プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Management Studioでのビジネス・プロセスの開発
12c (12.1.3)
E56238-06
目次へ移動
目次

前
次

1 Oracle BPM Studioの概要

この章では、Oracle BPM Studioの概略を紹介し、Oracle BPM Suite内部でのOracle BPM Studioの使用方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 Oracle BPM Suiteの操作

Oracle BPM Suiteは、プロセスをモデリングするためのBusiness Process Composerと、プロセスを実装するためのBusiness Process Management Studioで構成されています。

Oracle Business Process Composerは、Webベースのコラボレーション・アプリケーションであり、これによって、ビジネス・アナリストはビジネス・プロセスをモデル化し、ビジネス・プロセスで使用されるアーティファクトのいくつかの基本的な実装を行えます。

Oracle Business Process Management Studioは、デスクトップIDEアプリケーションであり、これによって、プロセス開発者はビジネス・アナリストがモデル化するプロセスを実装できます。プロセス開発者は、Oracle BPM Studioを使用してBPMNプロセス・モデルおよびアーティファクトを編集し、その実装を完了します。

Oracle BPM Studioを使用してビジネス・プロセスを作成およびモデル化することもできますが、BPMNプロセスをモデル化するにはBusiness Process Composerの方が適しています。

Oracle BPM StudioはOracle JDeveloper IDEの一部であり、Oracle SOA Suiteで使用されるJDeveloperユーザー・インタフェース要素の多くを共有しています。

これらのツールのアプリケーション開発ライフサイクルへの適合方法については、「アプリケーション開発ライフサイクルの概要」を参照してください。

BPM Studioでは、次のアセットを編集できます。

  • BPMNプロセス

  • 再利用可能なプロセス・コンポーネント

  • プロセス・データ

  • 組織データ

  • ヒューマン・タスク

  • ビジネス・ルール

  • アクティビティ・ガイド

  • 適応型ケース管理

  • シミュレーション

  • 複合的な実装に必要なWebサービス、XMLファイルおよびその他のアーティファクト

1.2 アプリケーション開発ライフサイクルの概要

アプリケーション開発のライフ・サイクルは、モデリング、実装およびデプロイメントの3つのステージに分けられます。実際のアプリケーション開発環境においては、これらのステージの区別が明確に定義されていないこともあります。

最終的な本番アプリケーションは、モデリングと実装を何度も繰り返した後で稼働アプリケーションとしてデプロイされる場合があります。また、テストのためにデプロイされたアプリケーションが、さらに絞り込まれるために再びモデリングおよび実装のステージに渡され、その後で本番環境にデプロイされる場合もあります。

図1-1は、Process ComposerおよびBPM Studioの両方を使用してアプリケーション設計を実行する一般的なワークフローを示しています。

図1-1 Studioを使用したモデリング、実装およびデプロイ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Studioを使用したモデリング、実装およびデプロイメント」の説明

次の手順は、このワークフローの各ステージを説明しています。

  1. Business Process Composerを使用してプロセス・モデルを作成します(ビジネス・アナリスト)。

  2. ビジネス・アセット・マネージャを使用してプロセス開発者とプロセス・モデルを共有します。

  3. Oracle BPM Studioを使用して、必要なサービスおよびアプリケーション・リソースを実装します(プロセス開発者)。

    プロセスを実装した後、開発者はビジネス・アセット・マネージャを使用してビジネス・アナリストとビジネス・プロセスを共有できます。

  4. アプリケーションをコンパイルします(プロセス開発者)。

  5. Oracle BPMランタイムにデプロイします(プロセス開発者またはプロセス管理者)。

1.3 Oracle BPM Studioユーザー・インタフェースの概要

Oracle BPM StudioはOracle JDeveloperの統合部分なので、ユーザー・インタフェースで他のOracle製品と同じコンポーネントを多く使用しています。

図1-2は、LoanApplicationサンプル・プロジェクトが表示されたOracle BPM Studioのレイアウトを示しています。

1.3.1 「アプリケーション」ウィンドウ

「アプリケーション」ウィンドウに、プロジェクトのコンポーネントの階層ビューが表示されます。ナビゲータに表示されるコンポーネントは、ビジネス・プロセスのモデリングと実装に関連したものです。

表1-1 Oracle BPMのプロジェクト・コンポーネント

コンポーネント 説明

BPMNプロセス

このプロジェクトのビジネス・プロセスが含まれます。「アプリケーション」ウィンドウに、プロセスのIDが表示されます。

ビジネス・コンポーネント

このプロジェクトに対して定義されているビジネス・コンポーネントが含まれます。

シミュレーション

このプロジェクトに定義されているプロセスおよびプロジェクト・シミュレーション・モデルが含まれます。

ビジネス・ルール

このプロジェクトに対して定義されているビジネス・ルールが含まれます。

ヒューマン・タスク

このプロジェクトに定義されているヒューマン・タスクが含まれます。

アクティビティ・ガイド

このプロジェクトに定義されているマイルストンが含まれます。

組織

このプロジェクトに定義されている組織要素が含まれます。

図1-3は、「アプリケーション」ウィンドウに表示された、LoanApplicationサンプルのファイルのいくつかを示しています。

図1-3 アプリケーション・ナビゲータ

図1-3の説明が続きます
「図1-3 アプリケーション・ナビゲータ」の説明

1.3.2 BPMNプロセス・エディタ

プロセス・エディタを使用すると、コンポーネント・パレットからフロー・オブジェクトと呼ばれるBPMNコンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップすることにより、ビジネス・プロセスをモデリングできます。図1-4は、プロセス・エディタで開かれる見積要求サンプル・プロセスを示しています。ツールバーのフロー・オブジェクトのドロップダウン・メニューを使用してオブジェクトを挿入することもできます。

