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Oracle® Fusion Middleware Oracle SOAコア拡張機能開発者ガイド
12c (12.1.3)
E54313-02
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12 インバウンドB2B統合フローの開発と実装の概要

この章では、インバウンドB2B統合フローの開発と実装の概要を示し、B2Bドキュメントの識別方法と要件の分析方法、AIA B2Bインタフェースへのインバウンド・ルーティング・ルールの追加、新しいリクエスタB2Bコネクタ・サービスの開発、既存のエンタープライズ・ビジネス・サービスの開発または拡張、既存のリクエスタABCSの開発または拡張、Oracle B2Bの構成、取引パートナ・アグリーメントの定義、AIAサービスのデプロイと構成、最後にテスト方法および稼働方法について説明します。

この章では、以下のトピックについて説明します。

12.1 インバウンドB2B統合フローの開発と実装の概要

図12-1に、Oracle Application Integration Architecture (AIA)を使用した、アプリケーションから取引パートナへの単純なインバウンド企業間(B2B)フローの開発に含まれる高度なステップを示します。

図12-1 単純なインバウンドB2Bフローの開発と実装の高度なステップ

この図については本文で説明しています。

前述のステップの大部分は、「アウトバウンドB2B統合フローの開発と実装」で説明しています。この章は、適用可能な場合は常に参照されます。

12.2 ステップ1: B2Bドキュメントの識別および要件の分析

図12-2に示すように、インバウンドB2Bフローの作成の最初のステップでは、フローで生成する必要があるB2Bドキュメントを識別します。このステップの一環として、フローをサポートするために作成または拡張する必要があるAIAサービスの要件を分析することも必要です。

図12-2 ステップ1: B2Bドキュメントの識別およびサービス要件の分析

この図については本文で説明しています。

アウトバウンドB2Bドキュメント・フローのこのステップとインバウンドB2Bドキュメント・フローのこのステップは、次の点のみ異なります。

  1. マッピングのソースとターゲットが逆です。取引パートナから受信するB2Bドキュメントは、マッピングのソースです。AIAエンタープライズ・ビジネス・メッセージ(EBM)は、マッピングのターゲットです。

  2. このステップの終了時には、次のようになります。

    1. B2BドキュメントがOracle B2Bに定義されています。

    2. B2BドキュメントのXMLスキーマがAIAメタデータ・リポジトリにアップロードされています。

    3. 統合で使用されるエンタープライズ・ビジネス・オブジェクト(EBO)およびEBMが識別されています。

    4. B2BドキュメントとAIA EBM間の機能マッピングが完了しています。

B2Bドキュメントの識別および要件の分析の詳細は、「ステップ1: B2Bドキュメントの識別および要件の分析」を参照してください。

12.3 ステップ2: AIA B2Bインタフェースへのインバウンド・ルーティング・ルールの追加

図12-3に示すように、インバウンドB2Bフロー作成の次のステップでは、ルーティング・ルールをAIAB2BInterfaceインフラストラクチャ・サービスに追加します。

図12-3 ステップ2: AIA B2Bインタフェースへのインバウンド・ルーティング・ルールの追加

この図については本文で説明しています。

図12-4に示すように、インバウンドB2Bドキュメント・フローでは、AIAB2BInterfaceサービスが、Oracle B2Bで受信する新しいB2Bドキュメントをリスニングして、リクエスタB2Bサービスにルーティングします。

図12-4 新しいB2BドキュメントをリクエスタB2BサービスにルーティングするOracle B2B

この図については本文で説明しています。

AIA B2Bインタフェース・コンポジットには、Oracle B2Bによって処理される新しいインバウンドB2BドキュメントをリスニングするJMSアダプタがあります。Oracle B2Bの取引パートナ・アグリーメントは、インバウンドB2BドキュメントをAIA_B2B_IN_QUEUEのJMSキューにルーティングするように構成されています。

