3プランニング例外

この章の内容は次のとおりです。

例外および例外セット

「例外の構成」ページでは、例外を選択してレポート用のしきい値を編集できます。構成できるのは、「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域に関連する例外のみです。

「例外セットの構成」ページでは、プラン実行の一環として計算される例外を制限できます。また、組織、品目カテゴリ、期間など例外を計算する対象を管理することもできます。

定義した例外セットはプランに関連付けられます。プランでは、例外セットに関連付けられたフィルタを使用して例外が評価されます。プラン実行時に実行される例外セットは、「プラン・オプション」ページで定義します。

例外パラメータを編集するには、「例外の構成」ページで例外を選択します。構成できるのは、「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域に関連する例外のみです。

「例外の編集」ダイアログ・ボックスには、一般プロパティおよび例外詳細のための領域があります。表示しているサプライ・チェーン・プランニング作業領域に応じて、「例外詳細」セクションには次のタブが表示されます。

  • 「需要管理」作業領域: 「レベル」、「しきい値」および「通知」

  • 「供給プランニング」作業領域: 「レベル」、「しきい値」および「通知」

  • 「プランニング・セントラル」作業領域: 「レベル」および「しきい値」

  • 「販売および業務」作業領域: 「レベル」、「しきい値」および「通知」

レベルおよびしきい値を編集できるのは、基準がメジャーである例外についてのみです。基準がオーダーである例外については、しきい値のみ編集できます。

「レベル」タブでは、例外のディメンションが基準メジャーから導出されます。階層およびレベルのデフォルト値は編集できます。

「しきい値」タブでは、例外で使用される基準メジャーが値または別のメジャーと比較されます。値に関してしきい値を指定した場合、その値は基準メジャーのデータ型で解釈されます。例外が意味のある値を戻すようにするには、しきい値を適切に高い値または低い値に設定します。

「通知」タブでは、例外の通知ルールを設定します。通知を特定のユーザーまたはロールにトリガーするように例外を構成します。「詳細」セクションでは、通知のエンティティおよび条件を指定します。通知はプラン実行の最後に自動的に送信されます。

「例外セットの構成」ページを使用して、例外セットの作成、変更またはコピーを行います。例外とプランによって算出されるそのスコープのセットは、「例外セットの作成」ページまたは「例外セットの編集」ページで構成します。例外セットを作成する際、まずセットに含める例外を指定する必要があります。

例外セットを使用すると、例外の生成を特定の組織、カテゴリ、サプライヤおよび顧客に制限することもできます。その場合、例外セットはプランの「プラン・オプション」ページで指し示すことができます。

プランで使用する例外セットの使用可能な例外を選択すると、一部の主要なプランニング・ディメンションでフィルタを追加できます。フィルタを定義できるレベルは、組織、カテゴリ、サプライヤおよび顧客です。

「例外セットの構成」ページの「フィルタ」タブで、例外を生成する各表で、1つ以上の組織、サプライヤ、カテゴリおよび顧客を選択します。レベルに対してフィルタを指定しない場合、そのレベルの全レコードについて例外が生成されます。たとえば、組織を指定しない場合、例外は、プランの実行時にすべてのプランニング組織について生成されます。例外セットの組織、カテゴリ、サプライヤまたは顧客のいずれかがプランで使用できない場合、それらは無視されます。

「例外期限日数」フィールドで、例外を生成するプラン開始日から始まるカレンダ日数を指定します。このフィールドが空白の場合、例外は、プランニング範囲を通じて生成されます。

プランの例外

例外は、サプライ・チェーン・プランニングでプランを評価して改善するための重要な要素です。プランの実行後に、例外を確認してプランの品質を把握し、主要な問題領域を認知します。主要な例外に的を絞り、その根本原因を理解することが可能です。例外表から、問題領域の詳細情報を求めて他のプラン・ビューにドリルダウンできます。例外を解決する処理を実行した後、再度プランを実行してプランが今度は許容できるかどうか評価します。

プランの実行後にサプライ・チェーン・プランニング・プロセスで計算される事前定義済の例外がいくつか用意されています。これらの例外を確認して、注意を要するプラン内の問題のある領域を特定します。例外のリストを表示するには、プランを開いてから「例外」表を開きます。

例外タイプとその計算ロジックはあらかじめ定義されています。しかし、意味のある偏差のみが強調表示されるようにするために、例外が生成される条件を編集できます。プランについて計算される例外を管理するには、「プラン・オプション」ページで例外セットを指定します。件数別、数量別など、例外に関連付けられたメトリックを、様々な階層レベルの表またはグラフで表示します。

