1 概要とロードマップ

この章では、このマニュアル(『Oracle WebLogic Server 12.1.3 JMSリソース・アダプタの管理』)の内容と構成について説明します。

この章には次の項が含まれます:

ドキュメントの範囲および対象読者
このドキュメントの構成
関連ドキュメント
JMS開発者向けのサンプルとチュートリアル
このリリースでの新機能と変更された機能

ドキュメントの範囲および対象読者

このドキュメントは、外部アプリケーション・サーバーでWebLogic JMSを使用し、WebLogic JMSクライアントを統合するJava EE Connector Architectureリソース・アダプタを使用して相互運用する必要があるシステム管理者を対象としています。

ここでは、Javaプラットフォーム、Enterprise Edition (Java EE)、Java EE Connector Architectureバージョン1.6リソース・アダプタおよびJMSのプログラミングの概念に精通している読者を対象としています。このドキュメントでは、WebLogic Serverで提供される付加価値機能と、WebLogic JMSリソース・アダプタ(JMS RA)の構成および使用方法に関する主要な情報を重点的に扱います。

このドキュメントの構成

この第1章「概要とロードマップ」では、新機能および関連ドキュメントを含む、このマニュアルの構成および範囲について説明します。
第2章「WebLogic JMSリソース・アダプタの理解」では、WebLogic JMSリソース・アダプタ(JMS RA)のコンポーネント、概念および機能の概要について説明します。
第3章「JMS RAの管理」では、外部アプリケーション・サーバーでWebLogic JMSを使用して相互運用するために、JMS RAを使用する際に必要なコンポーネント、設計オプションおよびその他の前提条件としての考慮事項について説明します。
第4章「Oracle GlassFish ServerでのJMS RAの管理」では、Oracle GlassFish ServerでJMS RAのデプロイを使用する場合の追加の構成情報および考慮点について説明します。
第5章「メッセージの消費の理解」では、外部アプリケーション・サーバーでWebLogic JMSメッセージをインバウンド・メッセージとして非同期に消費するためのMDBを構成するために、JMS RAのra.xmlファイルを構成する方法について説明します。
第6章「アウトバウンドJMSメッセージの送信」では、JMS RAを使用したJMSメッセージの送信方法について説明します。
第7章「宛先およびネーミング・コンテキストの構成」では、インバウンドとアウトバウンドの通信の宛先およびネーミング・コンテキストを定義するadminobject要素の構成に関する情報を提供します。
第8章「リソース・プロバイダの理解」では、リソース・プロバイダの使用方法と構成方法について説明します。リソース・プロバイダでは、JMS RAによるWebLogic JMSプロバイダへの接続を可能にするJNDIプロパティを定義します。
第9章「トランザクション処理の理解」では、外部アプリケーション・サーバーとWebLogic Serverの間で相互運用するためにJMS RAを使用する場合のトランザクション処理およびリカバリについて説明します。
第10章「障害の管理の理解」では、JMS RAがWebLogic Serverおよび外部アプリケーション・サーバーの障害に対応する方法ついて説明します。
第11章「JMS RA接続の保護」では、JMS RAのセキュリティに関する考慮事項について説明します。
第12章「JMS RAのデプロイメント・ディスクリプタ要素とプロパティ」では、WebLogic JMS RAのデプロイメント・ディスクリプタ・ファイルra.xmlについて説明します。

JMS開発者向けのサンプルとチュートリアル

このドキュメントの他にも、JMS開発者向けに様々なコード・サンプルとチュートリアルが用意されています。それらのサンプルとチュートリアルはWebLogic Server JMSの動作を例示し、主要なJMS開発タスクを実行する実際的な手順を示します。

独自のJMSアプリケーションを開発する前に、まずJMSサンプルの一部またはすべてを実行することをお薦めします。

JMSリソース・アダプタのサンプル

このサンプルは、外部アプリケーション・サーバーにデプロイされたWebLogic JMSリソース・アダプタ(JMS RA)を利用し、WebLogic JMSサービスと相互運用する方法を示しています。このサンプルは、WebLogic環境にサンプルをインストールする場合に含まれます。「JMS RAのサンプル」を参照してください。

Avitek Medical Recordsアプリケーション(MedRec)とチュートリアル

MedRecはWebLogic Serverに付属したエンドツーエンドのサンプルJava EEアプリケーションであり、一元的で独立した医療記録管理システムをシミュレートします。MedRecアプリケーションには、患者、医師、および管理者に対して、様々なクライアントを使用して患者のデータを管理するフレームワークが用意されています。

MedRecはWebLogic ServerとJava EEの機能を例示し、Oracle推奨のベスト・プラクティスを重要点として示します。MedRecは、WebLogic Serverインストールとともにオプションでインストールできます。MedRecは、ORACLE_HOME\user_projects\domains\medrecディレクトリから起動できます(ORACLE_HOMEは、Oracle WebLogic ServerをインストールしたときにOracle Homeとして指定したディレクトリです)。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの理解』のサンプル・アプリケーションとコード・サンプルに関する項を参照してください。

MedRecには、Webアプリケーション、Webサービス、ワークフロー・アプリケーションおよび将来のクライアント・アプリケーションからのリクエストを共同で処理する複数のEnterprise Java Beans (EJB)で主に構成されるサービス層があります。このアプリケーションには、メッセージドリブンEJB、ステートレス・セッションEJB、ステートフル・セッションEJBおよびエンティティEJBが含まれます。

このリリースでの新機能と変更された機能

このリリースで導入されたWebLogic Serverの新機能の一覧については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの新機能』を参照してください。