AIA B2Bインタフェースは、インバウンドB2BドキュメントのB2Bドキュメント・タイプを識別して、そのドキュメントをB2Bドキュメントを処理するリクエスタB2Bコネクタ・サービス(B2BCS)実装にルーティングします。

たとえば、B2Bドキュメント・タイプがOAG_Process請求書の場合、AIA B2Bインタフェースは、このドキュメントをOAGProcessInvoiceRequesterB2BCSImplサービスにルーティングします。

リクエスタB2BCS実装への入力は、B2BM要素です。B2BM要素は、AIAComponents/EnterpriseObjectLibrary/Infrastructure/V1/Meta.xsdファイルで定義されます。

ここに示すように、AIA B2Bインタフェースは、Oracle B2Bから受信したB2BドキュメントからB2BM要素を作成します。

  • /corecom:B2BM /corecom:B2BMHeader /corecom:B2BMID

    • マップ元: B2BドキュメントのJMSヘッダー・プロパティのMSG_ID

    • 説明: インバウンドB2Bドキュメント用にOracle B2Bによって生成される一意の識別子。

      このフィールドは、AIAフローをOracle B2Bの対応するトランザクションに関連付けます。

    • 例: 5602359000000

  • /corecom:B2BM /corecom:B2BMHeader /corecom:B2BDocumentType /corecom:TypeCode

    • マップ元: DOCTYPE_NAME

    • 説明: Oracle B2Bによって識別されるインバウンド・ドキュメントのドキュメント・タイプ。

    • 例: OAG_PROCESS_INVOICE

  • /corecom:B2BM /corecom:B2BMHeader /corecom:B2BDocumentType /corecom:Version

    • マップ元: DOCTYPE_REVISION

    • 説明: Oracle B2Bによって識別されるインバウンド・ドキュメントのドキュメント・リビジョン。

    • 例: 9.0

  • /corecom:B2BM /corecom:B2BMHeader /corecom:SenderTradingPartner /corecom:TradingPartnerID

    • マップ元: FROM_PARTY

    • 説明: B2Bドキュメントのソース(送信元)取引パートナ。

      この値は、Oracle B2Bで定義される取引パートナ名です。

    • 例: GlobalChips

  • /corecom:B2BM /corecom:B2BMHeader /corecom:ReceiverTradingPartner /corecom:TradingPartnerID

    • マップ元: TO_PARTY

    • 説明: インバウンドB2Bドキュメントの送信先である宛先(送信先)取引パートナ。

      この値は、Oracle B2Bで定義される取引パートナ名です。

    • 例: Acme

  • /corecom:B2BM /corecom:Payload

    • マップ元: JMSペイロード

    • 説明: 取引パートナによって送信されたB2Bドキュメントを含む実際のJMSテキスト・ペイロード。

    • 例: <?xml version="1.0"?> <PROCESS_INVOICE_002> <CONTROLAREA>…

12.3.1 AIA B2Bインタフェースへの新しいルーティング・ルールの追加方法

新しいルーティング・ルールをAIA B2Bインタフェースに追加する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle JDeveloperを使用して、$AIA_HOME/Infrastructure/B2B/AIAB2BInterfaceApp/AIAB2BInterfaceApp.jwsアプリケーションを開きます。

  2. 図12-5に示すように、Oracle JDeveloperを使用してcomposite.xmlファイルを開きます。

    図12-5 Oracle JDeveloperのcomposite.xml

    この図については本文で説明しています。
  3. 図12-6に示すように、新しいサービス参照を新しいインバウンドB2Bドキュメント・タイプを処理するリクエスタB2BCSに追加します。このマニュアルの次の項では、リクエスタB2BCSの開発方法について説明します。

    図12-6 新しいインバウンドB2Bドキュメント・タイプを処理するリクエスタB2BCSへの新しいサービス参照の追加

    この図については本文で説明しています。
  4. 図12-7に示すように、コンポジットのReceive B2BMメディエータ・コンポーネントから新しく追加したサービスへの接続を追加します。

