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Oracle® Fusion Middleware Oracle Service Busの管理
12c (12.1.3)
E53003-05
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8 操作設定とグローバル設定の構成

この章では、モニター、アラート、メッセージ・トレース、実行トレース、アラート、レポート、ロギング、ビジネス・サービスのパフォーマンス・チューニングなど、実行時のOracle Service Busサービスの操作を制御する設定について説明します。 操作設定には、サービス・レベルで設定されるものや、グローバル・レベルで設定されるものがあります。一部の操作設定は、有効にするためにサービス・レベルとグローバル・レベルの両方で設定される必要があります。

この章の内容は次のとおりです。

8.1 操作設定について

Fusion Middleware Controlで操作設定を構成することによって、個別のサービスの状態を制御したり、すべてのサービスをグローバルに制御できます。ドメイン内の各サービスおよびすべてのサービスの状態を制御することに加えて、操作設定により、モニター、アラート、レポートおよびロギング機能を有効化および無効化できます。

オフラインのエンドポイントURIの処理方法を指定したり、メッセージ・フローを制限したり、結果キャッシュを有効にしたりすることで、ビジネス・サービスを管理することもできます。グローバルな操作設定は、サービス・レベルの設定をオーバーライドします。

8.1.1 使用可能な操作設定

操作設定により、モニター、アラート、レポート、ロギング、メッセージ・トレース、ビジネス・サービスの結果キャッシュなどを構成できます。すべてのサービスの操作設定をサービス・レベルおよびグローバル・レベルで指定し、グローバル設定を使用してモニター、SLAアラート、パイプライン・メッセージ・レポートおよびパイプライン・メッセージ・ロギングをオンにしたりオフにしたりすることができます。次の項で、使用可能な設定について説明します。

8.1.1.1 状態

この操作設定は、サービスを有効または無効にします。デフォルトでは、すべてのサービスの状態は有効です。

8.1.1.2 モニター

この操作設定は、サービスのモニターを有効または無効にします。パイプラインおよび分割-結合の場合、モニターを実行するレベルも構成できます。ロギングやアラートなど、他の特定の操作設定は、モニターの有効化に依存しています。デフォルトでは、すべてのサービスでモニターは無効です。

パイプラインの場合、モニターは次のレベルで有効にすることができます。

  • アクション(A)

  • パイプライン(P)

  • サービス(S)

分割-結合の場合、モニターは次のレベルで有効にすることができます。

  • アクティビティ(A)

  • ブランチ(B)

  • サービス(S)

パイプラインまたは分割-結合の「プロパティ」ページでレベルを構成します。レベル・インジケータがService BusおよびService Busプロジェクトの「操作」ページに表示されます。

8.1.1.3 集約間隔

この操作設定は、サービスの集約間隔を時間および分単位で定義します。集約間隔とは、統計データが収集され表示されるまでの時間です。デフォルトの間隔は10分です。

8.1.1.4 サービス・レベル・アグリーメントのアラート

この操作設定は、サービスに対する、特定の重大度レベル以上のサービス・レベル・アグリーメント(SLA)のアラートを有効にします。サービスのSLAアラートを無効にする場合にも使用します。デフォルトでは、すべてのサービスでSLAアラートが有効です。

SLAアラートは次のレベルで有効にすることができます。サービスの「プロパティ」ページでアラート・レベルを構成します。レベル・インジケータがService BusおよびService Busプロジェクトの「操作」ページに表示されます。

  • 通常(N)

  • 警告(W)

  • 軽度(Mn)

  • 重度(Mj)

  • クリティカル(C)

  • 致命的(F)

8.1.1.5 パイプライン・アラート

この操作設定は、特定の重大度レベル以上のパイプラインのアラートを有効にします。パイプライン・アラートを無効にする場合にも使用します。デフォルトでは、パイプライン・アラートは「通常」以上のレベルで有効化されています。パイプライン・アラートのモニターの詳細は、「Oracle Service Busのアラートのモニター」を参照してください。アラートの構成の詳細は、『Oracle Service Busでのサービスの開発』のレポート・アクションに関する項およびアラート・アクションの追加に関する項を参照してください。

パイプライン・アラートは次のレベルで有効にすることができます。パイプラインの「プロパティ」ページでレベルを構成します。レベル・インジケータがService BusおよびService Busプロジェクトの「操作」ページに表示されます。

