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Oracle® Fusion Middleware Oracle Service Busのインストールと構成
12c (12.1.3)
E53005-02
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1 Oracle Service Busのインストール計画

この章は、Oracle Service Busのインストールとドメインの構成の準備に役立つ内容を記載しています。

製品のインストール時およびドメインの構成時またはその後で問題が発生することがないように、様々なトピックで示された説明を最後まで確認してください。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 このドキュメントの使用

この項には次のトピックが含まれます:

1.1.1 標準インストール・トポロジを開始点として使用する方法

このガイドは、Oracle Service Busの標準インストール・トポロジ(図1-1)を作成する際に役立ちます。このトポロジは、本番システムでの使用に適した、可用性の高いセキュアな環境になるように拡張できます。

標準インストール・トポロジは、この製品のサンプル・トポロジです。これはサポートされている唯一のトポロジではありません。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の標準インストール・トポロジの理解に関する項を参照してください。

1.1.2 このドキュメントをアップグレード・シナリオで使用する方法

Oracle Service Busをアップグレード手順の一部としてインストールする場合は、このドキュメントの手順に従ってソフトウェアをインストールしてください。ただし、構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成は実行しないでください。

ソフトウェアのインストール後は、Oracle SOA SuiteとBusiness Process Managementのアップグレードを参照してください。

1.1.3 このドキュメントをドメイン拡張で使用する方法

このドキュメントでは、新しいドメインを作成する手順について説明していますが、その他のOracle Fusion Middleware製品が対象のシステムにインストールされていないことを想定しています。インストールとドメイン作成のためのすべての手順は、この前提に基づいています。

その他のOracle Fusion Middleware製品を対象のシステムにインストール済の場合は(たとえば、Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャを、稼働中のドメインにインストール済の場合は)、同じ手順で既存のドメインを拡張できます。これを実行することを選択した場合は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の同じドメインへの複数製品のインストールに関する項の重要な情報も確認してください。

新しいドメインを作成しているときに、この手順の説明では要件が満たされない場合は、その要件に応じた選択を行ってから、サポート・ドキュメントで追加の詳細を参照してください。

1.2 標準インストール・トポロジの理解

この項には次のトピックが含まれます:

1.2.1 Oracle Service Busの標準インストール・トポロジの理解

図1-1に、Oracle Service Busの標準インストール・トポロジを示します。

図1-1 Oracle Service Busの標準インストール・トポロジ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Oracle Service Busの標準インストール・トポロジ」の説明

1.2.2 標準インストールのトポロジ図に示された要素の理解

このトポロジ図のすべての要素については、表1-1で説明しています。

表1-1 Oracle Service Busの標準インストール・トポロジに含まれる要素の説明

要素 説明および追加ドキュメントへのリンク

APPHOST

Oracleのドキュメントで、アプリケーション層をホストするマシンを表す標準の用語。

DBHOST

Oracleのドキュメントで、データベースをホストするマシンを表す標準の用語。

WebLogicドメイン

論理的に関連するJavaコンポーネントのグループ(ここでは、管理サーバー、管理対象サーバー、およびその他の関連ソフトウェア・コンポーネント)。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle WebLogic Serverドメインの説明に関する項を参照してください。

管理サーバー

1つのドメインの中央管理エンティティ。ドメインの構成オブジェクトを保持し、構成の変更内容を各管理対象サーバーに配布します。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理サーバーの説明に関する項を参照してください。

Enterprise Manager

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control。これは、ドメインの管理に使用するメイン・ツールです。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlに関する項を参照してください。

クラスタ

同時に実行され連動する複数のWebLogic Serverインスタンスのコレクション。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理サーバーおよび管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

マシン

1つ以上のWebLogic Serverインスタンス(サーバー)をホストするコンピュータの論理的な表現。マシンは、WebLogic管理対象サーバーとノード・マネージャを論理的に結び付ける役割も果たします。ノード・マネージャで管理対象サーバーを起動または停止するには、その管理対象サーバーはマシンに関連付けられている必要があります。

管理対象サーバー

アプリケーション、アプリケーション・コンポーネント、Webサービス、およびそれらに関連付けられたリソースのホスト。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理サーバーおよび管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

インフラストラクチャ

次のものを含むサービスのコレクション。

  • メタデータ・リポジトリ(MDS)

    これには、Oracle Fusion Middlewareのコンポーネント(Oracle Application Developer Frameworkなど)のメタデータが格納されます。

    詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のメタデータ・リポジトリの説明に関する項を参照してください。

  • Oracle Application Developer Framework (Oracle ADF)

  • Oracle Web Services Manager (OWSM)


1.3 標準インストール・トポロジをインストールして構成する際のロードマップ

このガイドでは、標準インストール・トポロジのインストールと構成に必要なすべての手順について説明しています。また、このガイドでは手順の説明の中で、このトポロジの改変バージョンを作成する場合に活用できる追加情報への参照も提供しています。

表1-2に、このトポロジをインストールして構成するために必要な手順を示します。

表1-2 Oracle Service Busのインストールのロードマップ

タスク 説明 ドキュメント

システム環境の確認

インストールを開始する前に、システムとネットワークの最小要件を満たしていることを確認します。

第1.4項を参照してください。

適切なディストリビューションの入手

Oracle Service Busには、既存のOracle Fusion Middlewareインフラストラクチャのインストールが必要です。また、Oracle Service Busを、Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャと同じOracleホームにインストールする必要があります。両方の配布を取得します。

第1.5項を参照してください。

インストール・ディレクトリの決定

作成する必要のあるディレクトリをインストーラで作成またはアクセスできることと、そのディレクトリが、最小要件を満たしたシステムに存在していることを確認します。

Oracle Service Busは、Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャを格納している既存のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。

Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Fusion Middlewareの主要なディレクトリに関する項を参照してください。

Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャのインストール

Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャをインストールして、Oracle Service Bus用のOracleホーム・ディレクトリを作成します。

Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャのインストールおよび構成を参照してください。

ソフトウェアのインストール

Oracle Universal Installerを実行して、Oracle Service Busをインストールします。

ソフトウェアをインストールすることで、ソフトウェアをシステムに転送し、Oracleホーム・ディレクトリを作成します。

第2章を参照してください。

WebLogicドメインの作成

構成ウィザードを使用して、WebLogicドメインを作成して構成します。

Oracle Service Busのトポロジを作成する場合は、第3章を参照してください。

高可用性のためのドメインの管理と準備

ドメインを管理するための追加のツールやリソースを見つけて、ドメインの可用性が高くなるように構成します。

第4章を参照してください。


1.4 システム環境を確認する際のロードマップ

表1-3には、インストールおよび構成のプロセスを開始する前に、よく読んで理解しておく必要のある重要な情報が記載されています。ここでは、Oracle Service Busのインストールと構成に備えて、適切な環境を整えるために実行する必要のある重要なタスクとチェックを示します。

表1-3 システム環境を確認する際のロードマップ

タスク 説明 ドキュメント

動作保証とシステム要件の確認

対象のオペレーティング・システムが動作保証されていて、インストールと構成に備えて適切に構成されていることを確認します。

『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の動作保証とシステム要件の確認に関する項を参照してください。

適切なインストール・ユーザーの特定

インストール・ユーザーに、ソフトウェアをインストールして構成するための適切な権限が付与されていることを確認します。

『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のインストール・ユーザーの選択に関する項を参照してください。

システム上のインストール・ディレクトリと構成ディレクトリの選択

インストールと構成に必要なディレクトリを、推奨されるディレクトリ構造に従って作成できることを確認します。

『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のインストールと構成用のディレクトリの選択に関する項を参照してください。

動作保証されたJDKのインストール

ディストリビューションのインストール・プログラムでは、動作保証されたJDKがシステムに存在している必要があります。

『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のJDKのインストールに関する項を参照してください。

Oracleデータベースのインストールと構成

WebLogicドメインを構成するには、Oracle Service Busで必要なスキーマに対して適切に構成された、動作保証済のデータベースにアクセスできる必要があります。

『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の動作保証済データベースのインストールと構成に関する項を参照してください。


1.5 製品ディストリビューションの理解と入手

Oracle Fusion MiddlewareインフラストラクチャとOracle Service Busのディストリビューションは、.jarファイル形式で入手できます。このディストリビューションをインストールして構成するには、動作保証されたJDKをシステムにインストールしておく必要があります。


ヒント:

配布の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の製品配布の理解と取得に関する項を参照してください。


配布の入手方法については、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の製品配布の入手に関する項を参照してください。

1.6 インストール・チェックリストの確認

表1-4に、Oracle Service Busのインストール前に知っておく必要のある重要な項目、またはインストール中に決定する必要のある重要な項目を示します。

表1-4 インストール・チェックリスト

情報 値の例 説明

JAVA_HOME

/home/Oracle/jdk7_55/jdk1.7.0_55

Java JDK 1.7ホーム・ディレクトリを指す環境変数。

データベース・ホスト名

examplehost.exampledomain

データベースを実行しているホストの名前とドメイン。

データベース・ポート

1521

データベースがリスニングするポート番号。デフォルトのOracleデータベース・リスニング・ポートは1521です。

データベース・サービス名

orcl

Oracleデータベースでは一意のサービス名が必要です。デフォルトのサービス名はorclです。

DBAユーザー名

SYS

データベース管理権限を持つユーザーの名前。OracleデータベースのデフォルトDBAユーザーはSYSです。

DBAパスワード

ExamplePassword1

データベース管理権限を持つユーザーのパスワード。

ORACLE_HOME

/home/Oracle/product/Oracle_Home

ソフトウェアのインストール先ディレクトリ。このディレクトリには、Oracle Fusion Middleware Infrastructure、Oracle Service Bus、および必要に応じてOracle SOA SuiteとOracle Business Process Management Suiteを含められます。

WebLogic Serverホスト名

examplehost.exampledomain.com

Oracle WebLogic ServerおよびOracle Service Busのコンソールのホスト名。

コンソール・ポート

7001

Oracle WebLogic ServerおよびOracle Service Busのコンソールのポート。

DOMAIN_HOME

/home/Oracle/config/domains/osb_domain

ドメイン・データの格納場所。

APPLICATION_HOME

/home/Oracle/config/applications/osb_domain

アプリケーション・データの格納場所。

WebLogicドメインの管理者ユーザー名

weblogic

Oracle WebLogic Server管理権限を持つユーザーの名前。デフォルトの管理者ユーザーはweblogicです。

管理者ユーザー・パスワード

ExamplePassword1

Oracle WebLogic Server管理権限を持つユーザーのパスワード。

$FTP_ROOT

${ORACLE_HOME}/osb/ftp_root

埋込みFTPサーバーのルート・ディレクトリ。

FTPポート

7021

埋込みFTPサーバーのポート。

RCUユーティリティ

ORACLE_HOME/oracle_common/bin

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)へのパス。

RCUスキーマ接頭辞

osb

Oracle Service Busで使用するデータベース・スキーマの名前の接頭辞。

RCUスキーマ・パスワード

ExamplePassword1

Oracle SOA Service Busで使用するデータベース・スキーマのパスワード。

Configユーティリティ

ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin

ドメインの作成と構成のための構成ウィザードへのパス。