このドキュメントは、Oracle Databaseの最新リリース用に変更されています。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)での『Oracle Database管理者ガイド』の変更を次に示します。
このリリースの新機能は次のとおりです。
インメモリー列ストア
インメモリー列ストア(IM列ストア)は、SGAのオプション領域で、表全体、表パーティション、個々の列およびマテリアライズド・ビューが圧縮列形式で格納されます。データベースでは、特殊な技法を使用して列データを超高速でスキャンします。IM列ストアは、データベース・バッファ・キャッシュに代わるものではなく、補完するものです。
「インメモリー列ストアの使用方法」を参照してください。
データ・ポンプによるインメモリー列ストアのサポート
データ・ポンプを使用すると、インポートされるデータベース・オブジェクトについてインメモリー句を維持、上書き、削除できます。
「データ・ポンプとIM列ストア」を参照してください。
強制フル・データベース・キャッシュ・モード
パフォーマンスを改善するために、強制的にインスタンスでデータベースをバッファ・キャッシュに格納させることができます。
「強制フル・データベース・キャッシュ・モードの使用方法」を参照してください。
大規模表キャッシュ
自動大規模表キャッシュ機能を使用すると、パラレル問合せでバッファ・キャッシュを使用できるようになります。
「メモリー・アーキテクチャの概要」を参照してください。
属性クラスタ表
属性クラスタリングは、ディスク上に近接近でデータを格納するヒープ構成表のディレクティブを指定し、パフォーマンスおよびデータ・ストレージを向上させます。このディレクティブは、一括挿入や移動操作と同様、ダイレクト・パス操作に対してのみ適用できます。
「属性クラスタ表の使用」を参照してください。
ゾーン・マップ
ゾーンとは、ディスク上の連続したデータ・ブロックのセットです。ゾーン・マップでは、個々のゾーンすべてについて、指定された列の最小値および最大値を追跡管理します。ゾーン・マップの最大の利点は、表スキャンに関するI/Oを削減することにあります。
「ゾーン・マップの使用」を参照してください。
拡張索引圧縮
拡張索引圧縮により、圧縮率が非常に高くなりますが、索引には依然として効率的にアクセスできます。拡張索引圧縮は、ブロック・レベルに作用し、各ブロックを最適に圧縮できます。つまり、ユーザーはデータの特性を認識する必要がありません。拡張索引圧縮がブロックごとに適した圧縮を自動的に選択します。
「拡張索引圧縮を使用した索引の作成」を参照してください。
CDB再起動時のPDBのオープン・モードの保持
pdb_save_or_discard_state句を指定してALTER
PLUGGABLE
DATABASE
SQL文を使用すると、CDBの再起動時に1つ以上のPDBのオープン・モードを保持できます。
「CDB再起動時のPDBのオープン・モードの保持または破棄」を参照してください。
CREATE
PLUGGABLE
DATABASE
文のUSER_TABLESPACES
句
この句を使用すると、複数のスキーマのデータを異なるPDBに分けることができます。たとえば、非CDBをPDBに移動する場合、その非CDBに多数のスキーマがあって、それぞれ異なるアプリケーションをサポートしているとき、非CDBで各スキーマが別個の表領域を使用していたとすると、この句を使用して各スキーマに属するデータを別個のPDBに分けることができます。
「ユーザー表領域」を参照してください。
PDBをクローニングする場合のデータの除外
CREATE
PLUGGABLE
DATABASE
文のNO DATA
句では、PDBのデータ・モデル定義をクローニングするが、PDBのデータをクローニングしないことを指定します。
「PDBをクローニングする場合のデータの除外」を参照してください。
PDBファイル用のデフォルトのOracle Managed Filesファイル・システム・ディレクトリまたはOracle ASMディスク・グループ
CREATE_FILE_DEST
句によってデフォルトの場所を指定します。
「新しいPDBのファイルの場所」を参照してください。
非CDBのクローニングによるPDBの作成
FROM
句を含むCREATE PLUGGABLE DATABASE
文で非CDBをクローニングすると、PDBを作成できます。
