Cloud Controlにより、スケジューリング・サービス自体、作業割当ておよびジョブ定義を含むOracle Enterprise Schedulerエンティティのアラートを構成、表示および管理することが可能になります。アラートは、Oracle Enterprise Schedulerのパフォーマンス・メトリックに基づいています。各メトリックには、その特定のメトリックについて警告またはクリティカルの状態を示す上限しきい値および下限しきい値がある監視対象オブジェクトが含まれます。たとえば、エラー状態になっているジョブ・リクエストの数に関するアラートを構成する場合、10件のエラーで警告の状態、20件のエラーでクリティカルの状態となるように構成することができます。
アラートが構成された後は、アラートは自動的に生成され、Cloud Controlで提供されているインシデント・マネージャからその詳細を確認できます。また、「Cloud ControlにおけるOracle Enterprise Schedulerへの構成変更の検索」で説明されているとおり、指定された期間内に行われたすべての構成変更を追跡することもできます。
表6-9に、Oracle Enterprise Schedulerで使用可能なアラートを示します。
表6-9 Oracle Enterprise Schedulerのアラート
アラート | 対象範囲 | 収集されるデータ | アラートが自動的にクリアされるかどうか |
---|---|---|---|
準備完了状態のジョブ・リクエストのアラートおよび準備完了状態のジョブ・リクエストの平均待機時間。 |
作業割当て |
準備完了状態のジョブ・リクエストの数および準備完了ジョブ・リクエストの平均待機時間(作業割当て別)。 |
クリアされません。アラートがクリアされるのは、準備完了ジョブ・リクエストの数がしきい値を下回っている場合のみです。これは、準備完了ジョブ・リクエストの平均待機時間に関するアラートにも当てはまります。 |
エラー状態になっているジョブ・リクエストのアラート。 |
作業割当て |
前回の収集以降、エラー状態になっているジョブ・リクエストの数。 |
クリアされます。次回の収集のデルタ値がしきい値を下回っている場合、アラートは自動的にクリアされます。 |
長時間実行中のジョブ・リクエストのアラート。 |
ジョブ定義 |
ジョブ・リクエストの最も長い実行時間(ジョブ定義別に示されます)。しきい値が指定されているジョブ定義に対してのみデータの問合せが行われます。 |
クリアされません。アラートは、長時間実行されているリクエストが別の状態に遷移するとクリアされます。 |
|
スケジューリング・サービス |
|
クリアされません。アラートをクリアするためには、管理者がジョブ・リクエストをリカバリする必要があります。 |
タイムアウトしたジョブ・リクエストのアラート。 |
スケジューリング・サービス |
タイムアウトしたジョブ・リクエストの数。 |
クリアされません。アラートをクリアするためには、管理者がジョブ・リクエストを取り消すかリカバリする必要があります。 |
|
スケジューリング・サービス |
過去1時間に |
クリアされます。次回の収集のデルタ値がしきい値を下回っている場合、アラートは自動的にクリアされます。 |
ブロックされたジョブ・リクエストのアラート。 |
スケジューリング・サービス |
|
クリアされません。アラートをクリアするためには、管理者がジョブ・リクエストを取り消すか、またはジョブ・リクエストが処理対象として選択される必要があります。 |
この項では、次の項目について説明します。
メトリックが監視する各オブジェクトのしきい値を構成できます。特定のメトリックについて、次のようにアラート・ルールを構成できます。
エラー状態のジョブ・リクエストなど、メトリック監視するオブジェクトを選択します。
オブジェクトが警告およびクリティカルの状態になったと判断する値を構成します。これには、より大きい(>)やより小さい(<)などの演算子値が含まれます。
アラート条件が満たされたときに実行する修正処理を入力します。
アラート・ルールを適切な順番で並べます。
Cloud ControlにおいてOracle Enterprise Schedulerのメトリック・アラートを構成するには:
スケジューリング・サービスに移動します。
「ターゲット」メニューから「ミドルウェア」を選択します。
Oracle Enterprise SchedulerがデプロイされているOracle Fusion Middlewareファームに移動します。
「ターゲット・ナビゲーション」ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを開きます。
