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Oracle® Fusion Middleware Oracle Service Busの管理
12c (12.1.3)
E53003-05
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18 診断フレームワークを使用した問題の診断

この章では、Service Busに関する問題の識別方法と、WebLogic診断フレームワーク(WLDF)およびOracle Fusion Middleware診断フレームワーク(DFW)を使用して適切な修正を行う方法について説明します。

この付録の内容は次のとおりです。

18.1 Oracle Service Busの診断の理解

Service Busは、Oracle Fusion Middleware診断フレームワークとともにWebLogic診断フレームワーク(WLDF)を使用して、ユーザーによる問題の検出、診断および解決を支援します。

WLDFを使用すると、指定した条件について特定のログとメトリックを監視し、条件が満たされたときに通知を送信することで、診断シナリオをモニターできます。診断フレームワークを使用すると、Service Bus固有の診断シナリオを、表示と分析用にフォーマットされたデータ・ダンプに集約できます。

WebLogicとSOAスイートにはいずれも、ユーザーの診断を助ける事前定義された複数の診断ダンプが用意されています。また、Service Busでは次の診断ダンプがサポートされています。

  • 派生リソースのキャッシュ

  • JMSリクエスト/レスポンス相関表

  • MQリクエスト/レスポンス相関表

診断フレームワーク、監視および通知の詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理の「問題の診断」を参照してください。SOA Suiteでの診断フレームワークの使用方法の詳細(生成するダンプ、監視と通知の設定および事前定義診断ダンプを含む)は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』の「SOAコンポジット・アプリケーションに関する問題の診断」を参照してください。

18.1.1 Oracle WebLogic診断フレームワーク

WLDFはOracle WebLogic Serverに付属のモニターおよび診断フレームワークで、WebLogic Serverのプロセス内で実行する一連のサービスの定義および実装を行い、標準的なサーバーのライフ・サイクルに参加します。WLDFを使用すると、実行中のサーバーで生成された診断データを取得して、特定の条件が満たされたときに監視と通知を設定できます。監視と通知を定義することで、問題を特定するための診断データの収集がはかどり、フォルトの発生時にフォルトの特定と診断が可能になります。

WLDFの詳細は、『Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』を参照してください。

18.1.1.1 監視と通知

監視を作成すると、その監視によりサーバーとアプリケーションの状態がモニターされ、ユーザーが定義した条件に基づいて通知が送信されます。監視と通知は、ドメイン内の1つ以上のサーバー・インスタンスを対象にした診断モジュールの一部として構成します。監視の作成時に、Oracle WebLogic Server管理コンソールで、Service BusOracle WebLogic ServerのMBeanの属性を使用して、モニター用のルール式を作成します。たとえば、空きヒープ・メモリーの割合が25%を下回るときに通知するように監視を設定できます。Service BusのメッセージIDを使用して、監視および通知を構成できます。

監視および通知の作成の詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理の診断フレームワークの構成に関する項を参照してください。

18.1.1.2 診断シナリオとMBean

診断フレームワークには、データ収集方法の定義に使用できるMBeanが用意されています。作成する監視ルール式では、データの収集とモニターの実行に、Service BusOracle WebLogic ServerのMBeanの属性を使用します。シナリオの診断には、そのシナリオに関する統計の提供に利用可能なMBeanやメッセージのログ出力に利用可能なMBeanを使用します。次に示すMBeanの属性を利用できます。

  • Oracle WebLogic Server MBean

  • 診断Service Bus MBean

  • MBeanとして公開されているDMSメトリック

Service Busには複数のMBeanが用意され、次のことを監視と通知でモニターできます。

  • 構成フレームワーク

  • プロキシおよびビジネス・サービス

  • パイプラインおよび分割-結合

  • セッション

Oracle WebLogic Server MBeanの詳細は、Oracle WebLogic Server MBeanリファレンスを参照してください。

18.1.2 Oracle Fusion Middleware診断フレームワーク

診断フレームワークは、クリティカル・エラー(コードの不具合、メタデータの破損、カスタム・データの破損、デッドロック状態のスレッド、矛盾した状態などが原因のエラー)を対象にすることで、問題の検出、診断および解決に役立ちます。診断フレームワークは、クリティカル・エラーを検出し、関連する診断情報のダンプを取り込みます。WLDFの監視と通知は、診断フレームワークがリスニングするイベントをトリガーし、適切なデータ・ダンプを生成します。

