39共通参照オブジェクトの移動

この章の内容は次のとおりです。

概要

共通参照オブジェクトは、「設定および保守」作業領域の複数の設定タスクによって使用されます。共通参照オブジェクトは、実装プロジェクト用に作成された構成パッケージの一部になります。アプリケーション・コンテンツを移動する際(たとえば、実装のテスト・フェーズから本番フェーズに移動する際)には、これらの共通参照オブジェクトの細かな違いに注意してください。

パラメータ

共通参照オブジェクトはビジネス・オブジェクトとして表現されます。単一のオブジェクトは、パラメータの異なる複数の設定タスクから参照できます。実装プロジェクト用に作成された構成パッケージでは、設定タスクに渡されたパラメータは、移動されるビジネス・オブジェクトにも渡されます。そのため、設定タスクのスコープは、移動時にも元のまま維持されます。

依存関係

共通参照オブジェクトには、内部参照や、他の共通参照オブジェクトとの依存関係が含まれる場合があります。そのため、オブジェクトを移動する前には、すべての依存関係に注意して、オブジェクト間での参照が壊れないようにする必要があります。

共通参照オブジェクトを移動するためのビジネス・オブジェクト

Oracle Fusion Functional Setup Managerの共通参照オブジェクトは、アプリケーション設定コンテンツを環境間で移動するために使用されます。たとえば、テスト環境から本番環境への移動です。

パラメータの選択

次の表は、ビジネス・オブジェクト、移動の詳細および設定タスクのパラメータが移動のスコープに及ぼす影響を示しています。

注意:
  • 現在のユーザー言語の翻訳のみを移動できます。

  • 「構成セット移行」ページの構成セットを使用して、Oracle Social Networkビジネス・オブジェクトおよび変更をナビゲータに移動できます。

ビジネス・オブジェクト名 移動される機能項目 移動のスコープに及ぼす影響

アプリケーション・メッセージ

メッセージと関連トークン

パラメータなし: すべてのメッセージが移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属するメッセージだけが移動されます。

パラメータmessageName/applicationId: 指定されたメッセージだけが移動されます。

アプリケーション・タクソノミ

アプリケーション・タクソノミ・モジュールおよびコンポーネント

パラメータなし: すべてのタクソノミ・モジュールとコンポーネントが移動されます。

アプリケーション添付エンティティ

添付エンティティ

パラメータなし: すべての添付エンティティが移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属する添付エンティティだけが移動されます。

アプリケーション添付カテゴリ

添付カテゴリと、カテゴリからエンティティへのマッピング

パラメータなし: すべての添付カテゴリと、カテゴリからエンティティへのマッピングが移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属する添付カテゴリと、各カテゴリからエンティティへのマッピングだけが移動されます。

アプリケーション文書連番カテゴリ

文書連番カテゴリ

パラメータなし: すべてのカテゴリが移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属するカテゴリだけが移動されます。

パラメータcode/applicationId: 指定された文書連番カテゴリ・コードだけが移動されます。

アプリケーション文書連番

文書連番とその関連項目

パラメータなし: すべての連番が移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属する文書連番だけが移動されます

パラメータname: 指定された文書連番だけが移動されます。

アプリケーション付加フレックスフィールド

付加フレックスフィールドの登録データと設定データ

パラメータなし: すべての付加フレックスフィールドが移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属する付加フレックスフィールドだけが移動されます。

パラメータdescriptiveFlexfieldCode/applicationId: 指定された付加フレックスフィールドだけが移動されます。フレックスフィールドのメタデータをインポートすると、そのデプロイメント・ステータスが変更されることがあります。そのため、影響を受けたフレックスフィールドがある場合は、再デプロイする必要があります。インポート・プロセスは、影響を受けたフレックスフィールドを再デプロイメント用に自動で送信します。また、デプロイメント・ステータスが「デプロイ済」または「サンドボックスにデプロイ済」のフレックスフィールドだけが移動の対象となります。

アプリケーション拡張可能フレックスフィールド

拡張可能フレックスフィールドの登録データと設定データ(カテゴリを含む)

