3原価プランニング

この章の内容は次のとおりです。

原価管理は、製造原価のプランニング、原価計算および分析を強力にサポートします。原価計算で使用する作業定義を決定し、スプレッドシートを使用して資材、リソースおよび間接費の原価を効率的に入力、インポートし、原価積上を実行できます。たとえば、公の外部レポートに1つ、社内シミュレーションに1つなど、複数の原価を同時に使用できます。原価プロファイルを作成することで、柔軟な勘定科目デフォルト・ルールおよび評価ポリシーを定義できます。原価分析では、作業オーダー、工程、原価要素および差異別に原価を表示できます。

原価プランニングを開始するには、原価シナリオを作成し、品目の様々な標準原価、リソース・レートおよび間接費レートを定義します。次に、原価シナリオのこれらの原価を積み上げて、組立品のユニット原価を生成します。複数の原価シナリオを作成することで、原価を公開する前に原価を比較および分析できます。生成された原価に問題がなければ、原価を公開して、対応するトランザクションの原価計算に使用できるようにします。

原価計算を可能にするための品目属性の構成

「製品情報管理」作業領域の「品目の管理」ページで、次の原価計算の前提条件設定を構成する必要があります。

  • 原価計算可能 - 品目原価がレポート、評価および計上されるようにするには、この属性を「はい」に設定します。

  • 積上に含む。品目を原価積上に含めるには、この属性を「はい」に設定します。

原価プランニング用の「製品情報管理」設定の構成の詳細は、『Oracle SCM Cloud Product Master Data Managementの使用』を参照してください。

原価シナリオ

原価積上は、資材原価、リソース原価および間接費原価を追加してユニット当たりの合計製造原価を取得するプロセスです。原価シナリオを作成するときに、次の原価積上スコープのいずれかを、原価の積上プロセスの考慮対象として設定できます。

  • すべての品目 - 生産工場にアクティブな作業定義があるすべての品目を対象に原価の積上を行います。

  • 選択済品目 - 選択した品目の原価のみを積み上げます。

  • 選択済品目カテゴリ - 選択したカテゴリの品目を対象に原価の積上を行います。

  • 使用場所 - コンポーネント原価またはリソース・レートが変更された製造品目のみを対象に原価の積上を行います。この原価積上スコープは、コンポーネント原価変更の影響を受けない品目の標準原価の変更を回避できるため便利です。

    また、この積上スコープは、コンポーネント原価の変更が製造品目原価にどのように影響するかを調べる際、原価が製造作業定義の変更の影響を受けないようにすることができるため便利です。

また、原価積上が単一レベル用かどうかも指定できます。単一レベルのロールアップを使用すると、選択した品目の品目構成の最初のレベルの原価のみが積み上げられます。これにより、部分組立品の原価を再計算せずに特定の品目の原価を計算できます。原価シナリオの作成時に単一レベル積上を選択しないと、選択した品目および対応するすべての部分組立品の原価が積み上げられます。

原価シナリオの有効日は、資材、リソース、間接費の見積標準原価が、公開済の固定標準原価として有効になる日付です。通常、有効日は将来の日付ですが、現在の日付または過去の日付にすることもできます。複数の原価シナリオに、同じ有効日を設定できます。

作業定義を処理するには、作業定義が製造組織でアクティブであり、原価シナリオの有効日が作業定義日以降である必要があります。

構成品目の原価シナリオの場合、新しい作業オーダーを処理するには、作業オーダーの計画開始日がシナリオ有効日以降である必要があります。構成品目に対して積み上げられた資材原価およびリソース・レートがシナリオ有効日における公開済原価となります。同様に、新しい購買オーダーを処理するには、購買オーダーの承認日がシナリオ有効日以降である必要があります。

原価シナリオを使用して、原価組織および原価台帳の組合せの原価範囲を定義できます。原価のプランニング時には、標準品目と構成品目用とで別々の原価シナリオを使用する必要があります。

  1. 「原価会計」作業領域で、「原価シナリオの管理」タスクをクリックします。

  2. 「追加」アイコンをクリックします。

  3. 「原価シナリオの作成」ページで原価シナリオの名前を入力し、適切な「原価組織」および「原価台帳」を選択します。

  4. 原価シナリオの「有効日」を選択します。

  5. 「シナリオ・タイプ」を選択し、原価シナリオが標準品目のシナリオか構成品目のシナリオかを定義します。

  6. これらのパラメータを使用して、原価積上の作業定義を選択する基準を定義します。

    フィールド 説明

    最新の作業定義の使用

    このチェック・ボックスは、「原価の積上」プロセスで、製造からの最新の作業定義変更がチェックされるようにするために選択します。

    選択しなかった場合、以前に公開されたシナリオで製造品目原価の計算に使用された作業定義が使用され、シナリオ有効日にアクティブな最新の作業定義は使用されなくなります。

    作業定義優先度

    製造組立品に複数の作業定義が存在する場合、優先度によって原価の計算に使用される作業定義が決まります。次のオプションを任意に組み合せて使用し、作業定義を選択するための優先度を定義します。

    • 上位生産優先度

    • 上位原価計算優先度

    • 作業定義名

    複数のオプションを選択した場合は、上矢印ボタンと下矢印ボタンを使用して順序を変更できます。

    作業定義

    「作業定義優先度」パラメータで「作業定義名」を選択した場合は、原価の積上プロセスで使用する作業定義を選択します。

  7. 原価積上の品目を識別する原価積上スコープを選択します。

    原価積上スコープを「選択済品目」または「選択済品目カテゴリ」に設定した場合は、「追加」アイコンをクリックして、「選択して追加: 品目」ダイアログ・ボックスまたは「選択して追加: 品目カテゴリ」ダイアログから必要な品目を検索して選択します。