    図12-7 コンポジットのReceive B2BMメディエータ・コンポーネントから新しく追加したサービスへの接続の追加

    この図については本文で説明しています。
  5. 接続のソースとしてメディエータ操作のReceiveB2BMessageを、ターゲットとしてターゲットのリクエスタB2BCSによって公開される操作を選択します。変更を保存します。

  6. 図12-8に示すように、ProcessInbound.mplanファイルを開きます。

    図12-8 ProcessInbound.mplan

    この図については本文で説明しています。
  7. 図12-9に示すように、composite.xmlファイルに追加したサービス参照を使用して、リクエスタB2BCSを呼び出す新しいルーティング・ルールを追加します。

    図12-9 リクエスタB2BCSを呼び出す新しいルーティング・ルール

    この図については本文で説明しています。
  8. 新しいルーティング・ルールをReceiveB2BMessage操作に追加します。

  9. 新しく追加したルーティング・ルールのフィルタ操作を編集します。B2Bドキュメント・タイプに基づいてフィルタを定義します。たとえば、図12-10のルーティング・フィルタでは、EDI X12 Process受注ドキュメントがX12 ProcessSalesOrderのB2BCS実装にルーティングされます。

    図12-10 EDI X12 Process受注ドキュメントをProcessSalesOrderのB2BCS実装にルーティングするルーティング・フィルタ

    この図については本文で説明しています。
  10. 変更を保存します。

  11. 変更したSOAコンポジット・アプリケーションをデプロイします。

12.4 ステップ3: 新しいリクエスタB2Bコネクタ・サービスの開発

この項には次のトピックが含まれます:

図12-11に示すように、次のステップでは、アウトバウンドB2B統合フローをサポートするリクエスタB2BCSを開発します。

図12-11 ステップ3: 新しいリクエスタB2Bコネクタ・サービスの開発

この図については本文で説明しています。

リクエスタB2BCSは、リクエスタ・アプリケーション・ビジネス・コネクタ・サービス(ABCS)と類似していますが、アプリケーションと統合するかわりにOracle B2Bを使用して取引パートナと統合する点のみが異なります。したがって、ABCS (リクエスタおよびプロバイダ)の設計と開発をよく理解することをお薦めします。

ABCSの開発の詳細は、「ABCSの作成」を参照してください。

12.4.1 リクエスタB2Bコネクタ・サービスの概要

リクエスタB2BCSによって提供される主要な機能は、次のタスクを実行することでインバウンドB2Bドキュメント統合を可能にすることです。

  • Oracle B2Bから取引パートナが送信したB2Bドキュメントを受信します。

  • B2BドキュメントをAIA EBMに変換します。

  • リクエスト・ペイロードとしてEBMを使用して、AIAのエンタープライズ・ビジネス・サービス(EBS)を呼び出します。

図12-12に、単純なファイア・アンド・フォーゲットのメッセージ交換パターンベースのプロバイダB2BCSで実行される処理を示します。

図12-12 単純なファイア・アンド・フォーゲットのメッセージ交換パターンベースのプロバイダB2BCSのプロセス・フロー

この図については本文で説明しています。

次の各項では、B2BCSの開発手順について説明します。

12.4.2 メッセージ交換パターンの識別方法

アウトバウンドB2Bフローと同様に、ほとんどのインバウンドB2Bフローは、ファイア・アンド・フォーゲットのメッセージ交換パターンを使用してモデル化できます。

取引パートナに送信するレスポンスは、個々のアウトバウンド・ファイア・アンド・フォーゲット・フローを使用してモデル化できます。

また、Oracle B2Bでは、関連するプロトコルに基づいて確認または確認メッセージを取引パートナに自動的に送信するように構成できます。

詳細は、「メッセージ交換パターンの識別方法」を参照してください。

メッセージ交換パターンの識別の詳細は、「MEPの識別」を参照してください。

12.4.3 B2BCSサービス・コントラクトの開発方法

最初に、リクエスタB2BCSのサービス・コントラクト(WSDL)を定義します。プロバイダB2BCSのサービス・コントラクトでは、AIAフローによる呼出し方法を指定します。サービス・コントラクトでは、実装するB2B操作および入力リクエスト・メッセージとして処理できるB2Bドキュメント・タイプを指定します。