診断フレームワークによるイベント処理方法の詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理の診断フレームワークの動作に関する項を参照してください。

18.1.2.1 診断ダンプ

診断ダンプは、インシデントの作成時には自動的に、管理者の要求時には手動で、特定の診断情報を取り込んでダンプしまします。インシデント作成の一環として実行される場合、ダンプは一連のインシデント診断データに含まれます。診断ダンプの例として、JVMスレッドダンプ、JVMクラス・ヒストグラム・ダンプ、DMSメトリック・ダンプなどがあげられます。

診断フレームワークには、複数の事前定義済ダンプが用意されています。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』の問題の調査、報告および解決に関する項を参照してください。診断フレームワークにより提供されるダンプに加え、Service Busには、Service Busに固有の診断のために用意されたダンプがあります。詳細は、「Oracle Service Bus診断ダンプの操作」を参照してください。

18.1.3 自動診断リポジトリについて

自動診断リポジトリ(ADR)は、トレースやダンプなどの診断データ用のファイル・ベースの階層型リポジトリです。Oracle Fusion Middlewareコンポーネントはすべてのインシデント・データをADRに保管し、各Oracle WebLogic ServerはADR内の各自のホーム・ディレクトリのサブディレクトリに診断データを保管します。ADRの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理の自動診断リポジトリに関する項を参照してください。

18.1.4 事前定義済のインシデント処理ルール

Oracle WebLogic Serverの管理者用コンソールで監視を作成するときには、通知も定義します。Oracle Fusion Middlewareでは、FMWDFW通知というデフォルトの通知が定義されています。ユーザー独自の通知を作成できる一方で、FMWDFW通知を選択すると、Service Busのダンプが作成されます(「Oracle Service Bus診断ダンプの操作」を参照)。

カスタム通知の作成の詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理のカスタム診断ルールの構成に関する項を参照してください。

18.1.5 ダイナミック・モニタリング・サービス・メトリック

Dynamic Monitoring Service (DMS)を使用すると、Oracle Fusion Middlewareのコンポーネントは、Fusion Middleware Controlなどの管理ツールに、コンポーネントのパフォーマンス、状態および進行中の動作に関するデータを提供できるようになります。DMSは、メトリック、トレース・イベントおよびシステム・パフォーマンスを測定して報告し、これらのコンポーネントにコンテキスト相関サービスを提供します。

ナウン・タイプのDynamic Monitoring Service (DMS)メトリックは、問題の診断に使用するService BusのMBeanとして公開されます。DMSナウンは、Oracle WebLogic Server管理コンソールで監視の作成に使用できます。Service Busは、DMSを使用してService Busプロキシ・サービスのレスポンス時間を取得します。

Service Busでは、親ナウンがサービス・パスのフェーズ・イベント・センサーresponseを定義します。表18-1に、サポートされるService Bus DMSナウンを示します。これには、ナウン階層を説明するために親ナウンも示しています。

表18-1 Service Busセンサー

ナウン・パス ナウン センサー 種類 親ナウン

/domain_name/server_name/project_name

コンテキスト

なし

osb_context

なし

PROXYまたはBIZ

サービス・タイプ

なし

osb_service_type

Context

フォルダ名とサービス名を含むサービスへのフルパス(スラッシュまたはバックスラッシュはハイフンに置き換える)。

サービス・パス

response

osb_service_path

サービス・タイプ

次のService Bus環境の場合のコンテキスト名およびサービス・パス名の例を示します。

環境

  • ドメイン名: servicebus

  • サーバー名: osb_server1

  • Service Busプロジェクト名: TravelPoints

  • プロキシ・サービスのフォルダ名(TravelPointsプロジェクト): TravelProxyServices

  • プロキシ・サービス名: CalculatePoints

  • コンテキスト: /servicebus/osb_server1/TravelPoints

  • サービス・パス: TravelProxyServices-CalculatePoints

    DMSでは、'/'で区切ったパスを使用して各Nounを参照できます。パスのデリミタ(/)は、親ナウンの識別に使用します。たとえば、前述の例のサービス・パス・ナウンは、次から直接参照できます。

