Database Configuration Assistant (DBCA)の「記憶域の場所」ウィンドウでは、データベースで使用する記憶域のタイプを指定します。
「ファイルシステム」を選択すると、データベース・ファイルはオペレーティング・システムのファイル・システムで管理されます。
「自動ストレージ管理(ASM)」を選択する場合、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスク・グループにデータファイルを配置します。
次に、Oracle Databaseファイルの場所を指定します。次のいずれかのオプションを選択します。
テンプレートのデータベース・ファイル位置を使用: このオプションを選択すると、DBCAは、テンプレートに設定されているディレクトリ情報を使用します。データベース・ファイルの名前と場所は後で変更できます。
すべてのデータベース・ファイルに対して共通の位置を使用: このオプションでは、Oracleホーム用の新しいディレクトリを指定する必要があります。すべてのデータベース・ファイルはこの場所に作成されます。データベース・ファイルの名前と場所は後で変更できます。
「Oracle Managed Fileの使用」オプションを指定すると、Oracle Databaseを構成するオペレーティング・システム・ファイルをOracle Databaseで直接管理できます。すべてのファイルに対して、「データベース領域」と呼ばれるデフォルトの場所を指定します。Oracle Databaseは、必要に応じて、この場所でファイルを自動的に作成または削除します。このオプションを選択すると、データベース・ファイルの管理をデータベースに完全に委任できます。ファイル名、ファイルの場所、ファイル・サイズなどを指定する必要はありません。
新規データベースの作成時には、システム障害が発生した場合にデータをリカバリできるようにデータベースを構成することが重要です。オンラインREDOログ・ファイルには、データファイルに加えられた変更の記録が含まれます。オンラインREDOログ・ファイルはオンラインREDOログ・グループに格納されます。データベースには2つ以上のオンラインREDOログ・グループが必要です。グループのオンラインREDOログ・ファイルが一杯になると、ログ・ライター・プロセス(LGWR)では、REDOレコードの書込み先を新しいオンラインREDOログ・グループに切り替えます。Oracle Databaseでは、非アクティブなオンラインREDOログ・ファイル・グループを、総称でアーカイブREDOログ(またはアーカイブ・ログ)と呼ばれる1つ以上のオフラインの保存先に自動的に保存できます。オンラインREDOログ・ファイルをアーカイブREDOログ・ファイルに変更するプロセスは、アーカイブと呼ばれます。
アーカイブは、データベースがARCHIVELOG
モードで実行されている場合にのみ実行できます。グループがアーカイブされるまで、ログ・ライター(LGWR)・プロセスではオンラインREDOログ・ファイルのグループを再利用できません。データベースがNOARCHIVELOG
モードで実行されている場合は、LGWRプロセスが新しいグループに切り替わった後にグループが非アクティブになると、LGWRプロセスでは非アクティブなグループをすぐに再利用できます。
NOARCHIVELOG
モードでは、メディア障害からデータベースを保護することはできませんが、インスタンス障害から保護することはできます。オンラインREDOログ・ファイルに格納された、データベースの最新の変更内容のみを使用して、インスタンス・リカバリを実行します。NOARCHIVELOG
モードで運用しているデータベースをリストアする場合、使用できるバックアップは、データベースの終了中に作成したデータベース全体のバックアップのみです。このため、NOARCHIVELOG
モードでデータベースを運用する場合は、データベース全体のバックアップを定期的かつ頻繁に作成します。
オンラインREDOログ・ファイルのアーカイブには、次の利点があります。
オペレーティング・システムやハードウェアで障害が発生した場合は、データベース・バックアップとオンラインREDOログ・ファイルおよびアーカイブREDOログ・ファイルを使用して、コミットされたすべてのトランザクションのリカバリを実行できます。
データベースの稼働時に作成したバックアップを使用すると、データベースのリカバリを実行できます。ただし、この場合、このデータベースのバックアップ時にアーカイブ・ログ・ファイルのコピーを作成しておくことが条件となります。
オンライン表領域バックアップを実行できます。メディア障害が発生した場合は、これらのバックアップを使用して、表領域をリストアできます。
スタンバイ・データベースに、元のデータベースのアーカイブREDOログ・ファイルを繰り返し適用することにより、スタンバイ・データベースを元のデータベースで最新の状態にしておくことができます。
オンラインREDOログ・ファイルをアーカイブする前に、アーカイブ先を決定する必要があります。データベースのバックアップおよびリカバリ操作を簡略化できるため、アーカイブ・ログは高速リカバリ領域に格納することをお薦めします。高速リカバリ領域は、Oracle Databaseがバックアップおよびリカバリに関連するファイルを格納および管理するディスクの場所です。これは、現在のデータベース・ファイル(データファイル、制御ファイルおよびオンラインREDOログ・ファイル)の場所であるデータベース領域とは別です。
データベースの作成時には、次のオプションを選択できます。
記憶域のタイプ: データベースによってリカバリ関連ファイル用に使用される記憶域タイプを指定します。詳細は、「Oracle Databaseの拡張インストールについて」を参照してください。
高速リカバリ領域の指定: このオプションは、バックアップおよびリカバリ領域とそのディレクトリ位置およびサイズを指定する場合に選択します。標準的な位置の指定には、変数を使用できます。
アーカイブ有効化: このオプションは、データベースのリカバリに使用できるデータベース・オンラインREDOログ・ファイルのアーカイブを有効にする場合に選択します。このオプションを選択すると、データベースをARCHIVELOG
モードで実行した場合と同じ結果が得られます。
「アーカイブ有効化」を選択することをお薦めします。このオプションを選択すると、ソフトウェアまたはハードウェア障害に対するデータベースの保護が強化されます。このオプションを今すぐ選択しない場合は、後でARCHIVELOGモードを有効にできます。詳細は、「基本バックアップおよびリカバリのためのデータベースの構成」を参照してください。