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Oracle® Fusion Middleware Oracle Managed File Transferのインストールと構成
12c (12.1.3)
E56219-02
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1 Oracle Managed File Transferのインストールの計画

この章は、Oracle Managed File Transferをインストールし、構成するための準備を整えるうえで役立ちます。

製品インストールやドメイン構成の途中または後で問題が発生しないよう、十分に確認する必要がある様々なトピックを扱います。

この章は次の項で構成されています。

1.1 このドキュメントの使用

この項には次のトピックが含まれます:

1.1.1 標準インストール・トポロジの最初の使用

ここでは、Oracle Managed File Transferの標準インストール・トポロジの作成について説明します。このトポロジは高可用性でセキュアに拡張できるので、本番システムに適してします。

標準インストール・トポロジはこの製品のトポロジ例であり、このトポロジのみがサポートされるわけではありません。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の「標準インストール・トポロジの理解」を参照してください。

1.1.2 このドキュメントを使用してドメインを拡張する方法

このドキュメントの手順は新しいドメインを作成する方法を説明したもので、使用中のシステムにその他のOracle Fusion Middleware製品はインストールされていないことを前提としています。インストールおよびドメイン作成の手順のすべてがこの前提に基づいています。

すでにその他のOracle Fusion Middleware製品がシステムにインストールされている場合(たとえば、すでにOracle Fusion Middlewareインフラストラクチャがインストールされ、ドメインが起動して稼働している場合)、同じ手順を使用して既存のドメインを拡張できます。これを行うように選択する場合、Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングで同じドメインにおける複数製品のインストールに関する項を必ず参照してください。

新規ドメインを作成する場合でも、手順に示された内容と要件が合わないときは、適切な内容を選択していることを確認し、その他の詳細について説明されているドキュメントを参照してください。

1.1.3 開発モードでのManaged File Transferのインストール

このガイドは、本番インストールのみに対応しています。Managed File Transferを開発環境にインストールするには、次のオプションを考慮します。

  • 開発者コンパクト・ドメイン用のSOA Quick StartにOracle Managed File Transferを追加する。

    詳細は、『SOA SuiteおよびBusiness Process Management SuiteのQuick Start for Developersのインストール』のOracle SOA Suite Quick Start用コンパクト・ドメインの構成に関する項を参照してください。

  • Oracle Managed File Transfer専用のコンパクト・ドメインを作成する。

    詳細は、付録Aを参照してください。

1.2 標準インストール・トポロジの理解

図1-1は、Oracle Managed File Transferの標準インストール・トポロジを示しています。

図1-1 Oracle Managed File Transferの標準インストール・トポロジ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Oracle Managed File Transferの標準インストール・トポロジ」の説明

このトポロジは、2台の管理対象サーバーを含む1つのクラスタと管理サーバーが1台の標準的なWebLogic Serverドメインを示しています。管理対象サーバーには、Oracle ADFアプリケーションのデプロイと管理に必要なライブラリと追加ソフトウェアがインストールされ、使用可能になっています。このドメインは単一のホストに構成され、(必要なFusion Middlewareスキーマがインストールされた)サポートされているデータベースを必要とします。

このトポロジの図にあるすべての要素については、表1-1に説明があります。

表1-1 Oracle Managed File Transferの標準インストール・トポロジの要素の説明

要素 説明と追加ドキュメントへのリンク

APPHOST

アプリケーション層をホストしているマシンを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語。

DBHOST

データベースをホストしているマシンを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語。

WebLogicドメイン

論理的に関連するJavaコンポーネントのグループ(ここでは管理サーバー、管理対象サーバーおよびその他の関連するソフトウェアコンポーネント)。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle WebLogic Serverドメインの概要に関する項を参照してください。

管理サーバー

ドメインの構成オブジェクトをメンテナンスし、管理対象サーバーへの構成変更を分散させる、ドメインの中央制御エンティティ。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理サーバーの概要に関する項を参照してください。

