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Oracle® Fusion Middleware Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール
12c (12.1.3)
E59410-01
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2 サイレント・モードでのOracle Universal Installerの使用

この章では、コマンドラインからOracle Universal Installerをサイレント・モードで使用する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 サイレント・インストールの理解

サイレント・インストールでは、グラフィック出力がなく、ユーザー入力も要求されないため、製品のインストールを監視する必要がありません。

Oracle Fusion Middleware製品のサイレント・インストールは、インストーラの起動時に、コマンドラインで-silentフラグを使用して実行します。ほとんどの場合、特定の入力値(インストール場所など)を含むファイルの場所と名前を指定する必要があります。これらは、グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用する通常のインストールでも要求される値です。

Oracle Fusion Middleware製品では、このファイルはレスポンス・ファイルと呼ばれています。詳細は、第2.2項を参照してください。


注意:

UNIXユーザーが初めてOracle製品をインストールする場合、開始前にoraInst.locファイルを作成する必要があります。詳細は、第2.3.2項を参照してください。

製品のインストールが終了したら、root.shスクリプトをrootユーザーとして実行する必要があります。root.shスクリプトを実行すると環境変数の設定が検出されるので、ローカルのbinディレクトリのフルパスを入力できるようになります。


2.2 レスポンス・ファイルの理解

サイレント・インストールを実行する前に、レスポンス・ファイルにインストール固有の情報(インストール・ディレクトリなど)を指定する必要があります。レスポンス・ファイルを適切に構成せずにインストールを実行しようとすると、インストーラが失敗します。レスポンス・ファイルは、テキスト・エディタで作成または編集できるテキスト・ファイルです。

2.2.1 レスポンス・ファイルの作成

次の方法でレスポンス・ファイルを作成することをお薦めします。

  1. 製品のグラフィカル・インストーラまたはアンインストーラは、製品のインストレーション・ガイドの説明に従って実行します。

  2. 製品のインストールの場合は、「インストール・サマリー」画面で、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックしてインストール・パラメータをレスポンス・ファイルに保存します。

    製品のアンインストールの場合は、「アンインストール・サマリー」画面で、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックしてアンインストール・パラメータをレスポンス・ファイルに保存します。

    このレスポンス・ファイルの名前と作成場所を入力するように求められます。作成されたら、そのファイルをそのまま使用して他のシステムでインストールまたはアンインストールをレプリケートすることも、必要に応じてファイルを修正することもできます。

2.2.2 サンプル・レスポンス・ファイル

サイレント・インストールに使用可能なサンプル・レスポンス・ファイルについては、付録Cを参照してください。

レスポンス・ファイルで指定できるパラメータは、第2.2.3項で説明します。

2.2.3 レスポンス・ファイルのパラメータの編集

この項では、Oracle Universal Installerの有効なレスポンス・ファイルに指定できる様々なパラメータについて説明します。

サンプル・レスポンス・ファイルについては、付録Cを参照してください。

表2-1 レスポンス・ファイルのパラメータ

対応する画面 パラメータ 説明

インストール場所


ORACLE_HOME

Oracleホーム・ディレクトリの場所。

セキュリティ更新の指定


MYORACLESUPPORT_USERNAME

MYORACLESUPPORT_PASSWORD

最新の製品情報とセキュリティ・アップデートを受信する場合は、My Oracle Supportのユーザー名とパスワードを入力します。

DECLINE_SECURITY_UPDATES

セキュリティ・アップデートを受信しない場合は、このパラメータをtrueに設定します。デフォルトでは、このパラメータはfalseに設定されています。

SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORT

MYORACLESUPPORT_USERNAMEおよびMYORACLESUPPORT_PASSWORDに値を指定する場合は、このパラメータをtrueに設定する必要があります。