    原価積上スコープを「使用場所」に設定した場合、「最新の作業定義の使用」パラメータは無視されます。

  8. 原価積上が単一レベル用かどうかを指定します。

    「単一レベル原価積上パラメータは、「積上スコープ」「選択済品目」または「選択済品目カテゴリ」に設定している場合にのみ使用できます。

  9. 「保存してクローズ」をクリックします。

原価シナリオを作成したら、原価シナリオに資材、リソース、間接費レートを定義できます。次に原価シナリオから「原価の積上」「標準原価の更新」などのプロセスを手動で実行できます。また、これらのプロセスを定期的に実行するようにスケジュールすることもできます。

原価シナリオの作成後、原価シナリオの状態によって、原価シナリオで実行できる処理が決まります。

この図は、原価シナリオが通過する様々な状態と、各状態の原価シナリオで実行できるタスクを示しています。

この図は、原価シナリオが通過する様々な状態と、
各状態でユーザーが実行できるタスクを示しています。

原価シナリオは次のいずれかの状態になります。

  • 新規 - 原価シナリオが作成されたときの状態は「新規」です。原価シナリオがこの状態の場合は、標準原価、リソース・レートおよび間接費レートを定義できます。

  • 原価積上済 - 原価シナリオに対して「原価の積上」プロセスを実行すると、状態が「原価積上済」に変わります。この状態では原価を分析および比較できます。原価の積上プロセスで生成された原価に問題がなければ、この状態の原価シナリオに対して標準原価の更新プロセスを実行できます。

  • 原価積上の再実行 - 「原価積上済」状態の原価シナリオの標準コストを更新すると、状態が原価積上の再実行に更新されます。このような原価シナリオの状態を「原価積上済」に戻すには、「原価の積上」プロセスを実行する必要があります。

  • 原価公開済 - 「標準原価の更新」プロセスを実行すると、原価シナリオの状態が「原価公開済」に変更されます。これにより原価シナリオの有効日に基づいて、公開された標準原価を使用して原価会計でトランザクションの原価を計算できるようになります。

  • 公開済原価取消 - 原価シナリオに対して予定外の原価が公開されている場合は、原価更新を元に戻すプロセスを実行できます。プロセスを実行すると、原価シナリオは「公開済原価取消」状態になります。その後、原価を更新して原価の積上プロセスを再実行できます。

原価シナリオのステータスは、原価シナリオでプロセスを実行したかどうか、および正常に完了したかどうかを示します。ステータスは次のいずれかの値です。

  • 新規 - 原価シナリオが「新規」状態の場合、ステータスも「新規」になります。

  • 正常に完了 - 原価シナリオに対して「原価の積上」プロセスまたは「標準原価の更新」プロセスを実行した後、プロセスが例外なしで完了すると、ステータスは「正常に完了」に変更されます。

  • 警告ありで完了 - プロセスを実行して例外が発生した場合、原価シナリオのステータスは「警告ありで完了」に変更されます。プロセスを再実行する前に「シナリオ例外の表示」ページでメッセージをレビューし、修正処理を実行できます。

  • エラー - プロセスでエラーが発生した場合、ステータスは「エラー」に更新されます。プロセスによって記録された例外を確認し、必要なアクションを実行する必要があります。

標準原価

「原価会計」作業領域で「標準原価の管理」タスクを使用して、すべての購買品目の見積標準原価を作成できます。標準原価は原価組織および原価台帳にすでにマップされているシナリオに対して作成されます。原価見積プロセスには次の機能が含まれます。

  • 購買品目の原価見積は、原価組織にマップされ、同じ評価ユニットを指す、すべての在庫組織で共有できます。

  • 購買品目の見積原価は、直接UIに入力するか、スプレッドシートを使用してインポートできます。

  • 1つ以上の原価要素が含まれている見積を入力できます。

  • 間接費原価要素の原価見積を入力する場合、費用プールを指定する必要があります。

  • 複数の費用プールに対して原価を配賦する場合、間接費原価に複数の行を入力できます。

  • 標準原価間接材料費をCTOモデルの作業定義用に定義できます。CTOモデルの間接費は、モデルの作業定義から作成された構成品目に適用されます。

  • 直接出荷された標準原価品目の論理受入は、その有効な標準原価で原価計算されます。論理受入の評価は、物理購買オーダー受入の評価に合わせられます。

  • 購買品目の見積原価には、過去、現在または将来の有効日を設定できます。

  • 購買品目の原価見積は、一括編集機能を使用して改訂でき、パーセントまたは特定の値で増減できます。

  • 購買オーダー承認の構成の標準原価を計算し、それらの原価を使用して、購買受入での差異を計算できます。

  • 標準原価積上は、複数を同時に開始および実行できます。原価組織で先行する原価積上がまだ完了していない場合でも、その原価組織に対する原価積上の要求を送信して実行できます。

組立品の標準原価の見積

原価シナリオを使用して、選択した作業定義に基づいて、製造品目の積上原価を見積もることができます。増分原価積上を実行して製造品目の原価を見積もって、中期訂正およびローリング予測を見積に組み込むことができます。「原価シナリオの管理」ページで「原価の積上」タスクを使用して、製品原価合計を計算できます。

品目の標準原価を定義でき、関連する評価ユニット、原価要素および費用プールも定義できます。標準原価を原価シナリオに関連付ける必要があります。

  1. 「原価会計」作業領域で、「標準原価の管理」タスクをクリックします。

  2. 「追加」アイコンをクリックします。

  3. 「標準原価の作成」ページで、この標準原価を関連付ける原価シナリオを選択します。

  4. 標準原価を定義する品目および評価ユニットを選択します。

  5. 「標準原価詳細」リージョンで「行の追加」アイコンをクリックします。

  6. 原価要素、原価要素タイプ、ユニット原価および費用プール(該当する場合)の値を入力します。

  7. 「保存してクローズ」をクリックします。

オフラインで作業する必要がある場合は、Microsoft Excelスプレッドシートを使用して標準原価を管理します。Oracle Application Development Framework Desktop Integration (ADFdi)を使用することで、資材標準原価を一括で作成および更新できます。

