17休暇欠勤データのHCM抽出

この章の内容は次のとおりです。

休暇欠勤データのHCM抽出

「データ交換」作業領域の「抽出定義の管理」タスクを使用して、過去および将来の休暇欠勤および無期限の休暇欠勤を抽出します。休暇欠勤データは、有効日または開始日に基づいて抽出できます。既存の休暇欠勤および過去の休暇欠勤は調整できるため、有効日が常に正しいオプションであるとはかぎりません。

休暇欠勤データの抽出定義を作成する前に、次の点について考慮してください。

  • 抽出タイプ

  • データ・グループ

抽出タイプ

休暇欠勤データの抽出定義を作成する際は、次のことを確認してください。

  • 「抽出タイプ」リストから「HRアーカイブ」を選択します。

  • 「パラメータ」セクションの「開始日」の「表示」列で「はい」を選択します。デフォルトでは、「有効日」は「はい」に設定されています。

データ・グループ

使用可能な休暇欠勤データ・グループはABS_EXT_ABSENCE_ENTRY_UEです。これをルート・データ・グループとして選択できます。名や姓などの個人情報を表示するには、PER_EXT_SEC_PERSON_UE (個人)データ・グループを作成する必要があります。個人データ・グループがルート・データ・グループである必要はありません。

この例は、デスクトップ・インタフェースを使用して抽出定義を作成するために必要なステップを示しています。抽出定義を作成する前に、次の詳細を把握する必要があります。

  • 抽出する情報

  • データを抽出する必要があるストラクチャ

  • このデータの提供方法(ファイル形式、提供メカニズム、周期情報など)

FAST銀行は、世界中に子会社を持つグローバル組織です。外部のビジネス・レポート要件の一部として、FAST銀行は会社全体の部門と従業員の詳細(部門ごとにグループ化)を抽出する必要があります。この情報は、Eメールを使用して、XMLファイルで第三者に、PDFファイルでHRマネージャに送信する必要があります。次の表では、このシナリオにおける主な決定事項を要約しています。

考慮が必要な意思決定事項 この例での決定

このタイプのレポートを作成するには、いくつの抽出を作成するか。

1つの抽出定義を作成してヘッドカウント・レポートを定義します。

いくつのデータ・グループを作成するか。

情報の機能グループが2つあるため、2つのデータ・グループ(1つは部門用、もう1つは従業員用)を作成します。

いくつのレコードを作成するか。

データ・グループ内の属性のサブグループに基づいてレコードの数を決定します。この例では、部門データ・グループ用に次の2つのレコードを作成します。

  • Department Details

  • Department Summary

従業員データ・グループ用に1つのレコード(Employee Details)を作成します。

いくつの属性を作成するか。

レポートに必要な特定の情報に基づいて属性の数を決定します。Department Detailsレコードには次の属性を作成します。

  • Department Name

  • Department Location

Department Summaryレコードには次の属性を作成します。

  • Record Code

  • Report Date

  • Employee Count

Employee Detailsレコードには次の属性を作成します。

  • Full Name

  • 性別

  • Date of Birth

  • Salary

  • Bonus

  • Tax Rate

FastFormulaを作成するか。

FastFormulaは、次のレベルで使用できます。

  • 特定の条件を決定する抽出基準レベル。

  • 属性値を導出する抽出ルール・レベル。

  • 複雑な条件を指定する詳細条件の抽出レベル。

  • 「Formulaの生成」オプションを使用した場合に自動的にFormulaを生成する抽出レコード・レベル。

抽出定義の作成

  1. 「抽出定義」ページで、「追加」アイコンをクリックします。

  2. 「セッション有効日」に「01-Jan-2000」と入力します。

    セッション有効日は、現在のセッションのすべての有効日対応に適用される有効開始日です。

  3. 名前として「FAST Bank Extract」と入力し、タイプとして「HRアーカイブ」を選択します。アプリケーションによって、抽出名に基づいてタグ名が自動的に作成され、この名前を使用してXML出力ファイルが生成されます。