パラメータなし: すべての拡張可能フレックスフィールドが移動されます

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属する拡張可能フレックスフィールドだけが移動されます。

パラメータextensibleFlexfieldCode/applicationId: 指定された拡張可能フレックスフィールドだけが移動されます。フレックスフィールドのメタデータをインポートすると、そのデプロイメント・ステータスが変更されることがあります。そのため、影響を受けたフレックスフィールドは再デプロイする必要があります。インポート・プロセスは、影響を受けたフレックスフィールドを再デプロイメント用に自動で送信します。

また、デプロイメント・ステータスが「デプロイ済」または「サンドボックスにデプロイ済」のフレックスフィールドだけが移動の対象となります。

アプリケーション・キー・フレックスフィールド

キー・フレックスフィールドの登録データと設定データ

パラメータなし: すべてのキー・フレックスフィールドが移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属するキー・フレックスフィールドだけが移動されます。

パラメータkeyFlexfieldCode/applicationId: 指定されたキー・フレックスフィールドだけが移動されます。

フレックスフィールドのメタデータをインポートすると、そのデプロイメント・ステータスが変更されることがあります。そのため、影響を受けたフレックスフィールドは再デプロイする必要があります。インポート・プロセスは、影響を受けたフレックスフィールドを再デプロイメント用に自動で送信します。デプロイメント・ステータスが「デプロイ済」または「サンドボックスにデプロイ済」のフレックスフィールドだけが移動の対象となります。

アプリケーション・フレックスフィールド値セット

値セットの設定データ

パラメータなし: すべての値セットが移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属する値セットだけが移動されます。

パラメータvalueSetCode: 指定された値セットだけが移動されます。

値セットのメタデータをインポートすると、その値セットを使用するフレックスフィールドのデプロイメント・ステータスが変更されることがあります。そのため、影響を受けたフレックスフィールドがある場合は、再デプロイする必要があります。インポート・プロセスは、影響を受けたフレックスフィールドを再デプロイメント用に自動で送信します。

アプリケーション参照通貨

通貨データ

パラメータなし: すべての通貨が移動されます。

アプリケーション参照ISO言語

ISO言語データ

パラメータなし: すべてのISO言語が移動されます。

アプリケーション参照産業

地域データ内の産業を含む産業データ

パラメータなし: すべての産業が移動されます。

アプリケーション参照言語

言語データ

パラメータなし: すべての言語が移動されます。

アプリケーション参照自然言語

自然言語データ

パラメータなし: すべての自然言語が移動されます。

アプリケーション参照地域

地域データ

パラメータなし: すべての地域が移動されます。

アプリケーション参照タイム・ゾーン

タイム・ゾーン・データ

パラメータなし: すべてのタイム・ゾーンが移動されます。

アプリケーション標準参照

標準参照タイプとその参照コード

パラメータなし: すべての標準参照が移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属する標準参照だけが移動されます。

パラメータlookupType: 指定された共通参照だけが移動されます。

アプリケーション共通参照

共通参照タイプとその参照コード

パラメータなし: すべての共通参照が移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属する共通参照だけが移動されます。

パラメータlookupType: 指定された共通参照だけが移動されます。

アプリケーション・セット対応参照

セット対応参照タイプとその参照コード

パラメータなし: すべてのセット対応参照が移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属するセット対応参照だけが移動されます。

パラメータlookupType: 指定されたセット対応参照だけが移動されます。

アプリケーション・プロファイル・カテゴリ

プロファイル・カテゴリ

パラメータなし: すべてのプロファイル・カテゴリが移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属するカテゴリだけが移動されます。

name/applicationId: 指定されたカテゴリだけが移動されます。

アプリケーション・プロファイル・オプション

プロファイル・オプションとその値

パラメータなし: すべてのプロファイル・オプションとその値が移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールに属するプロファイル・オプションとその値だけが移動されます。

パラメータprofileOptionName: 指定されたプロファイル・オプションとその値だけが移動されます。

アプリケーション・プロファイル値

プロファイル・オプションとその値

パラメータなし: すべてのプロファイルとその値が移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールに属するプロファイルとその値だけが移動されます。

