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Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Schedulerの管理
12c (12.1.3)
E59386-02
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6.7 Oracle Enterprise Schedulerのロギングの管理

個々のジョブ・リクエストのログ・データを検索して表示できます。また、Oracle Enterprise Schedulerのログ・レベルを設定できます。さらに、ジョブ・リクエスト・ログをファイルに保存して、トラブルシューティング用の情報を得るためにジョブ・リクエストをトレースすることもできます。

この項では、次の項目について説明します。

注意:

Oracle WebLogic Serverのログ出力(logging.xml)には、Oracle WebLogic Serverで実行されているOracle Enterprise Schedulerジョブによって書き込まれたログしか表示されません。Oracle Enterprise Schedulerが実行中のPL/SQLのコントロールをPL/SQLプロセスに移すと、PL/SQLは別のプロセスで実行されるため、PL/SQLジョブのロギング・データはOracle Enterprise Schedulerのログには書き込まれません。

注意:

このセクションの手順は、ログ情報がファイル・システムに格納されていることを前提としています。ジョブを選択すると、「ログ・メッセージの表示」ボタンがアクティブになります。それにかわり、ログ情報がUniversal Content Management(UCM)リポジトリに保存されている場合は、ボタンはアクティブにはならず、fnd:attachmentコンポーネントをクリックすることでログにアクセスできます。

6.7.1 ドメインのログ情報の表示

Fusion Middleware Controlを使用して、Oracle Enterprise Schedulerがデプロイされているドメインのログ・メッセージを表示できます。

ドメインのログを表示するには:

  • 「スケジューリング・サービス」メニューから、「ログ」→「ログ・メッセージの表示」を選択します。

詳細は、Oracle Fusion Middleware管理者ガイドを参照してください。

6.7.2 ジョブ・リクエスト・ログの表示

「リクエスト詳細」ペインから特定のジョブ・リクエストのログを表示できます。

注意:

Windowsでは、リクエスト・ログの出力は1行にフォーマットされます(改行なし)。

ジョブ・リクエスト・ログを表示するには:

  1. 「簡易検索を使用したジョブ・リクエストの検索」の説明に従って、関連するジョブ・リクエストを検索します
  2. ジョブ・リクエストの検索結果を表示する表内で、ログを表示するジョブ・リクエストを選択します。
  3. ジョブ・リクエストの詳細を表示するには、ジョブ・リクエストIDをクリックします。または、ジョブ・リクエストに関連する親IDをクリックして、ジョブが関連するジョブ・セットの詳細を表示します。
  4. 「ジョブ・リクエストの詳細」ページで、「アクション」を選択し、「リクエスト・ログ」を選択し、ジョブ・リクエストのログ情報を表示します。

6.7.3 スケジュール済ジョブ・リクエストのログ・メッセージの表示

Oracle Enterprise Schedulerのログ・メッセージ・ページを使用して、スケジュール済ジョブ・リクエストに関するロギング情報を表示できます。

Fusion Middleware Controlでスケジュール済ジョブ・リクエストのログ・メッセージを表示するには:

  1. ナビゲーション・ペインで、ファーム、「スケジューリング・サービス」を展開します。
  2. 適切な管理対象サーバーのESSAPPアプリケーションを選択します。
  3. スケジューリング・サービスのホームページで、「スケジューリング・サービス」メニューから、「ログ」「ログ・メッセージの表示」を選択します。
  4. 「日付範囲」、「メッセージ・タイプ」および「メッセージ」フィールドを使用して、対象のログ・メッセージを検索します。オプションで、追加の検索フィールドを追加できます。
  5. 特定のジョブ・リクエストに関する詳細を、ECIDを使用して取得できます。実行コンテキストID(ECID)は生成コンポーネントが関与する特定のリクエストの実行のグローバル一意識別子です。ECIDは、別のコンポーネントで発生したエラー・メッセージの関連付けに使用できます。
  6. デフォルトで、リクエストのログを表示したときにFusion Middleware Controlに表示されるメッセージは、Oracle Enterprise Schedulerクラスタのスコープでロギングされたメッセージのみです。Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションがクラスタにデプロイされていない場合、Fusion Middleware Controlには管理対象サーバーのスコープでログ記録されたメッセージが表示されます。しかし、Oracle Enterprise Schedulerは、ジョブ・リクエストに関連付けられたECIDを、SOAやADFなどのサブシステム全体に伝播します。