  4. 「タイプ」を「全体」または「変更のみ」に設定します。選択に基づいて、抽出定義全体が更新されるか、増分変更のみが考慮されます。

    既存の抽出定義は未分類のままです。既存の定義は、特定の抽出に対して実行される抽出に基づいて、アップグレード中に抽出が自動的に分類されます。この自動分類の結果は「抽出定義」ページで確認できます。間違って分類された抽出が見つかった場合は、定義をエクスポートし正しい分類でインポートします。抽出定義の名前変更機能を使用することで抽出の名前を維持できます。

    ノート: 完全抽出としてタグ付けされている(「変更のみ」が「いいえ」に設定されている)ときに、抽出を「変更のみ」モードで実行すると、エラーが発生します。「変更のみ」モードで抽出を実行するには、抽出定義のコピーを作成し、「変更のみ」を「はい」に設定してインポートします。

  5. 「OK」をクリックします。抽出定義が保存され、抽出のタイプに基づいてパラメータが自動的に生成されます。パラメータによって抽出の出力が制御されます。この例では、次のパラメータが作成されます。

    • 有効日

    • 国別仕様データ・グループ

    • パラメータ・グループ

    • レポート・カテゴリ

    • 要求ID

    • 開始日

有効日デフォルト・ルールの構成

抽出をスケジュールする際は、「有効日」パラメータ(必須属性)を指定して、適切なデフォルト値を設定する必要があります。たとえば抽出を毎日実行するには、実行される日付のコンテキストの有効日を渡す必要があります。デフォルト設定ルールは「抽出の調整」ページを使用して、タスク・パラメータ・レベルで指定します。これらのルールは「抽出定義」ページと「抽出の調整」ページの両方を使用して定義します。パラメータ・リージョンの「詳細ビュー」オプションを選択して、パラメータおよびデフォルト値を定義できます。「パラメータ基準」値リストからデフォルト値を選択します
  1. 「有効日」パラメータを指定する抽出を開きます。

  2. 「定義」タブで「パラメータ」リージョンに移動し、「表示」リストから「詳細ビュー」を選択します。

  3. 「パラメータ基準」リストから値を選択します。

  4. 「保存して閉じる」をクリックします。

抽出定義の名前変更

同名の新しいバージョンの抽出をインポートする、またはそれらのバージョンに移行する場合に、抽出の名前を変更できます。名前変更により、外部アプリケーション内の参照への影響を抑えながら、抽出を新しいバージョンに更新できます。
  1. 「抽出定義」ページの最後の列の処理アイコンの中に「コピー」または「名前変更」アイコンを使用します。

  2. 「名前変更」オプションを選択し、「OK」をクリックします。抽出が増分の場合は、抽出の名前を変更した後に新しいベースラインを実行していることを確認します。

データ・グループの作成

  1. 「階層」から「データ・グループ」リンクを選択し、「データ・グループ」リージョンを開きます。

  2. 「追加」アイコンをクリックして、新しいデータ・グループを定義します。

  3. データ・グループを作成するために、次の表に示すように、フィールドを設定します。

    フィールド名 エントリ

    名前

    Departments

    ユーザー・エンティティ

    PER_EXT_SEC_ORGANIZATION_UE

    ルート・データ・グループ

    はい(このオプションの選択によって、このデータ・グループが抽出実行の開始点として選択されます。)

  4. 「保存して別の作成」を選択して、従業員のデータ・グループを作成します。

  5. データ・グループを作成するために、次の表に示すように、フィールドを設定します。

    フィールド名 エントリ

    名前

    従業員

    ユーザー・エンティティ

    PER_EXT_SEC_ASSIGNMENT_UE

    ルート・データ・グループ

    いいえ

抽出データ・グループ接続の作成

  1. 「階層」でデータ・グループを選択して、表にデータ・グループを表示します。

  2. 「Employees」データ・グループを選択し、データ・グループ接続の詳細を定義します。

  3. データ・グループ接続を作成するために、次の表に示すように、フィールドを設定します。

    フィールド名 エントリ

    親データ・グループ

    Departments

    親データ・グループ・データベース・アイテム

    PER_EXT_ORG_ORGANIZATION_ID

    データ・グループ・データベース・アイテム

    PER_EXT_ASG_ORG_ID

  4. 各データ・グループのデータ・グループ基準を定義します。

    フィルタ基準

    フィルタリング条件のセットを定義すると、データ抽出を制限できます。アプリケーションでは、これらの条件を使用して、抽出データ・グループ基準を使用した抽出データ・グループの抽出を実行します。