  • 通常(N)

  • 警告(W)

  • 軽度(Mn)

  • 重度(Mj)

  • クリティカル(C)

  • 致命的(F)

8.1.1.6 レポート

この操作設定は、パイプラインのメッセージ・レポートを有効または無効にします。Service Busでは、メッセージ・データをメッセージ本文および他のメッセージ変数から取得できます。このデータは、1つまたは複数のレポート・プロバイダに配信されます。レポート・データには、SLA違反に関する情報も含まれます。デフォルトでは、レポートは「通常」以上のレベルで有効化されています。

8.1.1.7 ロギング

この操作設定は、特定の重大度レベル以上のパイプラインおよび分割-結合のロギングを有効にします。パイプラインまたは分割-結合内のログ・アクションの重大度レベルは、そのパイプラインまたは分割-結合の操作設定の「ロギング」重大度レベルに一致する必要があります。デフォルトでは、ロギングは「デバッグ」以上のレベルで有効化されています。

ロギングは次のレベルで有効にすることができます。パイプラインまたは分割-結合の「プロパティ」ページでレベルを構成します。レベル・インジケータがService BusおよびService Busプロジェクトの「操作」ページに表示されます。

  • デバッグ(D)

  • 情報(I)

  • 警告(W)

  • エラー(E)

ログ・ファイルまたは標準出力(サーバー・コンソール)にログ・データを表示するには、Oracle WebLogic Serverのロギングを特定の重大度レベルに設定する必要があります。詳細は、「サービスのメッセージ・トレースの構成」を参照してください。

8.1.1.8 実行トレース

この操作設定は、パイプラインおよび分割-結合の実行トレースを有効または無効にします。Service Busでは、サーバーをシャットダウンすることなく、メッセージをトレースできます。これにより、メッセージ・フローのトラブルシューティングと診断が簡単になります。デフォルトでは、実行トレースは無効にされています。実行トレースを有効にすると、パイプライン・コンテキストやメッセージ・コンテキストから選別された各種詳細がログに記録されます。これらの詳細には、ステージ名、パイプライン名またはルート・ノード名、現在のメッセージ・コンテキストなどが含まれます。

ログ・ファイルまたは標準出力(サーバー・コンソール)にトレースを表示するには、Oracle WebLogic Serverのロギングを「情報」重大度レベルに設定する必要があります。実行トレースの詳細は、「実行トレースを使用した問題の診断」を参照してください。

8.1.1.9 メッセージ・トレース

この操作設定は、特定の詳細レベル以上のサービスのメッセージ・トレースを有効または無効にします。ペイロード制限(キロ・バイト単位)および デフォルトのエンコーディングも設定できます。デフォルトでは、メッセージ・トレースは無効です。

ログ・ファイルまたは標準出力(サーバー・コンソール)にトレースを表示するには、Oracle WebLogic Serverのロギングを「情報」重大度レベルに設定する必要があります。メッセージ・トレースの構成手順は、「サービスのメッセージ・トレースの構成」を参照してください。さらに、ペイロードのデフォルト・エンコーディングを指定する必要があります。たとえば、ペイロードのエンコードがShift_JISの場合、「デフォルト・エンコーディング」フィールドでエンコードを指定して、ログ・ファイル内でバイトがUTF8に変換されるようにします。

8.1.1.10 オフラインのエンドポイントURI

この操作設定は、ビジネス・サービスの応答しないエンドポイントを有効または無効にします。このオプションを選択すると、ビジネス・サービスは、実行時に応答しないエンドポイントURIを削除し(オフラインにする)、再試行と以降のリクエストの処理には応答するURIのみが使用されます。

オフラインのエンドポイントURIを再試行するまでの時間間隔を指定できます。ビジネス・サービスについてのみ、オフラインのURIを有効または無効にできます。デフォルトでは、オフラインのエンドポイントURIは無効です。

オフラインのエンドポイントURIの詳細は、「ビジネス・サービスのエンドポイントURIのモニターおよび管理」を参照してください。エンドポイントURIをオフラインとマークする手順は、「応答しないエンドポイントURIをオフラインにするService Busの構成」を参照してください。