ADFdi機能の利点は次のとおりです。

  • 標準原価をスプレッドシートにダウンロードした後は、アプリケーションに接続していなくてもデータを変更できます。

  • スプレッドシートを使用すると、データの一括エントリや一括更新を簡単に実行できます。

  • オンラインで原価計算アプリケーションに接続しているときに、それらのデータをアップロードしてエラーを確認できます。

スプレッドシートで標準原価を管理するには、最初にADFdiインストーラをダウンロードして実行する必要があります。

  1. 「ナビゲータ」「ツール」「デスクトップ統合インストーラのダウンロード」をクリックします。

  2. 「ファイルの保存」をクリックしてデスクトップ統合インストーラをダウンロードします。

  3. 実行可能ファイルをダブルクリックしてADFデスクトップ統合インストーラをインストールします。

  4. インストール処理を続行するには、「インストール」をクリックしてください。

  5. 「閉じる」をクリックしてインストール・プロセスを完了します。

次に、標準原価データをダウンロードします。

  1. 「原価会計」作業領域で、「原価シナリオの管理」タスクをクリックします。

  2. 必要な原価シナリオを検索して開きます。

  3. 「処理」メニューから「標準原価の管理」を選択します。

  4. 「スプレッドシートでの管理」をクリックして、標準原価定義スプレッドシートをダウンロードします。

  5. 「プログラムから開く」オプションを選択して、標準原価定義Excelファイルを開きます。

    ファイルには「標準原価の作成」と「標準原価のインポート」という2つのワークシートがあります。

  6. 「はい」をクリックしてアプリケーションに接続します。

  7. 資格証明でログインし、作業を開始します。

標準原価の小さいバッチ(最大20レコード)をアップロードするには、「標準原価の作成」ワークシートを使用し、より多くの標準原価をアップロードするには、「標準原価のインポート」ワークシートを使用します。次に、スプレッドシートで標準原価を管理する方法を示します。

  • 既存のデータを変更するには、各行で更新対象のセルを更新します。

  • 新規標準原価を追加するには、ワークシートに行を追加し、それぞれのセルに値を入力します。または、データが移入されている既存の行をコピーしてワークシートに貼り付けてから、必要なセルを変更します。

ノート: 変更できるのは、「品目」、「評価ユニット」、「原価要素」、「費用プール」および「ユニット原価」の各列の値のみです。「費用プール」を除き、すべての編集可能列が必須です。

行の情報を更新すると、その行の「変更済」列が自動的に更新され、変更インジケータ・アイコンが表示されます。非アクティブ・セルは読取り専用フィールドで、アップロード・プロセスには含まれません。

ワークシートを更新した後、「アップロード」をクリックして原価会計内のデータを同期します。「アップロード」をクリックすると、「標準原価のインタフェース」プロセスが送信されます。プロセスのステータスは、「予定済プロセス」ページで確認できます。

ワークシートの「行ステータス」列が、変更された各行の成功またはエラー・メッセージで更新されます。エラーが発生した場合は、エラーのある行を修正してデータを再アップロードするか、「インタフェースから標準原価を削除」プロセスを実行してアプリケーションからエラーのある情報を削除できます。

標準原価インポートのオープン・インタフェースを使用して、外部ソースから原価管理に標準原価をインポートできます。ロードが完了したら、「標準原価インポート例外の管理」ページの「原価会計」作業領域で、データを表示します。

「標準原価のインポート」をクリックし、「標準原価のインタフェース」プロセスを使用してデータを検証します。検証プロセスで発生したエラーは「標準原価インポート例外の管理」ページで確認できます。エラーが発生した場合は必要な訂正処理を実行し、「標準原価のインタフェース」プロセスを再実行します。

検証が完了すると、データは「標準原価インタフェース」表と、原価会計内の「標準原価の管理」ページにロードされます。

ファイルベース・データ・インポートの詳細は、Oracle Supply Chain Management Cloudのファイルベース・データ・インポート・ガイドで、標準原価のインポートに関する章を参照してください。

ファイルベース・データ・インポートを使用してデータをインポートする前に、次のタスクを完了します。

  • 「設定および保守」作業領域で原価会計の「デフォルト原価プロファイル」を設定し、「新規品目プロファイル作成」オプションを「自動」に設定します。

  • 「設定および保守」作業領域で「評価ユニットの管理」タスクを使用して、評価ユニットを設定します。CSVファイル用に必要な評価ユニット・コードをノートにとります。

  • 「設定および保守」作業領域で「原価要素の管理」タスクを使用して、原価会計の間接費原価要素を設定します。

ファイルベース・データ・インポートによる標準原価のインポート手順

ファイルベース・データ・インポートを使用して標準原価をインポートするには、次のステップを実行します。

  1. 「原価会計」作業領域で、「原価シナリオの管理」タスクをクリックします。

  2. 「追加」アイコンをクリックして原価シナリオを作成します。

    CSVファイル用に必要なシナリオ番号をノートにとります。

  3. 標準原価インポートのファイルベース・データ・インポート・テンプレートを開きます。

  4. スプレッドシートの指示を使用して、「標準原価ヘッダー」タブと「標準原価詳細」タブに入力します。

  5. 「下記のCSVファイルの生成」タブの「CSVファイルの生成」をクリックします。

  6. 「スケジュール済プロセス」作業領域から、「標準原価のインタフェース」プロセスを実行します。

    このプロセスでは、データを検証し、必要な原価プロファイルを作成し、原価を「標準原価の管理」ページにインポートします。

  7. 「標準原価インポート例外の管理」ページの「原価会計」作業領域で、インポートされたデータを確認します。

    ステータスが「エラー」のすべての原価を修正して、「標準原価のインポート」をクリックします。

  8. 原価シナリオを公開して、原価計算トランザクションで原価を使用できるようにします。

リソース・レート

リソースは、製造で設定されます。原価会計でリソース・レートを見積もるには、製造でリソース定義のコスト計算済オプションを選択する必要があります。製造でリソースを作成するときにリソース・レートを入力するか、「原価会計」作業領域の「リソース・レートの管理」ページでリソース・レートを入力できます。費用プールはすべて、リソース・レートによって配賦できます。労務および機材の時間当たりレートを定義できます。1つのリソースに1つまたは複数のレートを設定して、費用プールの共有を配賦できます。リソース・レートに複数の行を入力して、複数の費用プールを配賦できます。

