この章では、Oracle HTTP Serverをインストールし、2つのOracle HTTP Serverインスタンスを含めることでエンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張する方法について説明します。
この章には次の項が含まれます:
この章のタスクを実行する際には、第7.4項「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」で定義されているいくつかのディレクトリ変数に次の値を入力するように求められます。
ORACLE_HOME
ASERVER_HOME
MSERVER_HOME
APPLICATION_HOME
さらに、第5.2.3項「エンタープライズ・トポロジによって必要とされる物理および仮想IPアドレス」で定義されている次の仮想IP (VIP)アドレスとホスト名を参照することになります。
ADMINVHN
SOAHOST1
SOAHOST2
WEBHOST1
WEBHOST2
次の項では、Oracle HTTP Serverインスタンスを含めて既存のドメインを拡張する準備として、Oracle HTTP Serverソフトウェアをインストールする方法について説明します。
インストール・プログラムを起動するには、次の手順を実行します。
SOAHOST1にログインします。
インストール・プログラムをダウンロードしたディレクトリに移動します。
次のコマンドを入力して、インストール・プログラムを起動します。
./fmw_12.1.3.0.0_ohs_linux64.bin
インストール・プログラムが表示されると、インストールを開始する準備が完了しています。
表11-1では、インストール・プログラムで表示される順序で画面が列挙されています。
インストール画面に関して詳細な情報が必要な場合は、画面の名前をクリックしてください。
注意: Oracle Fusion Middleware Infrastructure画面がサンプル画面として使用されており、「インストール・タイプ」画面以外のすべての画面がまったく同じものとなっています。 |
表11-1 Oracle HTTP Serverインストール画面
画面 | 説明 |
---|---|
ようこそ |
これは、製品インストーラの開始画面です。 |
インストールの場所 |
この画面を使用して、Oracleホーム・ディレクトリの場所を指定します。 エンタープライズ・デプロイメントのためには、表7-3に示すORACLE_HOME変数の値を入力します。 |
インストール・タイプ |
「同じ場所に配置されたHTTPサーバー(WebLogic Server経由で管理)」を選択します。 このインストール・タイプでは、既存のOracle WebLogic Serverドメインの一部としてOracle HTTP Serverインスタンスを構成できます。 |
前提条件のチェック |
この画面で、システムが最小限の要件を満たしているかどうかが検証されます。 警告またはエラー・メッセージが表示された場合、ホスト・コンピュータおよび必須ソフトウェアが第5.1.2項「ホスト・コンピュータのハードウェア要件」および第5.1.3項「エンタープライズ・デプロイメント・トポロジのオペレーティング・システム要件」に示すシステム要件および動作保証情報を満たしていることを確認してください。 |
インストール・サマリー |
この画面では、選択したインストール・オプションを検証します。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの名前と場所を指定します。レスポンス・ファイルは、後でサイレント・インストールに使用できます。 サイレント・インストールやコマンド行インストールの詳細は、Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストールでサイレント・モードにおけるOracle Universal Installerの使用方法に関する項を参照してください。 |
インストールの進行状況 |
この画面では、インストールの進行状況を参照できます。 |
インストール完了 |
インストールが完了すると、この画面が表示されます。画面上の情報を確認し、「終了」をクリックしてインストーラを終了します。 |
インストールが正常に完了したことを確認するために、そのOracleホーム・ディレクトリ構造を第7章「エンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備」のものと比較できます。
Oracle HTTP Serverを追加すると、Oracleホームにohs
製品ディレクトリが追加されます。
Oracle HTTP ServerソフトウェアをSOAHOST1にインストールした後、WEBHOST1とWEBHOST2のローカル記憶域デバイスにもOracle HTTP Serverをインストールする必要があります。Web層のホスト・コンピュータは、DMZに配置され、アプリケーション層の共有記憶域デバイスに必ずしもアクセスできるとは限らないため、ソフトウェアをローカルにインストールする必要があります。
さらに、SOAHOST2用に別の共有記憶域ボリュームを構成している場合は、SOAHOST2にもInfrastructureをインストールする必要があります。詳細は、第7.2項「エンタープライズ・デプロイメントをインストールおよび構成する場合の共有記憶域の推奨事項」を参照してください。
ディレクトリ構造のガイドラインを使用して、Oracle Fusion Middleware InfrastructureをWEBHOST1およびWEBHOST2にインストールします。