8.1.1.11 スロットル設定

サービスのスロットルを有効にし、同時実行性、スロットル・キュー、およびキューに入れられたメッセージの存続時間(TTL)を構成することにより、ビジネス・サービスを通過するメッセージのフローを制限できます。スロットルのプロパティには次のものがあります。

  • スロットルの状態: この操作設定は、ビジネス・サービスのスロットルを有効または無効にします。デフォルトでは、スロットルは無効です。

  • 最大同時実行性: この操作設定は、ビジネス・サービスによって同時に処理可能なメッセージの数を制限します。デフォルトのメッセージ数は0 (ゼロ)です。これは制限がないことを意味します。

  • スロットル・キュー: この操作設定は、スロットル・キュー内のメッセージの最大数を制限します。デフォルトのメッセージ数は0 (ゼロ)です。これは制限がないことを意味します。

  • メッセージの有効期限: メッセージをスロットル・キュー内に置くことができる最大時間間隔(ミリ秒単位)。デフォルトのメッセージ数は0 (ゼロ)です。これは制限がないことを意味します。

ビジネス・サービスのスロットルの詳細は、「メッセージ・スロットル用にビジネス・サービスを構成する方法」を参照してください。

8.1.1.12 結果キャッシュの状態

この操作設定は、ビジネス・サービスの結果キャッシュを有効または無効にします。デフォルトでは、結果キャッシュはグローバルに有効です。結果キャッシュの詳細は、『Oracle Service Busでのサービスの開発』のビジネス・サービスの結果のキャッシュによるパフォーマンスの改善に関する項を参照してください。

8.1.1.13 リシーケンサ設定

リシーケンサを使用してメッセージを順序どおりに並べるサービスの場合、リシーケンサの設定を構成できます。これには、処理するメッセージのあるグループが見つからないときにロッカー・スレッドが待機する時間の長さや、一度に取得するリシーケンサ・グループの最大数などが含まれます。リシーケンサ・データベースから処理済のメッセージをパージするように、リシーケンサを構成することもできます。

8.1.2 グローバル・レベルおよびサービス・レベルの操作設定

サービス・レベル設定の実行時の動作は、対応するグローバル設定によって異なります。実行時にサービスを完全に有効にするには、グローバル設定とサービス・レベル設定の両方を有効にする必要があります。サービス状態も有効にする必要があります。サービスが実行時に無効でも、モニター構成の設定を変更して保存することができます。たとえば、サービスのモニターが無効でも、集約間隔を変更して保存することができます。このように、設定を編集し、後で有効化することも可能です。

グローバル・レベルでモニターを有効または無効にすると、個別にモニターが有効にされているすべてのサービスでモニターが有効または無効になります。特定のサービスのモニターを有効にしていない場合、システムがそのサービスの統計の収集を開始する前に、そのサービスでモニターを有効にし、集約間隔を設定しておく必要があります。

グローバル・レベルの設定とサービス・レベルの設定を有効または無効にすると、これらの設定を効率的に有効または無効にできます。グローバル・レベルの操作設定は、サービス・レベルの操作設定に優先します。特定のサービスに対して有効にするには、次の設定をグローバル・レベルで有効にする必要があります。

  • モニター

  • SLAアラート

  • パイプライン・アラート

  • レポート

  • ロギング

  • 結果キャッシュ

8.2 操作設定の表示と構成

「操作」ページを使用して、プロキシ・サービス、ビジネス・サービス、パイプラインおよび分割-結合の場所を容易に検索したり、サービス固有の操作設定を指定したりできます。

Service BusまたはService Busプロジェクトの「操作」ページでは、複数のサービスの集約間隔の設定、設定の有効化および無効化を行うことができます。サービスの「プロパティ」ページで、単一のサービスの操作設定を構成できます。Service BusまたはService Busプロジェクトの「操作」ページから操作設定を更新する際、アラートまたはロギングの重大度レベルの指定、メッセージ・トレースのプロパティの構成、またはビジネス・サービスのスロットルまたはエンドポイントURIの構成を行うことはできません。