ABCSに対するWSDLの作成方法の詳細は、「ABCSコントラクトの定義」を参照してください。

次に、B2BCSのWSDL定義での使用に対して推奨される命名規則を示します。

  • WSDLファイル名:

    • ネーミング・ガイドライン: <B2B標準><動詞><EBO>ReqB2BCSImpl.wsdl

    • 例: X12ProcessSalesOrderReqB2BCSImpl.wsdl

  • サービス・ネームスペース:

    • http://xmlns.oracle.com/B2BCSImpl/{Core|Industry/<業種名> }/<B2B標準><動詞><EBO>ReqB2BCSImpl/<ABCSバージョン>

    • 例: http://xmlns.oracle.com/B2BCSImpl/Core/X12ProcessSalesOrderProvB2BCSImpl/V1

      ABCSサービス・バージョンは、B2Bのドキュメント/標準バージョンとは無関係です。

      AIAサービスのバージョニングに対する推奨の詳細は、「ABCSのバージョニング」を参照してください。

  • サービス名:

    • ネーミング・ガイドライン: <B2B標準><動詞><EBO>ReqB2BCSImpl

    • 例: X12ProcessSalesOrderProvB2BCSImpl

  • ポート・タイプ名:

    • ネーミング・ガイドライン: <B2B標準><動詞><EBO> ReqB2BCSImplService

    • 例: X12ProcessSalesOrderProvB2BCSImplService

  • 操作名:

    • <動詞><EBO>

    • ProcessSalesOrder

  • リクエスト・メッセージ名:

    • <動詞><EBO>ReqMsg

    • ProcessSalesOrderReqMsg

12.4.4 Oracle Metadata Services RepositoryへのWSDLの格納方法

SOAのベスト・プラクティスとして、WSDLやXSDファイルなどのすべての共有サービス・アーティファクトを複数のサービスによってアクセス可能な中央の場所に格納することをお薦めします。

AIA共有のアーティファクトのすべては、Oracle Metadata Services (MDS)リポジトリに格納します。MDSへの共有アーティファクトの格納によって、アーティファクトへのグローバルなアクセスが可能になる以外に、AIAでキャッシュおよびクラスタリングをサポートするMDSの機能を利用できます。

プロバイダB2BCSのWSDLは、MDSの/apps/AIAMetaData/AIAComponents/B2BServiceLibrary/Connectors/wsdls/ <B2B_STANDARD> /ProviderB2BCS/ <バージョン> / <B2B_STANDARD> <動詞> <オブジェクト> ReqB2BCSImpl.wsdlの場所に格納します。

WSDLをMDSに格納する手順は、次のとおりです。

  1. 作成したWSDLを次の場所にコピーします。$AIA_HOME/aia_instances/$INSTANCE_

    NAME/AIAMetaData/AIAComponents/B2BServiceLibrary

    /Connectors/wsdls/<B2B_STANDARD>/RequesterB2BCS

    /<バージョン>/<wsdlファイル>.wsdl

  2. $AIA_HOME/aia_instances/$INSTANCE_NAME/config/に存在するUpdateMetaDataDP.xmlファイルを実行します。

  3. MDSへのSOA-MDSサーバー接続を使用して、図12-13に示すように、AIAメタデータが表示されていることを確認します。

    図12-13 MDSのAIAメタデータ

    この図については本文で説明しています。
  4. これで、/apps/AIAMetaData/AIAComponents/B2BServiceLibrary/ Connectors/wsdls/EDI_X12/RequesterB2BCS/V1/ X12ProcessSalesOrderProvB2BCSImpl.wsdlのようなURLを使用して、WSDLにアクセスできます。