リソース・レートの作成時に、関連付ける工場、リソース、原価要素、費用プールおよびレートを定義できます。リソース・レートを原価シナリオに関連付ける必要があります。

  1. 「原価会計」作業領域で、「リソース・レートの管理」タスクをクリックします。

  2. 「追加」アイコンをクリックします。

  3. 「リソース・レートの作成」ページで、このリソース・レートを関連付ける原価シナリオを選択します。

  4. 対応する在庫組織と、レートを定義するリソースを選択します。

  5. 「詳細」リージョンで「行の追加」アイコンをクリックします。

  6. 原価要素、原価要素タイプ、レートおよび費用プールの値を入力します。

  7. 「保存してクローズ」をクリックします。

オフラインで作業する必要がある場合は、Microsoft Excelスプレッドシートを使用してリソース・レートを管理します。Oracle Application Development Framework Desktop Integration (ADFdi)を使用することで、リソース・レートを一括で作成および更新できます。

スプレッドシートでリソース・レートの管理を開始する前に、ADFdiをダウンロードしてインストールする必要があります。

リソース・レート・データをダウンロードする手順は、次のとおりです。

  1. 「原価会計」作業領域で、「原価シナリオの管理」タスクをクリックします。

  2. 必要な原価シナリオを検索して開きます。

  3. 「処理」メニューから「リソース・レートの管理」を選択します。

  4. 「スプレッドシートでの管理」をクリックして、リソース・レート・スプレッドシートをダウンロードします。

  5. 「プログラムから開く」オプションを選択して、リソース・レートExcelファイルを開きます。

  6. 「はい」をクリックしてアプリケーションに接続します。

  7. 資格証明でログインし、作業を開始します。

スプレッドシートでリソース・レートを管理する方法を次に示します。

  • 既存のデータを変更するには、各行で更新対象のセルを更新します。スプレッドシートの検索パネルで様々なパラメータを使用して、既存のリソース・レートを検索できます。

  • 新規リソース・レートを追加するには、ワークシートに行を追加し、それぞれのセルに値を入力します。または、データが移入されている既存の行をコピーしてワークシートに貼り付けてから、必要なセルを変更します。

行の情報を更新すると、その行の「変更済」列が自動的に更新され、変更インジケータ・アイコンが表示されます。非アクティブ・セルは読取り専用フィールドで、アップロード・プロセスには含まれません。

ワークシートを更新した後、「アップロード」をクリックして原価会計内のデータを同期します。

間接費レート

工場間接費およびワーク・センター間接費を定義できます。ワーク・センター間接費を定義するときに、リソース・タイプを機材または労務として指定できます。

照明や冷却などの工場の間接費は資材原価に基づいて配賦できます。固定値またはパーセント値のいずれかを使用でき、様々な配賦タイプを使用できます。セキュリティなどのワーク・センター間接費は、固定レートまたはワーク・センターで発生したリソース・コストの割合に基づいて完成品に配賦されます。

リソース・レートと間接費レートの任意の組合せを使用して、工場原価を仕掛および完成品の在庫価額に配賦できます。間接費レートを使用して工場費用を配賦する際、レートを資材のパーセントとして定義するか、時間単位のワーク・センター・レートとして定義できます。

間接費配賦レートは日付に対して有効で、四半期ごとに異なる配賦レートを設定できます。在庫組織、品目カテゴリ、品目レベルなど、様々なレベルで1つまたは複数のレートを設定できます。各レベルで費用プールの共有を配賦します。これらのレートは品目の原価積上に使用され、品目の積上原価とともに公開されます。原価会計で標準原価を使用して作業実行トランザクションを処理している場合、間接費としてモデル化されている間接費はすべて仕掛製品完了に配賦されます。

間接費を定義する場合は、間接費の配賦タイプを指定する必要があります。次の表に、工場間接費またはワーク・センター間接費のそれぞれで使用可能な配賦タイプを示します。

配賦タイプ 工場間接費 ワーク・センター間接費

固定

固定間接費値がユニット原価に適用されます。

固定間接費値がユニット原価に適用されます。

パーセント

このレベルの購買品目について、資材原価の指定のパーセントを使用して間接費が計算されます。

リソース原価の指定のパーセントを使用して間接費が計算されます。

資材原価のパーセント

購買品目およびに部分組立品について、資材原価の指定のパーセントを使用して間接費が計算されます。

適用不可

合計原価のパーセント

合計原価からこのレベルの間接費を引いた額の指定のパーセントを使用して、間接費が計算されます。

適用不可

間接費レートを作成するときに、対応する間接費レート・タイプおよび配賦タイプを指定できます。間接費レートを原価シナリオに関連付ける必要があります。

  1. 「原価会計」作業領域で、「間接費レートの管理」タスクをクリックします。

  2. 「追加」アイコンをクリックします。

  3. 「間接費レートの作成」ページで、この間接費レートを関連付ける原価シナリオを選択します。

  4. 対応する在庫組織を選択し、工場間接費またはワーク・センター間接費のどちらを定義するかを指定します。

  5. 工場間接費の場合は、必要な品目カテゴリおよび品目を選択します。

    ワーク・センター間接費を定義する場合は、必要なワーク・センターおよびリソース・タイプを選択します。

  6. 「詳細」リージョンで「行の追加」アイコンをクリックします。

  7. 適切な原価要素、費用プールおよび配賦タイプを選択します。

  8. 選択した配賦タイプに応じて、パーセント値のレートまたは固定間接費配賦の値を入力します。

  9. 「保存してクローズ」をクリックします。

間接費レートをMicrosoft Excelスプレッドシートを使用して管理できます。Oracle Application Development Framework Desktop Integration (ADFdi)を使用することで、間接費レートを一括で作成および更新できます。

