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Oracle® Fusion Middleware高可用性ガイド
12c (12.1.3.0.0)
E56218-02
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10 Oracle SOA Suiteの高可用性の構成

この章では、Oracle SOA Suite製品の高可用性の構成方法を説明します。

この章には次のトピックが含まれます:


注意:

SOAの詳細は、次のドキュメントを参照してください。

  • Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのインストールと構成

  • Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのアップグレード

  • Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド


10.1 高可用性のためのOracle BAMの構成

この項では、Oracle Business Activity Monitoring (Oracle BAM)の高可用性の構成を完了する方法を説明します。Oracle BAMでは、JMSシステム・リソースを構成するためにローカル・キューが使用されるため、高可用性を実現するには追加の手順を実行する必要があります。


注意:

この項のOracle BAM用の手順を開始する前に、第7.7項「マシンのスケール・アップまたはスケール・アウト後のWLS JMSの構成」に記載されているすべての手順を完了する必要があります。


この項の内容は次のとおりです。

10.1.1 スケール・アップ後のOracle BAM管理対象サーバーのJMSシステム・リソースの構成

Oracle BAMでは第7.7項「マシンのスケール・アップまたはスケール・アウト後のWLS JMSの構成」に示されている標準的な構成手順に加えて、手動のJMS構成手順が必要です。

Oracle BAMでJMSシステム・リソースを構成する際は、次の点に注意してください。

  • この項の手順では、新しく追加する管理対象サーバーを表す名前として、bam_server2を使用します。bam_server2を、実際の構成で使用する管理対象サーバー名で置き換えてください。

  • BAM JMSシステム・リソースのターゲット指定には細心の注意を払い、特に、リソースが管理対象サーバーbam_server2にターゲット指定されるか、移行可能なターゲットbam_server2 (移行可能)にターゲット指定されるかには注意してください。

  • この項の手順で指定されないJMSシステム・リソース・プロパティについては、デフォルト値を使用してください。

このトピックには、次の項があります。

10.1.1.1 Oracle BAMサーバーのJMSサーバーの構成

この項では、Oracle BAMサーバーのJMSサーバーのJMSシステム・リソースを、新しい管理対象サーバーに手動で構成する手順を説明します。

Oracle BAMサーバーのJMSサーバー・リソースを、新しい管理対象サーバーに構成するには、次の手順を実行します。

  1. 管理対象サーバーbam_server2にターゲット指定するディレクトリBamServerJmsFileStore_bam_server2を使用して、JMS永続ストアBamServerJmsFileStore_bam_server2を作成します。

  2. bam_server2にターゲット指定する永続ストアBamServerJmsFileStore_bam_server2を使用して、JMSサーバーBamServerJmsServer_bam_server2を作成します。

  3. 「JMSモジュール」を選択し、表からBamServerJmsSystemResourceを選択します。

  4. 「サブデプロイメント」タブを選択します。サブデプロイメントBamServerSubdeploymentをクリックし、「JMSサーバー」セクションでBamServerJmsServer_bam_server2を選択します。

  5. 「保存」をクリックします。

10.1.1.2 Oracle BAM CQServiceのJMSサーバーの構成

Oracle BAM CQServiceのJMSサーバーを、新しい管理対象サーバーに手動で構成するには、次の手順を実行します。

  1. bam_server2にターゲット指定するディレクトリBamCQServiceJmsFileStore_bam_server2を使用して、JMS永続ストアBamCQServiceJmsFileStore_bam_server2を作成します。

  2. bam_server2にターゲット指定する永続ストアBamCQServiceJmsFileStore_bam_server2を使用して、JMSサーバーBamCQServiceJmsServer_bam_server2を作成します。

  3. JMSシステム・モジュールBamCQServiceJmsSystemResource_bam_server2を作成し、「クラスタのすべてのサーバー」にターゲット指定します。「このJMSシステム・モジュールにリソースを追加しますか。」を選択し、JMSシステム・モジュールにリソースを追加します。


    注意:

    次の手順で、

    • このJMSシステム・モジュールで作成するJMS接続ファクトリおよびキューでは、「ローカルJNDI名」(ローカル名)のみ指定されます(「JNDI名」(グローバル名)フィールドは空白のままにします)。