12.4.5 B2Bコネクタ・サービスの開発方法

このプロセスの次のステップでは、B2BCSを開発します。前のステップで作成したリクエスタB2BCSのWSDLは、具象B2BCSの開発時にインタフェースとして使用します。

B2BCSの開発には、Oracle JDeveloperを使用します。前のステップで作成した抽象WSDLに基づいて、BPELプロセスを含むコンポジットを開発します。

次に、B2BCS実装のBPELで開発する必要がある主要アクティビティを示します。

B2Bコネクタ・サービスを開発する手順は、次のとおりです。

  1. BPELコンポーネントを含むSOAプロジェクトが格納されたSOAコンポジット・アプリケーションを作成します。

  2. 前のステップで作成したWSDLをSOAコンポジットのインタフェースとして選択します。

  3. 表12-1に、SOAアプリケーションとプロジェクトの作成に使用する値を示します。


    表12-1 SOAアプリケーションとプロジェクトの作成に使用する値

    アクティビティ

    アプリケーション名

    <B2B標準> <動詞> <EBO> ReqB2BCSApp

    プロジェクト名

    <B2B標準> <動詞> <EBO> ReqB2BCSImpl

    プロジェクト・ネームスペース

    http://xmlns.oracle.com/B2BCSImpl/Core/ <標準> <動詞> <オブジェクト> ReqB2BCSImpl/V1

    (B2BCSのWSDLのネームスペースと同じ)

    コンポジット名

    <B2B標準> <動詞> <EBO> ReqB2BCSImpl

    コンポジット・テンプレート

    BPELを含むコンポジット

    BPELプロセス名

    <B2B標準> <動詞> <EBO> ReqB2BCSImpl

    ネームスペース

    http://xmlns.oracle.com/B2BCSImpl/Core/ <標準> <動詞> <オブジェクト> ReqB2BCSImpl/V1

    (B2BCSのWSDLのネームスペースと同じ)

    テンプレート

    WSDLに基づく

    WSDL URL

    MDSから参照されるB2BCSサービスのWSDLのURL


  4. 変数<B2BM>_Varを定義します。

    これは、BPELプロセスへの入力変数で、receiveアクティビティで使用されます。

    Meta.xsdで定義したcorecom:B2BMグローバル要素に基づいて変数を定義します。

  5. corecom:EBMHeaderタイプの変数EBM_HEADERを定義します。

    この変数は、AIAプロセス・コンテキスト情報の格納に使用されたり、フォルト処理メカニズムで使用されます。

    Meta.xsdで定義したcorecom:B2BMグローバル要素に基づいて変数を定義します。

  6. corecom:B2BMHeaderタイプの変数B2BM_HEADERを定義します。

    この変数は、B2B固有のAIAプロセス・コンテキスト情報の格納に使用されたり、フォルト処理メカニズムで使用されます。

    Meta.xsdで定義したcorecom:B2BMHeaderグローバル要素に基づいて変数を定義します。

  7. 外部のB2BDocument定義を使用して、変数 <B2BDoc>_Varを定義します。

    これは、EBMからの変換のソースとして使用されます。次に、この値は<B2BDoc>B2BM_Var/Payloadに割り当てられます。

  8. EBSに対するパートナ・リンクを定義します。

    これは、リクエスタB2BCSによって呼び出されるAIA EBSです。

    抽象EBSのWSDLは、/apps/AIAMetaData/AIAComponents/EnterpriseBusinessServiceLibrary/Core/<EBO>/V<x>/<EBO名>.wsdlから参照できます。

  9. EBMをB2Bドキュメントに変換します。

    transformアクティビティを使用して、EBMをB2Bドキュメント形式に変換します。前のステップで作成したマッピングごとに開発されたXSLTを呼び出します。

  10. ここに示すように、B2B固有のEBMHeader変数を割り当てます。

    • 要素: corecom:EBMHeader/corecom:B2BProfile/corecom:SenderTradingPartner/corecom:TradingPartnerID