Enterprise Manager

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control。ドメインを管理するために使用する主要ツール。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の「Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control」を参照してください。

クラスタ

同時に稼働し連携する、複数のWebLogic Serverインスタンスの集合。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

マシン

1つまたは複数のWebLogic Serverインスタンス(サーバー)をホストするコンピュータを論理的に表現するもの。マシンは、ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動または停止するためにWebLogicの管理対象サーバーとノード・マネージャを論理的に結び付けるものでもあり、管理対象サーバーはマシンに関連付けされている必要があります。

管理対象サーバー

アプリケーション、アプリケーション・コンポーネント、Webサービスおよび関連リソースをホストします。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

インフラストラクチャ

次のものを含むサービスの集合:

  • Metadata Repository (MDS)

    これにはOracle Application Developer Frameworkなどの、Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのメタデータが含まれます。

    詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のメタデータ・リポジトリの概要に関する項を参照してください。

  • Oracle Application Developer Framework (Oracle ADF)

  • Oracle Web Services Manager (OWSM)


1.3 標準インストール・トポロジのインストールと構成のロードマップ

ここでは、標準インストール・トポロジをインストールして構成するために必要なすべての手順を示します。このトポロジの変更バージョンを作成する場合に使用できる補足情報への参照も、ガイドの手順内に記載されています。

表1-2に、トポロジをインストールして構成するために必要な手順を示します。

表1-2 Oracle Managed File Transferインストールのロードマップ

タスク 説明 ドキュメント

システム環境の確認

インストールの前に、最小限のシステム要件およびネットワーク要件を満たしていることを確認します。

第1.4項を参照してください。

適切なディストリビューションの入手

Oracle Managed File Transferは、既存のOracle Fusion Middlewareインフラストラクチャ・インストールが必要であり、同じOracleホームにインストールする必要があります。両方の配布を入手します。

第1.5項を参照してください。

インストール・ディレクトリの決定

作成する必要があるディレクトリが作成されているか、またはインストーラからアクセスでき、最小要件を満たすシステムに存在していることを確認します。

Oracle Managed File Transferは、Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャを含む既存のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。

Oracle Fusion Middlewareの理解の主要なOracle Fusion Middlewareディレクトリの場所に関する項を参照してください。

Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャのインストール

Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャをインストールして、Oracle Managed File TransferのOracleホーム・ディレクトリを作成します。

『Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』を参照してください。

Oracle Managed File Transferのインストール

Oracle Universal Installerを実行して、Oracle Managed File Transferをインストールします。

ソフトウェアのインストールにより、使用しているシステムにソフトウェアが転送され、Oracleホーム・ディレクトリが作成されます。

第2章を参照してください。

WebLogicドメインの作成

構成ウィザードを使用してWebLogicドメインの作成および構成を行います。

第3章を参照してください。

高可用性のためのドメインの管理と準備

ドメインを管理するための追加のツールおよびリソースを確認し、可用性が高くなるようにドメインを構成します。

第4章を参照してください。


1.4 システム環境の検証ロードマップ

インストールと構成のプロセスを開始する前に参照して理解する必要がある重要な情報が、この項(表1-3)に記載されています。ここでは、Oracle Managed File Transferをインストールおよび構成するために、ご使用の環境が適切に準備されていることを確認するための重要なタスクおよび判断項目を示します。

表1-3 システム環境の検証ロードマップ

タスク 説明 ドキュメント

動作保証要件およびシステム要件を確認します。

インストールおよび構成について、ご使用のオペレーティング・システムが動作保証され適切に構成されることを確認します。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の動作保証とシステム要件の確認に関する項を参照してください。

正しいインストール・ユーザーを指定します。

インストール・ユーザーが、ソフトウェアをインストールおよび構成するための適切な権限を持っていることを確認します。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のインストール・ユーザーの選択に関する項を参照してください。