事前定義の「例外」表を開き、次のフォルダ内でグループ分けされた例外を表示します。

  • 需要プランニング例外。このフォルダには、「需要管理」、「プランニング・セントラル」および「販売および業務プランニング」の作業領域のみからアクセスできます。

  • 供給プランニング例外。このフォルダには、「供給プランニング」作業領域および「プランニング・セントラル」作業領域のみからアクセスできます。

  • セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング例外。このフォルダには、「セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング」作業領域のみからアクセスできます。

  • 複数例外に対するビュー。このフォルダには、「供給プランニング」作業領域および「プランニング・セントラル」作業領域のみからアクセスできます。

例外名の後のカッコ内に生成された例外数を確認できます。例外名をクリックして、例外の詳細を表に表示します。例外表から、次のことが可能です。

  • 指定した日付の範囲内での特定の品目および組織に関する例外の検索。

  • 今後の検索のための検索基準の保存。

  • スプレッドシートへの表のエクスポート、列の再配置および表に対するその他の標準的な表処理の実行。

「複数例外に対するビュー」フォルダ内の事前定義ビューを使用すると、同じ表内で品目、リソースまたはサプライヤに関するすべての例外を表示できます。

例外データが表示される表から、他のプラン・データへのコンテキストを移動できます。このナビゲーション機能は、たとえば、品目に関する例外を表示しながらその供給やリソースの可用性の確認も行う場合に便利です。

プランで生成される例外の数を管理するには、例外が計算されるレベルとそのしきい値を変更します。通常、しきい値が高いほど、例外の数は少なくなります。

例外しきい値を構成するには、次の手順を実行します。

  1. 「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域から、「例外の構成」タスクを選択します。

  2. 「例外の構成」ページで、例外を選択します。

  3. 「処理」をクリックして「編集」を選択します。

需要プランニングとセールス・アンド・オペレーションズ・プランニングの例外は、メジャーベースの例外です。基準メジャーは、これらの例外の基盤となります。

「プランニング・セントラル」作業領域では、基準メジャーを変更できませんが、例外が計算されるレベルとそのしきい値を編集できます。

ほとんどの供給プランニング例外の計算は、特定のオーダーに対するものであり、基準メジャーに関連付けられていません。このようなタイプの例外の場合、例外に関連付けられているファクトを選択し、例外を生成する時期を指定する条件を変更します。ファクトを例外の属性として考えます。典型的なファクトは、数量と値です。

プラン例外用の表またはグラフをメジャー(生成された例外の数、例外に関連付けられた数量など)に基づいて作成します。

例外用の表の作成

  1. 「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域で、プランを開きます。

  2. 「処理」ボタンをクリックして、リストから「表、グラフおよび分析セットの管理」を選択します。

  3. 「表、グラフおよび分析セットの管理」ダイアログ・ボックスで、「処理」をクリックします。次に、「作成」を選択してから「表」を選択します。

  4. 「表の作成」ページで、次のようにします。

    • 表の名前を入力します。

    • グループを選択します。

    • 摘要を入力します。

    • アクセスのタイプ(公開または非公開)を選択します。

  5. 「メジャー」タブで、次のようにします。

    1. 「使用可能なメジャー」セクションで、「全プラン健全性」フォルダを展開します。

      「全プラン健全性」フォルダには、例外に関連付けられたメジャーが格納されています。

    2. 表に表示する例外ファクトを選択します。

  6. 「階層」タブで、「例外タイプ」階層を含めます。

  7. 「メンバー」タブで、表に表示する例外タイプを選択します。

  8. 「保存してクローズ」をクリックします。

例外用のグラフの作成

  1. 「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域で、プランを開きます。

  2. 「処理」ボタンをクリックして、リストから「表、グラフおよび分析セットの管理」を選択します。

  3. 「表、グラフおよび分析セットの管理」ダイアログ・ボックスで、「処理」をクリックします。次に、「作成」を選択してから「グラフ」を選択します。

  4. 「グラフの作成」ページで、次のようにします。

    • グラフの名前を入力します。

    • グループを選択します。

    • 摘要を入力します。

    • アクセスのタイプ(公開または非公開)を選択します。

  5. 「メジャー」タブで、次のようにします。

    1. 「使用可能なメジャー」セクションで、「全プラン健全性」フォルダを展開します。

      「全プラン健全性」フォルダには、例外に関連付けられたメジャーが格納されています。

    2. グラフに表示する例外ファクトを選択します。

  6. 「階層」タブで、「例外タイプ」階層を含めます。

  7. 「メンバー」タブで、グラフに表示する例外タイプを選択します。

  8. 「レイアウト」タブで、次のようにします。

    1. 「グラフ・レイアウト・オプション」セクションで、グラフのタイプを選択します。

    2. 「グラフ・レイアウト・オプション」の下の水平パネルでグラフを構成します。

      「グラフ・レイアウト・オプション」の下の水平パネルは、選択したグラフのタイプに応じて異なります。たとえば、グラフ・タイプに「円グラフ」を選択した場合、水平パネルは、「一般オプション」、「円のスライス」および「書式設定」で構成されます。