PROXY_HOST

PROXY_PORT

PROXY_USER

PROXY_PWD

環境でプロキシ・サーバーを使用する場合は、プロキシ・サーバーの情報を入力します。

COLLECTOR_SUPPORTHUB_URL

Oracle Configuration Manager RepeaterのURLです。書式は次のとおりです。

http://repeater_host:repeater_port

または

https://repeater_host:repeater_port

インストール・タイプ


INSTALL_TYPE

実行するインストールのタイプを指定します。この値は、製品ディストリビューションによって異なります。

たとえば、Fusion Middleware Infrastructureディストリビューションの場合、次のインストール・タイプが有効です。

  • Fusion Middlewareインフラストラクチャ

  • Fusion Middlewareインフラストラクチャおよび例

削除する配布


SELECTED_DISTRIBUTION

Oracleホームから削除するディストリビューションを指定します。

このパラメータは、アンインストーラ・プログラムを起動するOracleホームに複数のディストリビューションが存在する場合に必要です。

削除する配布画面に表示されたとおりに、製品名を入力します。


2.2.4 サイレント・インストール時のレスポンス・ファイルの保護

レスポンス・ファイルには、インストーラで必要なパスワードが含まれています。レスポンス・ファイル内のこれらのパスワードに関するセキュリティ上の問題を最小限に抑えるには、次のガイドラインに従います。

  • サイレント・インストールを実行するオペレーティング・システム・ユーザーのみがファイルを開けるように、レスポンス・ファイルに権限を設定します。

  • 可能であれば、サイレント・インストールの完了後に、レスポンス・ファイルをシステムから削除します。

2.3 サイレント・モードでのOracle Universal Installerの実行

この項では、Oracle Universal Installerをサイレント・モードで実行する方法と、Oracle中央インベントリを初めて設定する方法について説明します。

2.3.1 サイレント・インストールの構文およびコマンドの概要

コマンドラインから製品インストーラを実行する場合の完全な構文は次のようになります。

java -jar distribution_name.jar [-options] [(<CommandLinevariable=Value>)*]

製品インストーラをサイレント・モードで実行するには、-silentモードを使用し、レスポンス・ファイルを指定します。

java -jar distribution_name.jar -silent -responseFile file [-options] [(<CommandLinevariable=Value>)*]

表2-2は、サイレント・インストールとグラフィカル・インストールの有効なコマンドライン・オプションを示しています。

表2-2 サイレント・インストールとグラフィカル・インストールのインストーラ・コマンドライン・オプション

オプション 説明

インストール操作(指定可能な操作は1つのみ)

-install

インストーラを起動します。これがデフォルトの操作です。

インストール・モード


-silent

指定された操作(-install-deinstallなど)をサイレント・モードで実行します。-silentが指定されていない場合はグラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用します。

インストール・オプション

-help

インストーラの使用オプションを表示します。

-invPtrLoc file

(UNIXのみ)中央インベントリの場所ファイルへのポインタ。ファイルには、oraInst.locファイルのフルパスと名前を代入します。

-responseFile file

レスポンス・ファイルへのポインタ。ファイルには、レスポンス・ファイルのフルパスと名前を代入します。

レスポンス・ファイルの作成の詳細は、第2.2項を参照してください。

-logLevel level

インストーラによって実行されるロギングのレベルを指定します。指定したレベルより優先度が低いすべてのメッセージが記録されます。有効なレベルは次のとおりです。

  • severe

  • warning

  • info

  • config

  • fine

  • finer

  • finest

-debug

インストーラからデバッグ情報を取得します。

-force

空ではないディレクトリへのサイレント・インストールの続行を許可します。このオプションは11gでのみ有効です。

-printdiskusage

ディスク使用量に関するデバッグ情報をログに記録します。

-printmemory

メモリー使用量に関するデバッグ情報をログに記録します。

-printtime

時間の使用状況に関するデバッグ情報をログに記録します。

-noconsole

メッセージはコンソール・ウィンドウに表示されません。

-ignoreSysPrereqs

システムの前提条件チェックの結果を無視してインストールを続行します。

-executeSysPrereqs

システムの前提条件チェックのみを実行して終了します。

-paramFile file

oraparam.iniファイルはインストーラの初期化ファイルであり、ディストリビューションの.jarファイル内に含まれていて、インストーラの起動時に展開されます。