    他のサブシステムでログ記録されたメッセージを表示するには、ターゲット・スコープを広げ、ドメインまたはファーム全体でログ記録されたメッセージを表示します。「ターゲット・ログ・ファイル」をクリックし、ログ・メッセージを表示するターゲットを選択します。

6.7.4 Oracle Enterprise Schedulerログ・レベルの設定

Oracle Enterprise SchedulerサーバーのOracle WebLogic Serverに対するロギングは、Oracle WebLogic Serverのlogging.xmlファイルを編集して構成できます。デフォルトで、Oracle Enterprise Schedulerの明示的なログ出力エントリはありません。Oracle Enterprise Schedulerは、親のログ出力(通常はoracleログ出力またはルート・ログ出力)で構成されたロギング・レベルとログ・ハンドラを継承します。

デフォルトで、Oracle Enterprise Schedulerログ出力のログ・メッセージは、Oracle WebLogic ServerのOracle WebLogic Server診断ログ・ファイルで確認できます。logging.xmlファイルはDOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WebLogic_Server_Nameにあり、ここでDOMAIN_HOMEはOracle WebLogic Serverドメインのドメイン・ホーム・ディレクトリ、WebLogic_Server_Namelogging.xmlファイルを使用しているOracle WebLogic Serverの名前です。

表6-8に、Oracle Enterprise Schedulerのログ出力名、ログ・レベルおよび各レベルの説明を示します。


表6-8 Oracle Enterprise Schedulerのログ出力およびログ・レベル

ログ出力名 ログ・レベル 説明

oracle.as.ess

SEVERE

Oracle Enterprise Schedulerランタイムにおける問題で、リクエスト処理のコンテキストで発生した、リクエスト・エラーを生じさせた問題。エラーには、ジョブ・コードからスローされた例外、ジョブ・コードの実行時の非チェック例外、Oracle Enterprise Schedulerコードの実行時の例外が含まれます。

Oracle Enterprise Schedulerランタイムにおける問題で、リクエスト処理以外のコンテキストで発生した、ディスパッチャやシステム・イベントの処理に関する問題。

-

WARNING

Oracle Enterprise Schedulerランタイムにおける深刻度の低い問題で、リクエスト処理中またはリクエスト処理以外で発生し、リクエストがエラーにならなかった問題。

-

INFO

リクエスト状態の遷移メッセージ。

作業割当てアクティビティに関連するメッセージ。

バッチ削除の失敗に関するメッセージ。

Oracle Enterprise Schedulerリソース・アダプタの開始および停止。

-

CONFIG

Oracle Enterprise Schedulerリソース・アダプタのアプリケーション・エンドポイント・アクティブ化および非アクティブ化。


  • リクエスト・ロギング: Oracle Enterprise Schedulerジョブ実装により、ジョブ・リクエスト・ログ・ファイルにビジネス固有のジョブ・リクエスト実行ログ情報が書き込まれることがあります。このログ・ファイルはリクエスト固有のもので、デフォルトで自動的に有効になります。ジョブ・リクエストのログ・ファイルの表示の詳細は、「ジョブ・リクエスト・ログの表示」を参照してください。

Oracle WebLogic Serverのログ・レベルを設定する方法の詳細は、「Oracle Enterprise Schedulerジョブのトレース」を参照してください。

Oracle Enterprise Schedulerを実行しているOracle WebLogic Serverのログ・レベルを、Oracle WebLogic Serverのマニュアルの説明のとおり設定します。

6.7.5 Oracle Enterprise Schedulerジョブのトレース

Oracle Enterprise Schedulerジョブのトレースを有効にすると、ジョブ・リクエストに関する追加情報を得ることができ、これを、オラクル社のテクニカル・サポートに提供すると、Oracle Enterprise Scheduler関連の問題解決に役立ちます。

この項では、次の項目について説明します。

6.7.5.1 始める前に

ログ・メッセージのトレースは相当量の出力を生成するので、これを考慮したうえでトレースを有効にしてください。デフォルトで、トレースはOracle WebLogic Serverコンソールstdoutに出力されます。stdoutをファイルにリダイレクトした場合、相当量のディスク領域が使用され、サーバーのパフォーマンスに影響することがあります。

