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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Management Studioでのビジネス・プロセスの開発
12c (12.1.3)
E56238-06
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9 プロセス・アセット・マネージャを使用したBPMプロジェクトの共有

この章では、プロセス・アセット・マネージャにビジネス・アセットを格納する方法について説明します。プロセス・アセット・マネージャは、構成するアプリケーション・サーバー内で実行されます。

この章の内容は次のとおりです。

9.1 プロセス・アセット・マネージャの概要

プロセス・アセット・マネージャは、BPMプロジェクトおよびOracle Business Process Architectプロジェクトの一部である様々なビジネス・アセットを管理するための統一された方法を提供します。

プロセス・アセット・マネージャを使用すると、プロジェクトで作業している様々な人の間でBPMプロジェクトを共有できます。Oracle BPM Studioを使用しているプロセス開発者は、彼らのBPMプロジェクトを、他のプロセス開発者やOracle Business Process Composerを使用しているプロセス分析者と共有できます。開発ライフ・サイクルの詳細は、「アプリケーション開発ライフサイクルの概要」を参照してください。

プロセス・アセット・マネージャからプロジェクトをチェックアウトした後、JDeveloper SVN機能が有効化されます。プロセス・アセット・マネージャを使用するか、SVNのバージョニング機能を使用するのかを選択できます。たとえば、プロセス・アセット・マネージャの保存アクションまたはSVNのコミット・アクションを使用してプロジェクトを公開できます。プロセス・アセット・マネージャからチェックアウトしたプロジェクトは、JDeveloperのSVNプロジェクトです。

プロセス・アセット・マネージャは、次のものをサポートしています。

  • コラボレーション

    複数のユーザーが同じプロジェクトを同時に作業できるようになります。

  • セキュリティとアクセス制御

    ビジネス・アセットに対するファイングレイン・セキュリティおよびアクセス制御を提供します。カタログにアクセスするアプリケーションによって、アプリケーションのプリンシパルに付与される適切なアクセス権が決定されます。

  • バージョニング

    同じビジネス・アセットの複数のバージョンを格納します。

  • 競合の解決、差分とマージ

    異なるユーザーが1つのビジネス・アセットを同時に変更した場合、プロセス・アセット・マネージャで、それらの異なるバージョン間の差分を表示し、それらの間の競合を解決し、変更をマージできます。

  • ライフ・サイクル

    ビジネス・アセットを、最初のブレーンストーミングから開発およびテストへ、そして統合テストおよび最終的な本番でのデプロイメントへと完成できる柔軟なライフサイクル・モデルをサポートします。

  • レポート作成

    ビジネス・アセットの詳細なレポートを、カタログおよびそれらの履歴で提供します。

  • バックアップとリカバリ

    ハードウェアの障害、ソフトウェアのバグおよびヒューマン・エラーの発生時に、変更内容をプロジェクトの安定したバージョンに戻すことができます。

9.2 プロセス・アセット・マネージャに格納されているBPMプロジェクトの使用

この項では、環境の設定や、BPMプロジェクトの追加とエクスポートなど、プロセス・アセット・マネージャの一般的なユース・ケースを示します。

9.2.1 プロセス・アセット・マネージャに格納されているプロジェクトを使用するための環境の設定方法

プロセス・アセット・マネージャに格納されているBPMプロジェクトの使用を開始する前に、接続を構成してBPMプロジェクトをチェックアウトすることで環境を設定する必要があります。

環境をセットアップする手順は次のとおりです。

  1. プロセス・アセット・マネージャ接続を作成します。
  2. プロセス・アセット・マネージャからBPMプロジェクトをチェックアウトします。
  3. BPMプロジェクトを変更します。
  4. プロセス・アセット・マネージャに変更内容を保存します。

9.2.2 プロセス・アセット・マネージャに格納されているBPMプロジェクトの変更方法

プロセス・アセット・マネージャからチェックアウトしたBPMプロジェクトを変更し、その変更内容をプロセス・アセット・マネージャに保存し、それらを他の開発者と共有できます。

プロセス・アセット・マネージャに格納されているBPMプロジェクトを変更する手順は次のとおりです。

  1. プロセス・アセット・マネージャに格納されている変更を使用して、ローカル・コピーを更新します。
  2. BPMプロジェクトを変更します。
  3. プロセス・アセット・マネージャに変更内容を保存します。

