Oracle® Fusion Middleware Oracle Warehouse BuilderからOracle Data Integratorへの移行 12c (12.1.3) E59398-01 |
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この章では、移行ユーティリティを使用してOWBからODIにオブジェクトを移行する方法について説明します。
移行は、移行ユーティリティ構成ファイルで指定した設定を使用して実行します。このファイルの詳細は、「移行ユーティリティ構成ファイルの作成」を参照してください。
注意: 移行ユーティリティを使用して移行を実行する際は、OWBワークスペースおよびODIリポジトリが使用中でない必要があります。 |
内容は次のとおりです。
移行ユーティリティはコマンド行から起動し、入力対象としていくつかのパラメータを使用して移行を実行します。
Linuxでは、移行ユーティリティ・ファイルはmigration.sh
という名前で、OWB_HOME/owb/bin/unix
ディレクトリ(OWB_HOMEはOWBのインストール・ディレクトリ)から実行します。
Windowsでは、移行ユーティリティ・ファイルはmigration.bat
という名前で、OWB_HOME/owb/bin/win
ディレクトリ(OWB_HOMEはOWBのインストール・ディレクトリ)から実行します。
移行ユーティリティを実行して移行を実行する構文は、次のとおりです。
./migration.sh <odi_master_password> <odi_user_password> <owb_workspace_owner_password> <configuration_file>
例:
./migration.sh odi_master supervisor migration /scratch/jsmith/Migration/owb_migration.properties
コマンドのパラメータは次のとおりです。
odi_master_password
: ODIマスター・リポジトリ・パスワード(移行モードがFAST_CHECKの場合、このパスワードは実際のパスワードでない可能性があります。)
odi_user_password
: ODIユーザー・パスワード(移行モードがFAST_CHECKの場合、このパスワードは実際のパスワードでない可能性があります。)
owb_workspace_owner_password
: OWBワークスペース所有者パスワード
configuration_file
: 移行ユーティリティ構成ファイルのフルパスおよびファイル名
デフォルトでは、migration.shはODI 12.1.3ライブラリを参照し、ODIバージョンは12.1.3である必要があります。ODI 12.1.2に移行する場合は、コマンドラインでパラメータ-Dodi.versionを追加します(例: ./migration.sh -Dodi.version=12.1.2 <odi_master_password> <odi_user_password> <owb_workspace_owner_password> <configuration_file>
)。
-Dodi.version
はmigration.sh
のすぐ後ろに、他のパラメータより前に置く必要があります。
指定したODIライブラリがmigration.shで参照されるようにする場合は、ファイル内にすべての必要なODIパブリックSDK jarをリストし、次の構文を使用して移行ユーティリティを開始する必要があります。
./migration.sh -Dodi.classpath= <odi_classpath_file> <odi_master_password> <odi_user_password> <owb_workspace_owner_password> <configuration_file>
odi_classpath_file: Full path to the odi classpath file and the file name.
odiクラスパス・ファイル内に、ODI jarのフルパスを1行ずつリストする必要があります。
-Dodi.classpath
はmigration.sh
のすぐ後ろに、他のパラメータより前に置く必要があります。
移行が完了すると、コマンド・プロンプトに戻ります。移行に関する詳細は、移行ユーティリティリティのログ・ファイルおよび除外レポートで確認できます。これらのファイルの詳細は、「ログ・ファイルおよびレポート・ファイルの確認」を参照してください。
OWBワークスペース全体を移行するには、移行ユーティリティ構成ファイルのMIGRATION_OBJECTS
パラメータの値としてワイルド・カード・アスタリスク(*
)を使用します。例:
MIGRATION_OBJECTS=*
構成ファイルのOWB_WORKSPACE_NAME
パラメータで指定されている、OWBワークスペースのすべてのプロジェクトとサポートされているオブジェクトは移行されます。
注意: 一度に移行できるワークスペースは1つです。構成ファイルを編集して、移行する各ワークスペースに対して移行ユーティリティを実行します。 |
OWBワークスペースの特定のオブジェクトを移行するには、移行ユーティリティ構成ファイルのMIGRATION_OBJECTS
パラメータを設定して対象のオブジェクトのみを移行します。プロジェクト、フォルダ、単一の非フォルダ・オブジェクトまたは同じタイプおよび同じフォルダを共有するオブジェクトのセットを指定できます。
トップ・レベルのオブジェクトからリーフ・オブジェクトまで、オブジェクトのパスに含まれるすべてのオブジェクトの修飾名を連結した文字列を使用します。修飾名はOBJECT_TYPE.
OBJECT_PHYSICAL_NAMEにピリオド(.
