30給与定義

この章の内容は次のとおりです。

給与定義には、支払を計算および原価計算する時期の決定に使用されるカレンダおよびオフセット情報が含まれます。週次や月次などの給与期間タイプによって、従業員に支払う間隔が決まります。「給与計算」作業領域の「給与定義の管理」タスクを使用して、特定の給与の支払周期、処理スケジュールおよびその他のパラメータを指定します。

従業員への支払に使用する給与期間タイプごとに、少なくとも1つの給与定義を作成します。たとえば、従業員に月2回支払うには、月2回の給与期間タイプを使用して給与定義を作成し、税金計算およびその他の計算によって従業員に対して正しい結果が生成されるようにします。

給与定義の作成

給与定義を作成すると、アプリケーションによって、指定した給与期間タイプ、オフセットまたはカレンダ調整、および年数に基づいて、完全な給与スケジュールが生成されます。スケジュール内の各給与には、一意の名前が割り当てられます。「給与関係の管理」ページで、従業員を給与定義に割り当てます。給与カレンダは、10年以下の増分で構成できます。給与定義を作成して、失効または終了した給与定義を置き換えます。

各給与は連結グループ(アプリケーションでの処理のために必要)および国別仕様データ・グループに属している必要があるため、給与定義を作成する前にこれらが存在することを確認します。

給与定義の変更

給与定義を変更すると、アプリケーションによって、変更した値に基づいて給与スケジュールが調整されます。既存の給与定義を変更して年数を増やし、給与カレンダを構成する給与期間をさらに生成してください。

注意: 給与スケジュールの給与名は一意です。生成された給与名は編集できますが、給与定義内で一意であることを確認する必要があります。

給与定義を作成または変更すると、選択に基づいて、アプリケーションによって給与期間のカレンダが生成されます。次の値に対して行う選択によって、結果として生成される給与期間のスケジュールが決まります。

有効開始日

有効開始日は、給与定義が従業員データに対して使用可能になる最初の日付です。開始日は、ロードする履歴データの最初の日またはそれ以前の日付である必要があります。たとえば、2013年1月1日から始まる給与で、ロードする5年間の履歴給与データがある場合、給与定義の開始日は2008年1月1日に設定します。

有効開始日は、生成される給与期間のカレンダには影響しません。最初の給与期間の開始日は、初回期間終了日に基づきます。

初回期間終了日

初回期間終了日は、アプリケーションによって給与定義に対して生成される最初の給与期間の終了日です。初回期間終了日は、通常、実装日、課税年度、福利厚生登録または特定の支払サイクルに基づきます。たとえば、週次給与の勤務週が土曜日から金曜日で、最初の支払日が2012年1月6日の場合、2011年12月30日を初回期間終了日として使用できます。

年数

入力する年数は、最初の給与期間の始まり(これは初回期間終了日によって決まります)から開始して、生成する期間の年数を表します。次の表は、月2回の給与定義の例を示しています。

有効開始日 初回期間終了日 年数 生成される期間

2014年1月1日

2014年6月15日

5

2014年6月1日から2018年5月31日

給与定義を保存すると、後でその年数を増やすことはできますが、減らすことはできません。これは、給与の期間のカレンダがすでに生成されているためです。

注意: アプリケーションによって、給与期間のカレンダは10年以下の増分で生成されます。たとえば、給与期間の12年間のカレンダが必要な場合、最初に10年を入力して変更を送信します。次に、給与定義の年数を12に設定します。

オフセット

給与期間タイプに応じて、給与サイクル・イベントについて、特定の日付に発生するように、あるいは期間開始日または終了日からのオフセットに基づいてアプリケーションで日付を計算するように選択できます。

次の表は、オフセットできる事前定義済の給与サイクル・イベントを示しています。

日付 意味

締め日

給与期間に対して給与情報を入力できる最終日。

給与明細の使用可能日

受取人が給与明細を表示できる日付。

給与計算実行日

従業員詳細などの有効な値を取得するために給与計算プロセスによって使用される日付。給与プロセスの送信時に処理日が指定された場合は、処理日によってこの値は上書きされます。

この日付は、国または地域に対して事前定義されており、通常は、給与計算で処理日として使用される対象日または支給日に基づきます。

対象日

アプリケーションによって給与計算のエレメント・エントリが処理される日付。

対象日は、給与期間の有効日内にする必要があります。

支給日

従業員が支払済としてマークされる日付。小切手支払の場合、これは小切手が現金または預入に対して有効である日付です。電子送金(EFT)支払の場合、これは送金日です。

計画送信日

給与期間ごとに給与計算を送信するために、計画日について給与管理者または給与マネージャに通知する日付。

動的オフセット

給与定義を作成するときに、給与サイクル・イベントに対して動的オフセットを使用できます。使用できる事前定義済のすべての給与期間で、オフセットに対して動的に生成される日付がサポートされています。動的オフセットを使用すると、開始日または終了日の前または後の指定した日数で、各給与サイクル・イベントをオフセットできます。

