送先住所」形式を使用して「人事管理」を実装し、後で国拡張機能を「給与」に変更する場合は、住所形式を「追加の課税およびレポート住所」に変更する必要もあります。そのため、既存の住所データを更新して検証エラーを解決する必要があります。

注意: 「追加の課税およびレポート住所」形式を選択すると、個人事業所とHCM事業所の両方の住所形式に影響します。本番環境に実装する前に、国または地域の住所形式または検証に行った変更を必ずテストしてください。

給与プロバイダ、福利厚生プロバイダ、法定受信者、金融機関などの第三者にデータを提供する場合は、変更をテストする必要があります。検証または住所形式を変更すると、データが欠落したり認識されなくなる場合があります。

ヒント: 「住所書式の管理」タスクを使用して、アプリケーションでの住所の表示方法をレビューおよび構成します。

住所検証の無効化

住所検証を無効にすると、特定の国または地域用に作成された国固有のプログラムによる検証ルールが無効になります。住所検証の無効化は、「国または地域別の機能の管理」ページで行うことができます。

国または地域には、住所構造、書式または値を検証するルールが「地理の管理」タスクを使用して定義されている場合があります。住所検証を無効にしても、「地理の管理」ページで設定した検証には影響しません。

一部の国では、プログラムによる検証を無効にできません。それ以外の国および地域では、住所検証を無効にすると、選択した住所形式に対する既存の検証ルールが引き続き有効となります。

注意: カナダの場合、選択した国拡張機能が「給与」の場合は、住所検証を無効にできません。

たとえば、住所検証が有効な「人事管理」を選択したとします。データ変換中に、就業者データのバッチをロードする住所検証ルールを一時的にバイパスすることにします。これを行うには、データをロードする前に「住所検証」チェック・ボックスの選択を解除します。バッチをロードした後に住所検証を無効のままにしておくと、後で入力する新しい住所データが無効になる可能性があります。後続のプロセスおよびレポートでエラーが発生する場合があります。そのため、住所検証を再度有効にして、既存の住所データを更新し、検証エラーを解決する必要があります。

住所検証の有効化

住所検証を手動で有効または無効にするには:

  1. 「国または地域別の機能の管理」タスクを検索して開始します。

  2. 「住所検証」ボックスを選択します。

  3. 「保存」をクリックし、「完了」をクリックします。

注意: 住所検証が有効になっていない場合、製品拡張を切り替える際に、定義済の住所から郡や納税区域などの必須値が欠落する可能性があるため、注意が必要です。また、市区町村と郵便番号の不一致など、住所の組合せが無効になる可能性もあります。

この例では、企業で国および地域の給与関連機能を構成する方法を示します。

Vision社では、複数の国に従業員がおり、国によって給与制度が異なります。

  • 米国およびイギリスでは、Oracle Fusion Global Payrollを使用して従業員に支払います。

  • フランスでは、「給与インタフェース」抽出定義を使用して、給与関連データを抽出し、第三者給与プロバイダに送信します。

  • 中国では、Oracle Fusion ApplicationsにHRデータのみを格納し、給与用のデータは必要ありません。

次の表に、国の製品使用を決定する際の主な検討事項の概要を示します。

検討事項 この例の場合

プランに国のOracle Fusion内の給与処理が含まれていますか。

はい。米国とイギリスではGlobal Payrollを使用します

プランに国の第三者プロバイダに対する給与関連データの抽出または転送が含まれていますか。

はい。フランスでは給与インタフェース抽出を使用します

プランにHR詳細の処理のみが含まれていますか。

はい。中国ではGlobal HRを使用します

拡張機能の設定方法

  1. 「設定および保守」作業領域で、次の項目に移動します。

    • オファリング: ワークフォース配置

    • 機能領域: 給与

    • タスク: 国または地域別の機能の管理

  2. 「タスクに進む」をクリックします。

  3. 「選択された拡張」リストで、次の表に示すように国の国拡張機能を選択します。

    次の表に、国名およびこのシナリオで選択できる製品使用を示します。

    拡張機能

    米国

    給与

    イギリス

    給与

    フランス

    給与インタフェース

    中国

    人事管理またはなし

  4. 「保存」をクリックし、「完了」をクリックします。