)を付けて指定し、オブジェクト・タイプを物理名と区別します。たとえば、プロジェクトPRO_1
のOracleモジュールMOD_1
にある表T_1
を選択するには、MIGRATION_OBJECTS
パラメータの値をPROJECT.PRO_1.MODULE.MOD_1.TABLE.T_1
に設定します。
OBJECT_TYPEに使用できる値は、次のとおりです。
EXTERNAL_TABLE
FLAT_FILE_MODULE
FLAT_FILE
GENERIC_FOLDER
GENERIC_MODULE
LOCATION
MODULE
MAPPING
MATERIALIZED_VIEW
PLUGGABLE_MAPPING
PLUGGABLE_MAPPING_FOLDER
PROJECT
SAP_MODULE
SEQUENCE
TABLE
VIEW
複数のアイテムを区切るにはセミコロン(;
)を使用します。例:
MIGRATION_OBJECTS=PROJECT.PRO_1.MODULE.MOD_1.TABLE.T_1;PROJECT.PRO_2.MODULE.MOD_2;
複数のアイテムがある場合は、構成ファイルの読取り性を向上するために行の末尾にバックスラッシュ(\
)を使用します。例:
MIGRATION _OBJECTS= PROJECT.OWB_MIGRATION.SAP_MODULE.MY_SAP_MOD;\ PROJECT.MY_PROJECT.MODULE.ORA_MOD;\ PROJECT.MY_PROJECT.MODULE.DB2_MOD
フォルダ内の特定タイプのすべてのオブジェクトを選択するには、オブジェクト名のかわりに文字列の末尾にワイルド・カード・アスタリスク(*
)を使用します。次の例では、モジュールMOD_1
内のすべての表が選択されます。
MIGRATION_OBJECTS=PROJECT.PRO_1.MODULE.MOD_1.TABLE.*
指定した名前を含むすべてのオブジェクトを選択するには、オブジェクト名のかわりに文字列の末尾にワイルド・カード・アスタリスク(*
)を使用します。次の例では、名前の先頭がMYTEST
であるモジュールMOD_1
内のすべての表が選択されます。
MIGRATION_OBJECTS=PROJECT.PRO_1.MODULE.MOD_1.TABLE.MYTEST*
次の使用方法はサポートされません。
MIGRATION_OBJECTS=PROJECT.*.MODULE.MOD_1.TABLE.T_1; MIGRATION_OBJECTS=PROJECT.PRO_1.MODULE.*.TABLE.T_1; MIGRATION_OBJECTS=PROJECT.*.MODULE.*.TABLE.*; MIGRATION_OBJECTS=PROJECT.PRO_1.MODULE.*.TABLE.MYT*; MIGRATION_OBJECTS=PROJECT.PRO_1.MODULE.MYMOD*.TABLE.MYT_1;
無効なオブジェクトが指定されると、次のエラーが返されます。
[ERROR][Migration][MU-1005] The selected object {0} does not exist or the selection is invalid {invalid object name}. It will be skipped.
移行ユーティリティの実行時に発生する可能性のあるエラー・メッセージの詳細は、「メッセージ・リファレンス」を参照してください。
3-1 特定のオブジェクトの移行
この項では、特定オブジェクトの移行に関するその他の例を示します。
次の例では、プロジェクトSSAD
にあるOracle DatabaseのモジュールORACLE_EBS_D
を移行します。
MIGRATION_OBJECTS=PROJECT.SSAD.MODULE.ORACLE_EBS_D;
次の例では、プラガブル・マッピング・フォルダDWPR_SUB
にあるプラガブル・マッピングDEBS_EDW_MAP1
を移行します。
MIGRATION_OBJECTS=PROJECT.PROJ_DW.PLUGGABLE_MAPPING_FOLDER.DWPR_SUB.PLUGGABLE_MAPPING.DEBS_EDW_MAP1;
次の例では、プロジェクトSSA
にあるスタンドアロン・プラガブル・マッピングPLUGGABLE_MAPPING_1
を移行します。
MIGRATION_OBJECTS=PROJECT.SSA.PLUGGABLE_MAPPING.PLUGGABLE_MAPPING_1
移行を実行する前に移行をテストするには、移行ユーティリティ構成ファイルのMIGRATION_MODE
パラメータをFAST_CHECK
またはDRY_RUN
に設定します。
FAST_CHECK
オプションでは、どのオブジェクトが移行可能または移行不可であるかがチェックされます。DRY_RUN
オプションでは指定したオブジェクトをターゲットのODIリポジトリに作成可能かどうかがチェックされ、オブジェクトをリポジトリにコミットせずに移行を実行します。これらのオプションの詳細は、「構成ファイルのパラメータ」のMIGRATION_MODE
を参照してください。
テスト移行の実行後、詳細を移行ユーティリティリティのログ・ファイルおよび除外レポートで確認できます。これらのファイルを使用すると、実際に移行を実行する前に移行可能または移行不可のオブジェクトを特定して問題に対処できます。これらのファイルの詳細は、「ログ・ファイルおよびレポート・ファイルの確認」を参照してください。