    /servicebus/osb_server1/TravelPoints/PROXY/TravelProxyServices-CalculatePoints
    

レスポンス・センサーは次の情報を取得します。

メトリック 説明

time

アクティブ化全体の合計レスポンス時間

completed

完了したアクティブ化の数

minTime

最短で完了したアクティブ化

maxTime

最長で完了したアクティブ化

avg

アクティブ化完了までの平均時間

active

現在まだ完了していないアクティブ化の数

maxActive

同時に開くアクティブ化の最大数

DMSの詳細は、『パフォーマンスのチューニング・ガイド』のOracle Dynamic Monitoring Serviceの使用に関する項を参照してください。

18.2 Oracle Service Bus診断ダンプの操作

Oracle WebLogic ServerおよびOracle SOAスイートで使用できる診断ダンプに加え、Service Busではこれらの場所での診断ダンプの作成がサポートされています。

表18-2は場所を示しています。

表18-2 Service Bus診断ダンプ

ダンプ 説明

OSB.derived-caches

サーバー上でのすべてのService Bus派生リソースのキャッシュに関する統計のコレクション

OSB.jms-async-table

Service Bus JMSリクエスト/レスポンス相関表

OSB.mq-async-table

Service Bus MQリクエスト/レスポンス相関表

18.2.1 使用可能な診断ダンプのリスト

ここでは、診断ダンプの操作にWebLogic Scripting Toolコマンドを使用する方法について説明します。これらのコマンドの詳細は、『WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』の診断コマンドに関する項を参照してください。診断フレームワークのダンプの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理の問題の診断に関する項を参照してください。

使用可能な診断ダンプをリスト表示するには:

  1. MW_HOME/oracle_common/common/binにナビゲートし、次のコマンドを実行してWLSTを起動します。
    ./wlst.sh
    

    注意:

    MW_HOME/oracle_common/common/binからWLSTを起動する必要があります。そうしない場合、ODF機能はありません。

  2. Service Busがインストールされているサーバーに接続して、次のコマンドを実行します。
    connect('user_name', 'password','t3://hostname:port_number')
    

    接続が成功したかどうかを示すメッセージが表示されます。

  3. 使用可能な診断フレームワークのダンプをリスト表示するには、次のコマンドを実行します。
    listDumps()
    

    使用可能なダンプのリストがコンソールに表示されます。

    特定のダンプのヘルプを表示するには、describeDump(name=dumpName)コマンドを使用します。

  4. 使用可能なService Busのダンプをリスト表示するには、次のコマンドを実行します。
    listDumps(appName='OSB')
    

    Service Busのダンプのリストがコンソールに表示されます。

18.2.2 派生リソースのキャッシュ診断のダンプ(OSB.derived-caches)

次の表に、Service Bus派生リソースのキャッシュ診断ダンプについての説明を示します。取得される情報には、各キャッシュ・タイプの名前、各キャッシュの統計情報およびキャッシュされた各エントリの情報などがあります。