Oracle Enterprise Schedulerジョブのトレースを有効にするには、「ログ出力の指定」リージョンに移動します。

「ログ・レベル」タブの「表示」ドロップダウン・リストで、「永続ログ・レベル状態のログ出力」を選択します。ペイン下部の「ログ出力の指定」リージョンを展開します。

  1. Fusion Middleware Controlのナビゲーション・ペインで、「WebLogicドメイン」を選択し、ドメインとサーバー名を選択します。

  2. 「WebLogic Server」メニューをクリックし、「ログ」→「ログ構成」を選択します。

    「ログ構成」ペインが表示されます。

  3. 「ログ・レベル」タブの「表示」ドロップダウン・リストで、「永続ログ・レベル状態のログ出力」を選択します。ペイン下部の「ログ出力の指定」リージョンを展開します。

  4. 「ログ構成」ペインにナビゲートし、「ログ出力の指定」リージョンを展開します。

6.7.5.2 ログ出力の定義

次のログ出力を作成します。

  • oracle.as.scheduler.security.internal.SecurityExecutorFactory

  • oracle.as.scheduler.security.internal.SecurityHelper

  1. 「名前」テキスト・フィールドに、ログ出力の名前を入力します。

  2. 「Oracle Diagnostic Loggingレベル(Javaレベル)」ドロップダウン・リストから、使用するロギング・レベルを選択します。

  3. 2つ目のログ出力名について手順を繰り返します。

6.7.5.3 ログ出力の関連付け

ログ出力をOracle Diagnostic Logging Handlerに関連付けます。

  1. 「ログ構成」ペインで、「ログ・ファイル」タブをクリックします。

  2. ハンドラのリストからodl-handlerを選択し、「構成の編集」をクリックします。

  3. 「関連付けるログ出力」ドロップダウン・リストから、作成したログ出力を選択し、「OK」をクリックします。

6.7.5.4 トレース・ファイルのダウンロード

トレース・ファイルのダウンロード

  1. Fusion Middleware Controlのナビゲーション・ペインで、「WebLogicドメイン」を選択し、ドメインとサーバー名を選択します。

  2. 「WebLogic Server」メニューをクリックし、「ログ」→「ログ・メッセージの表示」を選択します。

    「ログ・メッセージ」ペインが表示されます。

  3. 「検索」フィールドで「選択したターゲット」リージョンを展開し、対象のOracle Enterprise Schedulerターゲットを選択します。

  4. 日付範囲やメッセージ・タイプを選択し、「検索」をクリックします。

  5. 表示されたログ・メッセージのリストから、対象のメッセージを選択します。

  6. 「ログ・ファイル」列で、ログ・ファイルの名前をクリックします。

    「ログ・ファイルの表示」ペインが表示されます。

  7. ログ・ファイル名の横の「ダウンロード」をクリックして、ファイルをダウンロードします。

6.7.6 ジョブ・リクエスト・ログの保存

ジョブ・リクエスト・ログのデータをサーバー・ログ・ファイルに保存できます。ジョブ・リクエスト・ログは通常Oracle WebCenter Contentに保存されます。ログ・レベルをFINERに設定すると、すべてのジョブ・リクエスト・ログがサーバー・ログ・ファイルにコピーされます。

ジョブ・リクエスト・ログをサーバー診断ファイルに保存するには:

  1. Fusion Middleware Controlのナビゲーション・ペインで、「WebLogicドメイン」を選択し、ドメインとサーバー名を選択します。
  2. 「WebLogic Server」メニューをクリックし、「ログ」「ログ構成」を選択します。

    「ログ構成」ペインが表示されます。

  3. 「ログ構成」ペインで、「ログ・レベル」タブをクリックします。
  4. 「検索」テキスト・フィールドでoracle.as.schedulerを検索し、oracle.as.scheduler.security.internal.SecurityExecutorFactoryログ出力を探します。
  5. ログ・レベルをFINERに設定し、「適用」をクリックします。
  6. 『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の説明のとおり、診断テストを実行します。ログ・メッセージが<server-diagnostic.logファイルに保存されます。

    ログはサーバー診断ファイル<Oracle Enterprise Scheduler server name-diagnostic.logに保存されます。