操作設定を構成する場合は、次のガイドラインに従ってください。

  • 一般に、プロパティを有効にするには、それらをサービス・レベルとグローバル・レベルの両方で有効にする必要があります。

  • SLAアラートモニターとは独立して構成することも可能ですが、実行時にはこの2つの設定に関連が生じます。グローバル・モニターを有効にすると、SLAアラートを有効または無効にすることができます。ただし、SLAアラート・ルールの条件は評価するモニター統計によって決まるため、グローバル・モニターを無効にすると、SLAアラートも無効になります。

  • すべてのサービスのモニターを無効にすると、それまでにそれらのサービスに対して収集された統計はすべて削除され、統計の削除を元に戻すことはできません。

サービス状態、モニター、SLAアラート、パイプライン・アラートなどの一部の操作設定は、パブリックAPIを使用して有効または無効にすることもできます。詳細は、Oracle Service Bus Java APIリファレンスを参照してください。

8.2.1 グローバル・レベルの操作設定の構成

グローバル・レベルの操作設定(グローバル設定とも呼ばれます)を構成すると、ドメイン内の適用可能なサービスすべてに影響します。ほとんどの設定は、実行時に有効にするためにはサービス・レベルとグローバル・レベルの両方で有効にする必要があります。Service Busホーム・ページの「グローバル設定」タブを使用して、設定をグローバル・レベルで更新します。次の図は「グローバル設定」タブを示しています。

図8-1 「グローバル設定」ページ

図8-1の説明が続きます
「図8-1 「グローバル設定」ページ」の説明

操作設定をグローバル・レベルで構成するには:

  1. ターゲット・ナビゲータで、「SOA」を開き、「service-bus」を選択します。

    Service Busダッシュボードが表示されます。

  2. 「グローバル設定」タブをクリックします。

    ドメインのService Bus設定が表示されます。

  3. 設定を有効にするにはチェック・ボックスを選択し、設定を無効にするにはチェック・ボックスを選択解除します。

    各グローバル設定は、表8-1に示します。

  4. 適用されていない変更をすべて、保存された設定に戻すには、「元に戻す」をクリックします。
  5. 操作設定を構成したら、「適用」をクリックしてランタイムに変更を保存します。

8.2.2 グローバル・レベルの操作設定

次の表では、グローバル・レベルの操作設定について説明します。

表8-1 グローバル・レベルの操作設定

操作設定 使用方法

モニタリング有効

ドメイン内のすべてのサービスのモニターを有効または無効にします。このオプションはまた、グローバル・レベルおよびサービス・レベルでSLAアラートを制御します。

SLAアラート有効

ドメイン内のすべてのサービスのSLAアラートを有効または無効にします。SLAアラートを有効にするには、グローバル・モニターも有効にする必要があります。

パイプライン・アラート有効

ドメイン内のパイプライン・アラートを有効または無効にします。

レポート有効

ドメイン内のすべてのパイプラインのメッセージ・レポートを有効または無効にします。

ロギング

ドメイン内のすべてのパイプラインおよび分割-結合のロギングを有効または無効にします。

結果キャッシュ

ドメイン内のビジネス・サービスの結果キャッシュを有効または無効にします。結果キャッシュを使用するようにビジネス・サービスを構成できますが、結果キャッシュが動作するためには、このグローバル・オプションを有効にする必要があります。結果キャッシュをグローバルに無効にした場合、結果キャッシュで有効にしたすべてのビジネス・サービスのキャッシュされた結果はフラッシュされます。

リシーケンサ・ロッカーのスレッドのスリープ

ロッカー・スレッドのスリープ間隔を秒単位で指定します。処理できるメッセージを持つグループをリシーケンサが見つけられないときに、ロッカー・スレッドは指定した期間スリープ状態になります。処理可能なメッセージを持つグループが見つかった場合は、データベース・シークの各繰返しの間でロッカー・スレッドがスリープ状態になることはありません。デフォルト値は10です。

リシーケンサ最大ロック済グループ数

1回のデータベース検索で取得できる、処理対象のリシーケンサ・グループの最大数を指定します。取得されたグループは、処理用のワーカー・スレッドに割り当てられます。

完了メッセージのパージ

リシーケンサ・データベースから処理済のリシーケンス・メッセージをパージするには、このオプションを選択します。

8.2.3 操作設定を構成するサービスの検索

Fusion Middleware Controlには、操作設定を構成するためのオプションが複数ありますが、それらはすべて、構成するサービスの検索を実行することから始まります。