次の項では、初期エンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張して必須Oracle HTTP Serverインスタンスを含める方法について説明します。
注意: ドメインで起動スクリプトに直接カスタマイズを追加した場合、それらのカスタマイズは構成ウィザードによって上書きされます。ドメイン内のすべてのサーバーに適用するサーバー起動パラメータをカスタマイズするために、setUserOverrides.sh という名前のファイルを作成して、WebLogic Serverのクラスパスへのカスタム・ライブラリの追加、サーバーを実行するための追加のjavaコマンド行オプションの指定、追加の環境変数の指定などを行うように構成できます。このファイルに追加したカスタマイズは、ドメインのアップグレード操作時に保持され、pack コマンドとunpack コマンドの使用時にリモート・サーバーに継承されます。 |
構成ウィザードを起動する手順は次のとおりです。
管理サーバーを停止して、ドメインの構成時に構成のロック、保存、またはアクティブ化が行われるのを防止します。
ノード・マネージャを使用して管理サーバーを停止する手順は次のとおりです。
WLSTを起動します。
cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
./wlst.sh
構成ウィザードでドメインを作成したときに定義した、次のノード・マネージャ資格証明を使用してノード・マネージャに接続します。
wls:/offline>nmConnect('nodemanager_username','nodemanager_password', 'ADMINVHN','5556','domain_name', 'ASERVER_HOME')
注意: このユーザー名とパスワードは、ノード・マネージャとクライアントの間の接続の認証にのみ使用されます。これらは、サーバー管理IDおよびパスワードとは無関係であり、次のディレクトリにあるnm_password.properties ファイルに格納されます。
ASERVER_HOME/config/nodemanager
|
管理サーバーを停止します。
nmKill('AdminServer')
WLSTを終了します。
exit()
次のディレクトリに移動し、WebLogic Server構成ウィザードを起動します。
cdORACLE_HOME
/oracle_common/common/bin
./config.sh
この項の手順に従って、既存のInfrastructureドメインをOracle HTTP Serverインスタンスとともに更新します。
注意: Oracle HTTP Serverインスタンスを既存のドメインに追加する際に、任意の新規コンポーネントに割り当てているポートが利用可能であることを確認してください。構成ウィザードでは、ポートの自動的な割当ては実行されません。 |
「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。
「ドメインの場所」フィールドで、ASERVER_HOME変数によって表されるパスを選択します。
これは、第10章でInfrastructureドメインを構成する際に指定したものと同じドメイン・ホームの場所であり、アクティブな管理サーバーが配置されているドメイン・ホームです。
ヒント: ドメイン・ホーム・ディレクトリの詳細は、Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングでドメイン・ホームの選択に関する項を参照してください。この画面のその他のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成タイプに関する項を参照してください。 |
「テンプレート」画面で、「製品テンプレートを使用してドメインを更新(U)」が選択されていることを確認してから、Oracle HTTP Server (配置済)を選択します。これによって、「Oracle Enterprise Manager Plugin for WEBTIER - 12.1.3.0 [em]」が自動的に選択されます。
「次へ」をクリックします。
ヒント: この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のテンプレートに関する項を参照してください。 |
Infrastructureドメインに必要なFusion Middlewareスキーマを参照するためのドメインをすでに構成済であるため、すべてのフィールドが事前移入されています。
「次へ」をクリックします。
すべてのスキーマに関して、この画面における値が正しいことを確認します。前の画面で「RCUデータ」を選択した場合、スキーマ表には適切な値がすでに挿入されています。
この画面を使用して既存のデータ・ソース接続をテストします。
ヒント: この画面のその他のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のコンポーネント・スキーマのテストに関する項を参照してください。 |
トポロジのドメイン構成を更新するには、「拡張構成」画面で「システム・コンポーネント」を選択します。
「システム・コンポーネント」画面で、2つのOracle HTTP Serverインスタンスを作成します。
「追加」をクリックし、最初のOracle HTTP Serverインスタンスを作成します。
「システム・コンポーネント」フィールドで、OHS_1
を指定します。
「コンポーネント・タイプ」フィールドで、OHS
を指定します。
再起動間隔秒数: アプリケーションが応答しない場合に、再起動を試行する前に待機する秒数を指定します。