9.2.3 プロセス・アセット・マネージャへのBPMプロジェクトの追加方法

作成してローカルに格納していたBPMプロジェクトをプロセス・アセット・マネージャに追加できます。

プロセス・アセット・マネージャにBPMプロジェクトを追加する手順は次のとおりです。

  1. プロセス・アセット・マネージャ接続がない場合は、1つ作成します。
  2. プロセス・アセット・マネージャにBPMプロジェクトを保存します。

9.2.4 ビジネス・プロセス・マネージャに格納されているBPMプロジェクトをエクスポートする方法

プロセス・アセット・マネージャ内のBPMプロジェクトをzipファイルにエクスポートし、それをローカルに格納できます。

BPMプロジェクトをエクスポートする手順は次のとおりです。

  1. 「プロセス・アセット・マネージャ・ナビゲータ」を開きます。
  2. エクスポートするBPMプロジェクトを右クリックします。
  3. 「エクスポート」を選択します。

    PAMからのプロジェクトのエクスポート・ウィザードが表示されます。

  4. 「次へ」をクリックします。

    次回、プロジェクトをエクスポートするときにようこそページを表示しないようにする場合、「次回にこのページを表示しない」を選択します。

  5. エクスポートされたファイルを特定するファイル名を入力します。
  6. 「場所」フィールドの横にある「検索」ボタンをクリックし、エクスポートしたファイルを格納する宛先を選択します。
  7. 「次へ」をクリックします。

    「組込みファイル」ページが表示されます。このページには、エクスポート・ファイルに含まれるすべてのファイルが表示されます。

  8. 「次へ」をクリックします。

    「終了済」ページが表示されます。このページには、エクスポート操作が正常に行われたかどうかが表示されます。

  9. 「終了」をクリックします。

9.3 プロセス・アセット・マネージャの使用

プロセス・アセット・マネージャでは、接続の作成、BPMプロジェクトのチェックアウトと保存、BPMプロジェクトのローカルでの更新、プロジェクトの削除、および変更履歴の表示がサポートされています。

9.3.1 プロセス・アセット・マネージャ接続の作成方法

プロセス・アセット・マネージャの使用を開始する前に、プロセス・アセット・マネージャが格納されるサーバーを見つけるためのプロセス・アセット・マネージャ接続を構成する必要があります。

プロセス・アセット・マネージャ接続を作成する手順は次のとおりです。

  1. 「プロセス・アセット・マネージャ・ナビゲータ」ウィンドウを開きます。

    1. 「JDeveloper」メニューから「ウィンドウ」を選択します。

    2. 「プロセス・アセット・マネージャ・ナビゲータ」を選択します。

    プロセス・アセット・マネージャ・ナビゲータが、画面の左側に開きます。

  2. PAMノードを右クリックし、「接続の作成」を選択します。

    プロセス・アセット・マネージャ接続の作成ウィザードが表示されます。

  3. 「次へ」をクリックします。

    「接続名」ページが表示されます。

    次回、プロジェクトをエクスポートするときにようこそページを表示しないようにする場合、「次回にこのページを表示しない」を選択します。

  4. 接続を識別する名前を入力します。

  5. プロセス・アセット・マネージャ・サーバーにログインするためのユーザー名を入力します。

  6. プロセス・アセット・マネージャ・サーバーにログインするためのパスワードを入力します。

  7. 「次へ」をクリックします。

  8. 「WebLogicホスト名」フィールドに、プロセス・アセット・マネージャ・サーバーを見つけるためのURLを入力します。

  9. 必要に応じて、ポート、SSLポートおよび「常にSSLを使用」オプションを構成します。

  10. 「接続のテスト」をクリックして、入力した情報が正しいかどうかを確認します。

    「ステータス」フィールドに、プロセス・アセット・マネージャ・サーバーへの接続が正常に行われているかどうかが表示されます。

  11. 「終了」をクリックします。

    「プロセス・アセット・マネージャ・ナビゲータ」に新しい接続が表示されます。

9.3.2 プロセス・アセット・マネージャからのBPMプロジェクトのチェックアウト方法

プロセス・アセット・マネージャから特定のバージョンのBPMプロジェクトをチェックアウトして、それをローカルに格納できます。このローカル・プロジェクトにローカルな変更を行い、それらをプロセス・アセット・マネージャにチェックインできます。

プロセス・アセット・マネージャからBPMプロジェクトをチェックアウトする手順は次のとおりです。

  1. 「プロセス・アセット・マネージャ・ナビゲータ」で、接続ノードを開き、スペース・ノードを開きます。
  2. チェックアウトするBPMプロジェクトを右クリックします。
  3. 「チェックアウト」を選択します。

    PAMからのプロジェクトのチェックアウト・ダイアログ・ボックスが表示されます。

  4. 「先」フィールドの横にある「検索」ボタンをクリックし、チェックアウトしたプロジェクトを格納するローカルの宛先を選択します。
  5. 「OK」をクリックします。