システムでインストールおよび構成のディレクトリを選択します。

推奨ディレクトリ構造に従って、インストールおよび構成に必要なディレクトリが作成できることを確認します。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のインストールおよび構成のためのディレクトリの選択に関する項を参照してください。

動作保証されたJDKをインストールします。

配布のインストール・プログラムは、ご使用のシステムで動作保証されたJDKを必要とします。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のJDKのインストールに関する項を参照してください。

Oracle Databaseをインストールおよび構成します。

WebLogicドメインを構成するには、Oracle Managed File Transferに必要なスキーマが正しく構成された、動作保証されているデータベースへのアクセス権が必要です。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の動作保証されたデータベースのインストールおよび構成に関する項を参照してください。


1.5 製品の配布の理解と入手

Oracle Fusion MiddlewareインフラストラクチャとOracle Managed File Transferの両方の配布は、.jarファイルとして入手できます。このディストリビューションのインストールと構成を行うには、動作保証されたJDKがシステムに存在していることが必要です。


ヒント:

配布の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の製品の配布の理解と入手に関する項を参照してください。


配布の入手方法は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の製品の配布の入手に関する項を参照してください。

1.6 インストール・チェックリストの確認

表1-4は、Oracle Managed File Transferのインストール前に理解しておく必要のある重要な項目と、インストール中に決定する必要のある重要な項目を示しています。

表1-4 インストール・チェックリスト

情報 値の例 説明

JAVA_HOME

/home/Oracle/jdk7_55/jdk1.7.0_55

Java JDK 1.7ホーム・ディレクトリを指す環境変数

データベースのホスト名

examplehost.exampledomain

データベースが稼動しているホストの名前とドメイン。

データベース・ポート

1521

データベースがリスニングしているポート番号。デフォルトのOracleデータベース・リスニング・ポートは1521です。

データベース・サービス名

orcl

Oracleデータベースには一意のサービス名が必要です。デフォルトのサービス名は、orclです。

DBAユーザー名

SYS

データベース管理権限を持つユーザーの名前。OracleデータベースのデフォルトのDBAユーザーは、SYSです。

DBAパスワード

ExamplePassword1

データベース管理権限を持つユーザーのパスワード。

ORACLE_HOME

/home/Oracle/product/Oracle_Home

ソフトウェアをインストールするディレクトリ。このディレクトリには、Oracle Fusion MiddlewareインフラストラクチャとOracle Managed File Transfer、さらに必要に応じて、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteが含まれます。

WebLogic Serverのホスト名

examplehost.exampledomain.com

Oracle WebLogic ServerおよびOracle Managed File Transferコンソールのホスト名。

コンソール・ポート

7011

Oracle WebLogic ServerおよびOracle Managed File Transferコンソールのポート。

DOMAIN_HOME

/home/Oracle/config/domains/mft_domain

ドメイン・データの格納先。

APPLICATION_HOME

/home/Oracle/config/applications/mft_domain

アプリケーション・データの格納先。

WebLogicドメインの管理者のユーザー名

weblogic

Oracle WebLogic Serverの管理権限を持つユーザーの名前。デフォルトの管理者ユーザーは、weblogicです。

管理者ユーザーのパスワード

ExamplePassword1

Oracle WebLogic Serverの管理権限を持つユーザーのパスワード。

$FTP_ROOT

ORACLE_HOME/mft/ftp_root

埋込みFTPサーバーのルート・ディレクトリ。

FTPポート

7021

埋込みFTPサーバーのポート。

RCUユーティリティ

ORACLE_HOME/oracle_common/bin

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)へのパス。

RCUスキーマの接頭辞

MFT

Oracle Managed File Transferが使用するデータベース・スキーマの名前の接頭辞。

RCUスキーマのパスワード

ExamplePassword1

Oracle Managed File Transferが使用するデータベース・スキーマのパスワード。

Configユーティリティ

ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin

ドメインを作成し構成するための構成ウィザードへのパス。