固定日オフセット

事前定義された月次(カレンダ)給与期間では、動的オフセットと固定日オフセットの両方がサポートされています。固定日を使用して、最初の給与期間の各給与サイクル・イベントの正確な日付を調整します。行った調整は、後続の給与期間の給与カレンダに反映されます。たとえば、締め日を月の25日として設定すると、カレンダ内のすべての給与期間にそのようなオフセットが含まれるようになります。

特定の日付調整

給与期間を生成した後、必要に応じて特定のカレンダ日をさらに調整できます。たとえば、支払日に当たる特定の銀行休業日がわかっている場合、給与カレンダの期間で手動で日付を調整する場合があります。このような調整は、給与定義を作成するとき、またはその後いつでも(期間が将来であるかぎり)、行うことができます。「給与定義の管理」ページの「期間」タブで、既存の時間定義の日付を調整します。

ここでは、1つの連結グループと1つの国別仕様データ・グループに関連付けられた、異なる支払周期の2つの給与定義を作成する方法を示します。

InFusion Companyでは、2つの従業員セットの給与定義が必要です。月2回支払われる永続的な固定給従業員のセットと、タイム・カード・データを使用して月次で支払われる臨時従業員のセットです。原価計算は月次で管理され、原価計算実行の入力パラメータとして連結グループ名を使用することで、すべての給与計算からの結果が使用されます。この例では、同じ連結グループを持つ、支払期間が異なる2つの給与定義を作成する方法を示します。どちらの定義も、2011年1月1日から有効で、5年間の給与期間を生成します。

前提要件

  1. InFusion LDGなど、給与の国別仕様データ・グループが存在することを確認します。

  2. InFusion従業員小切手やInFusion従業員EFTなど、給与について組織支払方法が存在することを確認します。

  3. InFusion LDGに割り当てられたInFusion従業員グループという連結グループを作成します。

給与定義の作成

次の2つの給与定義を作成します。

  • 電子送金(EFT)で月2回、永続従業員に定額を支払うためのもの。この給与定義には、動的に生成されるオフセット日が含まれます。

  • 月次カレンダ・ベースでタイム・カード・データを使用して、臨時従業員に小切手で支払うためのもの。

次のステップを2回実行します。最初は月2回の値を使用し、次に月次の値を使用します。

  1. 「給与計算」作業領域で、「給与定義の管理」をクリックします。

  2. 「給与定義の管理」ページの「検索結果」セクションで、「作成」アイコンをクリックします。

  3. リストからInFusion LDG国別仕様データ・グループを選択します。

  4. 給与を使用可能にする有効開始日として1/1/11と入力し、「続行」をクリックします。

    この例では、会社はこの給与定義の有効開始日以降に全従業員を採用するため、従業員履歴データのロードに問題はありません。

  5. 「基本詳細」セクションで、次の表に示すようにフィールドに入力し、「次」をクリックします。

    フィールド 月2回の値 月次の値

    名前

    InFusion従業員月2回

    InFusion従業員月次

    レポート名

    InFusion月2回

    InFusion月次

    連結グループ

    InFusion従業員グループ

    InFusion従業員グループ

    期間タイプ

    月2回

    月次(カレンダ)

    初回期間終了日

    6/15/12

    6/30/12

    デフォルト支払方法

    InFusion従業員EFT

    InFusion従業員小切手

  6. 「給与オフセット」ページで、「年数」フィールドに5と入力します。

    注意: アプリケーションによって、給与期間のカレンダは10年以下の増分で生成されます。たとえば、給与期間の12年間のカレンダが必要な場合、最初に10年を入力して変更を送信します。次に、給与定義を編集して、年数を12に設定します。

  7. 月2回の給与の場合、動的変数を使用して次の表に示すようにオフセットを定義し、「次」をクリックします。

    フィールド 該当値 日数タイプ値 ベース日値

    締め日

    5

    期間終了日

    計画送信日

    4

    期間終了日

    給与計算実行日

    0

    期間終了日

    給与明細の使用可能日

    0

    期間終了日

    対象日

    0

    期間終了日

    支給日

    0

    期間終了日

  8. 月次給与の場合、固定日を使用して次の表に示すようにオフセットを定義し、「次」をクリックします。

    フィールド

    固定日

    はい

    締め日

    6/25/12

    対象日

    6/28/12

    給与計算実行日

    6/28/12

    支給日

    6/28/12

    給与明細の使用可能日

    6/28/12

    計画送信日

    6/26/12

  9. 「給与カレンダ」ページで、次の表に示すように、銀行休業日を考慮するように給与日を調整します。

    月2回の値 月次の値

    給与計算実行日

    古い値: 11/28/13

    新しい値: 11/27/13

    古い値: 5/27/13

    新しい値: 5/28/13

  10. 「次」をクリックします。

  11. 給与定義の詳細を確認して、「送信」をクリックします。

給与定義の管理に関するFAQ

給与期間をクローズするのはいつですか。

給与期間をクローズすることで、固定処理エントリの変更を防止できます。給与期間は総勘定元帳期間とは似ていません。給与期間をクローズする必要はありません。

給与定義の作成時に支払方法を選択できない場合、給与定義の開始日が組織支払方法の開始日より前であるか、組織支払方法に関連付けられた支払ソースがありません。