注意:

次の手順では、複数のサービスの操作設定を表示および更新する方法について説明します。サービスの「プロパティ」ページで、単一のサービスの設定を表示および更新することもできます。

操作設定を構成するサービスを検索するには:

  1. 次のいずれかを行います。
    • ドメイン全体でサービスを検索するには、ターゲット・ナビゲータで「SOA」を開き、「service-bus」を選択します。

    • Service Busプロジェクト内のサービスを検索するには、ターゲット・ナビゲータで「SOA」「service-bus」を開いて、検索するプロジェクトの名前を選択します。

  2. 「操作」タブをクリックします。
  3. 使用する検索基準を指定して、その設定を変更するサービスを検索します。

    次の基準を指定できます。「タイプ」以外はすべてオプションです。

    • タイプ: 使用可能なオプションのリストから選択します。これには、すべてのサービス、ビジネス・サービスとプロキシ・サービスの両方、ビジネス・サービス、プロキシ・サービス、パイプライン、分割-結合が含まれます。

    • 名前: 検索するサービスの名前を入力します。

    • パス: 検索するサービスのパス(プロジェクト名とフォルダ名、ある場合)。Service Busプロジェクトの「操作」タブの場合、パスにはすでに値が入力されています。

  4. 「検索」をクリックします。

    次に示すように、「操作」表に、基準に一致するサービスのリストが表示されます。これらの設定の詳細は、「使用可能な操作設定」およびFusion Middleware Controlで提供されているオンライン・ヘルプを参照してください。

  5. 操作設定を構成するには、「複数のサービスに対する操作設定の有効化と無効化」に進んでください。

8.2.4 複数のサービスに対する操作設定の有効化と無効化

サービスで構成できる設定は、構成しているのがビジネス・サービスであるか、プロキシ・サービスであるか、パイプラインであるか、分割-結合であるかによって異なります。複数のサービスに対して設定を構成する場合、Service Busの「操作」タブまたは「Service Busプロジェクト」ページで実行できます。これらのページの「操作」リストには、操作設定の有効化および無効化のみが含まれています。スロットルやオフラインのエンドポイントURI管理など、特定の構成が必要な設定は、特定のサービスの「プロパティ」ページでのみ構成できます。

特定の操作設定の構成は、「使用可能な操作設定」およびService Busで提供されているオンライン・ヘルプを参照してください。

複数のサービスに対して操作設定を構成するには:

  1. 「操作設定を構成するサービスの検索」の説明に従って、サービスの検索を実行します。
  2. 結果リストの任意のサービスについて、チェック・ボックスを選択して対応する操作設定を有効にするか、チェック・ボックスを選択解除して操作設定を無効にします。
  3. リスト内のすべてのサービスに対して操作設定を有効または無効にするには、その設定の列ヘッダーにあるチェック・ボックスを選択または選択解除します。

    「操作」リスト内の設定および注釈の詳細は、「使用可能な操作設定」およびFusion Middleware Controlで提供されているオンライン・ヘルプを参照してください。

  4. 適用されていない変更をすべて、保存された設定に戻すには、「元に戻す」をクリックします。
  5. 操作設定を構成したら、「適用」をクリックしてランタイムに変更を保存します。

8.2.5 単一のサービスに対する操作設定の有効化と無効化

Service Busの「操作」ページまたは「Service Busプロジェクト」ページで操作設定を有効または無効にすることに加えて、サービスの「プロパティ」ページでそのサービスの設定を有効または無効にすることもできます。ほとんどのサービスでは、ロギングやモニター・レベルの設定など、より詳細に操作設定を構成することもできます。

特定の操作設定の構成については、「使用可能な操作設定」およびService Busで提供されているオンライン・ヘルプを参照してください。次の図にサービスの「プロパティ」ページを示します。

図8-3 Service Busサービスの「プロパティ」

図8-3の説明が続きます
「図8-3 Service Busサービスの「プロパティ」」の説明

単一のサービスに対して操作設定を有効または無効にするには:

  1. 「操作設定を構成するサービスの検索」の説明に従って、サービスの検索を実行します。
  2. 操作表で、構成するサービスをクリックします。

    そのサービスの「プロパティ」ページが表示されます。

  3. 設定を有効にするには、その設定の「有効」チェック・ボックスを選択します。
  4. 設定を無効にするには、その設定の「有効」チェック・ボックスを選択解除します。
  5. 適用されていない変更をすべて、保存された設定に戻すには、「元に戻す」をクリックします。
  6. 操作設定を構成したら、「適用」をクリックしてランタイムに変更を保存します。

8.2.6 サービスの集約間隔の設定

サービスの「プロパティ」ページを使用して、そのサービスの集約間隔を設定します。集約間隔は、Fusion Middleware Controlに表示される集約統計を計算する間隔です。デフォルトの集約間隔の設定は10分です。

サービスの集約間隔を設定するには:

  1. 「操作設定を構成するサービスの検索」の説明に従って、サービスの検索を実行します。
  2. 操作表で、構成するサービスをクリックします。

    そのサービスの「プロパティ」ページが表示されます。

  3. 「モニター」の下の「集約間隔」フィールドで、間隔の時間または分を選択します。

    1時間を超える時間を選択した場合、分はデフォルトで常に0が選択されます。ただし、0または1時間を選択した場合には、分単位で間隔を構成することができます。

  4. 操作設定を構成したら、「適用」をクリックしてランタイムに変更を保存します。

8.2.7 パイプラインまたは分割-結合のモニター・レベルの構成

パイプラインおよび分割-結合の場合、サービスをモニターするレベルを指定できます。詳細は、「モニター」およびService Busで提供されているオンライン・ヘルプを参照してください。

サービスのモニター・レベルを構成するには:

  1. 「操作設定を構成するサービスの検索」の説明に従って、サービスの検索を実行します。
  2. 「操作」表で、構成するパイプラインまたは分割-結合をクリックします。

    そのサービスの「プロパティ」ページが表示されます。

  3. 「モニタリング」の「監視レベル」フィールドで、次の操作を実行します。
    • パイプラインの場合は、「サービス」、「パイプライン」または「アクション」を選択してレベルを指定します。

    • パイプラインの場合は、「サービス」、「ブランチ」または「アクティビティ」を選択してレベルを指定します。

  4. 適用されていない変更をすべて、保存された設定に戻すには、「元に戻す」をクリックします。
  5. 操作設定を構成したら、「適用」をクリックしてランタイムに変更を保存します。

8.2.8 サービスのメッセージ・トレースの構成

プロキシ・サービスのメッセージ・トレースを有効にすると、パイプラインとプロキシ・サービス間でやり取りされたメッセージ(インバウンド・リクエストおよびレスポンス、アウトバウンド・リクエストおよびレスポンス・メッセージなど)がログに記録されます。ビジネス・サービスのメッセージ・トレースを有効にすると、パイプラインとビジネス・サービス間でやり取りされたメッセージ(アウトバウンド・リクエストおよびレスポンス・メッセージ)がログに記録されます。

ログに記録されたアウトバウンド・メッセージには、適用可能な場合、再試行回数、エラー・コード、およびエラー・メッセージを含めることもできます。トレース情報がサーバー・ログ・ファイルまたはサーバー・コンソールに記録されるようにするためには、Oracle WebLogic Serverロギングの重大度レベルも構成する必要があります。

Oracle WebLogic Serverのログ・レベルを設定するには:

ログ・ファイルまたは標準出力(サーバー・コンソール)にトレースを表示するには、Oracle WebLogic Serverのロギングを次の重大度に設定する必要があります。

  • ログの最低の重大度: 情報

  • ログ・ファイル: 情報

  • 標準出力: 情報

ログの重大度の設定の詳細は、『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』のログの重大度の使用に関する項を参照してください。

サービスのメッセージ・トレースを有効にするには:

  1. 「操作設定を構成するサービスの検索」の説明に従って、サービスの検索を実行します。
  2. 操作表で、構成するサービスをクリックします。

    そのサービスの「プロパティ」ページが表示されます。

  3. 「メッセージ・トレース」の横の「有効」を選択します。
  4. 「トレース詳細レベル」リストで、次の中から詳細のレベルを選択します。
    • 簡潔: 日付、時間、サービス・タイプ、サービス名、およびURIを表示します。

