ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Repositoryアップグレード・ガイド
12cリリース1 (12.1.3)
E59480-03
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

1 Oracle Enterprise Repositoryのアップグレード

この章では、Oracle Enterprise Repository 12cへアップグレードする際のアップグレード・プロセスについて説明します。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 アップグレード・タスクの実行

記載されている指示を実行することにより、Oracle Enterprise Repository 12cインストール・プログラムを使用して、WebLogic Server上のOracle Enterprise Repository 11gをアップグレードできます。

この項には次のトピックが含まれます:

1.1.1 前提条件

WebLogic Serverで、Oracle Enterprise Repository 11gを12cにアップグレードするには、次の前提条件があることを確認しておく必要があります。

  • Oracle Enterprise Repository 12cには、WebLogic Server 12cが必要です。現在インストールされているOracle Enterprise Repositoryアプリケーションを実行しているのが必要なバージョンではない場合は、アップグレードするか、サポートされているバージョンのWebLogic Serverを別のOracleホーム・ディレクトリにインストールしてください。WebLogic Serverのインストールの詳細は、『Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのインストールと構成』を参照してください。

  • Oracle Enterprise Repositoryドメインは、デフォルトの場所である<FMW_HOME>/user_projects/domains/oer内にインストールする必要があります。Oracle Enterprise Repositoryドメインが別の場所にインストールされている場合は、適切な場所に変更する必要があります。

  • アップグレードの手順を実行する前に、パスワードの暗号化要件に関する項を参照してください。詳細は、第2.3.4項「暗号化パスワードの作成」を参照してください。

  • アップグレードの手順を実行する前に、WebLogic Serverを停止してください。

  • BPMを使用している場合は、BPMデータベースを必ずバックアップしてください。

  • 既存のOracle Enterprise Repositoryデータベースをバックアップしてください。

1.1.2 アップグレード前タスクの実行

アップグレード・プロセスを続行する前に、次のタスクを実行する必要があります。

タスク1 カスタム・ファイルまたは編集済ファイルのバックアップ

アーティファクト・ストア、カスタム・ファイル、プロパティ・ファイル、カスタマイズなど、最新リリースにアップグレードした後に、再作成が必要になるものがないか、現在のOER実装で確認してください。アップグレードの完了後に同じ機能をリストアできるよう、作成内容を記録しておいてください。


ヒント:

このガイドの第1.1.8項では、インストールの過程において、いくつかのプロパティを変更することになります。アップグレード中に値を入力するときに参照できるよう、現在のOER実装から、それらの値を記録しておくと便利です。


注意:

インストーラには、Oracle Enterprise Repository 12cアプリケーションでドメインを作成するためのアプリケーション・テンプレートが用意されています。そのため、既存のドメインは使用されなくなります。

タスク2 現在のOracle Enterprise Repositoryインストール・ファイルの削除

注意:

タスク1「カスタム・ファイルまたは編集済ファイルのバックアップ」で説明されているように、この手順は、維持する必要のあるファイルをバックアップしてから実行してください。

同じドメイン名を使用する場合は、現在のOracle Enterprise Repositoryドメインの名前を変更するか、削除してください。たとえば、<FMW_HOME>/user_projects/domains/<domain_name><FMW_HOME>/user_projects/domains/old_<domain_name>にします。

タスク3 Oracle Enterprise Repository 11gのアンインストール

Oracle Enterprise Repository 11gのアンインストール・プロセスでは、旧リリースのすべてのコンポーネントを削除します。旧バージョンのOERをアンインストールする方法の詳細は、11gリリースの『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository開発者ガイド』を参照してください。

タスク4   (オプション)データベースでのリポジトリ作成ユーティリティの実行

アップグレード・アシスタント・プラグインでは、いくつかのコンポーネントがデータベースにすでに存在する必要があります。リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)をデータベースで以前に実行したことがない場合は、1.1.4項の説明に従ってアップグレード・アシスタントを使用してOERスキーマをアップグレードする前に、これを実行する必要があります。

アップグレード・アシスタントで必要なコンポーネントをインストールする手順は次のとおりです。

  1. WebLogic Serverインストールの次のディレクトリからrcu.shまたはrcu.batユーティリティを実行します。

    <FMW_HOME>/oracle_common/bin/rcu.sh or rcu.bat
    
  2. 「ようこそ」画面の「次へ」をクリックします。

  3. 「リポジトリの作成」が選択されていることを確認してから、「リポジトリの作成」画面で「システム・ロードおよび製品ロード」を選択します。このドキュメントの手順では、DBAアクティビティを実行するために必要な権限があることを想定しています。「次へ」をクリックします。