再起動遅延秒数: 再起動を再度試行する前に待機する秒数を指定します。
「追加」を再度クリックし、2つ目のOracle HTTP Serverインスタンスを作成します。
2つ目のインスタンスで、「システム・コンポーネント」フィールドにOHS_2
と入力します。
「OHSサーバー」画面を使用して、ドメイン内のOHSサーバーを構成します。
「システム・コンポーネント」ドロップダウン・メニューから最初のOracle HTTP Serverインスタンス(OHS_1
)を選択します。
「リスニング・アドレス」フィールドにWEBHOST1
と入力します。
残りのフィールドはすべて事前に移入されていますが、組織での必要に応じて値を変更できます。この画面のフィールドの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のOHSサーバーに関する項を参照してください。
「システム・コンポーネント」ドロップダウン・メニューから、OHS_2
を選択します。
「リスニング・アドレス」フィールドにWEHOST1
と入力します。
「サーバー名」フィールドを「リスニング・アドレス」と同じ値に設定します。
「マシン」画面を使用して、ドメインに2つの新しいマシンを作成します。これら2つの新しいマシンは、Oracle HTTP Serverインスタンスが常駐するWEBHOST1およびWEBHOST2ホスト・コンピュータに対応します。
「Unixマシン」タブを選択します。
「追加」ボタンをクリックし、2つの新しいUnixマシンを作成します。
表11-2の値を使用して、各マシンの名前およびノード・マネージャ・リスニング・アドレスを定義します。
「ノード・マネージャ・リスニング・ポート」フィールドのポートを確認します。
ポート番号の5556
がこの例で示されていますが、ドキュメントにあるその他の例で参照される場合があります。必要に応じて、このポート番号をご使用の独自ポート番号で置換します。
表11-2 WEBHOST1およびWEBHOST2のUnixマシンの作成時に使用する値
名前 | ノード・マネージャのリスニング・アドレス | ノード・マネージャ・リスニング・ポート |
---|---|---|
WEBHOST1 |
WEBHOST1ホスト名変数の値。例: |
5556 |
WEBHOST2 |
WEBHOST2ホスト名変数の値。例: |
5556 |
ヒント: この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のマシンに関する項を参照してください。 |
Oracle HTTP Serverインスタンスは、1つのマシンに関連付けられています。この画面を使用して、システム・コンポーネントを適切なWEBHOSTマシンに割り当てます。
「マシン」リスト・ボックスでWEBHOST1を選択します。
次のように、OHS_1
インスタンスをWEBHOST1マシンに割り当てます。
「マシン」リスト・ボックスでWEBHOST1を選択します。
「システム・コンポーネント」リスト・ボックスのOHS_1
をダブルクリックします。
次のように、OHS_2
インスタンスをWEBHOST2マシンに割り当てます。
「マシン」リスト・ボックスでWEBHOST2を選択します。
「システム・コンポーネント」リスト・ボックスのOHS_2
をダブルクリックします。
ヒント: OHSマシンを既存のマシンに関連付けしたり、新規マシンを作成したりすることができます。多くの場合、複数のホスト・コンピュータにトポロジをスケールアウトする際に、追加のマシンを作成します。詳細は、『高可用性ガイド』のトポロジのスケールアウト(マシンのスケールアウト)に関する項を参照してください。 |
「構成のサマリー」画面には、拡張しようとする構成情報の詳細が含まれます。画面上で各項目の詳細をチェックし、情報が正しいことを確認します。
変更を行う必要がある場合、「戻る」ボタンを使用するか、画面をナビゲーション・ペインで選択して、前の画面に戻ることができます。
「更新」をクリックするまで、ドメインの更新は開始されません。
ヒント: この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成サマリーに関する項を参照してください。 |
「構成に成功しました」画面で、更新されたドメイン・ホームの場所および管理サーバーのURLが表示されます。
両方の項目をメモに記録する必要があります。サーバーを起動して管理サーバーにアクセスするために必要になります。
「終了」をクリックして構成ウィザードを閉じます。
構成ウィザードを終了したら、ドメインへの変更を適用できるように、管理サーバーを起動します。
詳細は、第10.6.3項「管理サーバーの起動」を参照してください。
Oracle HTTP Serverインスタンスを含めることでドメインを拡張し、SOAHOST1上の管理サーバーを再起動したら、次のタスクを実行して、そのドメイン構成をWEBHOST1およびWEBHOST2に伝播できます。
次の手順を使用して、ドメイン構成情報(現時点ではOracle HTTP Serverインスタンスに関する構成情報も含まれる)を含むテンプレートJARファイルを作成します。
SOAHOST1にログインし、次のようにpack
コマンドを実行してテンプレートJARファイルを作成します。
cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin ./pack.sh -managed=true -domain=ASERVER_HOME -template=soadomaintemplateExtOHS.jar -template_name=soadomaintemplateExtOHS
この例では、次のようになります。