      ソースのB2BM XPATH: corecom:B2BM/corecom:B2BMHeader/corecom:SenderTradingPartner/corecom:TradingPartnerID

    • 要素: corecom:EBMHeader/corecom:B2BProfile/corecom:ReceiverTradingPartner/corecom:TradingPartnerID

      ソースのB2BM XPATH: corecom:B2BM/corecom:B2BMHeader/corecom:ReceiverTradingPartner/corecom:TradingPartnerID

    このように、Oracle B2Bによって識別された送信者および受信者の取引パートナ情報は、EBMに渡されます。

  11. EBSを呼び出します。

    AIA EBSを呼び出してEBMを処理します。

  12. BPELプロセスをコンパイルして、エラーが発生していないことを確認します。Oracle JDeveloperを使用すると、BPELプロセスをSOAコア拡張機能がインストールされている開発サーバーにデプロイできます。

12.4.6 B2Bコネクタ・サービスの注釈付け方法

B2BCSに関する主要メタデータをプロジェクト・ライフサイクル・ワークベンチおよびOracle Enterprise Repositoryで使用できるようにするには、特定の方法でB2BCS実装SOAコンポジットのcomposite.xmlファイルに注釈付けする必要があります。

リクエスタB2Bコネクタ・サービスに注釈付けする手順は、次のとおりです。

  1. 表12-2に、後で説明するサービス要素composite.xmlに追加する必要がある注釈を示します。


    表12-2 composite.xmlのサービス注釈要素

    Annotation Element 説明

    AIA/Service/InterfaceDetails/Service Operation

    <動詞><EBO名>

    ProcessSalesOrder

    AIA/Service/ImplementationDetails/ArtifactType

    RequesterB2BCSImplementation

    RequesterB2BCSImplementation

    AIA/Service/ImplementationDetails/ServiceOperation/Name

    <動詞><EBO名>

    ProcessSalesOrder

    AIA/Service/ImplementationDetails/B2BDocument

    このB2BCSで処理されるB2Bドキュメント・タイプ

    850

    AIA/Service/ImplementationDetails/B2BDocumentVersion

    このB2BCSで処理されるB2Bドキュメント・バージョン

    4010

    AIA/Service/ImplementationDetails/B2BStandard

    このB2BCSで処理されるB2B標準

    X12

    AIA/Service/ImplementationDetails/B2BStandardVersion

    このB2BCSで処理されるB2B標準バージョン

    4010


    図12-14に示したXMLスニペットは、X12ProcessSalesOrderReqB2BCSImpl composite.xmlと呼ばれる注釈が付いたB2BCSの例です。

    図12-14 X12ProcessSalesOrderReqB2BCSImpl composite.xmlと呼ばれる注釈が付いたB2BCSのスニペットの例

    この図については本文で説明しています。
  2. composite.xmlでは、このB2BCSによって呼び出されるAIA EBSへの参照にも注釈が付けられる必要があります。表12-3に、注釈要素を示します。


    表12-3 B2BCSによって呼び出されるAIA EBSの参照に使用されるcomposite.xmlの注釈

    Annotation Element 説明

    AIA/Reference/ArtifactType

    EnterpriseBusinessServiceという値を入力します

    EnterpriseBusinessService

    AIA/Reference/ServiceOperation/Name

    EBS操作名

    ProcessSalesOrder


    図12-15に、composite.xmlに表示された注釈を示します。

    図12-15 composite.xmlで注釈が付けられたB2BCSによって呼び出されるAIA EBSへの参照

    この図については本文で説明しています。

    $AIA_HOME/Infrastructure/B2B/src/B2BConnectors/EDIX12B2BCSApp/X12Process SalesOrder ReqB2BCSImpl/composite.xmlファイルには、参照用にサンプルのリクエスタB2BCS実装の注釈が格納されています。