    • キューへのすべての参照は、キューのみに対する参照であり、分散キューに対する参照ではありません


    次の手順で、このJMSシステム・モジュールにリソースを追加します。

  4. BAM JMSサーバーBamCQServiceJmsServer_bam_server2にターゲット指定するサブデプロイメントBamCQServiceReportCacheSubdeployment_bam_server2を作成します。

  5. BAM JMSサーバーBamCQServiceJmsServer_bam_server2にターゲット指定するサブデプロイメントBamCQServiceAlertEngineSubdeployment_bam_server2を作成します。

  6. JMS接続ファクトリBamCQServiceReportCacheConnectionFactoryを作成します。「JNDI名」フィールドは空白のままにします。

    1. 「サブスクリプション共有ポリシー」「排他」に設定します。

    2. 「クライアントIDポリシー」「制限なし」に設定します。

    3. 「XA接続ファクトリの有効化」を選択します。

    4. 接続ファクトリを、サブデプロイメントBamCQServiceReportCacheSubdeployment_bam_server2にターゲット指定します。これを行うには、「新しいJMSシステム・モジュール・リソースの作成」画面で「高度なターゲット指定」を選択します。プルダウン・リストから、「サブデプロイメント」を選択します。

    5. 接続ファクトリが作成された後、それをクリックします。「一般」タブで、「詳細」セクションを開きます。「ローカルJNDI名」フィールドにqueue/oracle.beam.cqservice.mdbs.reportcacheと入力します。

  7. JMSキューBamCQServiceReportCacheQueueを作成します。「JNDI名」フィールドは空白のままにします。

    1. サブデプロイメントをBamCQServiceReportCacheSubdeployment_bam_server2に設定します。

    2. キューが作成された後、それをクリックします。「一般」タブで、「詳細」セクションを開きます。「ローカルJNDI名」フィールドにqueue/oracle.beam.cqservice.mdbs.reportcacheと入力します。

  8. JMS接続ファクトリBamCQServiceAlertEngineConnectionFactoryを作成します。「JNDI名」フィールドは空白のままにします。

    1. 「サブスクリプション共有ポリシー」「排他」に設定します。

    2. 「クライアントIDポリシー」「制限なし」に設定します。

    3. 「XA接続ファクトリの有効化」を選択します。

    4. 接続ファクトリを、サブデプロイメントBamCQService AlertEngineSubdeployment_bam_server2にターゲット指定します。これを行うには、「新しいJMSシステム・モジュール・リソースの作成」画面で「高度なターゲット指定」を選択し、プルダウン・メニューからそのサブデプロイメントを選択します。

    5. 接続ファクトリが作成された後、それをクリックします。「一般」タブで、「詳細」セクションを開きます。「ローカルJNDI名」フィールドにqueuecf/oracle.beam.cqservice.mdbs.alertengineと入力します。

  9. JMSキューBamCQServiceAlertEngineQueueを作成します。「JNDI名」フィールドは空白のままにし、サブデプロイメントはBamCQServiceAlertEngineSubdeployment_bam_server2に設定されたままにします。

    1. キューが作成された後、それをクリックして「一般」タブに移動します。

    2. 「詳細」セクションを開いて、JNDIローカル名フィールドにqueue/oracle.beam.cqservice.mdbs.alertengineと入力します。

  10. 「保存」をクリックした後、「すべての変更をアクティブ化」をクリックします。

10.1.2 Oracle BAMの自動サービス移行の構成

Oracle BAM管理対象サーバーでは、サーバーごとのJMSサービスが使用されます。これらのサーバーごとのキューは、クラスタではなく特定の管理対象サーバーに固定されるため、固定サービスとも呼ばれます。これらのサーバー固有のキューの高可用性を実現し、別の管理対象サーバーへのフェイルオーバーを可能にするには、サーバーに自動サービス移行を構成する必要があります。

自動サービス移行の詳細は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』のサービスの移行に関する項を参照してください。

データ・ソースおよびリース構成はOracle BAMサーバーの構成中に作成されますが、特定のOracle BAMサービスの自動移行は、次の手順に従って手動で有効化する必要があります。

タスク1   Oracle WebLogic Server管理コンソールへのログイン

例:

ADMVHN:7001/console
タスク2   サービス移行を構成する管理対象サーバーの選択
  1. 「ドメイン構造」ペインで、「環境」ノードを開いて「サーバー」ノードをクリックします。