ASERVER_HOMEを、共有記憶域デバイスに作成したドメイン・ディレクトリの実際のパスに置き換えます。
soadomaintemplateExtOHS.jar
は、作成するJARファイルのサンプル名です。これには、Oracle HTTP Serverインスタンスの構成ファイルなどのドメイン構成ファイルが含まれます。
soadomaintemplateExtOHS
は、ドメイン・テンプレート・ファイルに割り当てられる名前です。
packコマンドで作成したばかりのsoadomaintemplateExtOHS.jar
ファイルの場所を書き留めます。
デフォルトでは、パック・テンプレート・ファイルは、packコマンドを実行した現在のディレクトリに作成されます。この例では、ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
ディレクトリに作成されますが、packコマンドの-template
引数の一部としてテンプレートJARファイルのフルパスを指定できます。
ヒント: packおよびunpackコマンドの詳細は、PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成のPackおよびUnpackコマンドの概要に関する項を参照してください。 |
ドメイン構成情報が含まれるディレクトリを作成する手順は次のとおりです。
WEBHOST1にログインします。
WEBHOST1のローカル記憶域にテンプレートをコピーします。
たとえば、WEBHOST1にログインして、次のコマンドを実行します。
scp SOAHOST1:ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/soadomaintemplateExtOHS.jar \ ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/
まだ作成していない場合は、WEBHOST1のローカル記憶域デバイスに管理対象サーバー・ドメインの推奨ディレクトリ構造を作成します。
第7.4項「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」の例をガイドとして使用します。
次のようにunpack
コマンドを実行して、ドメイン・ディレクトリ内のテンプレートをローカル記憶域に解凍します。
cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin ./unpack.sh -domain=MSERVER_HOME -template=soadomaintemplateExtOHS.jar -app_dir=APPLICATION_HOME -overwrite_domain=true
この例では、次のようになります。
MSERVER_HOMEを、ローカル記憶域ディスクに作成するドメイン・ホームの完全なパスに置き換えます。これは、ドメインのコピーの解凍先となる場所です。
soadomaintemplateExtOHS.jar
は、packコマンドを実行して共有記憶域デバイス上のドメインを圧縮したときに作成したテンプレートのディレクトリ・パスおよび名前です。
ヒント: packおよびunpackコマンドの詳細は、PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成のPackおよびUnpackコマンドの概要に関する項を参照してください。 |
ディレクトリを、新しく作成したMSERVER_HOMEディレクトリに変更して、ドメイン構成ファイルがWEBHOST1のローカル記憶域デバイスの適切な場所にコピーされていることを確認します。
ドメイン構成情報が含まれるディレクトリを作成する手順は次のとおりです。
WEBHOST2にログインします。
まだ作成していない場合は、WEBHOST2のローカル記憶域デバイスに管理対象サーバー・ドメインの推奨ディレクトリ構造を作成します。
第7.4項「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」の例をガイドとして使用します。
第11.4.2項の説明に従って、unpackコマンドを実行します。
ディレクトリを、新しく作成した管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリ(MSERVER_HOME)に変更して、ドメイン構成ファイルがWEBHOST2のローカル記憶域デバイスの適切な場所にコピーされていることを確認します。
ドメイン構成を両方のWeb層ホスト(WEBHOST1とWEBHOST2)に伝播したら、次のように両方のホストでOPSS構成を更新します。
これにより、Web層ホスト上のノード・マネージャがデータ層にあるデータベースへのアクセスを試みることはなくなります。
WEBHOST1にログインし、次の構成ファイルを見つけます。
MSERVER_HOME/config/fmwconfig/jps-config-jse.xml
テキスト・エディタでファイルを開いて、次の変更を行います。
<jpsContexts default="default">
を<jpsContexts default="bootstrap_credstore_context">
に置き換えます。
ファイルを保存します。
WEBHOST2上のjps-config-jse.xml
ファイルにも同様の変更を行います。
次の項では、WEBHOST1およびWEBHOST2でOracle HTTP Serverインスタンスを起動する方法について説明します。
Oracle HTTP Serverインスタンスを起動する前に、WEBHOST1およびWEBHOST2でノード・マネージャを起動する必要があります。