「既存のPDBまたは非CDBのクローニングによるPDBの作成」を参照してください。
CREATE
PLUGGABLE
DATABASE
文およびALTER PLUGGABLE DATABASE
文のlogging_clause
この句では、PDBのロギング属性を指定します。ロギング属性は、特定のDML操作をREDOログ・ファイルに記録する(LOGGING
)か記録しない(NOLOGGING
)かを制御します。
この句およびCREATE PLUGGABLE DATABASE
文の詳細は、「PDB表領域ロギング」を参照してください。この句およびALTER PLUGGABLE DATABASE
文の詳細は、「ALTER PLUGGABLE DATABASE文を使用したPDBの変更」を参照してください。
ALTER PLUGGABLE DATABASE
文のpdb_force_logging_clause
この句は、PDBを強制ロギング・モードまたは強制ロギングなしモードにするか、PDBの強制ロギングモードまたは強制ロギングなしモードを解除します。
「ALTER PLUGGABLE DATABASE文を使用したPDBの変更」を参照してください。
CREATE
PLUGGABLE
DATABASE
文のSTANDBYS
句
この句では、新しいPDBをスタンバイCDBに含めるかどうかを指定します。
「スタンバイCDBへのPDBの包含」を参照してください。
すべてのPDB間でのユーザーが作成した表およびビューの問合せ
CONTAINERS
句を使用すると、CDB内のすべてのPDB間でユーザーが作成した表およびビューを問い合せることができます。
「すべてのPDB間でのユーザーが作成した表およびビューの問合せ」を参照してください。
Oracle Clusterwareによる診断フレームワークのサポート
Oracle Clusterwareでは、診断トレース・データおよびClusterwareアラート・ログの記録に診断フレームワークおよびADRを使用します。
「Oracle Clusterware環境でのADR」を参照してください。
READ
オブジェクト権限およびREAD
ANY
TABLE
システム権限
オブジェクトに対するREAD
権限により、他の権限を付与しなくても、ユーザーはオブジェクトから選択できるようになります。
詳細は、「外部表のシステム権限およびオブジェクト権限」および『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)での『Oracle Database管理者ガイド』の変更を次に示します。
このリリースの新機能は次のとおりです。
Oracle Multitenantオプション
Oracle Multitenantオプションを使用すると、Oracle Databaseを、ユーザーが作成した1つ以上のプラガブル・データベース(PDB)を含むマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)として機能させることができます。PDBは、Oracle Netクライアントに非CDBとして表示されるスキーマ、スキーマ・オブジェクトおよび非スキーマ・オブジェクトのポータブル・コレクションです。Oracle Database 12cより前のOracle Databaseはすべて非CDBでした。PDBはCDBから切断し、異なるCDBに接続できます。
「マルチテナント環境の管理」を参照してください。
マルチテナント環境でのResource Managerサポート
リソース・マネージャはCDBレベルとPDBレベルでリソースを管理できます。CDB全体および個々のPDBにリソースを割り当てるCDBリソース・プランを作成できます。一部のPDBにより多くのリソースを割り当て、他のPDBにより少なく割り当てたり、すべてのPDBでリソースを等しく共有するように指定できます。
フル・トランスポータブル・エクスポート/インポート
フル・トランスポータブル・エクスポート/インポートでは、データベースを、あるデータベース・インスタンスから別のデータベース・インスタンスに移動できます。データベースのトランスポートは、全データベースのエクスポート/インポートなどの、データベースを移動する他の方法よりはるかに高速です。また、フル・トランスポータブル・エクスポート/インポートを使用して、非CDB (またはOracle Database 11g リリース2 (11.2.0.3)データベース)をCDBに含まれるPDBに移動できます。