    データ・グループ・フィルタを式またはFastFormulaとして指定でき、その一方または両方を選択できます。使用可能なデータベース・アイテム、パラメータおよび演算子(条件および論理)を使用して基準を構築できます。HCM抽出が実行時にフィルタ基準をユーザー・エンティティSQLに追加するため、フィルタ基準は効率的です。基準を式として指定できない場合は、FastFormula内にロジックを配置し、定義に含めることができます。FastFormulaはYまたはNの値を戻して、レコードを抽出する必要があるかどうかを示します。基準とFormulaの両方を指定した場合は、両方の条件が適用されます。

抽出レコードの作成

  1. 「階層」で「Departments」データ・グループを選択し、「レコード」リージョンで「追加」アイコンを選択します。抽出レコードは、すべての必須フィールドの物理コレクションを表します。データ・グループに3つのレコードがある場合は、順序フィールドを使用して、アプリケーションがレコードを処理する順序を指定できます。「次のデータ・グループ」を選択して、アプリケーションが次にどのデータ・グループを処理するかを指定することもできます。

  2. Departmentsデータ・グループ用に次の2つのレコードを作成します。

  3. Departmentsデータ・グループの2つのレコードを作成するために、次の表に示すように、フィールドを設定します。

    フィールド Department Summary Department Details

    名前

    Department Summary

    Department Details

    有効開始日

    1/1/00

    1/1/00

    順序

    20

    10

    タイプ

    トレーラ・レコード

    ヘッダー・レコード

    プロセス・タイプ

    FastFormula

    FastFormula

    次のデータ・グループ

    該当なし

    従業員

  4. レコードを保存し、「Employees」データ・グループを選択して、「レコード」リージョンで「追加」アイコンを選択します。

  5. Employeesデータ・グループ用に1つのレコードを作成します。

  6. Employeesデータ・グループのレコードを作成するために、次の表に示すように、フィールドを設定します。

    フィールド名 エントリ

    名前

    Employee Details

    有効開始日

    1/1/00

    順序

    10

    タイプ

    詳細レコード

    プロセス・タイプ

    FastFormula

属性の作成

  1. 「階層」で「Departments」データ・グループを選択し、「Department Details」レコードを選択します。

    抽出属性は、レコードの個別フィールドです。

  2. Department Detailsレコードに次の抽出属性を作成し、「保存」を選択します。

  3. Department Detailsレコードの抽出属性を作成するために、次の表に示すように、フィールドを設定します。

    フィールド名 属性入力 属性入力

    名前

    Department Name

    Department Location

    タイプ

    データベース・アイテム・グループ

    データベース・アイテム・グループ

    データベース・アイテム・グループ

    組織名

    組織事業所国

  4. レコードを選択し、「Department Summary」レコードを選択します。

  5. 「抽出属性」リージョンで「追加」アイコンを選択します。

  6. Department Summaryレコードに次の抽出属性を作成し、「保存」を選択します。

  7. Department Summaryレコードの抽出属性を作成するために、次の表に示すように、フィールドを設定します。

    フィールド名 属性入力 属性入力 属性入力

    名前

    Record Code

    Report Date

    Employee Count

    データ・タイプ

    テキスト

    日付

    数値

    タイプ

    文字列

    パラメータ・エレメント

    要約エレメント

    文字列値

    999

    該当なし

    該当なし

    パラメータ

    有効日

    該当なし

    該当なし

    集計関数

    該当なし

    該当なし

    カウント

    集計レコード名

    該当なし

    該当なし

    Employees Employee Details

