この章では、Service BusコンソールとOracle JDeveloperを使用して、プロキシ・サービスを作成、構成および管理する方法について説明します。Service Busのプロキシ・サービスとビジネス・サービスを使用すると、エンタープライズ全体でのサービスの管理、メッセージの変換およびメッセージのルーティングを行うことができます。
この章の内容は次のとおりです。
プロキシ・サービスは、サービス・コンシューマがService Bus経由でバックエンド・サービスに接続するために使用するインタフェースを提供します。プロキシ・サービスは、Service Busがローカルにホストする仲介Webサービスの定義です。Service Busでは、プロキシ・サービスを使用してビジネス・サービス(エンタープライズWebサービスやデータベースなど)とサービス・クライアント(プレゼンテーション・アプリケーションやその他のビジネス・サービスなど)との間でメッセージをルーティングします。
プロキシ・サービスは、WSDL (Web Services Description Language)またはWADL (Web Application Definition Language)に関するインタフェースと使用するトランスポートを定義します。プロキシ・サービスでは、通信インタフェース、トランスポートのタイプ、トランスポート設定、セキュリティ設定および関連付けられるメッセージ処理ロジックを定義します。また、メッセージ・フロー定義またはパイプラインを使用して、メッセージを変換して1つ以上のビジネス・サービスにルーティングします。パイプラインでは、Service Busを介したメッセージ・フローでメッセージを処理する方法を決定するロジックを定義します。プロキシ・サービスがWSDLドキュメントに基づいている場合、構成にはWSDLポートまたはWSDLバインディングも含まれます
UDDIレジストリ、SOA Oracle Metadata Services (MDS)レジストリ、アプリケーション・サーバー、またはファイル・システムからインポートしたドキュメントを含む、既存のWSDLおよびWADLドキュメントをプロキシ・サービスの基盤にすることもできます。Service Busでは、RESTバインディングを使用するプロキシ・サービスもサポートしています(「Oracle Service BusでのRESTサービスの作成」を参照)。これらのプロキシ・サービスは、WADLドキュメントに基づくものであり、JDeveloperのService Bus概要エディタでのみ作成できます。
各プロキシ・サービスは、WSDL WebサービスとService Busトランスポートのどちらに基づくかで定義されます。WSDLベースのサービスは、WSDLドキュメントでインタフェースが記述されるSOAPプロキシ・サービスまたはXMLプロキシ・サービスです。トランスポート型のサービスは、JCAトランスポートなどのService Busトランスポートに基づくプロキシ・サービスで、Oracle JCA準拠アダプタにプロキシ・サービスを構成するためのサポートが提供されます。これにはHTTPトランスポートを使用するRESTプロキシ・サービスも含まれます。各タイプのプロキシ・サービスでは、その定義に固有のトランスポート・プロトコルがサポートされます。Service Busは、いくつかの標準トランスポート・プロトコルとカスタム・トランスポートをサポートします。
「プロキシ・サービスの作成」ウィザードまたはJDeveloperのService Bus概要エディタのいずれかを使用して、WSDLベースまたはトランスポート型のサービスでプロキシ・サービスを作成できます。Service Bus概要エディタを使用すると、JCAアダプタからプロキシ・サービスを直接生成して、そのアダプタ・タイプにすでに構成されているプロキシ・サービスを作成できます。ウィザードとエディタのどちらでも、ビジネス・サービスとパイプラインをプロキシ・サービスとして公開できます。
Service Busは、従来のWebサービス(WSDLファイルでXMLまたはSOAPバインディングを使用)から非XMLサービス(汎用)サービスまで、多くのサービス・タイプに対応しています。トランスポート型のプロキシ・サービスを作成する場合、サービス・タイプを指定して構成することで、サービスをさらに定義する必要もあります。選択できるサービス・タイプは、サービス・エンドポイントとの通信に使用するトランスポートに基づいて制限されます。各サービス・タイプでサポートされるトランスポートの詳細は、「トランスポート、アダプタおよびバインディング」を参照してください。
プロキシ・サービスのサービス・タイプは、次のいずれかになり、そのサービスが処理するメッセージのタイプで識別されます。