「データのトランスポート」を参照してください。
業務の分離のための新しい管理権限
Oracle DatabaseはOracle Recovery Manager (Oracle RMAN)、Oracle Data Guardおよび透過的データ暗号化に関連するタスクの管理権限を提供するようになりました。それぞれの新しい管理権限によって、管理の各領域におけるタスクを完了するのに必要な最小限の権限が付与されます。新しい管理権限を使用すると、数多くの一般的なタスクに対してSYSDBA
管理権限を付与することを回避できます。
「管理権限」を参照してください
複数のフラッシュ・デバイスのためのDatabase Smart Flash Cacheのサポート
データベース・インスタンスは、ボリューム・マネージャを必要とすることなく、Database Smart Flash Cache用の複数のフラッシュ・デバイスにアクセスし、組み合せることができます。
「Database Smart Flash Cacheの初期化パラメータ」を参照してください。
一時UNDO
一時オブジェクトに対するUNDOは、UNDO表領域ではなく、一時表領域に格納されます。一時UNDOを使用すると、UNDO表領域に格納されるUNDOの量およびREDOログのサイズが減少します。また、Oracle Active Data Guardオプションを使用するフィジカル・スタンバイ・データベースの一時表で、データ操作言語(DML)を操作することもできます。
「一時UNDOの管理」を参照してください。また、Oracle Data Guard環境での一時UNDOの利点の詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。
オンラインでのデータファイルの移動
オンラインの、アクセスされているデータファイルを移動できます。この機能により、異なる記憶デバイスへのデータの移動などのメンテナンス操作が容易になります。
「オンライン・データファイルの名前変更と再配置」を参照してください。
同じ列セットに対する複数の索引
既存の索引を削除して異なる属性を使用して再作成することなく、アプリケーションの移行を実行するために、同じ列セットに対して複数の索引を作成できます。
「同じ列セットに対する複数の索引の作成について」を参照してください。
オンラインのパーティションまたはサブパーティションの移動
表のオンライン再定義を使用せずに、移動されているパーティションまたはサブパーティションでDML操作を中断することなく実行し続けることができます。
「新規セグメントまたは表領域への表の移動」を参照してください。
1つの手順での表のオンライン再定義
DBMS_REDEFINITION
パッケージのREDEF_TABLE
プロシージャを使用して、プロシージャへの単一コールで表の記憶域プロパティのオンライン再定義を実行できます。
「REDEF_TABLEプロシージャを使用したオンライン再定義の実行」を参照してください。
複数のパーティションを含む表のオンライン再定義
表の複数のパーティションを再定義するときに停止時間を最小限に抑えるために、それらのパーティションを、オンラインの単一のセッションで再定義できます。
「1つ以上のパーティションのオンライン再定義」を参照してください。
仮想プライベート・データベース(VPD)ポリシーを含む表のオンライン再定義
停止時間を最小限に抑えるために、VPDポリシーを含む表をオンラインで再定義できます。
「オンライン再定義時の仮想プライベート・データベース(VPD)ポリシーの処理」を参照してください。
FINISH_REDEF_TABLE
プロシージャの新しいtime limitパラメータ
DBMS_REDEFINITION
パッケージのFINISH_REDEF_TABLE
プロシージャのdml_lock_timeout
パラメータで、保留中のDMLのコミットをプロシージャが待機する時間を指定できます。
「DBMS_REDEFINITIONの複数のプロシージャを使用したオンライン再定義の実行」の手順8を参照してください。
不可視の列
表の個々の列を不可視にできます。表の一般的なアクセスでは、表の不可視の列は表示されません。
「不可視の列の理解」を参照してください。
NULL値可能列のデフォルト値で最適化されたALTER
TABLE
...