スプレッドシートで間接費レートの管理を開始する前に、ADFdiをダウンロードしてインストールする必要があります。

間接費レート・データをダウンロードする手順は、次のとおりです。

  1. 「原価会計」作業領域で、「原価シナリオの管理」タスクをクリックします。

  2. 必要な原価シナリオを検索して開きます。

  3. 「処理」メニューから「間接費レートの管理」を選択します。

  4. 「スプレッドシートでの管理」をクリックして、間接費レート・スプレッドシートをダウンロードします。

  5. 「プログラムから開く」オプションを選択して、間接費レートExcelファイルを開きます。

  6. 「はい」をクリックしてアプリケーションに接続します。

  7. 資格証明でログインし、作業を開始します。

スプレッドシートで間接費レートを管理する方法を次に示します。

  • 既存のデータを変更するには、各行で更新対象のセルを更新します。スプレッドシートの検索パネルで様々なパラメータを使用して、既存の間接費レートを検索できます。

  • 新規間接費レートを追加するには、ワークシートに行を追加し、それぞれのセルに値を入力します。または、データが移入されている既存の行をコピーしてワークシートに貼り付けてから、必要なセルを変更します。

行の情報を更新すると、その行の「変更済」列が自動的に更新され、変更インジケータ・アイコンが表示されます。非アクティブ・セルは読取り専用フィールドで、アップロード・プロセスには含まれません。

ワークシートを更新した後、「アップロード」をクリックして原価会計内のデータを同期します。

資材、直接労務および間接労務の原価見積の準備ができたら、「原価の積上」プロセスを実行して、製造品目の標準原価を計算できます。このプロセスでは、原価見積および製造作業定義を使用して製造プロセスで発生した間接費を計算し、製造品目のユニット原価を生成します。

原価の積上プロセスは、まず、固定原価工程に変動原価を加えて合計原価を算出します(ユニット・リソース原価に消費数量を掛けたもの)。次に、合計原価を原価数量で除算してユニット当たり原価を算出します。

原価積上経験は、対話型原価見積プロセスを容易にするように設計されています。レポートされたエラーを確認し、原価積上に使用されている作業定義をレビューし、作業定義選択基準を変更し、必要な回数だけコンポーネント購買価格およびリソース・レートを変更できます。

製造品目の原価を計算する際、プロセスには、製造作業定義のオプション工程で消費される原価は含まれません。これは、条件付きで実行される工程、たとえば、前の工程の検査結果に基づいた再加工ステップに当てはまります。同様に、プロセス製造のオプション工程から生成される出力品目も原価積上に含まれません。

プロセスを実行した後、「積上原価の表示」ページで原価をレビューできます。このページには、製造品目の計算済ユニット原価が、個々のコンポーネントの原価、リソース・レートおよび間接費レートとともにリストされます。プロセス製造の場合、作業定義名、プロセス名、工程および生産されるその他の出力品目など、追加の詳細もレビューできます。

ノート: プロファイル・オプション・コードORA_CST_REBUILD_ROLLEDUP_COSTSのプロファイル値を「いいえ」に設定した場合は、「原価の積上」プロセスを実行した後に、原価シナリオに対して「積上原価の復元」プロセスを実行して、「積上原価の表示」ページに原価を表示する必要があります。

製造品目の原価は、原価シナリオでそれぞれの原価およびレートが設定されている場合にのみ積み上げられます。プロセスで発生したすべての例外は、「シナリオ例外の表示」ページでレビューできます。例外が発生した場合、製造品目の原価を生成するには、必要な訂正処理を実行してエラーを解決し、「原価の積上」プロセスを再実行します。

プロセス製造の原価積上

標準原価積上では、複数の出力を持つプロセス製造作業定義がサポートされています。この場合、生産方法に資材およびプロセスに固有の変動性を管理する方法が必要です。これはショップ型製造およびプロセス製造機能を混合する必要がある場合に役立ちます。原価計算バッチ・サイズを指定して、生産バッチの標準原価を決定し、固定原価、または合計原価のパーセントに基づいて、プライマリ製品、副製品および副産物に対する原価を割り当てることができます。積上原価プロセスでは、作業定義工程で定義されたコスト配賦に基づいて、アクティブな作業定義がある出力品目のコストを計算します。

構成品目の原価積上

構成品目の原価の積上プロセスをスケジュールできます。これにより、構成品目の購買オーダーが承認されるか、構成品目の作業オーダーが発行されるたびに、有効なコンポーネント原価、リソース・レートおよび間接費レートを使用して、新しい購買オーダーまたは作業オーダーに対してその品目の原価が積み上げられます。

原価積上の例

原価積上の例

この例では、標準原価、リソース・レートおよび間接費レートが原価シナリオで定義された後に、「原価の積上」プロセスによって製造品目のユニット原価がどのように計算されるかを示します。

この図は、最初にRS-ABおよびRS-CDを製造して、
品目RS-ABCDが製造されることを示しています。RS-ABは、RS-AおよびRS-Bを資材
として製造されます。RS-CDはRS-CおよびRS-Dを資材として製造されます。

シナリオ

組織は、次の図に示すような構成の品目RS-ABCDを製造しています。この品目を製造するには、最初にRS-ABおよびRS-CDを製造する必要があります。RS-ABは、RS-AおよびRS-Bを資材として製造されます。RS-CDはRS-CおよびRS-Dを資材として製造されます。この品目を製造するには、これらの資材とは別の様々なリソースも必要です。