    • ヘッダー: XMLのメッセージ・メタデータの表現とともに、簡潔な情報を表示します。

    • すべて: アタッチメント(ある場合)を含む未加工のペイロードとともに、ヘッダー情報を表示します。

  5. 「詳細レベル」リストで「すべて」を選択した場合は、次の手順を実行します。
    • 「ペイロード・トレース単位」フィールドで、メッセージ・ペイロードの最大サイズ(キロバイト単位)を指定します。

    • 「デフォルト・エンコーディング」フィールドで、ペイロードのロギング用のデフォルト・エンコーディングを指定します。

      これは、バイナリ・ペイロードまたはバイナリ添付ファイルがあるSOAPメッセージをロギングする際に役立ちます。デフォルトのエンコーディング値には、Base64またはJavaでサポートされる任意のエンコードを設定できます。

      注意:

      「デフォルト・エンコーディング」フィールドを空のままにすると、Service Busは、ペイロードにホストのデフォルト・エンコーディングを使用します。デフォルトのエンコーディングは、JVM、基になるオペレーティング・システム(OS)、およびOSレベルのロケール設定の組合せに依存します。

      「デフォルト・エンコーディング」フィールドで指定された設定が使用できない場合(たとえば、構成で無効なオプションである場合)、Service Busは、ペイロードにBase64エンコーディングを使用します。

    • 「適用」をクリックします。

8.2.9 サービスのSLAアラート・レベルの構成

サービスのSLAアラートのアラート・レベルを構成できます。詳細は、「サービス・レベル・アグリーメントのアラート」およびService Busで提供されているオンライン・ヘルプを参照してください。

サービスのSLAアラート・レベルを構成するには:

  1. 「操作設定を構成するサービスの検索」の説明に従って、サービスの検索を実行します。
  2. 操作表で、構成するサービスをクリックします。

    そのサービスの「プロパティ」ページが表示されます。

  3. 「SLAアラート」の下の「SLA重大度」フィールドで、アラートの生成を開始するレベルを選択します。
  4. 適用されていない変更をすべて、保存された設定に戻すには、「元に戻す」をクリックします。
  5. 操作設定を構成したら、「適用」をクリックしてランタイムに変更を保存します。

8.2.10 パイプライン・アラート・レベルの構成

サービスのパイプライン・アラートのアラート・レベルを構成できます。詳細は、「パイプライン・アラート」およびService Busで提供されているオンライン・ヘルプを参照してください。

サービスのパイプライン・アラート・レベルを構成するには:

  1. 「操作設定を構成するサービスの検索」の説明に従って、サービスの検索を実行します。
  2. 操作表で、構成するサービスをクリックします。

    そのサービスの「プロパティ」ページが表示されます。

  3. 「パイプライン・アラート」の下の「パイプライン重大度」フィールドで、アラートの生成を開始するレベルを選択します。
  4. 適用されていない変更をすべて、保存された設定に戻すには、「元に戻す」をクリックします。
  5. 操作設定を構成したら、「適用」をクリックしてランタイムに変更を保存します。

8.2.11 サービスのロギング・レベルの構成

パイプラインおよび分割-結合のロギング・レベルを構成できます。詳細は、「ロギング」およびService Busで提供されているオンライン・ヘルプを参照してください。

サービスのロギング・レベルを構成するには:

  1. 「Oracle WebLogic Serverのログ・レベルを設定するには:」の説明に従って、Oracle WebLogic Serverのログ・レベルを設定します。
  2. 「操作設定を構成するサービスの検索」の説明に従って、サービスの検索を実行します。
  3. 操作表で、構成するサービスをクリックします。

    そのサービスの「プロパティ」ページが表示されます。

  4. 「ロギング」の下の「ロギング・レベル」フィールドで、ログ・エントリを生成するレベルを選択します。
  5. 適用されていない変更をすべて、保存された設定に戻すには、「元に戻す」をクリックします。
  6. 操作設定を構成したら、「適用」をクリックしてランタイムに変更を保存します。

8.2.12 ビジネス・サービスのスロットルの構成

ビジネス・サービスのスロットルの詳細は、「メッセージ・スロットル用にビジネス・サービスを構成する方法」を参照してください。スロットルの構成の詳細および手順は、「1つのビジネス・サービスに対するスロットルの構成」を参照してください。