-paramFileオプションは、インストーラのデフォルト初期化ファイルをオーバーライドします。

-compatibilityFile ファイル

機能セットの依存性の変更を指定するファイルの場所です。

-nowait

(Windowsのみ)インストーラでは、操作(-installなど)完了後、ユーザーがコンソール上で[Enter]を押すのを待ちません。

コマンドライン変数

インストーラ変数

インストーラ変数は、varName=を使用して指定します。


2.3.2 UNIXユーザー対象: 中央インベントリの作成

UNIXオペレーティング・システム上で初めてインストーラをサイレント・モードで実行するときは、次の例のようなプロンプトが表示されます。

You are starting your first installation on this host or you do not have sufficient 
permission to access current inventory. As part of this install, you need to specify a 
directory for installer files. This is called the "inventory directory". Within the inventory 
directory, the installer automatically sets up subdirectories for each product to contain 
inventory data and will consume typically 150 Kilobytes per product. It is recommended 
that this file (oraInst.loc)be created in /etc directory. You need root privileges to do so. You
can exit the installer and run the script located in /tmp/createCentralInventory1371119669507.sh 
to set up the central inventory location.

プロンプトの手順に従って、/tmp/createCentralInventory.shスクリプトをrootとして実行し、oraInst.locファイルと中央インベントリ・ディレクトリを作成します。製品のインストールを続行するには、まず、これを完了する必要があります。詳細は、1.2.1.2項を参照してください。

2.3.3 サイレント・インストールの出力例

次に、Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのサイレント・インストールの出力例を示します。

java -jar fmw_12.1.3.0.0_wls.jar -silent -responseFile /home/exampleuser/response/wls.rsp
Extracting files...................
Starting Oracle Universal Installer

Checking if CPU speed is above 300 MHz.   Actual 2526.998 MHz    Passed
Checking swap space: must be greater than 512 MB.   Actual 10288440 MB    Passed
Checking if this platform requires a 64-bit JVM.   Actual 64    Passed (64-bit not required)
Checking temp space: must be greater than 300 MB.   Actual 44752 MB    Passed
 
 
Preparing to launch the Oracle Universal Installer from /tmp/OraInstall2014-04-02_10-32-26AM
Log: /home/exampleuser/oraInventory/logs/install2014-04-02_10-32-26AM.log
Copyright (c) 1996, 2014, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.
Reading response file..
Expected result: One of enterprise-4,enterprise-5,enterprise-6,redhat-6,redhat-4,redhat-5,SuSE-10,SuSE-11
Actual Result: enterprise-5
Check complete. The overall result of this check is: Passed
CertifiedVersions Check: Success.
Verifying data......
Copying Files...
-----------20%----------40%----------60%----------80%-------100%
 
The installation of WebLogic Server 12.1.3.0.0 completed successfully.

2.4 サイレント・アンインストールでのOracle Universal Installerの実行

Oracle Fusion Middleware製品をサイレント・モードでアンインストールするには、コマンドラインで-silentオプションを使用します。コマンドラインからアンインストーラを実行する場合の完全な構文は次のようになります。

ORACLE_HOME/oui/bin/deinstall.sh -silent [-options] [(<CommandLinevariable=Value>)*]

表2-3は、サイレント・アンインストールとグラフィカル・アンインストールの有効なコマンドライン・オプションを示しています。

表2-3 サイレント・アンインストールとグラフィカル・アンインストールのアンインストーラ・コマンドライン・オプション

オプション 説明

アンインストール・オプション

-help

アンインストーラの使用オプションを表示します。

-deinstall

アンインストーラをGUIモードで起動します。これはデフォルトのモードであり、コマンドラインでモードが指定されていない場合に使用されます。

-distributionName name

Oracleホームから削除するディストリビューションの名前を指定します。これは、Oracleホームに複数のディストリビューション(たとえば、Oracle Fusion Middleware InfrastructureとOracle SOA Suite)が含まれている場合に必要です。