この品目に対して、次の作業定義を作成します。

品目 作業定義名 バージョン 開始日

RS-AB

メイン

1

9/1/2020

RS-CD

メイン

1

9/1/2020

RS-ABCD

メイン

1

9/1/2020

作業定義出力のバッチ・サイズがそれぞれ1 (これらの品目のプライマリ単位)であるとします。

標準原価、リソース・レートおよび間接費レート

ここでは、RS-ABCDのユニット原価を計算するために、まず原価シナリオを作成します。原価シナリオの有効開始日が作業定義開始日以降であることを確認する必要があります。したがって、有効開始日を9/1/2020に設定します。

次に、使用する資材の標準原価、品目の製造時に使用する様々なリソースのレートおよび発生する間接費を定義する必要があります。次の表に示すように、この原価シナリオの標準原価、リソース・レートおよび間接費レートを定義します。

標準原価

品目 原価要素 原価要素タイプ 費用プール ユニット原価

RS-A

CML資材

資材

1.00

CML間接費

間接費

CML費用プール

0.50

1.50

RS-B

OSPMatElement

資材

2.00

RS-C

0554-MatElement

資材

3.00

RS-D

P2P-Material-CE

資材

4.00

リソース・レート

リソース 原価要素 原価要素タイプ 費用プール ユニット原価

機械オペレータ

直接労務

リソース

MFG_Resources_EP

1.00

加工エンジニア

0554-ResElement

リソース

P2P_Res_Pool

1.50

ZCST-Electrical

間接費

P2P_Exp_Pool

0.50

2.00

電気技師

直接労務

リソース

3.00

検査官

RS-Resource

リソース

4.00

溶接トーチ

直接機材

リソース

5.00

間接費レート

間接費レート・タイプ 品目カテゴリ 品目 原価要素 費用プール 配賦タイプ レート

工場間接費

RS-ABCD

製造間接費

MFG_Resources_EP

資材原価のパーセント

1%

ノート: 定義されている間接費レートは、品目RS-ABCDの組立のみを対象としています。

分析

原価シナリオおよび対応する標準原価、リソース・レート、間接費レートを定義した後、原価シナリオに対して「原価の積上」プロセスを実行します。

原価の積上

まず、品目RS-ABおよびRS-CDの原価を特定します。RS-ABを製造するには、機械オペレータと加工エンジニアが2人ずつ必要です。RS-ABの品目原価計算を次に示します。

番号 工程連番 品目 品目摘要 ユニット原価 数量 拡張原価

メイン(#V1)

RS-AB

RS-AB

9.50

1

9.50

10

加工

9.50

RS-A

RS-A

1.50

1

1.50

RS-B

RS-B

2.00

1

2.00

機械オペレータ

1.00

2

2.00

加工エンジニア

2.00

2

4.00

RS-CDを製造するには、電気技師が必要であり、検査官が作業を検査する必要があります。RS-CDの品目原価計算を次に示します。

番号 工程連番 品目 品目摘要 ユニット原価 数量 拡張原価

メイン(#V1)

RS-CD

RS-CD

14.00

1

14.00

10

電気

10.00

RS-C

RS-C

3.00

1

3.00

RS-D

RS-D

4.00

1

4.00

電気技師

3.00

1

3.00

20

検査

4.00

検査官

4.00

1

4.00

RS-ABCDはRS-ABおよびRS-CDを使用して製造します。溶接トーチが必要であり、検査官が作業を検査する必要があります。RS-ABCDの品目原価計算を次に示します。

番号 工程連番 品目 品目摘要 ユニット原価 数量 拡張原価

メイン(#V1)

RS-ABCD

RS-ABCD

37.60

1

37.60

10

フレーム組立

33.50

RS-AB

RS-AB

9.50

1

9.50

RS-CD

RS-CD

14.00

1

14.00

電気技師

5.00

2

10.00

20

検査

4.00

検査官

4.00

1

4.00

工場間接費

0.10

ノート: 工場間接費は、合計資材原価の1%と定義されています。合計資材原価はRS-A、RS-B、RS-CおよびRS-Dの資材原価の合計です。標準原価で定義されたRS-Aの間接費は除外されています。

ここでは、品目RS-ABCDの資材、リソースおよび間接費の原価詳細の集計を示します。

原価要素 原価要素タイプ 費用プール 原価レベル ユニット原価

ZCST-Electrical

間接費

下位レベル

1.00

ZCST-Electrical

間接費

このレベル

0.00

CML資材

資材

下位レベル

1.00

CML間接費

間接費

下位レベル

0.50

CML間接費

間接費

このレベル

0.00

OSPMatElement

資材

下位レベル

2.00

OSPMatElement

資材

このレベル

0.00

RS-Resource

リソース

下位レベル

4.00

RS-Resource

リソース

このレベル

4.00

P2P-Material-CE

資材

下位レベル

4.00

P2P-Material-CE

資材

このレベル

0.00

0554-MatElement

資材

下位レベル

3.00

0554-MatElement

資材

このレベル

0.00

0554-ResElement

リソース

下位レベル

3.00

0554-ResElement

リソース

このレベル

0.00

直接労務

リソース

下位レベル

5.00

直接労務

リソース

このレベル

0.00

直接機材

リソース

このレベル

10.00

製造間接費

間接費

MFG_Resources_EP

このレベル

0.10

37.60

ノート: このレベルでの組立品の製造中に発生した間接費の費用プールは保持されます。

間接費配賦タイプが異なる原価積上の例

この例では、前の例を拡張し、異なる配賦タイプの間接費レートが原価シナリオで定義されている場合に、製造品目のユニット原価が原価の積上プロセスでどのように計算されるかを示します。