8.2.13 ビジネス・サービスのオフライン・エンドポイントURI処理の構成

オフライン・エンドポイントURIの管理の詳細は、「ビジネス・サービスのエンドポイントURIのモニターおよび管理」を参照してください。エンドポイントURI処理の構成の詳細および手順は、「応答しないエンドポイントURIをオフラインにするService Busの構成」を参照してください。

8.3 操作設定の一括更新

Service Busでは、開発環境からテスト環境への移動など、あるドメインから別のドメインにプロジェクトを移動する際に変更される可能性がある特定の環境値の更新に使用可能な構成ファイルを作成できます。

これには、グローバル・レベルとサービス・レベルの両方の操作設定の更新が含まれます。構成ファイルの作成および実行の詳細は、「応答しないエンドポイントURIをオフラインにするService Busの構成」を参照してください。

8.4 リソースのインポート時の操作設定の保持

Oracle JDeveloperOracle Service BusコンソールまたはFusion Middleware ControlService Bus構成JARファイルをインポートする場合、インポート中の構成にインポート元のドメインのグローバル設定も含まれていると、ドメイン・レベルの設定は上書きされます。

インポートされる構成でグローバル設定を保持するには、サービスのインポート時に操作設定の保持フラグを選択します。これは、既存のシステムのグローバル設定を上書きします。インポート・プロセスによってサービスが更新される際、個別のサービスの操作設定にも同じことが適用されます。

また、APIを使用してService Bus構成をインポートするときにも、操作設定を保持することができます。詳細は、Oracle Service Bus Java APIリファレンスALSBConfigurationMBeanを参照してください。インポート時に設定を保持するには、次の例に示すようにMBeanを変更します。

例 - APIを使用したOracle Service Bus構成のインポート時の操作設定の保持

/**
 // Imports a configuration jar file, applies customization, activates it and
 exports the resources again
 // @throws Exception
 /
static private void simpleImportExport(String importFileName, String passphrase)
 throws Exception {
SessionManagementMBean sm = ... // obtain the mbean to create a session;
// obtain the raw bytes that make up the configuration jar file
 File importFile = new File(importFileName);
 byte[] bytes = readBytes(importFile);
// create a session
 String sessionName = "session." + System.currentTimeMillis();
 sm.createSession(sessionName);
// obtain the ALSBConfigurationMBean that operates on the
 // session that has just been created
 ALSBConfigurationMBean alsbSession = getConfigMBean(sessionName);
// import configuration into the session. First we upload the
 // jar file, which will stage it temporarily.
 alsbSession.uploadJarFile(bytes);
// then get the default import plan and modify the plan if required
 ALSBJarInfo jarInfo = getImportJarInf();
 ALSBImportPlan importPlan = jarInfo.getDefaultImportPlan();
// preserve operational values
 importPlan. setPreserveExistingOperationalValues(true);
// Modify the plan if required and pass it to importUploaeded method
 ImportResult result = alsbSession.importUploaded(importPlan);
// Pass null to importUploaded method to mean the default import plan.
 //ImportResult result = alsbSession.importUploaded(null);
// print out status
 if (result.getImported().size() > 0) {
     System.out.println("The following resources have been successfully
                         imported.");
     for (Ref ref : result.getImported()) {
         System.out.println("\t" + ref);
     }
 }
if (result.getFailed().size() > 0) {
     System.out.println("The following resources have failed to be imported.");
     for (Map.Entry e : result.getFailed().entrySet()) {
         Ref ref = e.getKey();
         // Diagnostics object contains validation errors
         // that caused the failure to import this resource
         Diagnostics d = e.getValue();
         System.out.println("\t" + ref + ". reason: " + d);
     }
// discard the changes to the session and exit
     System.out.println("Discarding the session.");
     sm.discardSession(sessionName);
     System.exit(1);
}
// peform the customization to assign/replace environment values and
 // to modify the references.
...
// activate the session
 sm.activateSession(sessionName, "description");
// export information from the core data
 ALSBConfigurationMBean alsbcore = getConfigMBean(null);
 //export the information at project level, pass only a collection of project
   refs to this method
 byte[] contentsProj = 
   alsbcore.exportProjects(Collections.singleton(Ref.DEFAULT_PROJECT_REF),null);
// the byte contents can be saved as jar file
}