12.4.7 取引パートナ固有のバリアントのサポート方法

取引パートナ固有の処理に対するサポートは、プロバイダB2BCSに作成した方法と同様の方法でリクエスタB2BCSに作成できます。

B2BCSにおける取引パートナ固有のサポートの作成方法の詳細は、「取引パートナ固有のバリアントのサポート方法」を参照してください。

12.4.8 エラー処理の有効化方法

AIAサービスでエラー処理およびリカバリを有効化する方法の詳細は、Oracle Application Integration Architecture Foundation Packインフラストラクチャ・コンポーネントとユーティリティ・ユーザーズ・ガイドのエラー処理の設定に関する項を参照してください。

簡潔に示すと、次の手順を実行する必要があります。

  • fault-policy.xmlをB2BCSコンポジットに関連付けます。

  • 図12-16および図12-17に示すように、ビジネス・フォルトに対してAIAAsyncErrorHandlingBPELProcessを呼び出します。

図12-16 AIAAsyncErrorHandlingBPELProcessを呼び出すように定義されたB2BCSコンポジット

この図については本文で説明しています。

図12-17 AIAAsyncEHServiceの呼出し

この図については本文で説明しています。

表12-4に示すように、AIAAsyncErrorHandlingBPELProcessを呼び出す際に、フォルト・スキーマのB2B固有の要素を入力できます。


表12-4 AIAAsyncErrorHandlingBPELProcessによって入力可能なフォルト・スキーマのB2B固有要素

フォルト要素スキーマ 説明

Fault/B2BMReference/B2BMID

B2Bドキュメントの一意の識別子

13232325

Fault/B2BMReference/B2BDocumentType/TypeCode

リクエスタB2BCSによって処理されるB2Bドキュメントのドキュメント・タイプ

855

Fault/B2BMReference/B2BDocumentType/Version

リクエスタB2BCSによって処理されるB2Bドキュメントのドキュメント・バージョン

4010

Fault/B2BMReference/B2BDocumentType/TypeCode/@listAgencyID

リクエスタB2BCSによって処理されるB2Bドキュメントの標準

X12

Fault/B2BMReference/GatewayID

使用されるB2Bソフトウェアの名前

Oracle B2B

Fault/B2BMReference/SenderTradingPartner/TradingPartnerID

B2BMからマップされる送信側取引パートナ

MyCompany

Fault/B2BMReference/ReceiverTradingPartner/TradingPartnerID

B2BMからマップされる受信側取引パートナ

Global


図12-18に、corecom:FaultのB2B固有要素を示します。

図12-18 corecom:FaultでのB2B固有の要素

この図については本文で説明しています。

フォルト・インスタンスで使用可能で、失敗したAIAサービスのB2B詳細は、ログに記録されて失敗フローのデバッグで使用できます。

12.5 ステップ4: 既存のエンタープライズ・ビジネス・サービスの開発または拡張

図12-19に示すように、次のステップでは、リクエスタB2BCSによって呼び出される新規EBSを開発するか、またはこの呼出しに対して既存のEBSを使用します。

図12-19 ステップ4: 既存のエンタープライズ・ビジネス・サービスの開発または拡張

この図については本文で説明しています。

新しいEBSの作成の詳細は、「エンタープライズ・ビジネス・サービスの設計と開発」を参照してください。

12.6 ステップ5: 既存のプロバイダABCSの開発または拡張

図12-20に示すように、次のステップでは、新規のプロバイダABCSを開発するか、または既存のプロバイダABCSを拡張します。プロバイダABCSは、アプリケーションのAPIまたはWebサービスを呼び出すことでAIA EBMを処理します。

図12-20 ステップ5: 既存のプロバイダABCSの開発または拡張

この図については本文で説明しています。

プロバイダABCSの設計方法と作成方法の詳細は、「アプリケーション・ビジネス・コネクタ・サービスの設計」および「ABCSの作成」を参照してください。

12.6.1 変換に関する必要な知識

表12-5に示すように、EBMからABMへのこの変換の開発中に、B2Bメッセージのソースおよびターゲットを取得するために、送信側および受信側取引パートナ情報をABMの適切なフィールドにマップできます。