WEBHOST1にログインし、次のディレクトリに移動します。
MSERVER_HOME/bin
出力ファイルとしてnohup
およびnm.out
を使用して、次のようにノード・マネージャを起動します。
nohup ./startNodeManager.sh > nm.out&
WEBHOST2にログインし、手順1および2を実行します。
ノード・マネージャのその他の構成オプションについては、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』を参照してください。
Oracle HTTP Serverインスタンスを起動するには、次の手順を行います。
ブラウザに次のURLを入力し、Fusion Middleware Controlログイン画面を表示します。
http://ADMINVHN:7001/em
この例では、次のようになります。
ADMINVHNを、第5.3項「エンタープライズ・デプロイメント用のソフトウェア・ダウンロードの特定と取得」でADMINVHN仮想IPアドレスに割り当てたホスト名に置き換えます。
ポート7001は、管理サーバー・コンソールおよびFusion Middleware Controlで一般的に使用されるポートです。ただし、ドメインを作成したときに構成ウィザードのセッションの終わりに表示された実際のURLを使用する必要があります。
管理サーバー資格証明を使用してFusion Middleware Controlにログインします。
ナビゲーション・ペインで「HTTP Server」フォルダを開きます。
起動するOHSインスタンスを選択して(例: OHS_1
)、パネル上部の「起動」をクリックします。
ヒント: Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用したOracle Fusion Middlewareの管理の詳細は、『Fusion Middleware ControlによるOracle Fusion Middlewareの管理』を参照してください。 |
他のツールおよび手順については、『Oracle HTTP Serverの管理』のOracle HTTP Serverインスタンスの起動に関する項を参照してください。
次の各項では、管理サーバーとOracle Web Services Manager (WSM)管理対象サーバーにリクエストをルーティングするようにOracle HTTP Serverインスタンスを構成する方法を説明します。
次の各項では、エンタープライズ・デプロイメントのOracle HTTP Server構成に必要な変更に関する概要情報を提供します。
WebLogicドメインにOracle HTTP Server 12cを構成すると、Oracle HTTP Server構成ファイルはOracle WebLogic Serverによって管理されます。
その結果、管理サーバー・ドメイン・ホームで構成ファイルを編集して、Oracle HTTP Serverインスタンスの構成ファイルを変更する必要があります。管理サーバーを再起動すると、Oracle WebLogic Serverが自動的に構成の変更を他のドメイン・マシンに伝播します。
このガイドの参照用トポロジでは、ハードウェア・ロード・バランサで一連の仮想サーバーを定義することが必要になります。ロード・バランサ仮想サーバーの説明は、第6.1.3項「Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメントに必要な仮想サーバーのサマリー」に記述されています。
この章では、Oracle HTTP Serverインスタンスの構成ファイルに<VirtualHost>
ディレクティブを追加して、(ロード・バランサ仮想サーバーにマップされた)個別の仮想ホストへのリクエストを認識するようにOracle HTTP Serverを構成します。
各Oracle HTTP Server仮想ホストについては、後で、ロード・バランサからOracle HTTP Serverインスタンスを経由してOracle WebLogic Serverドメイン内の該当する管理サーバーまたは管理対象サーバーにリクエストをルーティングする特定のURL (またはコンテキスト文字列)のセットを定義します。
Oracle HTTP Serverの<VirtualHost>
ディレクティブのキー・パラメータは、Oracle HTTP ServerのWebLogicプロキシ・プラグインの一部であるWebLogicCluster
パラメータです。エンタープライズ・デプロイメント用にOracle HTTP Serverを構成する場合は、Oracle HTTP Server構成ファイルにこのパラメータを追加するときに次の情報を考慮してください。
WebLogicCluster
パラメータで指定したサーバーは、起動時のプラグインに対してのみ重要な役割を持ちます。このノードのリストには、実行しているクラスタ・メンバーを1つ以上記述しておく必要があります。記述しておかないと、このプラグインで他のクラスタ・メンバーを検出できません。Oracle HTTP Serverの起動時には、リストに記述したクラスタ・メンバーを実行している必要があります。Oracle WebLogic Serverとこのプラグインの連携により、クラスタに発生した新規のクラスタ・メンバー、失敗したクラスタ・メンバーおよびリカバリしたクラスタ・メンバーを反映してサーバーのリストが自動的に更新されます。
例としていくつかのシナリオを示します。
例1: 2つのノードで構成したクラスタに3番目のメンバーを追加する場合、そのメンバーを追加するために構成を更新する必要はありません。3番目のメンバーは、実行時にその場で検出されます。