表18-3 JMS相関表診断ダンプ

ダンプ名 ダンプ・パラメータ/ダンプ・モード 取得される情報

OSB.derived-caches

なし

Service Bus実行時に管理される各派生リソースのキャッシュについて、次の情報が提供されます。

  • 派生リソースのキャッシュ・タイプ

  • 製品のバージョン

  • 構成済キャッシュ・エントリの合計

  • 使用中のキャッシュ・エントリ数

  • サーバーが最後に起動されてからのキャッシュ・サーバーでのエントリの合計ヒット数

  • サーバーが最後に開始されてから、キャッシュ済情報へのアクセス試行中の失敗数合計

  • サーバーが最後に起動されてからのキャッシュのヒット率

各キャッシュ・エントリについて次の情報が提供されます。

  • キャッシュされている参照

  • 日時の作成

  • キャッシュ・エントリの計算に費やされた時間これは、キャッシュ情報を作成するためにかかった時間です(ミリ秒単位)。

18.2.2.1 Oracle Service Bus派生リソースのキャッシュ

次の表に、診断情報に含まれる各Service Busキャッシュを示します。

表18-4 Oracle Service Bus派生リソースのキャッシュ

キャッシュ 説明

アーカイブClassLoader

依存性対応アーカイブ・クラス・ローダー。

アーカイブ・サマリー

アーカイブのサマリー。

CodecFactory

Codecファクトリ。

EffectiveWSDL

ビジネス・サービスまたはプロキシ・サービスのサービス・リソースあるいはWSDLリソースから派生した、有効なWSDLオブジェクト。

Flow_Info

メッセージ・フローの情報オブジェクト。

LightweightEffectiveWSDL

ビジネス・サービスまたはプロキシ・サービスのサービス・リソースあるいはWSDLリソースから派生した、有効なWSDLオブジェクト。

MflExecutor

MFLエグゼキュータ。

RouterRuntime

プロキシ・サービスのコンパイル済ルーター・ランタイム。

RuntimeEffectiveWSDL

ビジネス・サービスまたはプロキシ・サービスのサービス・リソースあるいはWSDLリソースから派生した、セッションの有効なWSDLオブジェクト。

RuntimeEffectiveWSPolicy

ビジネス・サービスまたはプロキシ・サービスのWSポリシー

SchemaTypeSystem

MFL、XSおよびWSDLドキュメントの型のシステム情報

ServiceAlertsStatisticInfo

ビジネス・サービスまたはプロキシ・サービスのサービス・アラート統計

ServiceInfo

ビジネス・サービスまたはプロキシ・サービス、あるいはWSDLドキュメントのコンパイル済サービス情報

Wsdl_Info

WSDL情報オブジェクト。

WsPolicyMetadata

コンパイル済WSポリシーのメタデータ。

XMLSchema_Info

XMLスキーマ・オブジェクトのXMLスキーマ情報

XqueryExecutors

XQueryエグゼキュータ。

XsltExecutor

XSLTエグゼキュータ。

alsb.transports.ejb. bindingtype

EJBビジネス・サービスのEJBバインディング情報

alsb.transports.jejb.business. bindingtype

JEJBビジネス・サービスのJEJBバインディング情報

alsb.transports.jejb.proxy. bindingtype

JEJBプロキシ・サービスのJEJBバインディング情報

18.2.2.2 派生リソースのキャッシュ・ダンプの説明の表示

派生リソースのキャッシュの説明を表示するには:

  • 次のWLSTコマンドを実行します。

    describeDump(name='OSB.derived-caches',appName='OSB')
    

    ダンプの名前、説明および引数がコンソールに表示されます。

18.2.2.3 派生リソースのキャッシュ・ダンプの実行

派生リソースのキャッシュ・ダンプを実行するには:

18.2.2.4 派生リソースのキャッシュ・ダンプの出力例

「派生リソースのキャッシュ・ダンプの実行」の説明に従って、派生リソースのキャッシュ・ダンプを実行すると、次の例のような情報が表示されます。このダンプの一部は、読みやすくするために切り捨てられています。

<derivedCaches xmlns="http://www.bea.com/wli/config/xmltypes">
  <derivedCache cacheType="RuntimeEffectiveWSDL">
    <configuredEntries>2147483647</configuredEntries>
    <cacheEntriesInUse>0</cacheEntriesInUse>
    <totalHits>0</totalHits>
    <totalMisses>0</totalMisses>
    <hitRatio>0.0</hitRatio>
    <cacheEntries/>
  </derivedCache>
 ...
 <derivedCache cacheType="ServiceAlertsStatisticInfo">
    <configuredEntries>2147483647</configuredEntries>
    <cacheEntriesInUse>9</cacheEntriesInUse>
    <totalHits>0</totalHits>
    <totalMisses>51</totalMisses>
    <hitRatio>0.0</hitRatio>
    <cacheEntries>
        <cacheEntry>
            <ref>services/bs_dq_uri4.BusinessService</ref>
            <creationTime>2012-03-22T23:44:53.737-07:00</creationTime>
            <computeTimeMSecs>0</computeTimeMSecs>
        </cacheEntry>
        <cacheEntry>
            <ref>services/bs_dq_nopooling.BusinessService</ref>
            <creationTime>2012-03-22T23:44:53.736-07:00</creationTime>
            <computeTimeMSecs>0</computeTimeMSecs>
        </cacheEntry>
        <cacheEntry>
            <ref>services/bs_dq_uri1.BusinessService</ref>
            <creationTime>2012-03-22T23:44:53.738-07:00</creationTime>
            <computeTimeMSecs>0</computeTimeMSecs>
        </cacheEntry>
        <cacheEntry>
            <ref>services/proxy_dq_uri.ProxyService</ref>
            <creationTime>2012-03-22T23:44:53.736-07:00</creationTime>
            <computeTimeMSecs>0</computeTimeMSecs>
        </cacheEntry>
        <cacheEntry>
            <ref>services/bs_dq_conn_pooling.BusinessService</ref>
            <creationTime>2012-03-22T23:44:53.736-07:00</creationTime>
            <computeTimeMSecs>0</computeTimeMSecs>
        </cacheEntry>
        <cacheEntry>
            <ref>services/bs_dq_conn_nopooling.BusinessService</ref>
            <creationTime>2012-03-22T23:44:53.737-07:00</creationTime>
            <computeTimeMSecs>0</computeTimeMSecs>
        </cacheEntry>
        <cacheEntry>
            <ref>services/bs_dq_uri2.BusinessService</ref>
            <creationTime>2012-03-22T23:44:53.737-07:00</creationTime>
            <computeTimeMSecs>0</computeTimeMSecs>
        </cacheEntry>
        <cacheEntry>
            <ref>services/bs_dq_pooling.BusinessService</ref>
            <creationTime>2012-03-22T23:44:53.736-07:00</creationTime>
            <computeTimeMSecs>0</computeTimeMSecs>
        </cacheEntry>
        <cacheEntry>
            <ref>services/bs_dq_uri3.BusinessService</ref>
            <creationTime>2012-03-22T23:44:53.737-07:00</creationTime>
            <computeTimeMSecs>0</computeTimeMSecs>
        </cacheEntry>
    </cacheEntries>
 </derivedCache>
 ...
</derivedCaches>