表12-5 EBMの送信側および受信側取引パートナ・フィールド

EBMヘッダー要素 説明 値の例

/EBMHeader/B2BProfile/SenderTradingPartner/TradingPartnerID

Oracle B2Bに定義されている送信側取引パートナのID。インバウンド・フローの場合、これはリモート取引パートナです。

GlobalChips

/EBMHeader/B2BProfile/ReceiverTradingPartner/TradingPartnerID

Oracle B2Bに定義されている受信側取引パートナのID。インバウンド・フローの場合、これはホスト取引パートナです。

Acme


このステップを終了すると、アウトバウンドB2B統合フローの開発に必要なAIAサービスのすべての準備が整います。

12.7 ステップ6: Oracle B2Bの構成および取引パートナ・アグリーメントの定義

図12-21に示すように、次のステップでは、Oracle B2Bで取引パートナ・アグリーメントを作成します。

図12-21 ステップ6: Oracle B2Bの構成および取引パートナ・アグリーメントの定義

この図については本文で説明しています。

取引パートナを定義してB2B機能と関連付ける方法の詳細は、『Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』の取引パートナの構成に関する項を参照してください。

また、EDIベースのアウトバウンドB2Bフローの場合は、アウトバウンド・ドキュメントをバッチ処理するようにOracle B2Bを構成できます。バッチ・サイズやタイムアウトなどのパラメータは、AIAレイヤーを変更せずにOracle B2Bで構成できます。

12.8 ステップ7: AIAサービスのデプロイと構成

図12-22に示すように、次のステップでは、AIAサービスをデプロイします。Oracle JDeveloperを使用すると、サービスをターゲットのOracle SOAサーバーにデプロイできます。

図12-22 ステップ7: AIAサービスのデプロイと構成

この図については本文で説明しています。

アウトバウンド統合に必要なAIAサービスでドメイン値マッピング(DVM)および構成ファイルを使用する場合は、B2B構成に対応するデータを入力する必要があります。

プロジェクト・ライフサイクル・ワークベンチ・アプリケーションを使用してAIAプロジェクト用の部品構成表のXMLファイルを作成し、そのファイルを使用してデプロイメント計画を自動生成することもできます。このデプロイメント計画を使用すると、統合プロジェクトを構成するAIAサービスとリソースを複数の開発環境、テスト環境および本番環境にデプロイできます。

部品構成表の生成の詳細は、「直接統合の実装」を参照してください。

デプロイメント計画の生成の詳細は、「直接統合の実装」を参照してください。

また、AIAエラー処理フレームワークを構成して、AIAフローのエラーを通知する適切なロールを設定します。

エラー処理の詳細は、Oracle Application Integration Architecture Foundation Packインフラストラクチャ・コンポーネントとユーティリティ・ユーザーズ・ガイドのエラー処理の設定に関する項を参照してください。

12.9 ステップ8: テストおよび検証

図12-23に示すように、次のステップでは、テストおよび検証を実行します。取引パートナとのB2B統合フローを稼働する前に、B2B統合フローを構成する、新規に開発したか、またはデプロイしたAIAサービスに対して一連のテストを完了することをお薦めします。

図12-23 ステップ8: テストおよび検証

この図については本文で説明しています。

詳細は、「ステップ7: テストおよび検証」を参照してください。

12.10 ステップ9: 稼働および監視

図12-24に示すように、最後のステップでは、取引パートナとともにアウトバウンドB2Bドキュメント・フローを稼働します。AIAおよびOracle B2Bデプロイメントは、製品サーバーに複製してエンド・ユーザーにロールアウトします。

図12-24 ステップ9: 稼働および監視

この図については本文で説明しています。

詳細は、「ステップ8: 稼働および監視」を参照してください。