例2: クラスタは3つのノードで構成されていても、構成に記述されているノードはそのうちの2つのみであるとします。Oracle HTTP Serverを起動するときにこの2つのノードが両方とも停止していると、プラグインはクラスタを検出できません。Oracle HTTP Serverを起動するときは、リストに記述したノードを1つ以上実行している必要があります。
クラスタのメンバーをすべてリストに記述した場合は、Oracle HTTP Serverの起動時にそのうちの1つ以上を実行しておくことで、クラスタに確実に到達できます。
httpd.confファイルに複数の仮想ホスト定義を追加するのではなく、デプロイする製品に必要な各仮想サーバーに対してより小さくより具体的な別個の構成ファイルを作成することをお薦めします。そうすることで、すでに大きなhttpd.confファイルに追加のコンテンツを移入するのを回避できます。また、構成の問題のトラブルシューティングが容易になることがあります。
たとえば、通常のOracle Fusion Middleware Infrastructureドメインでは、admin_vh.confという名前の特定の構成ファイルを追加できます。この構成ファイルには、管理サーバー仮想ホスト(ADMINVHN)の仮想ホスト定義が含まれています。
次のタスクを実行して、エンタープライズ・トポロジに必要な追加の仮想ホストのhttpd.confファイルを準備します。
SOAHOST1にログインします。
管理サーバー・ドメイン・ディレクトリで最初のOracle HTTP Serverインスタンス(OHS_1)のhttpd.conf
ファイルを見つけます。
cd ASERVER_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/OHS_1/
テキスト・エディタでhttpd.conf
ファイルを開いて、次の変更を行います。
httpd.confファイルで次のエントリを見つけます。
#NameVirtualHost *:80
行頭にあるコメント文字(#)を削除し、NameVirtualHost
ディレクティブの値としてWEBHOST1:7777
を追加します。
NameVirtualHost WEBHOST1:7777
httpd.conf
にmoduleconf
サブディレクトリのすべての*.conf
ファイルをインクルードするINCLUDE
文があることを確認します。
include "moduleconf/*.conf"
この文により、各コンポーネントに対して個別に仮想ホスト・ファイルを作成することが可能になり、仮想ホスト定義の更新、維持およびスケールアウトが容易になります。
httpd.conf
ファイルを保存します。
管理サーバー・ドメイン・ディレクトリで2つ目のOracle HTTP Serverインスタンス(OHS_2)を更新できるように、ディレクトリを次の場所に変更します。
cd ASERVER_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/OHS_2/
テキスト・エディタでhttpd.conf
ファイルを開いて、手順3で行ったのと同様の変更を行います。
管理サーバーおよびWLS_WSM管理対象サーバー用の仮想ホスト構成ファイルを作成する手順は次のとおりです。
SOAHOST1にログインし、ディレクトリを最初のOracle HTTP Serverインスタンス(OHS_1)の構成ディレクトリに変更します。
cd OHS_ADMIN_CONF_DIR/moduleconf
admin_vh.conf
ファイルを作成し、次のディレクティブを追加します。
<VirtualHost WEBHOST1:7777> ServerName admin.example.com:80 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit </VirtualHost>
soainternal_vh.conf
ファイルを作成し、次のディレクティブを追加します。
<VirtualHost WEBHOST1:7777> ServerName soainternal.example.com:80 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit </VirtualHost>
admin_vh.conf
ファイルおよびsoainternal_vh.conf
ファイルを2つ目のOracle HTTP Serverインスタンス(OHS_2)の構成ディレクトリにコピーします。
cd OHS_ADMIN_CONF_DIR/moduleconf
admin_vh.conf
ファイルおよびsoainternal_vh.conf
ファイルを編集して、<VirtualHost>
ディレクティブ内のWEBHOST1への参照をWEBHOST2への参照に変更します。
管理サーバーを再起動します。
管理サーバーの起動後に、WEBHOST1とWEBHOST2の両方で次のディレクトリのファイルを調べて、それらのファイルにAdministration Server管理サーバー・ドメイン・ディレクトリで行った変更が含まれていることを確認します。
MSERVER_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/instances/OHS_1/
MSERVER_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/instances/OHS_2/
両方のOracle HTTP Serverを再起動します。