WSDLベース・サービス: このサービス・タイプは、既存のWSDLドキュメント、またはプロキシ・サービスの作成と同時に作成したWSDLドキュメントから生成されます。WSDLベースのサービスを作成する際は、使用するポートまたはバインディングを指定する必要があります。
メッセージ・サービス: このサービス・タイプは、あるデータ型のメッセージを受信し、レスポンスとして別のデータ型のメッセージを返すことができます。サポートされるデータ型には、XML、Message Format Language (MFL)、テキスト、型なし、バイナリ、Java、インタフェースがWSDLで記述されていない添付などがあります。
任意のSOAPサービス: このサービス・タイプは、SOAPメッセージを交換します。SOAPメッセージは、<soap:Envelope>
要素内のheader変数およびbody変数のコンテンツをラップすることで作成されます。body変数に参照XMLが格納されている場合、メッセージは現状のまま送信されます。つまり、参照されているコンテンツはメッセージに置き換えられません。attachments変数で添付が定義されている場合は、メイン・メッセージと添付データからMIMEパッケージが作成されます。各添付部分のコンテンツの処理方法は、メッセージング・サービスのコンテンツの処理方法に類似しています。
任意のXMLサービス(非SOAP): このサービス・タイプでは、XMLベースのサービスへのメッセージはXMLですが、プロキシ・サービスの構成で許可された任意の型を使用できます。添付を含むメッセージの場合、そのコンテンツは、プライマリXMLペイロードをその一部(通常は最初の部分、または最上位のContent-Typeヘッダーで指定される部分)として含むMIMEパッケージです。
RESTサービス: このサービス・タイプは、RESTバインディングに基づき、既存のWADL、またはビジネス・サービスの作成と同時に作成したWADLから生成できます。このサービス・タイプはJDeveloperのService Bus概要エディタでのみ作成可能で、「プロキシ・サービスの作成」ウィザードでは作成できません。詳細は、「Oracle Service BusでのRESTサービスの作成」を参照してください。
1つのポートのみを公開してクライアントに様々なエンタープライズ・アプリケーションを提供する場合は、任意のSOAPまたは任意のXMLサービス・タイプを使用します。任意のSOAPの場合、SOAP 1.1とSOAP 1.2のどちらであるかを指定する必要があります。
リクエスト・メッセージまたはレスポンス・メッセージのいずれかがXML以外である場合、メッセージング・サービス・タイプを使用する必要があります。Service Busでは、誤りのあるSOAPヘッダーのチェックは自動では行われません。ただし、XQuery条件式と検証アクションを使用して、このタイプのチェックをパイプラインで明示的に実行できます。検証アクションの詳細は、「コンソールでの検証アクションの追加」を参照してください。条件付きXQuery式の詳細は、「Oracle Service Busコンソールでの式エディタの操作」を参照してください。
各プロキシ・サービス・タイプは、その定義やタイプを問わず、同じパターンに従ってモデル化されます。各サービス・タイプでは、次の特徴を定義する必要があります。
バインディング定義
ランタイム構成
ランタイム変数($operation
、$body
、$header
、$attachments
)
ランタイム変数
SOAPベースのWSDLサービスの場合、操作選択アルゴリズムに基づいて$operation
が初期化される点を除き、変数は任意のSOAPサービス・タイプと同様です。
XMLベースのWSDLサービスの場合、操作選択アルゴリズムに基づいて$operation
が初期化される点を除き、変数は任意のXMLサービス・タイプと同様です。
バインディング定義
メッセージ・サービス用のバインディング定義は、交換されるメッセージのコンテンツ・タイプの構成で構成されています。レスポンスのコンテンツ・タイプは、リクエストの場合と同じである必要はないため、レスポンスは個別に構成されます。たとえば、サービスでMFLメッセージを受け取り、XML確認受信を返すことができます。レスポンスは「なし」にも設定できます。
定義上、メッセージング・ベースのサービスにはWSDL定義はありません。これらのサービスのWSDLドキュメントをリクエストすることはできません。リクエストおよびレスポンスから選択するコンテンツ・タイプは、次のとおりです。
なし
バイナリ
テキスト
MFL
XML
Java
注意:
サービスからの成功または失敗のメッセージをコール元のクライアントに伝搬するために、パイプラインで返信アクションを使用している場合は、「なし」以外のオプションを選択します。「なし」オプションは、返信をブロックします。
メッセージ・サービス・タイプの電子メール、ファイル、FTPおよびSFTPトランスポート・プロキシ・サービスは、一方向のメッセージングのみをサポートするため、レスポンス・メッセージはありません。レスポンス・メッセージのコンテンツ・タイプは「なし」