-distributionVersion version

Oracleホームから削除する特定のディストリビューションのバージョンを指定します。これは、Oracleホームに複数のディストリビューション(たとえば、Oracle Fusion Middleware InfrastructureとOracle SOA Suite)が含まれている場合に必要です。

-responseFile file

レスポンス・ファイルへのポインタ。ファイルには、レスポンス・ファイルのフルパスと名前を代入します。

レスポンス・ファイルの作成の詳細は、第2.2項を参照してください。

-logLevel level

インストーラによって実行されるロギングのレベルを指定します。指定したレベルより優先度が低いすべてのメッセージが記録されます。有効なレベルは次のとおりです。

  • severe

  • warning

  • info

  • config

  • fine

  • finer

  • finest

-debug

インストーラからデバッグ情報を取得します。

-printdiskusage

ディスク使用量に関するデバッグ情報をログに記録します。

-printmemory

メモリー使用量に関するデバッグ情報をログに記録します。

-printtime

時間の使用状況に関するデバッグ情報をログに記録します。

-noconsole

メッセージはコンソール・ウィンドウに表示されません。

-ignoreSysPrereqs

システムの前提条件チェックの結果を無視してインストールを続行します。

-executeSysPrereqs

システムの前提条件チェックのみを実行して終了します。

-paramFile file

oraparam.iniファイルは、アンインストーラの初期化ファイルです。

-paramFileオプションは、アンインストーラのデフォルト初期化ファイルをオーバーライドします。

-compatibilityFile ファイル

機能セットの依存性の変更を指定するファイルの場所です。

コマンドライン変数

インストーラ変数

インストーラ変数は、varName=を使用して指定します。


2.4.1 サイレント・アンインストール・コマンドの例

次に、サイレント・アンインストール・コマンドの例を示します。

ORACLE_HOME/oui/bin/deinstall.sh -silent -responseFile /home/exampleuser/wls_deinstall.rsp

-logLevelオプションを含めると、詳細なインストール・ログを作成できます。このオプションの詳細は、表2-3を参照してください。

次に、レスポンス・ファイルとロギング・レベル(FINE)を指定した場合のサイレント・アンインストール・コマンドの例を示します。

ORACLE_HOME/oui/bin/deinstall.sh -silent -responseFile /home/exampleuser/wls_deinstall.rsp -logLevel FINE

次に、1つのOracleホームに複数の製品が含まれている場合のサイレント・アンインストール・コマンドの例を示します。

ORACLE_HOME/oui/bin/deinstall.sh -silent -responseFile /home/exampleuser/deinstall.rsp -distributionVersion 12.1.3.0.0 -distributionName "Oracle Data Integrator"

サイレント・アンインストールでは、複数のディストリビューションがインストールされている場合、コマンドラインから-distributionName-distributionVersionを指定する必要があります。

2.4.2 サイレント・アンインストールの出力例

次に、Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのサイレント・アンインストールからの出力例を示します。

ORACLE_HOME/oui/bin/deinstall.sh -silent -responseFile /home/exampleuser/wls_deinstall.rsp
Starting Oracle Universal Installer

Checking if CPU speed is above 300 MHz.   Actual 2526.998 MHz    Passed
Checking swap space: must be greater than 512 MB.   Actual 10288440 MB    Passed
Checking if this platform requires a 64-bit JVM.   Actual 64    Passed (64-bit not required)
Checking temp space: must be greater than 300 MB.   Actual 44752 MB    Passed
 
 
Preparing to launch the Oracle Universal Installer from /tmp/OraInstall2014-04-02_10-32-26AM
Log: /home/exampleuser/oraInventory/logs/install2014-04-02_10-32-26AM.log
Copyright (c) 1999, 2014, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.
Reading response file..
Starting silent deinstallation...
-----------20%----------40%----------60%----------80%-------100%
 
The uninstall of WebLogic Server 12.1.3.0.0 completed successfully.