  9. 「保存してクローズ」をクリックします。

プランニング・プロセスでは、プランの実行後にいくつかの事前定義済の例外が計算されます。これらの例外を確認して、注意を要するプラン内の問題があると思われる領域をすばやく把握します。例外レポートのリストを表示するには、「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域からプランを開き、「例外」表を開きます。この項では、サプライ・チェーン・プランニングにおける事前定義済の例外の一部について説明します。

「例外」表は、プラン・タイプに応じて異なるフォルダにグループ化されます。

  • 需要プランニング例外

  • 供給プランニング例外

  • 複数例外の表示(同じ表内の品目、リソースまたはサプライヤの例外の表示)

需要プランニング例外

次の表は、事前定義済の需要プランニング例外レポートとその説明を示しています。

需要プランニング例外名 説明

記帳MAPEによるしきい値の超過

記帳予測MAPEが指定したしきい値を超えています。この例外は、事前定義済メジャー「記帳予測MAPE」に基づいています。

出荷MAPEによるしきい値の超過

出荷予測MAPEが指定したしきい値を超えています。この例外は、事前定義済メジャー「出荷予測 MAPE」に基づいています。

前年比販売における重要な偏差

現在の年の売上と過去1年の売上の差異が指定したパーセント値を超えています。

インポート済販売予測と最終出荷予測間の重要な偏差

インポート済販売予測と最終出荷予測の間に著しい差異があります。

供給プランニング例外

次の表は、事前定義済の供給プランニング例外レポートとその説明を示しています。

供給プランニング例外名 説明

未充足需要数量

使用可能な供給がありません。プランニング・プロセスで供給にペグされた需要が見つかりましたが、供給数量が需要数量を下回っています。プランニング・プロセスでは、サプライ・チェーン部品構成表のすべてのレベルの需要に対してこの例外が発行されます。

この例外は通常、設定に一貫性がないために発生します。たとえば、オプション固有の除外が多すぎてどのソースも使用できないと、構成品目をソーシングできなくなります。

不十分なリード・タイムによるリスクあり需要

需要が、不十分なリード・タイムでスケジュールされた供給にペグされています。リード・タイムが不十分で定時に間に合わないものの、営業オーダーまたは予測が定時に計画されています。この例外ではその後サプライ・チェーンが調査され、その需要を定時に満たそうとした場合にリード・タイムが不足するすべての供給を判別します。プランニング・プロセスでは、リード・タイムが十分ではないすべての供給について1つの例外がレポートされます。

リソース不足によるリスクあり需要

要求が、リソース過負荷例外のあるリソースにペグされています。リソース可用性がないものの、営業オーダーまたは予測が定時に計画されています。この例外は、生産能力が不十分なサプライヤに対してペグされているためにリスクありとなっている終了需要の詳細を示します。

サプライヤ生産能力不足によるリスクあり需要

需要が、サプライヤ生産能力に制約がある供給にペグされています。サプライヤ生産能力がないものの、営業オーダーまたは予測が定時に計画されています。この例外は、生産能力が不十分なサプライヤに対してペグされているためにリスクありとなっている終了需要の詳細を示します。

品目が安全在庫に未達

プランニング・バケットの見積使用可能残高が、プランニング・バケットに対して指定された安全在庫レベルを下回っています。

例外が数日間にわたる場合、プランニング・プロセスではその期間を反映するように、開始日と終了日を含む1つの例外がレポートされます。例外の程度が悪化すると、プランニング・プロセスによって新しい例外が作成されます。

過剰在庫品目

見積使用可能残高が安全在庫レベルを上回っています。

失効済ロット品目

プランニング・プロセスで潜在的失効済ロットが検出されました。潜在的失効済ロットとは次のようなものです。

  • プランニング範囲にロット失効日があります。

  • ロット失効日より前に使用される需要にペグされていません。

この例外は、完全ロット管理の品目に対して発生します。ロット失効日は「ロット受入日+保管期限日数」で計算されます。

この例外のレポートに加えて、プランニング・プロセスによりロット失効日に在庫がフラッシュされる予定です。このプロセスにより、需要を充足するためにロット失効日後にそのロットが使用されるのを回避できます。