にします。
ランタイム変数
このサービス・タイプはメッセージ・ベースです。Webサービスには、複数の操作という概念はありません。したがって、$operation
変数は空のままになります。$body
変数には、<soap:Body>
要素内にラップされた着信メッセージが保持されますSOAP 1.1プロキシ・サービスの場合、$body
ではSOAP 1.1のネームスペースBodyを使用し、SOAP 1.2プロキシ・サービスの場合はSOAP 1.2のネームスペースBodyを使用します。$header
変数はこのサービス・タイプには適用されず、デフォルト値に設定されます。メッセージに添付ファイルがある場合は、$attachments
変数に格納されます。
メッセージ・コンテキスト変数の詳細は、「メッセージ関連の変数」および「ディスパッチするメッセージの作成」を参照してください。
バインディング定義
このサービス・タイプで定義する情報は、WSDLバインド定義に関係なく、サービスでSOAPメッセージを受信または送信するということのみです。このタイプのバインディング構成が存在しないため、このタイプとメッセージのコンテンツ・タイプの組合せから、メッセージに添付ファイルがあるかどうかを十分判別できます。定義上、「任意の」サービス(SOAPまたはXML)にはWSDL定義はありません。これらのサービスのWSDLドキュメントを生成または表示することはできません。
ランタイム変数
$body
変数と$header
変数に、受信SOAPメッセージの<soap:Body>
と<soap:Header>
がそれぞれ保持されます(SOAP 1.1プロキシの場合、$body
と$header
ではSOAP 1.1ネームスペース本体とネームスペースを使用し、SOAP 1.2プロキシではSOAP 1.2ネームスペース本体とネームスペースを使用します)。SOAPメッセージに添付ファイルがある場合は、$attachments
変数に格納されます。ポート・タイプを定義しないため、$operation
変数はこのサービス・タイプには適用されません。
メッセージ・コンテキスト変数の詳細は、「メッセージ関連の変数」および「ディスパッチするメッセージの作成」を参照してください。
バインディング定義
このサービス・タイプで定義する情報は、WSDLバインド定義に関係なく、サービスでXMLメッセージを受信または送信するということのみです。このタイプのバインディング構成が存在しないため、このタイプとメッセージのコンテンツ・タイプの組合せから、メッセージに添付ファイルがあるかどうかを十分判別できます。
定義上、「任意の」サービス(SOAPまたはXML)にはWSDL定義はありません。これらのサービスのWSDLドキュメントをリクエストすることはできません。
ランタイム変数
$body
変数には、<soap:Body>
要素内にラップされた受信XMLメッセージが保持されます(SOAP 1.1プロキシの場合、$body
と$header
ではSOAP 1.1ネームスペース本体とネームスペースを使用し、SOAP 1.2プロキシではSOAP 1.2ネームスペース本体とネームスペースを使用します)。メッセージに添付ファイルがある場合は、$attachments
変数に格納されます。$header
変数はこのサービス・タイプには適用されず、デフォルト値に設定されます。ポート・タイプを定義しないため、$operation
変数はこのサービス・タイプには適用されません。
メッセージ・コンテキスト変数の詳細は、「メッセージ関連の変数」および「ディスパッチするメッセージの作成」を参照してください。
プロキシ・サービスの構成の大部分には、トランスポート・プロトコルが関与します。トランスポートは、外部システムとプロキシ・サービスとの間の通信レイヤーであり、Service Busへのエントリ・ポイントとして機能します。プロキシ・サービスに使用可能なトランスポート・プロトコルは、作成するサービス・タイプによって異なります。それぞれのトランスポート・プロトコルには独自の構成要件があります。トランスポート・プロトコルとその構成要件の詳細は、「JCAアダプタ、トランスポートおよびバインドの操作」を参照し、関連する特定のプロトコルのリンクをクリックしてください。
トランスポートとWSDLファイルに基づいて、トランスポート・モードが自動的に選択されますが、これは$inbound
または$outbound
変数で上書きできます。
プロキシ・サービスは、Oracle Web Services Manager (WSM)ポリシー、認証マッピング、サービス・キー・プロバイダなど、複数の方法で保護できます。サービス・プロバイダが必要となるのは、プロキシ・サービスがクライアント証明書認証を必要とするHTTPSサービスにメッセージをルーティングする場合です。また、一部のメッセージ・レベルのセキュリティ・シナリオで必要となる場合もあります。サービス・アカウントは、ビジネス・サービスに接続するときに認証を提供するために作成できます。これは要求されるユーザー名とパスワードのペアの別名リソースとして機能します。WebLogic Serverを使用して、資格レベルの検証を要求するビジネス・サービスのセキュリティ資格を直接管理できます。