    「サーバーのサマリー」ページが表示されます。

  2. 表の「名前」列で、サーバーWLS_BAM1の名前(ハイパーリンクとして表示)をクリックします。

    選択したサーバーの設定ページが開き、「構成」タブがデフォルトで表示されます。

  3. 「移行」タブをクリックします。

  4. 「ロックと編集」をクリックして、変更を開始します。

  5. ページの「JMSサービス移行の構成」セクションで、「使用可能」リスト・ボックスから管理対象サーバーWLS_BAM1およびWLS_BAM2を選択し、「移動」ボタンをクリックして、DoubleArrowPointingRightそれらを「選択済み」リスト・ボックスに移動します。

    wls_console_migrat_srvcs.gifの説明が続きます
    図wls_console_migrat_srvcs.gifの説明

  6. 「保存」をクリックします。

タスク3   各管理対象サーバーへのサービス移行ポリシーの設定
  1. 「ドメイン構造」ペインで、「環境」「クラスタ」「移行可能なターゲット」の順に選択します。

  2. WLS_BAM1 (移行可能)をクリックします。

  3. 「移行」タブをクリックします。

  4. 「サービス移行ポリシー」ドロップダウン・リストで、「必ず1回のサービスを自動移行」を選択します。

  5. 「保存」をクリックします。

  6. WLS_BAM2管理対象サーバーについて手順3から5を繰り返します。

タスク4   UMS JMSサーバーおよび永続ストアの移行不可能なターゲットへの手動でのターゲット指定

Oracle User Messaging Service (UMS) 12c (12.1.3.0.0)では、サービスの移行がサポートされていません。したがって、UMS JMSサーバーおよび永続ストアを、移行不可能なターゲットにターゲット指定しなおす必要があり、そうしなければ、Oracle BAMのサービス移行は失敗します。

UMSサービスを移行不可能なターゲットにターゲット指定するには、次の手順を実行します。

  1. 「ドメイン構造」ペインで、「環境」「サービス」の順に開き、「永続ストア」をクリックします。

    コンソールに永続ストアのリストが表示されます。リストには、UMSJMSFileStore_auto_という名前のUMS永続ストア名に数字を付加したものが、各管理対象サーバーに対して1つずつ表示されます。

    ums_persistent_stores.gifの説明が続きます
    図ums_persistent_stores.gifの説明

  2. WLS_BAM1 (移行可能)にターゲット指定されている1つ目のUMSファイル・ストアをクリックします。

  3. 選択した永続ストアの「設定」ページで、「ターゲット」ドロップダウン・メニューで選択されている値をWLS_BAM1 (移行可能)からWLS_BAM1に変更します。

  4. 「保存」をクリックします。

    エラーが発生し、JMSサーバーは永続ストアと同じターゲットに指定されませんと表示される場合、このエラーは無視して構いません。

  5. WLS_BAM1 (移行可能)にターゲット指定されている残りのUMSファイル・ストア・エントリに対し、手順2から4を繰り返します。

  6. 「ドメイン構造」ウィンドウで、「環境」「サービス」「メッセージング」の順に開き、「JMSサーバー」をクリックします。

    コンソールにJMSサーバーのリストが表示されます。リストには、UMSJMSServer_auto_という名前のUMS永続ストア名に数字を付加したものが、各管理対象サーバーに対して1つずつ表示されます。

    ums_jms_servers.gifの説明が続きます
    図ums_jms_servers.gifの説明

  7. 現在WLS_BAM1 (移行可能)にターゲット指定されている1つ目のJMSファイル・ストアをクリックします。

  8. 選択したJMSサーバーの「設定」ページで、「ターゲット」タブをクリックします。

  9. 「ターゲット」ドロップダウン・メニューの値をWLS_BAM1 (移行可能)からWLS_BAM1に変更します。

  10. 「保存」をクリックします。

  11. WLS_BAM1 (移行可能)にターゲット指定されている残りのUMS JMSサーバーに対し、手順7から10を繰り返します。

  12. 「変更のアクティブ化」をクリックします。


注意:

自動サービス移行が発生し、指定されたOracle BAMサービスが別の管理対象サーバーに自動的に移行された場合は、元の管理対象サーバーがオンラインに復帰し再びクラスタに参加した後も、それらのサービスはフェイルオーバー・サーバーにターゲット指定されたままです。

手動で、それらのサービスを元のサーバーにフェイルバックすることをお薦めします。詳細は、『Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』の自動サービス移行後のOracle BAMサービスのフェイルバックに関する項を参照してください。