18.2.3 JMS相関表診断ダンプ(OSB.jms-async-table)の実行

表18-5は、Service Bus JMSリクエスト/レスポンス相関表診断ダンプの詳細を示しています。取得される情報には、各メッセージの相関ID、有効期限および宛先などがあります。

表18-5 JMS相関表診断ダンプ

ダンプ名 ダンプ・パラメータ/ダンプ・モード 取得される情報

OSB.jms-async-table

なし

Service Busのバージョンに加え、各サービスの参照では保留中の各メッセージについて次の情報が表示されます。

  • 相関ID (実際の相関IDでもメッセージIDでも可能です)

  • 有効期限の日時

  • メッセージの宛先

18.2.3.1 JMS相関表ダンプの説明の表示

JMS相関表ダンプの説明を表示するには:

  • 次のWLSTコマンドを実行します。

    describeDump(name='OSB.jms-async-table',appName='OSB')
    

    ダンプの名前、説明および引数がコンソールに表示されます。

18.2.3.2 JMS相関表ダンプの実行

JMS相関表ダンプを実行するには:

  • 次のWLSTコマンドを実行します。

    executeDump(name='OSB.jms-async-table', appName='OSB')
    

    「JMS相関表ダンプの出力例」に、JMS相関表ダンプの出力例を示します。

18.2.3.3 JMS相関表ダンプの出力例

次の例は、JMS相関表ダンプの出力例です。

<transportDiagnosticsContents xmlns="http://www.bea.com/wli/sb/transportdiags">
 <version>11.1.1.7</version>
 <transportDiagnostics transportType="jms">
   <correlationTable>
     <services>
       <service>
         <ref>default/testJmsResponseRollback_out</ref>
         <message>
           <correlationMsgId responsePattern="JMSCorrelationID">
             ID:42454153155cc06b7f5ab312000001363d5bd59effff8d4
           </correlationMsgId>
         <expirationTime>2012-03-22T19:53:43.621-07:00</expirationTime>
         <msgDestination>testJmsResponseRollback_outRequest</msgDestination>
         </message>
       </service>
     </services>
   </correlationTable>
 </transportDiagnostics>
</transportDiagnosticsContents>

18.2.4 MQ相関表診断ダンプ(OSB.mq-async-table)の実行

表18-6は、Service Bus MQリクエスト/レスポンス相関表診断ダンプの詳細を示しています。取得される情報には、各メッセージの相関ID、有効期限および宛先などがあります。

表18-6 MQ相関表診断ダンプ

ダンプ名 ダンプ・パラメータ/ダンプ・モード 取得される情報

OSB.mq-async-table

なし

Service Busのバージョンに加え、各サービスの参照では保留中の各メッセージについて次の情報が表示されます。

  • 相関ID (実際の相関IDでもメッセージIDでも可能です)

