ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Schedulerの管理
12c (12.1.3)
E59386-02
  目次へ移動
目次

前
次
 

3.8 アプリケーション・プロパティの管理

アプリケーション・プロパティを設定することで、Oracle Enterprise Schedulerとアプリケーションの相互作用を構成できます。Fusion Middleware Controlの「アプリケーション・プロパティ」ページでは、Oracle Enterprise Schedulerで定義されるプロパティの値を設定したり、デプロイされている構成の中でアプリケーションに設定されるプロパティの値を設定できます。

Oracle Enterprise Schedulerで定義される次のプロパティを、「アプリケーション・プロパティ」ページで構成できます。

  • RequestFileDirectory: リクエストとログ出力のディレクトリを指定します。デフォルトは、"{ESS_ENV:jrfServerLogPath}/ess_request/"です。

  • RequestFileDirectoryShared: リクエスト・ファイル・ディレクトリを共有するかどうかを示すフラグを指定します。デフォルトは"false"です。

  • PerlCommand: デフォルトで、Oracle Enterprise Schedulerは標準および拡張モードでのリクエスト用にJavaのエージェント・ハンドラを使用します。Fusionモードでのリクエストには、常時、Perlのエージェント・ハンドラを使用します。標準および拡張リクエスト・モードでPerlのエージェント・ハンドラを使用するには、プロセスのジョブを実行しているホスティング・アプリケーションに関連付けられたess-config.xmlファイルに、次の例に示すようにPerlCommandプロパティを追加する必要があります。

    <EssProperties>
       <EssProperty key="RequestFileDirectory" value="/tmp/ess/requestFileDirectory"/>
       <EssProperty key="RequestFileDirectoryShared" value="false"/>
         ...   
       <EssProperty key="PerlCommand" value="/usr/bin/perl"/>
    </EssProperties>
    

    ディレクトリ名などの環境に依存する値を指定するため、トークンの置換を使用できます。

    Oracle Enterprise SchedulerのPerlエージェントには、Oracle Perlバージョン5.10以上が必要です。プロセスのジョブをサポートするようにPerlをインストールする手順は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Scheduler管理者ガイド』の「プロセス・ジョブをサポートするためのPerlの構成」を参照してください。

  • EssCallbackClientSecurityPolicyURI: Webサービスのコールバック時に、Oracle Enterprise SchedulerからWebサービスを起動する際にWS-Securityヘッダーで使用されるセキュリティ・ポリシーURIを指定します。デフォルトは、nullです。

  • ClusterMode: サーバー・インスタンスがスタンドアロン・モードか拡張モードかを指定します。これは読取り専用で、変更できないプロパティです。

  • HostingAppPolicyStripe: Oracle Enterprise Schedulerの構成プロパティで、事前デプロイ済のネイティブ・ホスティング・アプリケーションにのみ適用可能です。このプロパティは、SOAおよびOSBアプリケーションで使用できる複数のセキュリティ・ストライプをサポートするために、事前デプロイのネイティブ・ホスティング・アプリケーションで事前構成済です。事前デプロイ済のネイティブ・ホスティング・アプリケーションのejb-jar.xmlファイルには、ポリシー・ストライプの静的な定義はありません。ストライプのリスト(追加コンポーネント用)は、ランタイム構成のMBean、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのスクリプトを使用して動的に拡張できます。

  • ServerURL: このプロパティの値は、次の形式の文字列です。

    http://host:port

    これは、実行時​​にESSWebServiceのエンドポイント・アドレスの決定に使用され、具象WSDLESSWebServiceの一部として公開されます。

  • CallbackServerURL: このプロパティの値は、次の形式の文字列です。

    http://host:port

    これは、実行時​​にOracle Enterprise SchedulerのWebサービスのコールバック(EssAsyncCallbackServiceおよびEssWsJobAsyncCallbackServiceを含む)のエンドポイント・アドレスの決定に使用されます。このエンドポイント・アドレスは、それぞれのWSDLの一部として公開されます。

アプリケーション・プロパティを編集するには:

  1. ナビゲーション・ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを展開し、Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを選択します。
  2. 「スケジューリング・サービス」メニューから、「構成」「アプリケーション・プロパティ」を選択します。

    「アプリケーション: プロパティ」ページが表示されます。

  3. 「アプリケーション」ドロップダウン・フィールドで、プロパティを設定するアプリケーションを選択します。
  4. 「構成プロパティ」セクションで、値を変更するプロパティを探し、そのプロパティの「値」列に新しい値を入力します。
  5. プロパティを追加するには、「追加」ボタンをクリックします。

    「プロパティの追加」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  6. プロパティを削除するには、「削除」ボタンをクリックします。
  7. 「タイプ」ドロップダウンから、新しいプロパティのタイプを選択します。

    Oracle Enterprise Schedulerで定義されるプロパティを選択する場合は「ESS」を選択し、「名前」ドロップダウンからプロパティ名を選択します。プロパティの値を「値」テキスト・フィールドに入力します。

  8. 別のタイプを選択し、他のプロパティの名前と値を入力します。
  9. 「追加」をクリックして、新しいプロパティ設定を保存します。
  10. 「アプリケーション・プロパティ」ページで、「適用」をクリックし、アプリケーション・プロパティの変更を保存します。

3.8.1 ジョブの場所プロパティ

Oracle Enterprise Schedulerでは、EJBおよびWebサービスのジョブに名前付きの抽象的なジョブの場所を定義できる手段が提供されています。ジョブの場所は、Oracle Enterprise SchedulerのSYS_logicalClusterNameシステム・プロパティで指定し、論理クラスタ名(LCN)を指定します。EJBまたはWebサービス・ジョブのジョブ定義でLCNの値を指定した場合、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して、ジョブ定義ではなく、ホスティング・アプリケーションのレベルで特定の環境固有のプロパティが指定されます。同じLCNを持つすべてのジョブ定義は、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用してホスティング・アプリケーションの構成プロパティに入力されたプロパティの値を共有します。

注意:

「論理クラスタ」および「ジョブの場所」という用語は、同じ意味で使用できます。

ジョブの場所の機能を使用する手順は、次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを展開し、Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを選択します。
  2. 「スケジューリング・サービス」メニューから、「ジョブ・メタデータ」「ジョブ定義」を選択します。「結果」の表からジョブ定義を選択し、「ジョブ定義の詳細」ページを開きます。
  3. 「アプリケーション・プロパティ」ページの「システム・プロパティ」セクションで、SYS_logicalClusterNameシステム・プロパティに場所関連プロパティのセットの定義に使用する名前を設定します。
  4. 「スケジューリング・サービス」メニューから、「構成」「アプリケーション・プロパティ」を選択します。
  5. 「アプリケーション」ドロップダウン・メニューから、ホスティング・アプリケーションを選択します。
  6. 「アプリケーション・プロパティ」ページの「ジョブの場所プロパティ」セクションで、「ジョブの場所の追加」アイコンをクリックします。

    「ジョブの場所の追加」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  7. 「ジョブの場所」フィールドに、手順3でSYS_logicalClusterNameシステム・プロパティに割り当てた名前を入力します。
  8. 表3-1に示すプロパティに対応する3つのフィールドに値を入力します。

    表3-1 ジョブの場所プロパティ

    フィールド プロパティ名 説明

    JNDIプロバイダURL

    JndiProviderUrl

    クラスタのJNDIプロバイダEJBジョブ・タイプで使用します。

    WebサービスのエンドポイントのベースURL

    WsEndpointBaseUrl

    ホストとポート。Webサービスのジョブ・タイプで使用します。

    WebサービスのWSDLのベースURL

    WsWsdlBaseUrl

    WSDLのホストとポート。Webサービスのジョブ・タイプで使用します。


  9. 「追加」をクリックして、新しいプロパティ設定を保存します。
  10. 「アプリケーション・プロパティ」ページで、「適用」をクリックしてアプリケーション・プロパティの変更を保存します。

注意:

ジョブの場所およびプロパティを表から選択し、「ジョブの場所の削除」または「プロパティの削除」をクリックして削除することもできます。