プロキシ・サービスの保護の詳細は、「ビジネス・サービスとプロキシ・サービスの保護」を参照してください。
サービス・レベル合意(SLA)のアラート・ルールでは、アラートの生成条件が定義されます。これらの条件は、通常、Service Busアプリケーションまたは特定のサービス・コンポーネントの全体的なヘルスのインジケータになります。プロキシ・サービスに対するSLAアラート・ルールの定義の詳細は、『Oracle Service Busの管理』のサービス・レベル合意のアラート・ルールの作成に関する項を参照してください。
WS-I準拠(SOAP 1.1サービスの場合のみ)を適用し、このプロキシ・サービスによってコールされる操作の決定に使用される選択アルゴリズムを選択するようにプロキシ・サービスを構成できます。このオプションは、WSDLファイルに基づいて定義されたSOAPサービスまたはXMLサービスでのみ使用できます。WSDL仕様では、受信するSOAPメッセージのタイプに基づいて呼び出す操作を計算するデフォルトのアルゴリズムが定義されています。ただし、その他の手段に基づいて操作を選択しなければならない場合もあります(パフォーマンスや、署名および暗号化に問題があったり、デフォルトのアルゴリズムが使用できない場合など)。
Service Busには、その他のアルゴリズムが用意されています。これらはそれぞれ同じパターンに従っており、式の評価に基づいて値を取得し、その値を使用して静的な表から対応する操作をルックアップします。
通常、Service Busは、インバウンド・メッセージが不明なデータで処理を判断できない場合や、データが有効な処理に対応していない場合にも、柔軟に対処します。どちらの場合も、$operation
は空になります。Service Busでは、このようなメッセージをすべて拒否するのではなく、コンテキスト内のoperation変数を初期化せずに、メッセージの処理を続行します。ただし、プロキシ・サービスがWSDLベースで、次の条件の1つ以上が当てはまる場合は、セキュリティ要件が適用されます。
WSDLファイルにWS-Securityポリシーが存在し、プロキシがアクティブな仲介になっています。
プロキシにメッセージ・レベルのカスタム認証(カスタム・トークンまたはユーザー名/パスワード)が存在します。
これらの条件に該当する場合、操作選択アルゴリズムが有効な操作名を返すかどうかを確認する実行時チェックが行われます。操作選択アルゴリズムでnullまたはWSDLファイルに存在しない操作が返された場合、メッセージは拒否され、エラーが発生します。
この項では、JDeveloperまたはOracle Service Busコンソールを使用して、プロキシ・サービスを作成する方法について説明します。Service Busアプリケーションおよびプロジェクトの作成の詳細は、「JDeveloperでのService Busアプリケーションおよびプロジェクトの作成」または「リソースの新しいプロジェクトおよびフォルダの作成方法」(コンソールの場合)を参照してください。JDeveloperでのプロジェクト、アプリケーションおよびその他コンポーネントの操作については、『Oracle JDeveloperユーザーズ・ガイド』を参照してください。
プロキシ・サービスの作成するには、「プロキシ・サービスの作成」ウィザード、Service Bus概要エディタ、既存のサービスやJCAリソースからの生成、パイプラインの作成時のプロキシ・サービスとしてのパイプラインの公開など、様々な方法を使用できます。プロキシ・サービスを作成する場合、「プロキシ・サービスの作成」ウィザードには、プロキシ・サービスの特定のプロパティを構成できる一連のページが用意されています。この項では、「プロキシ・サービスの作成」ウィザードを使用してプロキシ・サービスを作成する方法について説明します。Service Bus概要エディタの使用については、「JDeveloperでのOracle Service Busアプリケーションの開発」を参照してください。
始める前に:
SMTPサーバー、MQ接続、UDDIサーバーなどのシステム・リソースを使用する場合、プロキシ・サービスの作成を開始する前に、必ずこれらのリソースを作成します。プロキシ・サービスを構成するには、これらのリソースを指定または選択する必要があり、必要なリソースがService Busにないかぎり、プロキシ・サービスの構成を完了できません。