パラメータcategoryName/categoryApplicationId: 指定されたカテゴリに属するプロファイルとその値だけが移動されます。

パラメータprofileOptionName: 指定されたプロファイルとその値だけが移動されます。

アプリケーション参照データセット

参照データ・セット

パラメータなし: すべてのセットが移動されます。

アプリケーション参照データセット割当

参照データセット割当

パラメータdeterminantType: 指定された決定要因タイプの割当だけが移動されます。

パラメータdeterminantType/referenceGroupName: 指定された決定要因タイプおよび参照グループの割当だけが移動されます。

アプリケーション・ツリー構造

ツリー構造と、そのツリー構造に割り当てられたラベル

パラメータなし: すべてのツリー構造(およびそのラベル)が移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールに属するツリー構造(およびそのラベル)だけが移動されます。

パラメータtreeStructureCode: 指定されたツリー構造(およびそのラベル)だけが移動されます。

アプリケーション・ツリー

ツリーのコードとバージョン

パラメータなし: すべてのツリーが移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールに属するツリーだけが移動されます。

パラメータtreeStructureCode: 指定されたツリー構造に属するツリーだけが移動されます。

パラメータTreeStructureCode/TreeCode: 指定されたツリー構造に属するツリーおよびツリー・コードだけが移動されます。

アプリケーション・ツリー・ラベル

ツリー構造と、そのツリー構造に割り当てられたラベル

パラメータなし: すべてのツリー構造(およびそのラベル)が移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属するツリー構造(およびそのラベル)だけが移動されます。

パラメータtreeStructureCode: 指定されたツリー構造(およびそのラベル)だけが移動されます。

アプリケーション・データ・セキュリティ・ポリシー

データベース・リソース、アクション、条件およびデータ・セキュリティ・ポリシー

パラメータなし: すべてのデータベース・リソース/アクション/条件/ポリシーが移動されます。

パラメータmoduleType/moduleKey: 指定されたモジュールとタクソノミ階層内にあるその下位モジュールに属するデータベース・リソース/アクション/条件/ポリシーだけが移動されます。

パラメータobjName: 指定されたデータベース・リソースと、そのアクション/条件/ポリシーだけが移動されます。

移動されるポリシーに、新規作成されたロールへの参照が含まれている場合は、ポリシーを移動する前にロールを移動してください。ソース・システムとターゲット・システムで異なるLDAPが使用される場合は、データ・セキュリティ・ポリシーを移動した後に、手動でGUID調整を実行してください。

関連する共通参照オブジェクトを移動するためのガイドライン

特定の共通参照オブジェクトでは、他の参照オブジェクトを使用することにより、オブジェクト間の依存関係が発生することがあります。共通参照オブジェクトを移動する際に、これらの依存関係または参照が破損していないか、または失われていないことを確認します。

依存関係

共通参照オブジェクト間の依存関係は、次のいずれかの条件によって発生することがあります。

  • フレックスフィールド・セグメントで値セットが使用されている

  • 値セットで、標準、共通またはセット対応の参照が使用されている可能性がある

  • キー・フレックスフィールドにツリー構造が関連付けられている可能性があり、キー・フレックスフィールド・セグメントにツリー・コードが関連付けられている可能性がある

  • ツリーのコードとバージョンが、値セットの値に対して定義されている可能性がある

  • データ・セキュリティ・ポリシーが、データ・セキュリティに対応した値セットに対して定義されている可能性がある

ビジネス・オブジェクトは、移動するオブジェクトを構成パッケージに含めることで、その1つ、一部またはすべてを移動できます。たとえば、値セットのみを移動することも、値セットとその参照の両方を同じパッケージの一部として移動することもできます。どのような組合せを選ぶかにかかわらず、オブジェクトを移動する際には、オブジェクト間の依存関係を維持できる順序で作業することをお薦めします。

ビジネス・オブジェクトの移動する際は、次の順序に従ってください。

  1. 作成したタクソノミ・モジュールを移動してから、それらを参照するすべてのオブジェクト(フレックスフィールド、参照、プロファイル、メッセージなど)を移動します。

  2. 作成された通貨を参照するオブジェクト(地域など)を移動する前に、それらの通貨を移動します。

  3. 作成された地域を参照するオブジェクト(言語や自然言語など)を移動する前に、それらの地域を移動します。

  4. 作成されたISO言語を参照するオブジェクト(言語、自然言語、産業など)を移動する前に、それらのISO言語を移動します。

  5. 作成されたツリー構造を参照するオブジェクト(ツリーやツリー・ラベルなど)を移動する前に、それらのツリー構造を移動します。

  6. 作成されたプロファイル・オプションを参照するオブジェクト(プロファイル・カテゴリやプロファイル値など)を移動する前に、それらのプロファイル・オプションを移動します。