  • 有効期限の日時

  • メッセージの宛先

18.2.4.1 MQ相関表ダンプの説明の表示

MQ相関表ダンプの説明を表示するには:

  • 次のWLSTコマンドを実行します。

    describeDump(name='OSB.mq-async-table',appName='OSB')
    

    ダンプの名前、説明および引数がコンソールに表示されます。

18.2.4.2 MQ相関表ダンプの実行

MQ相関表ダンプを実行するには:

  • 次のWLSTコマンドを実行します。

    executeDump(name='OSB.mq-async-table', appName='OSB')
    

    「MQ相関表ダンプの出力例」に、MQ相関表ダンプの出力例を示します。

18.2.4.3 MQ相関表ダンプの出力例

次の例は、MQ相関表ダンプの出力例です。

例 - MQ相関表ダンプの出力例

<transportDiagnosticsContents xmlns="http://www.bea.com/wli/sb/transportdiags">
 <version>11.1.1.7</version>
 <transportDiagnostics transportType="mq">
   <correlationTable>
     <services>
       <service>
         <ref>services/mq_Biz_cached</ref>
         <message>
           <correlationMsgId responsePattern="MQCorrelationID">
             000000000000000000000000000000000000000000000000
           </correlationMsgId>
           <expirationTime>2012-03-22T23:48:09.085-07:00</expirationTime>
           <msgDestination>rc_req</msgDestination>
         </message>
       </service>
     </services>
   </correlationTable>
 </transportDiagnostics>
</transportDiagnosticsContents>

18.3 RDAを使用した診断ダンプの生成

WSLTを使用したService Bus診断ダンプの生成に加え、Oracle Remote Diagnostic Agent (RDA)も使用できます。次の手順を実行する前に、RDAがシステムにインストールされていることを確認してください。

Service BusのRDAの使用についての詳細説明および詳細手順は、OracleサポートでSOA製品でのリモート診断エージェント(RDA)の実行方法に関するナレッジ・ベースの記事を参照してください。このドキュメントのIDは1571554.2です。このドキュメントでは、最小限のプロンプトでRDAを実行するための追加コマンドについて説明しています。追加情報および手順は、Fusion Middlewareホーム・ディレクトリのoracle_commonディレクトリにあるREADMEファイルにも示されています。

RDAを使用して診断ダンプを生成するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、環境変数を設定します。
    <DOMAIN_HOME>/bin/setDomainEnv
    
  2. コマンド行から次のコマンドを実行します。

    Windowsの場合:

    rda.cmd -vSCRP OSB
    

    UNIXまたはLINUXの場合

    rda.sh -vSCRP OSB
    
  3. コマンド行でプロンプトに従って情報を入力します。Service Bus情報の収集にRDAを使用するかどうかを尋ねられたら、デフォルト(Y)を受け入れます。
  4. Webブラウザに結果を表示できます。指定した出力ディレクトリからファイルにアクセスします。

    このファイルの名前はprefix__start.htmです(prefixは、指定した接頭辞)。

18.4 ADRツールを使用したインシデント・パッケージの表示

ADRCIは、コマンド行ユーティリティです。このユーティリティを使用すると、問題を調査して、応急障害診断データをパッケージ化してOracleサポート・サービスにアップロードできます。また、ADRCIを使用すると、ADR内のダンプ・ファイルの名前を表示したり、XMLタグを削除したアラート・ログを表示したりできます。この表示には、コンテンツ・フィルタを適用することもできます。

ADRCIの詳細は、Oracle DatabaseユーティリティのADRCI: ADRコマンド・インタプリタに関する項を参照してください。その他のツールの詳細は、Oracle Database管理者ガイドの診断データの管理に関する項を参照してください。

18.5 問題とインシデントの問合せ

診断フレームワークには、問題とインシデントに関する情報を表示できるWLSTコマンドが用意されています。

次のものが必要となります。

  • 複数のOracle WebLogic Serverに対する問題の問合せ

  • 複数のOracle WebLogic Serverに対するインシデントの問合せ

  • 特定のOracle WebLogic Serverのインシデントに関連付けられたダンプ・ファイルの表示

これらのWLSTコマンドの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理の診断フレームワークの理解に関する項および『WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』の診断コマンドに関する項を参照してください。