シナリオ

製造されたすべての組立品に配賦される、工場レベルの新しい工場間接費を定義します。作業定義、標準原価およびリソース・レートは、以前に定義したものと同じです。

改訂された間接費レート

これらは、原価シナリオで定義された間接費レートです。

間接費レート・タイプ 品目カテゴリ 品目 原価要素 費用プール 配賦タイプ レート

工場間接費

RS-ABCD

製造間接費

MFG_Resources_EP

資材原価のパーセント

1%

工場間接費

P2P-Overhead-CE

P2P_Exp_Pool

合計原価のパーセント

2%

ノート: 最初に定義されている間接費レートは、品目RS-ABCDの組立のみを対象としています。2つ目のものは工場レベルで定義され、すべての組立品に適用されます。

分析

原価シナリオおよび対応する標準原価、リソース・レート、間接費レートを定義した後、原価シナリオに対して「原価の積上」プロセスを実行します。

原価の積上

合計原価の2%と定義されている新しい工場間接費を含めた後の品目RS-ABおよびRS-CDの改訂原価の特定から始めます。

RS-ABを製造するには、機械オペレータと加工エンジニアが2人ずつ必要です。RS-ABの品目原価計算を次に示します。

番号 工程連番 品目 品目摘要 ユニット原価 数量 拡張原価

メイン(#V1)

RS-AB

RS-AB

9.66

1

9.66

10

加工

9.50

RS-A

RS-A

1.50

1

1.50

RS-B

RS-B

2.00

1

2.00

機械オペレータ

1.00

2

2.00

加工エンジニア

2.00

2

4.00

工場間接費

0.16

工場間接費は合計原価の2%ですが、資材RS-Aおよび加工エンジニアの間接費は除外されています。したがって、工場間接費は次のように計算されます。

0.02 x [(RS-A + RS-B)の合計資材コスト + (機械オペレータ + 加工エンジニア)の合計リソース・レート]

0.02 x [(1.00 + 2.00) + 2 x (1.00 + 1.50)] = 0.16

ノート: RS-ABの製造には2人の機械オペレータと2人の加工エンジニアが必要であるため、リソース・レートに2が乗算されています。

RS-CDを製造するには、電気技師が必要であり、検査官が作業を検査する必要があります。RS-CDの品目原価計算を次に示します。

番号 工程連番 品目 品目摘要 ユニット原価 数量 拡張原価

メイン(#V1)

RS-CD

RS-CD

14.28

1

14.28

10

電気

10.00

RS-C

RS-C

3.00

1

3.00

RS-D

RS-D

4.00

1

4.00

電気技師

3.00

1

3.00

20

検査

4.00

検査官

4.00

1

4.00

工場間接費

0.28

RS-ABCDはRS-ABおよびRS-CDを使用して製造します。溶接トーチが必要であり、検査官が作業を検査する必要があります。RS-ABCDの品目原価計算を次に示します。

番号 工程連番 品目 品目摘要 ユニット原価 数量 拡張原価

メイン(#V1)

RS-ABCD

RS-ABCD

38.80

1

38.80

10

フレーム組立

33.94

RS-AB

RS-AB

9.66

1

9.66

RS-CD

RS-CD

14.28

1

14.28

電気技師

5.00

2

10.00

20

検査

4.00

検査官

4.00

1

4.00

工場間接費

0.10

工場間接費

0.76

最初の工場間接費は、合計資材原価の1%と定義されています。合計資材原価はRS-A、RS-B、RS-CおよびRS-Dの資材原価の合計です。標準原価で定義されたRS-Aの間接費は除外されています。

2番目の工場間接費は、合計原価の2%と定義されています。この間接費を計算する際には、資材RS-Aの間接費、加工エンジニアの間接費、RS-ABおよびRS-CDに対して計算された工場間接費が考慮されます。

ここでは、品目RS-ABCDの資材、リソースおよび間接費の原価詳細の集計を示します。

原価要素 原価要素タイプ 費用プール 原価レベル ユニット原価

ZCST-Electrical

間接費

下位レベル

1.00

CML資材

資材

下位レベル

1.00

CML間接費

間接費

下位レベル

0.50

OSPMatElement

資材

下位レベル

2.00

RS-Resource

リソース

下位レベル

4.00

RS-Resource

リソース

このレベル

4.00

P2P-Overhead-CE

間接費

P2P_Exp_Pool

このレベル

0.76

P2P-Overhead-CE

間接費

下位レベル

0.44

P2P-Material-CE

資材

下位レベル

4.00

0554-MatElement

資材

下位レベル

3.00

0554-ResElement

リソース

下位レベル

3.00

直接労務

リソース

下位レベル

5.00

直接機材

リソース

このレベル

10.00

製造間接費

間接費

MFG_Resources_EP

このレベル

0.10

38.80

ノート: このレベルでの組立品の製造中に発生した間接費の費用プールは保持されます。

単一レベルの原価積上の例

この例では、前の例を拡張し、単一レベルの原価積上が原価シナリオで選択されている場合に、製造品目のユニット原価が原価の積上プロセスでどのように計算されるかを示します。

シナリオ

ここでは組織が、次の図に示すような構成の品目RS-ABCDEを製造しています。この品目を製造するには、品目RS-ABCDと資材RS-Eが必要です。(前の例で計算した)RS-ABCDの原価を公開したので、原価プランニングにそれを使用できます。

この図は、品目RS-ABCDEが品目RS-ABCDと資材RS-Eを
使用して製造されていることを示しています。RS-ABCDは、最初にRS-ABおよび
RS-CDを製造してから製造します。RS-ABは、RS-AおよびRS-Bを資材
として製造されます。RS-CDはRS-CおよびRS-Dを資材として製造されます。

作業定義の開始日は、以前に定義したものと同じです。

原価シナリオ

積上スコープが「選択済品目」である原価シナリオを作成し、「単一レベル原価積上」オプションも選択します。RS-ABCDに対してすでに公開されている原価を使用するため、「単一レベル原価積上」オプションを選択する必要があります。このオプションを選択しないと、「原価の積上」プロセスでRS-AB、RS-CDおよびRS-ABCDの原価が再計算されます。

前の例で説明したように、標準原価、リソース・レートおよび間接費レートを定義します。さらに、新しい資材RS-Eに対してこの標準原価を定義します。

品目 原価要素 原価要素タイプ 費用プール ユニット原価

RS-E

CML-資材

資材

1.00

分析

原価シナリオおよび対応する標準原価、リソース・レート、間接費レートを定義した後、原価シナリオに対して「原価の積上」プロセスを実行します。

原価の積上

RS-ABCDEは、品目RS-ABCDおよび資材RS-Eを使用して製造されます。溶接トーチが必要であり、検査官が作業を検査する必要があります。この表に、RS-ABCDEの品目原価計算を示します。