    プロセス・アセット・マネージャによってプロジェクトがチェックアウトされている間は、「プロジェクトのチェックアウト中」ボックスが表示されます。

    選択したBPMプロジェクトはローカルの宛先に格納され、「アプリケーション」ウィンドウに表示されます。プロセス・アセット・マネージャからチェックアウトされたBPMプロジェクトには、そのプロジェクトのステータスを示すアイコンが表示され、そのステータスを表示するには、ノードの上にカーソルを移動し、ツールチップが表示されるまで待ちます。

9.3.3 プロセス・アセット・マネージャへのBPMプロジェクトの保存方法

BPMプロジェクトをプロセス・アセット・マネージャに格納すると、それを他のユーザーと共有し、同じプロジェクトに対して一緒に作業できます。この手順を使用すると、新しいBPMプロジェクトを格納したり、プロセス・アセット・マネージャにすでに格納されているBPMプロジェクトに対して行った変更を保存できます。

プロセス・アセット・マネージャにBPMプロジェクトを保存する手順は次のとおりです。

  1. プロセス・アセット・マネージャに格納するBPMプロジェクトを開きます。
  2. 「アプリケーション」ウィンドウでBPMプロジェクトを右クリックします。
  3. 「PAMに保存」を選択します。

    変更を保存する前に、更新を行い、発生する可能性がある競合を解決する必要が生じることもあります。

    「接続の選択」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  4. 「PAM接続」リストから、接続を選択するか、「追加」ボタンをクリックして新しい接続を作成します。
  5. 「スペース」リストから、スペースを選択するか、「追加」ボタンをクリックして新しいスペースを作成します。
  6. 「OK」をクリックします。

    「PAMにプロジェクトを保存」ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスには、BPMプロジェクトのソース、およびBPMプロジェクトを格納する接続およびスペースが表示されます。

  7. コメントを入力します。
  8. 「OK」をクリックします。

    プロセス・アセット・マネージャにBPMプロジェクトが表示され、プロセス・アセット・マネージャを使用する他のユーザーが使用できるようになります。

    注意:

    プロジェクトがBusiness Process Composerからロックされている場合は、変更を保存できません。変更を保存するには、最初にBusiness Process Composerからのロックを解除します。

9.3.4 ローカルBPMプロジェクトの更新方法

プロセス・アセット・マネージャ内のBPMプロジェクトに行った変更で、ローカルBPMプロジェクトを更新できます。

ローカルBPMプロジェクトを更新する手順は次のとおりです。

  1. 「アプリケーション」ウィンドウで、リフレッシュするBPMプロジェクトを右クリックします。
  2. 「更新」を選択します。この項目は、「PAMに保存」項目の下に配置されています。
  3. プロセス・アセット・マネージャの格納されているBPMプロジェクトに変更がある場合、「ステータスの更新」ダイアログ・ボックスが表示されます。変更内容を受け入れるには「OK」をクリックします。

    プロセス・アセット・マネージャによってローカルBPMプロジェクトが更新されている間は、「ローカル・ソースの更新中です」ダイアログが表示されます。

    図9-1 「ステータスの更新」ダイアログ

    図9-1の説明が続きます
    「図9-1 「ステータスの更新」ダイアログ」の説明

9.3.5 プロセス・アセット・マネージャからのBPMプロジェクトの削除方法

プロセス・アセット・マネージャからプロジェクトを削除できます。

プロセス・アセット・マネージャからBPMプロジェクトを削除する手順は次のとおりです。

  1. 「プロセス・アセット・マネージャ・ナビゲータ」を開きます。
  2. 削除するBPMプロジェクトを右クリックします。
  3. 「削除」を選択します。

    「BACからのプロジェクトの削除」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  4. 「はい」をクリックします。

    プロセス・アセット・マネージャによってプロジェクトが削除されている間は、「プロジェクトを削除しています」ボックスが表示されます。

9.3.6 変更履歴の表示方法

BPMプロジェクトがプロセス・アセット・マネージャに追加されたとき以降のその変更の履歴を表示し、それらの変更それぞれの詳細を参照できます。

変更履歴を表示する手順は次のとおりです。

  1. 「プロセス・アセット・マネージャ・ナビゲータ」を開きます。
  2. 変更履歴を表示するBPMプロジェクトを右クリックします。
  3. 「履歴および変更」を選択します。

    「履歴」ダイアログ・ボックスが表示されます。履歴表に、そのBPMプロジェクトの履歴における各変更の日付、作成者およびコメントが表示されます。変更を選択すると、「影響を受けるコンポーネント」表に、変更されたアーティファクトおよびファイルが、選択したタブに応じて表示されます。図9-2は、BookFlightプロジェクトの「履歴」ダイアログ・ボックスを示しています。

    図9-2 「履歴」ダイアログ

    図9-2の説明が続きます
    「図9-2 「履歴」ダイアログ」の説明