  4. 「データベース接続の詳細」画面に、データベースに接続するためのRCUに関するデータベース接続の詳細が表示されます。

    「次へ」をクリックして先に進み、データベースへの接続が成功したことを確認するダイアログ・ウィンドウで、「OK」をクリックします。

  5. 「AS共通スキーマ」を展開します。次の図に示すように、「共通インフラストラクチャ・サービス」のみが選択されていることを確認します。

    pre_ua_rcu.pngの説明が続きます
    画像pre_ua_rcu.pngの説明

    「新規接頭辞の作成」フィールドを、デフォルト値のDEVのままにします。「次へ」をクリックして先に進み、スキーマ作成の前提条件チェックが成功したことを確認するダイアログ・ウィンドウの「OK」をクリックします。

  6. スキーマのパスワードをデータベースに設定する方法を指定してから、パスワードの指定と確認を行います。

  7. RCU画面の残りの部分を先に進めて、スキーマ作成を完了します。「完了サマリー」画面に到達したら、「閉じる」をクリックしてRCUを終了します。

1.1.3 Oracle Enterprise Repositoryインストール・プログラムの実行

既存のOracle Enterprise Repository (OER) 11gコンポーネントをアップグレードするには、まず、OER 12cのディストリビューションをインストールする必要があります。『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Repositoryインストレーション・ガイド』の「Oracle Enterprise Repositoryソフトウェアのインストール」の章に記載されている指示に従ってください。

1.1.4 アップグレード・アシスタントを使用したOERスキーマのアップグレード

アップグレード・アシスタントを使用してOERのスキーマとインスタンスをアップグレードするには、この項の手順に従います。


注意:

パージ・スクリプトまたはスケジュールされたデータベース・ジョブの実行中は、アップグレード・アシスタントを起動しないでください。

パージまたはアップグレードが完了するまで待ってから、アップグレード・プロセスを開始してください。アップグレード・アシスタントを使用してスキーマをアップグレードするときに、パージ・スクリプトまたはインスタンスのアップグレード・ジョブを実行していると、アップグレードは失敗します。

アップグレード・アシスタントを起動する必要がある場合は、パージを停止し、スケジュール済ジョブを必ず無効化してください。


タスク1 アップグレード・アシスタントの起動

次の手順を実行して、アップグレード・アシスタントを起動します。

  1. ディレクトリをORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin (UNIXオペレーティング・システムの場合)またはORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin (Windowsオペレーティング・システムの場合)に変更します。

  2. 次のコマンドを入力してアップグレード・アシスタントを起動します。

    (UNIX) ./ua

    (Windows) ua.bat

アップグレード・アシスタントは、次の例に示すようにロギングを有効にして実行することをお薦めします。

./ua [-logLevel <log_level>] [-logDir <log_directory>]
タスク2 スキーマのアップグレード

スキーマをアップグレードする際、アップグレード・アシスタントには、表1-1に示す一連の画面が表示されます。各画面でそれぞれの操作を実行します。Oracle Enterprise Repositoryを選択すると、OERスキーマがアップグレードの対象になります。

表1-1 アップグレード・アシスタントの画面: スキーマのアップグレード

画面 説明および必要な操作

ようこそ

この画面では、アップグレード・アシスタントの概要と、アップグレード前の重要なタスクについての情報が示されます。

スキーマ

スキーマを選択します。

使用可能なコンポーネント

この画面では、アップグレード可能なスキーマがあるインストール済のOracle Fusion Middlewareコンポーネントのリストが提供されます。コンポーネントを選択すると、スキーマとすべての依存関係が自動的に選択されます。たとえば、Oracle Enterprise Repositoryを選択すると、OERスキーマがアップグレードの対象になります。

注意: デフォルトでは、Oracle Platform Security Services (OPSS)とAudit Servicesのスキーマが選択されている場合があります。OERにはこれらのスキーマは不要です。続行する前に、これらのオプションが選択されていないことを確認します。

前提条件

スキーマ・アップグレードの前提条件が満たされていることを確認します。「次」をクリックする前に、それぞれの前提条件を選択する必要があります。

注意: アップグレード・アシスタントは、これらの前提条件が満たされていることを確認しません。

スキーマ資格証明

この画面を使用して、アップグレードする各スキーマのデータベース接続の詳細を入力します。

  1. 「データベース・タイプ」ドロップダウン・メニューからデータベース・タイプを選択します。

  2. データベース接続の詳細を入力して、「接続」をクリックします。

  3. スキーマのユーザー名とパスワードを入力します。

  4. 「次へ」をクリックします。

注意:

  • データベースへの接続に必要なフィールドの詳細は、「ヘルプ」をクリックするか、『Upgrade Assistantによるアップグレード』のスキーマ資格証明に関する項を参照してください。

調査

各コンポーネントを調査し、コンポーネントのアップグレード準備が整っていることを検証するアップグレード・アシスタントのステータスを確認します。

スキーマごとに表示される「ソース・バージョン」に、アップグレード対象のスキーマの正しいバージョン番号が示されていることを確認します。

アップグレード・サマリー

スキーマ・アップグレードのために選択したオプションのサマリーを確認します。正しいソース・バージョンとターゲット・バージョンが、アップグレード対象の各スキーマにリストされていることを確認します。

「アップグレード」をクリックしてスキーマをアップグレードするか、構成を変更する場合は「戻る」をクリックします。

アップグレードの進行状況

現在のアップグレード・プロセスのステータスを確認します。

注意: この画面のプログレス・バーには、現在のアップグレード手順の進行状況が表示されます。アップグレードの残り時間を示すものではありません。

アップグレードが完了したら「次へ」をクリックします。

アップグレード成功

アップグレードが成功していれば「閉じる」をクリックします。

アップグレードが失敗した場合または正常に完了する前にアップグレードを取り消した場合は、ログ・ファイルを確認してバックアップ環境をリストアし、アップグレード・アシスタントを再起動する必要があります。


1.1.5 構成ウィザードを使用したドメインの構成

WebLogic Serverドメインを構成するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Repositoryインストレーション・ガイド』のWebLogicドメインの構成に関する項の指示に従ってください。

1.1.6 WebLogic Serverの起動

Oracle Enterprise Repositoryに必要なサーバーを起動する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Repositoryインストレーション・ガイド』のサーバーの起動に関する項を参照してください。

1.1.7 バックアップ・プロパティ・ファイルのリストア

第1.1.2項「アップグレード前タスクの実行」のタスク1でプロパティ・ファイルをバックアップした場合、それらのファイルを、新しいOERドメインで作成される<FMW_HOME>/user_projects/domains/oer_domain/oer-configディレクトリに貼り付けます。


注意:

database.propertiesファイルは新しいディレクトリに貼り付ける必要はありません。

また、OERのデータベース接続は、WebLogic Serverに組み込まれた標準のデータソース・メカニズムを使用して処理されないことに注意してください。


1.1.8 アプリケーションの構成

Oracle Enterprise Repositoryのプロパティを構成するには、アプリケーションに管理ユーザーとしてログインし、「管理」ページの「システム設定」セクションを使用します。

  1. アプリケーション・サーバーのファイル・システム・パスを参照するOracle Enterprise Repositoryの次のプロパティを更新します。

    cmee.asset.xml.paths.export-destination

    cmee.asset.xml.paths.xsl-source

    cmee.asset.xml.paths.out-destination

    cmee.server.paths.upload

    cmee.extframework.export.tempfile

    Oracle Enterprise Repositoryのデプロイメントで影響を受けるその他のプロパティは次のとおりです。

    cmee.server.paths.upload-registrar

    アプリケーション・サーバーに基づくFTP、HTTP、HTTPSおよびSMB/CIFSアーティファクト・ストア定義も、WLSアプリケーション・テンプレートの構成プロセスによる、パスの変更の影響を受けます。

    これらのタイプのアーティファクト・ストアに特に注意して、適切に構成を更新してください。

  2. Oracle Enterprise Repositoryのログイン・ページやアプリケーションにアクセスできない場合、またはなんらかのエラー・メッセージが表示される場合は、database.propertiesファイルのdb.passwordプロパティが暗号化されていない可能性があります。この動作を説明するメッセージは、cmee.logファイルを確認してください。

Oracle Enterprise Repository診断ツールを有効にする方法の詳細は、第2.3.1項「Oracle Enterprise Repository診断ツールの有効化」を参照してください。

1.2 アップグレード後タスクの実行

アップグレード・プロセスの完了後に、新しいOracle Enterprise Repositoryインストールへのアセット、レポートまたはその他のデータの移行が必要になる場合があります。これは、カスタム・レポートやその他のカスタマイズをOER 12cに移行する場合にのみ必要です。アップグレード後タスクの詳細は、第2章「オプションのインストール後タスク」を参照してください。