欠品品目

品目の手持が1日の最後にマイナスになりました。例外が数日間にわたる場合、プランニング・プロセスではその期間を反映するように、開始日と終了日を含む1つの例外がレポートされます。例外の程度が悪化すると、プランニング・プロセスによって新しい例外が作成されます。

予測の遅延補充

プランニング・プロセスで、予測の供給の期限が予測の期日より後であることが検出されました。この例外は通常、プランニング・タイム・フェンスが有効になっているために発生します。

販売オーダーの遅延補充

プランニング・プロセスで、販売オーダー明細の供給の期日が販売オーダー明細の予定日より後であることが検出されました。この例外は通常、プランニング・タイム・フェンスが有効になっているため、あるいは予約済供給の遅延が確定した場合に発生します。

予測にペグされた遅延供給

プランニング・プロセスで、遅れて充足される非依存需要予測にペグされる供給が検出されました。この例外により、どの供給が遅延予測に対してペグされているかをすばやく検出できます。

販売オーダーにペグされた遅延供給

プランニング・プロセスで、遅れて充足される販売オーダー需要をペグする供給が検出されました。この例外により、どの供給が遅延販売オーダーに対してペグされているかをすばやく検出できます。

代替施設からソーシングされたオーダー

プランニング・プロセスで、代替施設からのソースがある確定計画オーダーが検出されました。

代替サプライヤからソーシングされたオーダー

プランニング・プロセスで、代替サプライヤからのソースがある確定計画オーダーが検出されました。

要取消オーダー

プランニング・プロセスで、需要または安全在庫の要件を満たす必要がない未確定の供給オーダーが検出されました。プランニング・プロセスにより次の処理が行われます。

  • 供給オーダーを取り消すことが提案されます。

  • 提案を受け入れたものとして、下位品目構成レベルの計画を続行します。

要納期前倒しオーダー

プランニング・プロセスで、当初期日が提示期日より後の確定されていない供給オーダーが検出されました。プランニング・プロセスにより次の処理が行われます。

  • 供給オーダーをより早い日付に再スケジュールすることが提案されます。

  • 提案を受け入れたものとして、下位品目構成レベルの計画を続行します。

要納期先送りオーダー

プランニング・プロセスで、当初期日が提示期日より前の確定されていない供給オーダーが検出されました。プランニング・プロセスにより次の処理が行われます。

  • 供給オーダーをより遅い日付に再スケジュールすることが提案されます。

  • 提案を受け入れたものとして、下位品目構成レベルの計画を続行します。

不十分なリード・タイムのオーダー

プランニング・プロセスで、需要を満たすためには供給オーダーを最小処理時間よりも短い時間で完了する必要があることが検出されました。プランニング・プロセスによりオーダーがリード・タイムに従って計画される場合、プランニング範囲開始日より前に開始されます。

圧縮日数をレポートするために、プランニング・プロセスにより品目リード・タイムおよびバック・スケジューリングを使用してオーダー開始日が計算されます。プランニング・プロセスでは、サプライ・チェーン・モデルに関連付けられたすべてのカレンダが考慮されます。

期限超過オーダー

プランニング・プロセスにより、オーダー期日がプラン範囲開始日より前である購買オーダーや転送、作業オーダーが検出されました。

期限超過販売オーダー

プランニング・プロセスで、販売オーダーの予定日がプラン範囲開始日より前であることが検出されました。

計画オーダーによる代替作業定義の使用

プランニング・プロセスで、代替品目構成または代替工順がある確定計画オーダーが検出されました。

リソース過負荷

プランニング・タイム・バケットでリソースの必要生産能力がリソースの有効生産能力を超える場合に例外が発生します。制約なしプランでは、リソースは需要要件を定時に満たすようオーバーロードできます。

例外が数日間にわたる場合、その例外の期間を反映するように、開始日と終了日が表示されます。例外の程度が悪化すると、プランニング・プロセスによって新しい例外がレポートされます。

サプライヤ生産能力超過

プランニング・タイム・バケットでサプライヤの必要生産能力がサプライヤの有効生産能力を超える場合に例外が発生します。

例外が数日間にわたる場合、その例外の期間を反映するように、開始日と終了日が表示されます。例外の程度が悪化すると、プランニング・プロセスによって新しい例外がレポートされます。