図1-4 プロセス・エディタ

図1-4の説明が続きます
「図1-4 プロセス・エディタ」の説明

1.3.3 「コンポーネント」ウィンドウ

「コンポーネント」ウィンドウには、Oracle BPMでサポートされるBPMNフロー・オブジェクトのリストが含まれています。「BPMコンポーネント」ウィンドウからこれらのフロー・オブジェクトをプロセス・エディタにドラッグ・アンド・ドロップすることにより、ビジネス・プロセスをモデル化できます。

BPMNフロー・プロジェクトは、「アクティビティ」、「イベント」、「ゲートウェイ」などのタイプに応じて、「コンポーネント」ウィンドウでグループ化されます。グループは、さらにサブタイプに分けられることがあります。図1-5では、「BPMコンポーネント」ウィンドウで「アクティビティ」グループが展開され、「デフォルト」および「対話型」の2つのアクティビティ・タイプが表示されています。

図1-5 「コンポーネント」ウィンドウ

図1-5の説明が続きます
「図1-5 「コンポーネント」ウィンドウ」の説明

1.3.4 プロセス・アセット・マネージャ・ナビゲータ

プロセス・アセット・マネージャ・ナビゲータで、プロセス・アセット・マネージャ・リポジトリに格納されているプロジェクトを表示および使用できます。プロセス・アセット・マネージャの詳細は、「プロセス・アセット・マネージャを使用したBPMプロジェクトの共有」を参照してください。

図1-6 プロセス・アセット・マネージャ・ナビゲータ

図1-6の説明が続きます
「図1-6 プロセス・アセット・マネージャ・ナビゲータ」の説明

1.3.5 「構造」ビュー

「構造」ウィンドウには、その構造内のダイアグラム、ナビゲータ、エディタとビューア、および「プロパティ・インスペクタ」のウィンドウのうちアクティブなウィンドウ内で現在選択されているコンポーネント内のデータが構造的に表示されます。

「構造」ウィンドウに表示される構造コンポーネントは、通常、プロジェクト・ナビゲータまたはアプリケーション・ナビゲータで選択されたコンポーネントです。

「構造」ウィンドウから、次のような様々なタスクを実行できます。

  • プロセス・プロパティの編集

  • アクティビティ・ガイドの構成および新規マイルストンの作成

  • BPMNプロセスからBPELプロセスへの変換

  • ビジネス・オブジェクト、モジュールおよびビジネス例外の作成

  • 新規のシミュレーション・モデルの作成

図1-7は、「アプリケーション」ウィンドウでBPMNプロセスが選択されている場合の「構造」ウィンドウを示しています。

プロセスの構造は、「構造」ウィンドウで、「アクティビティ」、「ビジネス・インジケータ」、「会話」、「相関」、「測定」、「プロセス・データ・オブジェクト」、「プロジェクト・データ・オブジェクト」のカテゴリに分けられます。プロセスが再利用可能なプロセスの場合、2つの追加カテゴリ(「プロセス入力引数」および「プロセス出力引数」)が表示されます。カテゴリにはサブカテゴリがある場合があり、たとえば、「アクティビティ」はさらに「アクティビティ」、「ゲートウェイ」および「イベント」に分けられます。Oracle BPMでサポートされているBPMNフロー・オブジェクトの詳細は、Oracle Business Process Composerを使用したビジネス・プロセスの開発を参照してください。

1.3.6 「サムネイル」ビュー

「サムネイル」ウィンドウを使用すると、プロセス・エディタで開いているアクティブなビジネス・プロセスのサムネイル表現を表示できます。「サムネイル」ビューはプロセス・エディタと同期されているため、プロセス・エディタのウィンドウに適さない大きなプロセスのナビゲートに役立ちます。

デフォルトでは、「サムネイル」ウィンドウは、図1-8に示すように「構造」ウィンドウの隣にあります。「サムネイル」ビューの白い長方形は、プロセス・エディタのビューに現在表示されているプロセスのセクションを示します。「サムネイル」ビューで白い長方形をドラッグすると、プロセス・エディタのプロセスをパンして、プロセス・エディタに表示するプロセスのセクションを変更し、プロセスの指定のオブジェクトにすばやくナビゲートできます。

図1-8 「サムネイル」ビュー

図1-8の説明が続きます。
「図1-8 「サムネイル」ビュー」の説明

1.3.7 「シミュレーション」ビュー

「シミュレーション」ビューでは、プロジェクトのシミュレーション・モデルを実行し、その結果を表示できます。図1-9には、シミュレーションの結果が棒グラフで表示されています。

図1-9 「シミュレーション」ビュー

図1-9の説明が続きます。
「図1-9 「シミュレーション」ビュー」の説明

1.3.8 「ログ」ウィンドウ

「ログ」ウィンドウには、BPMプロジェクトおよびSOAコンポジット・アプリケーションのコンパイルとデプロイメントに関するメッセージ、エラーおよび警告が表示されます。

1.3.9 「ドキュメント」ウィンドウ

「ドキュメント」ウィンドウでは、プロセスのエンド・ユーザーおよびユース・ケースのドキュメントを作成できます。プロセス全部に対するドキュメントを追加することも、プロセス内の各フロー・オブジェクトに対するドキュメントを追加することもできます。図1-10は、「ドキュメント」ウィンドウを示しています。

図1-10 「ドキュメント」ウィンドウ

図1-10の説明が続きます。
「図1-10 「ドキュメント」ウィンドウ」の説明