ロード・バランサから次のURLにアクセスして、ロード・バランサとOracle HTTP Serverが正しく構成されていることを確認します。これらのURLは、Oracle HTTP Server 12cの初期Webページを示しています。
http://admin.example.com/index.html
http://soainternal.example.com/index.html
Oracle HTTP Serverが管理サーバーと、WLS_WSM管理対象サーバーが含まれているWSM-PM_Clusterにルーティングできるようにするには、一連の<Location>
ディレクティブを追加して、WebLogicCluster
パラメータをクラスタ内のノードのリストに追加する必要があります。
WebLogicCluster
パラメータを設定する手順は次のとおりです。
SOAHOST1にログインし、ディレクトリを次の場所に変更します。
OHS_ADMIN_CONF_DIR/moduleconf
次のディレクティブをadmin_vh.conf
ファイルの<VirtualHost>
タグ内に追加します。
# Admin Server and EM <Location /console> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> <Location /consolehelp> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> <Location /em> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location>
admin_vh.conf
ファイルは、例1のように表示されます。
次のディレクティブをsoainternal_vh.conf
ファイルの<VirtualHost>
タグ内に追加します。
# WSM-PM <Location /wsm-pm> SetHandler weblogic-handler WebLogicCluster SOAHOST1:7010,SOAHOST2:7010 WLProxySSL ON WLProxySSLPassThrough ON </Location>
soainternal_vh.conf
ファイルは、例2のように表示されます。
この例のWebLogicClusterパラメータの詳細は、第11.7.1.3項を参照してください。
管理サーバーを再起動します。
両方のOracle HTTP Serverインスタンスを再起動します。
<VirtualHost WEBHOST1:7777> ServerName admin.example.com:80 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit # Admin Server and EM <Location /console> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> <Location /consolehelp> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> <Location /em> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> </VirtualHost>
このファイルの内容:
<VirtualHost WEBHOST1:7777> ServerName soainternal.example.com:80 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit # WSM-PM <Location /wsm-pm> SetHandler weblogic-handler WebLogicCluster SOAHOST1:7010,SOAHOST2:7010 </Location> </VirtualHost>
この章で行った変更を確認する手順は次のとおりです。
次のハードウェア・ロード・バランサへのURLを使用してOracle WebLogic Server管理コンソールを表示し、Oracle WebLogic Server管理者資格証明を使用してログインします。
http://admin.example.com/console
これによって、ロード・バランサ上のadmin.example.com仮想ホストがWeb層のOracle HTTP Serverインスタンスにリクエストをルーティングでき、さらに、このOracle HTTP ServerインスタンスがOracle WebLogic Server管理コンソールのリクエストをアプリケーション層の管理サーバーにルーティングできることが検証されます。
同様に、類似したURLを使用してFusion Middleware Controlにアクセスできます。
http://admin.example.com/em
Fusion Middleware Controlにログインした後、「ターゲット・ナビゲーション」でOracle HTTP Serverインスタンスを表示して、Oracle HTTP Serverインスタンスが正常に構成されていることを確認します。
「ターゲット・ナビゲーション」ペインで、「HTTP Server」フォルダを開きます。
いずれかのOracle HTTP Serverインスタンスをクリックして、HTTP Serverホーム・ページを表示します。
インスタンスが稼働しており使用可能であることを確認します。
次のURLを使用して、Oracle Web Services ManagerのURLを検証します。
http://soainternal.example.com/wsm-pm