Oracle Enterprise Schedulerクラスタ・ターゲットまたは個々のOracle Enterprise Schedulerターゲットをクリックします。
スケジューリング・サービスの「ターゲット」メニューから、「監視」を選択し、「メトリックと収集設定」をクリックします。
メトリックのリストが表示されます。
すべてのメトリックを表示するには、「表示」ドロップダウン・から「すべてのメトリック」を選択します。
アラートのしきい値を構成するメトリックを選択し、「編集」アイコンをクリックします。たとえば、「準備完了状態のリクエストの平均待機時間」メトリックのしきい値を構成できます。
「詳細設定の編集」ページが開き、「監視対象オブジェクト」リストが表示されます。
「詳細設定の編集」ページで、「追加」をクリックして、監視対象オブジェクトのリストに行を追加します。
監視するオブジェクトを選択します。
新しい行の「名前」フィールドで、「検索」ボタンをクリックします。
「オブジェクトの検索と選択」ウィンドウが表示されます。
使用するオブジェクトを検索し、「選択」をクリックします。
用意されているスペースに、クリティカルおよび警告のしきい値で使用する値を入力します。
「続行」をクリックし、「OK」をクリックして設定を保存します。
必要に応じて追加のしきい値を構成します。
アラートの構成の詳細は、Cloud Controlのオンライン・ヘルプの次のトピックを参照してください。
「インシデント・ルールの一般的なタスク」
「インシデント・ルールの高度なタスク」
Oracle Enterprise Scheduler Serviceのホームページに、アラートのサマリーが表示されます。「監視と診断」領域に表示されているインシデントの番号をクリックすることで、「インシデント・マネージャ」ページに移動してインシデントに関する追加情報を表示できます。
Cloud ControlでOracle Enterprise Schedulerのアラートを表示するには:
スケジューリング・サービスに移動します。
「ターゲット」メニューから「ミドルウェア」を選択します。
Oracle Enterprise SchedulerがデプロイされているOracle Fusion Middlewareファームに移動します。
「ターゲット・ナビゲーション」ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを開きます。
Oracle Enterprise Schedulerクラスタ・ターゲットまたは個々のOracle Enterprise Schedulerターゲットをクリックします。
スケジューリング・サービスのホームページが表示されます。「監視と診断」ペインに、次の情報が表示されます。
インシデント: スケジューリング・サービス・インスタンス内で発生したインシデントの数がここに表示されます。インシデントの数は、ジョブ・リクエスト・アラートの構成の結果として収集されたインシデントによって決まります。ジョブ・リクエスト・アラートを構成する方法の詳細は、「Cloud ControlにおけるOracle Enterprise Schedulerのメトリック・アラートの構成」を参照してください。インシデントの数がゼロより大きい場合は、その数をクリックして、発生したインシデントの詳細を確認しますす。
子ターゲット・インシデント: スケジューリング・サービス・クラスタ内で発生したインシデントの数がここに表示されます。インシデントの数がゼロより大きい場合は、その数をクリックして、発生したインシデントの詳細を確認しますす。
構成の変更: アラート構成に対して行われた変更の数がここに表示されます。構成変更の数をクリックすると、特定の期間内に行われた変更を検索できます。デフォルトの期間は7日間です。
インシデントの数をクリックして、「インシデント・マネージャ」ペインにアラートに関する詳細情報を表示します。インシデントがない場合は、「監視」を選択し、「インシデント・マネージャ」をクリックすることで、スケジューリング・サービスのターゲット・メニューからインシデント・マネージャを開くことができます。
インシデント・マネージャには、インシデントが表形式で表示されます。各インシデントについて、重大度、サマリー、ターゲット、優先度、状態、最終更新日時、所有者、確認済、エスカレート済、タイプおよびカテゴリが示されます。
インシデントをクリックして、その詳細を表示できます。インシデント・マネージャの使用方法の詳細は、Cloud Controlのオンライン・ヘルプの次のトピックを参照してください。
「インシデント・マネージャの一般的なタスク」
「インシデント・マネージャの高度なタスク」