JDeveloperで作業する場合は、プロキシ・サービスの追加先のアプリケーションおよびプロジェクトを作成するか開きます。Oracle Service Busコンソールで作業する場合は、アクティブ・セッションで作業していることと、プロキシ・サービスの追加先のプロジェクトが存在することを確認します。
プロキシ・サービスを作成する場合、サービス・タイプや、WSDLファイルとService Busトランスポートのどちらを使用するかなど、特定の情報を指定する必要があります。次のトピックでは、プロキシ・サービスの作成に関する詳細情報を示します。
プロキシ・サービスのタイプの詳細は、「プロキシ・サービスの定義」を参照してください。
WSDLファイルの詳細は、「WSDLドキュメントの操作」を参照してください。
使用できる様々なトランスポートの詳細は、「JCAアダプタ、トランスポートおよびバインドの操作」を参照してください。
プロキシ・サービスを作成するには:
Service Busでは、インバウンドJCAファイルからプロキシ・サービスを生成できます。Service Bus JCAトランスポートを使用するJCAサービスは、JCAアダプタ・フレームワークおよびJCA準拠アダプタを介してEnterprise Information Systems (EIS)と通信します。JCAバインド・リソースの詳細は、「JCAトランスポートとJCAアダプタの使用」を参照してください。
始める前に:
JDeveloperで、JCAファイル、その関連抽象WSDLファイルおよび必要なその他のリソース(TopLinkマッピング・ファイルなど)を作成します。詳細は、「JCAトランスポートとJCAアダプタの使用」および「テクノロジ・アダプタの理解」を参照してください。
注意:
インバウンドJCAバインドではなくアウトバウンドJCAバインドを選択する場合、プロキシ・サービスを生成するオプションは利用できません。
JDeveloperでは、JCAアダプタをService Bus概要エディタから作成する場合、アダプタの作成時にプロキシ・サービスも生成できます。詳細は、「プロキシ・サービスの作成方法」を参照してください。
始める前に、JCAリソース・ファイルをJDeveloperからコンソールにインポートし、依存関係へのすべての参照が維持されるようにします。詳細は、「JCAバインド・リソースの操作」および「リソースおよび構成のインポートとエクスポート」を参照してください。
コンソールでJCAバインドからプロキシ・サービスを生成するには:
JDeveloperでは、他のプロキシ・サービス、ビジネス・サービス、パイプラインおよび分割-結合からプロキシ・サービスを生成できます。プロキシ・サービスの構成は、既存のサービスの構成に基づきます。
JDeveloperで別のサービスからプロキシ・サービスを生成するには:
プロキシ・サービスを作成すると、構成の編集、セキュリティ・ポリシーの追加、セキュリティ設定の変更およびSLAアラート・ルールの設定を行うことができます。変更できる情報は、最初にサービスを構成した方法によって異なります。プロキシ・サービスに構成可能なプロパティのリストについては、プロキシ・サービス定義エディタの各ページで利用可能なオンライン・ヘルプを参照してください。
Oracle Service Busコンソールで作業する場合は、この項のタスクを実行する前に、アクティブ・セッションにいることを確認してください。
プロキシ・サービス定義エディタの「全般」タブには、サービスに関する情報(サービスの説明、サービスで使用されるトランスポート、サービス・タイプ、WSDLのポートまたはバインディング、XQueryバージョン、プロキシ・サービスで呼び出されるサービスなど)が表示されます。次の図に、Oracle Service Busコンソールの「全般」タブを示します。
プロキシ・サービスの全般情報を構成するには:
「トランスポート」ページと「トランスポートの詳細」ページを使用して、プロキシ・サービスのトランスポートを構成します。使用可能なプロパティはトランスポートごとに異なります。次の図に、Oracle Service Busコンソールの「トランスポート」タブを示します。
プロキシ・サービスのトランスポートを構成するには:
「メッセージ処理」ページでは、プロキシ・サービスによるメッセージ・コンテンツの処理(WS-I準拠の確認など)や、使用するXQueryバージョンを構成できます。次の図に、Oracle Service Busコンソールの「メッセージ処理」タブを示します。
プロキシ・サービスのメッセージ処理を構成するには:
プロキシ・サービスは、Oracle Web Services Manager (OWSM)ポリシーや、トランスポート・レベルおよびメッセージ・レベルのアクセス制御などの複数の方法で保護できます。プロキシ・サービスの保護の詳細は、「プロキシ・サービスの保護」および「ビジネス・サービスとプロキシ・サービスの保護」を参照してください。