  7. 作成された添付エンティティを参照するオブジェクト(それらを参照する添付カテゴリなど)を移動する前に、それらの添付エンティティを移動します。

注意: 他のオブジェクトへの依存関係が存在する可能性があるシナリオでは、参照するオブジェクトを移動する前に、依存関係を移動する必要があります。たとえば、データ・セキュリティ・ポリシーが、新規作成されたセキュリティ・ロールに依存している場合は、セキュリティ・ポリシーを移動する前に、セキュリティ・ロールを移動する必要があります。

シード・データ・フレームワークを使用した共通参照オブジェクトの移動のガイドライン

共通参照オブジェクトを移動するには、シード・データ・フレームワークを使用できます。シード・データ・フレームワークのコマンドライン・インタフェースを使用して、オブジェクト設定データを移動することもできます。共通参照オブジェクト・ローダーを含むシード・データ・ローダーの詳細については、『Oracle Fusion Applications開発者ガイド』を参照してください。

移動の依存関係

シード・データ・インタフェースでは、設定メタデータだけが移動されます。たとえば、シード・データ・フレームワークを使用してフレックスフィールド・メタデータをインポートすると、フレックスフィールド設定メタデータがデータベースにインポートされます。ただし、シード・データをインポートした後に、フレックスフィールド・デプロイメント・プロセスを個別に開始して、ランタイム・フレックスフィールド・アーティファクトをターゲット環境で再生成する必要があります。同様に、シード・データ・フレームワークを使用してデータ・セキュリティ・メタデータをインポートした場合、最初に新規に参照されたロールを移動してから、必要に応じてGUID調整を手動で実行する必要があります。

移動時に参照データが失われないようにするために、一定のガイドラインが規定されています。オブジェクト・データの移動は、次の順序に厳密に従って実行することをお薦めします。

注意: 現在のユーザー言語の翻訳だけが移動されます。
  1. タクソノミ・モジュールを参照するオブジェクト(フレックスフィールド、参照、プロファイル、添付、参照データセット、文書連番、メッセージ、データ・セキュリティなど)を移動する前に、タクソノミ・モジュールを移動します。

  2. 作成された通貨を参照するオブジェクト(地域など)を移動する前に、それらの通貨を移動します。

  3. 作成された地域を参照するオブジェクト(言語や自然言語など)を移動する前に、それらの地域を移動します。

  4. 作成されたISO言語を参照するオブジェクト(言語、自然言語、産業など)を移動する前に、それらのISO言語を移動します。

  5. 作成されたツリー構造を参照するオブジェクト(ツリーやツリー・ラベルなど)を移動する前に、それらのツリー構造を移動します。

  6. 作成されたプロファイル・オプションを参照するオブジェクト(プロファイル・カテゴリやプロファイル値など)を移動する前に、それらのプロファイル・オプションを移動します。

  7. 作成された添付エンティティを参照するオブジェクト(それらを参照する添付カテゴリなど)を移動する前に、それらの添付エンティティを移動します。

  8. 作成された参照データセットを参照するオブジェクト(参照データセット割当やセット対応参照など)を移動する前に、それらの参照データセットを移動します。

  9. 作成された文書連番カテゴリを参照するオブジェクト(文書連番など)を移動する前に、それらの文書連番カテゴリを移動します。

  10. 作成されたツリー・ラベルを参照するオブジェクト(ツリーなど)を移動する前に、それらのツリー・ラベルを移動します。

  11. 作成されたデータ・セキュリティ・オブジェクトおよびポリシーを参照するオブジェクト(値セットなど)を移動する前に、それらのデータ・セキュリティ・オブジェクトおよびポリシーを移動します。

  12. 作成された値セットを参照するオブジェクト(フレックスフィールドなど)を移動する前に、それらの値セットを移動します。

  13. 作成されたツリーを参照するオブジェクト(キー・フレックスフィールドなど)を移動する前に、それらのツリーを移動します。