2要件仕様の作成と構造の作成

この章には、次の内容が含まれます。

要件仕様: 概要

イノベーション・マネジメントにおいて要件仕様とは、市場要件を説明した文書である市場要件文書(MRD)、製品要件(PRD)またはビジネス要件(BRD)です。同様に、要件仕様には名称またはタイトル、説明、承認者などの共通の特徴があります。さらに、PRDまたはMRDにより詳細な一連の要件が含まれるように、要件仕様にも階層的な要件のセットが含まれ、これらには作成される製品に期待される詳細な内容が記載されます。

要件仕様は、ビジネス固有、機能的、またはテストケース要件など、任意のタイプを使用できます。

イノベーション・マネジメントでは、要件仕様およびテスト・ケース仕様という2つのアプリケーション・タイプが出荷時に提供されています。

要件仕様の作成

「概念」作業領域には、「タスク」という左ペインがあり、ここで共通タスクを実行または開始できます。タスクはイノベーション・マネジメントから様々なカテゴリに分類されており、「概念」「要件」「機能セット」および「提案」と呼ばれます。(概念および提案については、『Oracle Product Value Chain Cloud製品概念設計の使用』を参照してください。)各カテゴリに「タスクの作成」があり、これによってユーザーはそのオブジェクトの新規インスタンスを作成して作業を続けることができます。また、各カテゴリには「タスクの管理」もあり、これを使用してオブジェクトの検索、特定のオブジェクトへの移動およぼ変更が可能です。

要件仕様の作成

「概念」作業領域で「タスク」ペインを開きます。「要件」カテゴリで「要件仕様の作成」リンクをクリックし、「作成」ダイアログを開きます。名前を入力し、タイプを選択する必要があります。「摘要」フィールドへのテキストの入力は任意ですが、このフィールドの内容は検索対象となるため、入力すると便利です。

要件仕様を作成した後は、タイプを変更できません。要件仕様タイプのリストは管理者によって作成および変更されます。「タイプ」属性は、タイプによって要件仕様のグループ化および検索を許可します。特定の要件仕様固有の新規属性は、データ・コンポーザで定義できます。

要件仕様の管理

「要件」カテゴリで、「要件仕様の管理」リンクをクリックします。「要件仕様の管理」ページに「検索」および「検索結果」領域が表示されます。要件仕様または要件を検索できます。

要件は、常に要件仕様下の構造の一部です。そのため、要件の作成、名付けおよび拡充は、最上位レベルの要件仕様下で要件構造を構築するコンテキストで行われます。この後のトピックでは、検索フィールド、新規要件の作成手順、および要件構造の構築方法を説明します。

構造

要件仕様の下に、1つ、数個、または多数の要件を追加することが可能で、これを構造と呼びます。構造には、最上位の要件仕様で説明または提案されている製品に予期されるすべての詳細事項が示されます。要件仕様は、要件で構成される構造によってサポートおよび拡充されます。

構造の構築

要件は必要に応じて作成され、構造に追加されます。要件はそのまま入力したり、別の要件仕様から要件を検索することによって作成できます。また、構造に追加する要件仕様を検索することもできます。

要件仕様とその要件の構造は、指定されたビジネス・オブジェクトの要件仕様の編集ページの「要件」と呼ばれる左ペインで表示および管理されます。要件の順序を調整するには、「上へ移動」および「下へ移動」コマンドを使用します。これらのコマンドは、「要件」ペインの「処理」ドロップダウン・メニューと、メニュー・バーの個別のアイコンとして用意されています。

要件はフラットなリストか、または階層で編成できます。階層、または要件の親と子の順序付けを設定する場合は、「インデントを増やす」および「インデントを減らす」コマンドを使用します。これらのコマンドも、「処理」ドロップダウン・メニューとメニュー・バーにあります。移動コマンドまたはアイコンがグレー表示されている場合、その移動は選択した要件で実行できません。選択した要件を親から離すと、構造内の移動に関する内部ルールが理解できるようになります。

また、要件を構造内の任意の位置にドラッグ・アンド・ドロップすることもできます。ページを終了する際は、必ず変更した要件仕様を保存してください。

要件は、要件仕様構造の別の明細を満たすため、要件明細と呼ばれることもあります。

要件仕様の作成と構造の作成のFAQ

要件仕様と要件の違いは何ですか。

要件仕様は常に構造の最上位レベルにあります。構造は、その最上位レベルの要件仕様によって決まります。要件は詳細な説明または情報で、要件仕様と異なる属性を持ちます。要件は、要件仕様と同様に複数の子要件を持つことがありますが、要件は構造の最上位レベルにはなりません。

要件仕様オブジェクトは、別の要件仕様の構造に含めることができます。そのコンテキストでは、含まれている方の要件仕様は要件として扱われます。要件仕様が構造に追加されているときは、子要件を持つことができません。これらの動作は、次の章で詳細に説明します。

要件の作成方法を教えてください。

要件は、必ず要件仕様のコンテキスト内で作成されます。要件仕様を選択した状態で、「要件」ペインのメニュー・バーの「処理」ボタンをクリックし、「作成」を選択します。新しい要件に関する情報をダイアログに入力します。「OK」をクリックすると、要件が構造に追加されます。

要件を選択した状態で「新規作成」を選択して、続けて要件を作成できます。

また、構造内でマウスを右クリックして、コンテキスト・メニューを使用して要件を作成および追加できます。

これらのいずれかの方法で要件を作成した後は、必ず要件仕様を保存してください。その後、これらの新規要件を検索、表示および変更できるようになります。構造内での移動、構造からの削除、別の構造への追加ができます。

要件および要件仕様の表示オプションを教えてください。

それぞれのオブジェクトの「要件仕様の編集」ページの一番上に、ビジネス・オブジェクト内のデータの表示方法を変更するためのアイコンが2つあります。ツリー・アイコンをクリックすると「標準」ビューになります。グリッド・アイコンをクリックすると「表」ビューになり、構造内のアイテムが編集可能な表形式で表示されます。

「処理」メニューには、グラフィカル・ナビゲータという別の表示オプションもあります。要件仕様または要件を選択した状態で、「処理」ドロップダウン・メニューを開き、「グラフィカル・ナビゲータの起動」を選択します。これにより、要件仕様または要件が、構造、関係および依存関係を含めてグラフィカルに表示されます。グラフィカル・ナビゲータは非常に動的で、任意のオブジェクトをクリックすると関連付けられたオブジェクトが表示され、その他にも多数のビジュアル・コントロールが含まれています。詳細は、次の関連リンクをクリックしてください。

要件または要件仕様を削除する方法を教えてください。

要件仕様を開いた状態で、「処理」をクリックして「削除」を選択します。削除の決定を確認するプロンプトが表示されます。「はい」をクリックすると、保護および制約があり、別の要件またはコンポーネントに1つでも影響する関連付けがある要件仕様は削除されません。そのような関連付けが存在する場合は、エラー・メッセージが表示され、メッセージの外をクリックすると、要件仕様が開かれた状態で残り、削除されません。

要件を構造から削除するには、要件を選択して「要件」ツールバーの「処理」メニューをクリックし、「削除」を選択します。

要件をシステムから削除するには、まず要件を開き、「処理」メニューをクリックして「削除」を選択します。要件の削除を確認するプロンプトは表示されませんが、他の要件またはコンポーネントに影響する場合は要件は削除されません。そのような関連付けが存在する場合は、エラー・メッセージが表示され、メッセージの外をクリックすると、要件が開かれた状態で残り、削除されません。