プロキシ・サービスを削除すると、Service Busが制御するリポジトリ、および適切な認可プロバイダから、プロキシにより参照されるすべてのACLが削除されます。プロキシ・サービスが他のリソースで参照される場合でも、そのサービスを削除できますが、削除されたサービスに対する未解決の参照が原因で競合が生じることがあります。
Service Busでは、Web Services Inspection Language (WSIL)でのWSDLベースのプロキシ・サービスが使用可能であり、Oracle SOA Suiteでのサービス編成のためにJDeveloperでService Bus WSDLプロキシ・サービスを使用できます。
Service Bus WSILサーブレットは、Service Bus実行時環境にデプロイされているWSDLベースのプロキシ・サービスを自動的に登録します。WSIL接続をJDeveloperで作成することで、様々な階層レベル(プロジェクト、フォルダ、個々のサービスなど)にマップされる様々なURLパターンを介してそれらのプロキシ・サービスにアクセスできます。たとえば、プロジェクト・レベルのURLを使用してService Bus WSILサーブレットに接続すると、JDeveloperで、そのプロジェクトにあるすべての子フォルダとWSDLベースのプロキシ・サービスを確認できます。
次の手順は、WSIL接続をJDeveloperで作成し、SOAアプリケーションで使用するためにService Bus WSDLプロキシ・サービスからWebサービス参照を生成するプロセスを示します。
JDeveloperでWSILによってプロキシ・サービスを使用するには:
JDeveloperでSOAアプリケーションを開くか作成します。
新しいWSIL接続を作成します。
「リソース」ウィンドウで、「追加」アイコンをクリックして、「IDE接続」→「WSIL」を選択します。
「WSIL接続の作成」ダイアログで、次のようにします。
接続の名前を入力します。
命名ガイダンスについては、「Service Busコンポーネントのネーミング・ガイドライン」を参照してください。
管理者、デプロイ担当者、オペレータまたはモニターのいずれかのService Busロールの資格証明を入力します。
Service Bus WSILのURLを次のいずれかの形式で入力します。
ドメイン(すべてのプロジェクト、フォルダおよびWSDLベースのプロキシ・サービスを取得):
http://host:port/sbinspection.wsil
プロジェクト(すべての子フォルダおよびWSDLベースのプロキシ・サービスを取得):
http://host:port/sbinspection.wsil?refpath=project_name
フォルダ(1つのプロジェクト内のフォルダ、すべての子フォルダおよびWSDLベースのプロキシ・サービスを取得):
http://host:port/sbinspection.wsil?refpath=project_name/folder_path
次に例を示します。
http://localhost:7021/sbinspection.wsil?refpath=MortgageBroker/ProxyServices
プロキシ・サービス(個々のWSDLベースのプロキシ・サービスを取得):
http://host:port/sbinspection.wsil?refpath=project_name/folder_path/wsdl_proxy_service
次に例を示します。
http://localhost:7021/sbinspection.wsil?refpath=MortgageBroker/ProxyServices/loanGateway1
クラスタでは、WSILサーブレットは管理サーバーではなく管理対象サーバーにデプロイされます。URLでは管理対象サーバーのホスト名とポートを使用してください。
「接続のテスト」をクリックして、接続が有効かどうかを検証します。
「OK」をクリックします。WSIL接続が、入力したURLによって決まる階層で「リソース」ウィンドウに表示されます。
Service Bus WSDLベースのプロキシ・サービスをSOAアプリケーションで使用するには、そのプロキシ・サービスのWebサービス参照を作成します。
「コンポーネント」ウィンドウで、新しいWebサービスを作成します。「Webサービスの作成」ウィンドウで「WSDL URL」参照アイコンをクリックします。
「SOAリソース・ブラウザ」で「リソース」を選択し、前の手順で作成したWSIL接続のService Busプロキシ・サービスを選択します。
Service Bus WSDLベースのプロキシ・サービスのWebサービス参照を作成したら、SOAアプリケーションで外部参照として使用できます。
Service Bus WSILサーブレットはSBResourceサーブレットを利用します。SBResourceがデプロイ解除されると、WSIL接続は使用できなくなります。