  8. 「階層」で「Employees」データ・グループを選択し、「Employee Details」レコードを選択します。

  9. Employee Detailsレコードに次の抽出属性を作成し、「保存」を選択します。

  10. Employee Detailsレコードの抽出属性を作成するために、次の表に示すように、フィールドを設定します。

    フィールド名 属性入力 属性入力 属性入力

    名前

    Full Name

    性別

    Date of Birth

    開始日

    1/1/00

    1/1/00

    1/1/00

    データ・タイプ

    テキスト

    テキスト

    日付

    タイプ

    データベース・アイテム・グループ

    デコード・データベース・アイテム・グループ

    データベース・アイテム・グループ

    データベース・アイテム・グループ

    個人氏名

    個人性別

    個人生年月日

  11. Employee Detailsレコードの抽出属性をさらに作成するために、次の表に示すように、フィールドを設定します。

    フィールド名 属性入力 属性入力 属性入力

    名前

    Salary

    Bonus

    税率

    開始日

    1/1/00

    1/1/00

    1/1/00

    データ・タイプ

    数値

    数値

    テキスト

    タイプ

    データベース・アイテム・グループ

    レコード計算

    ルール

    データベース・アイテム・グループ

    アサイメント給与額

    該当なし

    該当なし

    計算式

    該当なし

    Salary * 0.5

    該当なし

    ルール

    該当なし

    該当なし

    FAST Bank Tax Rule

提供オプションの定義

  1. 抽出実行ツリーにナビゲートして、抽出定義設定を検証します。

  2. 「XMLスキーマのエクスポート」を選択して、この抽出設定のXMLスキーマ定義(.XSD)ファイルをダウンロードします。このエクスポート済ファイルには、抽出定義の構造(データ・グループ、レコードおよび属性)が含まれています。

  3. 「階層」で「抽出提供オプション」を選択して、抽出定義の書式設定とレイアウトのオプションを定義します。

  4. 次の表に示すように、提供オプションのフィールドを設定します。

    フィールド

    開始日

    1/1/00

    1/1/00

    終了日

    12/31/12

    12/31/12

    BIパブリッシャ・テンプレート

    ReportLayout

    EFTLayout

    出力タイプ

    PDF

    EFT

    提供タイプ

    Email

    FTP

    提供オプション名

    Email to HR

    FTP to 3rd Party

    出力名

    HeadcountReport

    EFTReport

  5. 「追加詳細」リージョンで各提供オプションの詳細情報を定義します。たとえば、FTP提供タイプのサーバー、ユーザー名およびパスワードを追加します。

  6. レポート・カテゴリとして「FAST Bank Extract」と入力し、「送信」をクリックします。

抽出の送信

抽出定義によって、抽出と同じ名前の抽出プロセス(給与フロー)が自動的に作成されます。抽出プロセスを使用すると、複数のタスクの実行順序(タスクの前、後など)を定義できます。

  1. 「抽出の送信」タスクを選択し、「FAST Bank Extract」プロセスを選択します。

  2. 「次」を選択します。

  3. 「給与フロー」(抽出プロセス)に「FAST Bank Extract - Jan 2012」と入力します。

  4. 「終了日」に「1/1/15」と入力します。

  5. 「次」を選択します。タスクが抽出プロセスの異なる他のタスクに依存している場合は、対応詳細を指定できます。たとえば、このタスクは、別のタスクが実行中のため待機する必要があります。

  6. 「次」を選択して抽出をレビューします。抽出をスケジュールするか、すぐに実行します。

  7. 「送信」を選択します。

  8. 「OKしてチェックリストを表示」を選択して、プロセスのステータスを表示します。

  9. 「抽出結果の表示」タスクを選択して、抽出の実行結果をレビューします。「FAST Bank Extract」プロセスを検索します。

  10. 「FAST Bank Extract - Jan 2012」の「タスクに進む」を選択し、眼鏡をクリックして、レポート名の選択によりレポート出力を表示します。