番号 工程連番 品目 品目摘要 ユニット原価 数量 拡張原価

メイン(#V1)

RS-ABCDE

RS-ABCDE

54.876

1

54.876

10

フレーム組立

49.80

RS-ABCD

RS-ABCD

38.80

1

38.80

RS-E

RS-E

1.00

1

1.00

溶接トーチ

5.00

2

10.00

20

検査

4.00

検査官

4.00

1

4.00

工場間接費

1.076

原価シミュレーション・ツールは積上原価の詳細分析に役立ちます。シナリオ間で原価を比較したり、シナリオ原価と現在の公開済原価を比較したりして、原価の差異および在庫価額の調整をレビューできます。品目の積上原価を、ツリー・ビューまたはグラフィカルな階層ビューで表示できます。どちらのビューでも、品目原価計算に使用される詳細にドリルダウンできます。様々な製造変数および原価変数を表す様々なシナリオを作成して、その結果を比較できます。原価計算に問題がなければシナリオを公開し、原価を標準原価会計で使用できるようにします。

原価プランニングの分析に関心がある場合は、OTBIの積上原価リアルタイム・サブジェクト領域を使用します。OTBIでは、次のシード済レポートをビジネスに使用することもできます。

  • 原価計算済BOMレポート

  • 原価計算済BOM (原価詳細)レポート

  • シナリオ例外レポート

  • 使用場所レポート

原価計算および分析の結果に問題がなければ、「原価シナリオの管理」ページから「標準原価の更新」タスクを実行して原価を公開できます。原価更新プロセスにより、原価シナリオに定義されている新しい標準原価が、原価シナリオの有効日として設定されている日付に自動的に実装されます。過去および将来を含む任意の日付に対して標準原価更新を実行できます。

  1. 「原価会計」作業領域で、「原価シナリオの管理」タスクをクリックします。

  2. 原価を公開する原価シナリオを検索して選択します。

  3. 「原価シナリオの表示」ページで、「処理」メニューから「原価の積上」を選択します。

  4. 「原価の積上」ダイアログ・ボックスでこのプロセスの終了時に通知オプションを選択し、「送信」をクリックします。

  5. 「完了」をクリックします。

  6. 原価の積上プロセスが正常に完了した後、「処理」メニューから「標準原価の更新」プロセスを実行します。

  7. 「標準原価の更新」ダイアログ・ボックスでこのプロセスの終了時に通知オプションを選択し、「送信」をクリックします。

また、構成品目に対してこのプロセスをスケジュールすることもできます。これにより構成品目の積上原価がある場合に、原価がプロセスによって公開され、トランザクションの処理に使用されるようになります。

ノート: 「原価更新を元に戻す」タスクを使用して、意図しない原価更新の影響を戻し処理することができます。

原価プランニングに関するFAQ

はい。標準原価を定義するときには、間接費原価コンポーネントを含めることができます。間接費原価コンポーネントは、トランザクション原価計算時に合計標準原価の一部として処理されます。

製造および原価管理の有効日を確認します。作業定義原価を処理するには、作業定義の開始日が原価シナリオの有効日以前である必要があります。

原価シナリオで積上スコープを「すべての品目」に設定して、既存の製造品目の原価を積み上げます。しかし、一部の品目の標準原価が設定されません。品目の積上原価が最後に公開されたときの原価と同じ場合は標準原価レコードを生成しないよう原価プランニング・プロセスが最適化されているためです。この最適化により、重複する標準原価でアプリケーションが混乱し、余計な標準コスト調整が必要になることを防ぐことができます。

「再加工」タイプの作業定義が設定された製造品目の原価を積み上げることはできますか。

いいえ。標準原価積上プロセスには、「標準」タイプの作業定義のみが含まれます。「再加工」および「変換」タイプの作業定義は1回かぎりのアクティビティとみなされるため、標準原価プランニングの範囲外です。

有効日が過去の原価シナリオを作成し、このシナリオの標準原価を作成できます。その後、新しく公開する原価が対応する品目の公開済の原価と競合しないことを条件に、それらの原価を積み上げて公開できます。

ノート: 原価計算で品目の原価を初めて公開する場合、原価シナリオの有効日に関係なく、有効開始日は01-01-1900です。これにより、トランザクションを処理するために原価を手動で前日付にする必要がなくなります。

標準原価のステータスは、標準原価が使用可能である範囲を示しています。ステータスは次のいずれかの値です。

  • 処理中 - 原価はまだ公開されておらず、原価シナリオでプランニング目的で使用できます。

  • 公開済 - 原価は有効開始日付きで公開され、この日付に基づいて原価計算トランザクションを処理する際に使用されます。

  • 公開から除外 - 原価は品目に対してすでに公開されている原価と競合するため、公開できません。

  • 否認済 - 公開済原価は原価会計での処理中に否認されました。このエラーを修正するには、適切な有効日を持つ別の原価シナリオで原価を積み上げるか、または原価を定義します。

「原価会計配分のレビュー」ページで、標準原価更新の原価調整をレビューできます。

はい。原価シナリオで作成された標準原価は、まだトランザクションの原価計算に使用されていないかぎり、原価シナリオで更新、非アクティブ化または削除できます。

シナリオがシミュレーション目的で作成されており、基礎となる原価を公開しない場合は、原価シナリオを削除できます。

原価を正常に積み上げて公開した場合でも、「積上原価の表示」ページに一部の古い原価シナリオの積上原価が表示されないことがあります。この場合、このような原価シナリオに対して「積上原価の復元」プロセスを実行する必要があります。この単発タスクを実行することで、「積上原価の表示」ページでこれらの原価シナリオの積上原価を表示できます。