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Oracle® Fusion Middleware Oracle Service Busの管理
12c (12.1.3)
E53003-05
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17 実行トレースを使用した問題の診断

この章では、Fusion Middleware Controlで、Oracle Service Busサービスの実行トレースを有効化して使用する方法について説明します。次の項が含まれます:

17.1 実行トレースについて

Service Busでは、サーバーをシャットダウンすることなく、メッセージをトレースできます。これは、開発環境と本番環境の両方に役立つ機能です。管理者、エンジニアおよびシステム・エンジニアは、実行トレース機能を使用して、1つまたは複数のパイプラインまたは分割-結合のメッセージ・フローを診断したり、トラブルシューティングすることができます。

たとえば、あるパイプラインが失敗しているときに、どのステージに問題があるかを調べるには、そのパイプラインに対する実行トレースを有効にします。トレースを有効にすると、ステージ名、パイプラインの名前、ルート・ノード名などの様々な詳細情報が、システムによってメッセージ・フローから抽出され、ログに記録されます。ログ・エントリには、ヘッダーとメッセージ本文を含む完全なメッセージ・コンテキストも含まれています。メッセージ・フローでフォルトが発生した場合は、エラー・コードや理由などの詳細もログに記録されます。実行トレースは、ステージ、パイプライン・ペア、ブランチおよびノードを含む、パイプラインの各コンポーネントの最初と最後に行われます。アクションは個別にはトレースされません。

17.2 実行トレースの有効化および無効化

Service Busでは、サーバーをシャットダウンすることなく、メッセージをトレースできます。これにより、メッセージ・フローのトラブルシューティングと診断が簡単になります。

デフォルトでは、実行トレースは無効にされています。実行トレースを有効にすると、パイプライン・コンテキストやメッセージ・コンテキストから選別された各種情報がログに記録されます。これには、ステージ名、パイプラインまたはルート・ノード名および現在のメッセージ・コンテキストが含まれます。

パイプラインまたは分割-結合の実行トレースは、Fusion Middleware Controlでサーバーまたはプロジェクトの「操作」タブか、パイプラインまたは分割-結合の「プロパティ」タブから有効化できます。

17.2.1 Oracle WebLogic Serverのログ・レベルの設定

ログ・ファイルまたは標準出力(サーバー・コンソール)にトレースを表示するには、Oracle WebLogic Serverのロギングを次の重大度に設定する必要があります。

  • ログの最低の重大度: 情報

  • ログ・ファイル: 情報

  • 標準出力: 情報

ログの重大度の設定の詳細は、『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』のログの重大度の使用に関する項を参照してください。

17.2.2 1つのサービスに対する実行トレースの構成

1つのサービスに対する実行トレースを構成するには:

  1. 「操作設定を構成するサービスの検索」の説明に従って、サービスの検索を実行します。
  2. 「操作」表で、構成するパイプラインまたは分割-結合をクリックします。

    そのサービスの「プロパティ」ページが表示されます。

  3. 「実行トレース」の横にある「有効」を選択します。
  4. 「適用」をクリックします。

17.2.3 複数のサービスに対する実行トレースの構成

複数のサービスに対する実行トレースを構成するには:

  1. 「操作設定を構成するサービスの検索」の説明に従って、サービスの検索を実行します。
  2. 結果リストに含まれるパイプラインまたは分割-結合の実行トレースを有効にするには、実行トレース列で、それらのチェック・ボックスを選択します。
  3. 結果リストに含まれるパイプラインまたは分割-結合の実行トレースを無効にするには、実行トレース列で、それらのチェック・ボックスを選択解除します。
  4. 「適用」をクリックします。

17.3 実行トレースの情報へのアクセス

実行トレース情報は、サーバー・ディレクトリのログに記録されます。

この場所に格納されています。

DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server_name-diagnostic.log

Oracle WebLogic Server管理コンソールとFusion Middleware Controlでは、ログ・ファイルを直接表示することも、ログのエントリを表示することもできます。

注意:

サーバー・ログの実行トレース・パターンはテスト・コンソールの実行トレースと同じになります。

次の例は、ログ・ファイル内の実行トレース・エントリの例を示しています。

例 - トレース・エントリの例

####<Dec 6, 2013 12:32:35 PM PST> <Info> <oracle.osb.pipeline.kernel.router>
<MyServer> <osb_server1> <[ACTIVE] ExecuteThread: '19' for queue:
'weblogic.kernel.Default (self-tuning)'> <<anonymous>>
<BEA1-7438AA7859AFBEC29BF0> <7f5b2958-8673-4439-87ec-f860ccac436b-0005f450>
<1386361955302> <OSB-382159> <[OSB Tracing] The following variables are changed:
$body = <soapenv:Body xmlns:soapenv="http://schemas.xmlsoap.org/soap/envelope/">
 <cus:Customer xmlns:cus="http://oracle.com/Customer">
   <cus:first>Mike</cus:first>
   <cus:last>Morse</cus:last>
   <cus:company>CompanyA</cus:company>
 </cus:Customer>
</soapenv:Body>
$inbound = <con:endpoint name="ProxyService$osb-102-FileHandling$CustomerPoller" 
            xmlns:con="http://www.bea.com/wli/sb/context">
  <con:service/>
  <con:transport>
    <con:uri>file:///customer/data/input</con:uri>
    <con:mode>request</con:mode>
    <con:qualityOfService>exactly-once</con:qualityOfService>
    <con:request xsi:type="file:FileRequestMetaData" 
                 xmlns:file="http://www.bea.com/wli/sb/transports/file" 
                 xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance">
       <tran:headers xsi:type="file:FileRequestHeaders" 
                    xmlns:tran="http://www.bea.com/wli/sb/transports">
         <file:fileName>/customer/data/input/CustList.txt
         </file:fileName>
       </tran:headers>
       <tran:encoding xmlns:tran="http://www.bea.com/wli/sb/transports">utf-8 
       </tran:encoding>
      <file:isFilePath>false</file:isFilePath>
    </con:request>
  </con:transport>
  <con:security>
    <con:transportClient>
      <con:username>anonymous></con:username>
    </con:transportClient>
  </con:security>
</con:endpoint>
> 
####<Dec 6, 2013 12:32:35 PM PST> <Info> <oracle.osb.pipeline.kernel.router>
 <MyServer> <osb_server1> <[ACTIVE] ExecuteThread: '19' for queue:
 'weblogic.kernel.Default (self-tuning)'> <<anonymous>>
 <BEA1-7438AA7859AFBEC29BF0> <7f5b2958-8673-4439-87ec-f860ccac436b-0005f450>
 <1386361955303> <OSB-382186> <[OSB Tracing] Exiting Pipeline>