ADD
COLUMN
NULL値可能列は、NOT
NULL
制約を使用せずに作成された列です。特定のタイプの表では、デフォルト値を持つNULL値可能列を追加するときに、データベースは操作のリソース使用率および記憶域要件を最適化できます。このことは、既存のすべてのレコードの値を格納する必要がないように、新しい列のデフォルト値を表メタデータとして格納することによって行われます。
「表の列の追加」を参照してください。
CloneDBを使用したデータベースのcopy-on-writeクローニング
CloneDBを使用してデータベースをクローニングする場合、Oracle Databaseはcopy-on-writeテクノロジに基づいてCloneDBデータベースにファイルを作成できるため、ディスク上に追加の記憶域が必要となるのは、CloneDBデータベースで変更されたブロックに対してのみとなります。
「CloneDBを使用したデータベースのクローニング」を参照してください。
DDLログ
DDL文のロギングが有効な場合、DDL文はアラート・ログではなく別のDDLログに記録されます。
「DDLログ」を参照してください。
デバッグ・ログ
問題のデバッグに使用できる情報は、アラート・ログではなく別のデバッグ・ログに記録されます。
「デバッグ・ログ」を参照してください。
サーバー制御(SRVCTL)ユーティリティの完全単語オプション
ユーザビリティを向上させるため、SRVCTLユーティリティの各オプションが、単一文字ではなく完全な単語になりました。
「Oracle RestartのSRVCTLコマンド・リファレンス」を参照してください。
トランザクション・ガードおよびアプリケーション・コンティニュイティ
アプリケーションを重複するトランザクションの発行および関連する論理エラーから保護するため、トランザクション・ガードによってトランザクションの最大1回実行が保証されます。トランザクション・ガードにより、リカバリ可能な通信エラーの後にトランザクションをリプレイする機能であるアプリケーション・コンティニュイティが使用可能になります。
「トランザクション・ガードおよびアプリケーション・コンティニュイティ」を参照してください。
文のキューイングの拡張
重要な文はパラレル文のキューを無視できます。優先度の高いコンシューマ・グループに対してリソース・プラン・ディレクティブPARALLEL_STMT_CRITICAL
をBYPASS_QUEUE
に設定し、そのコンシューマ・グループのパラレル・ステートメントがパラレル・ステートメント・キューを無視するように設定できます。
「リソース・プラン・ディレクティブの作成」を参照してください。
新しいジョブ・タイプ
SQL*Plus、RMANインタプリタまたはコンピュータ・プラットフォームのコマンド・シェルを使用してカスタム・ユーザー・スクリプトの実行を許可する複数の新しいスクリプト・ジョブが追加されました。
「スクリプト・ジョブ」を参照してください。
次の機能は、今回のリリースで非推奨であり、将来のリリースでサポートされなくなる可能性があります。
ORAPWDのIGNORECASE
引数
厳密認証をサポートするために、IGNORECASE
をn
に設定するか、IGNORECASE
を省略することをお薦めします。このオプションのORAPWD引数のデフォルト値はn
です。
詳細は、「ORAPWDを使用したデータベース・パスワード・ファイルの作成」を参照してください。
サーバー制御(SRVCTL)ユーティリティ・コマンドを使用した単一文字オプション
すべてのSRVCTLコマンドは、単一文字オプションのかわりに完全単語オプションを受け入れるように拡張されました。このリリースで追加されたすべての新規SRVCTLコマンド・オプションは完全単語オプションのみをサポートしており、等価の単一文字はありません。SRVCTLコマンドでの単一文字オプションの使用は、将来のリリースではサポートされなくなる可能性があります。
詳細は、「Oracle RestartのSRVCTLコマンド・リファレンス」を参照してください。
FILE_MAPPING
初期化パラメータ
FILE_MAPPING
初期化パラメータは非推奨です。これは、下位互換性を保つためにのみサポートされています。
FILE_MAPPING
初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。
*_SCHEDULER_CREDENTIALS
このビューは、下位互換性のために引き続き使用可能です。
詳細は、「スケジューラ・ジョブ資格証明の指定」を参照してください。
関連項目:
『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』