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Oracle® Database 2日でデータベース管理者
12c リリース1 (12.1)
B71307-08
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2.3.2.9 DBCAの「初期化パラメータ」ウィンドウ

Database Configuration Assistant (DBCA)の「初期化パラメータ」ウィンドウ内のリンクを使用すると、デフォルトの初期化パラメータ設定を変更できる追加ウィンドウにアクセスできます。これらのパラメータは、次のカテゴリに分類されます。

ウィンドウ下部の「すべての初期化パラメータ」をクリックして、すべてのデータベース初期化パラメータのリストと現在の設定を表示することもできます。

2.3.2.9.1 メモリー

Database Configuration Assistant (DBCA)の「初期化パラメータ」ウィンドウの「メモリー」タブを使用して、データベースでメモリーを管理する方法を制御する初期化パラメータを設定します。メモリーの管理方法として、次から選択できます。

  • 標準:この方法では、必要な構成は最小限であり、システムの物理メモリーの合計に対する割合としてメモリーを割り当てます。「標準」を選択して、「メモリー・サイズ(SGAおよびPGA)」フィールドに値を入力します。入力した値で表されるメモリーのパーセントが「割合」フィールドに表示されます。また、スライダを使用して値を変更することもできます。「メモリー分散を表示」をクリックすると、割り当てられているシステム・グローバル領域(SGA)のサイズとプログラム・グローバル領域(PGA)のサイズが表示されます。「自動メモリー管理の使用」をクリックすると、SGAのメモリー・コンポーネントの多くが自動的に調整され、必要に応じて個々のPGAにメモリーが割り当てられます。SGAまたは集計PGAに割当て済の合計メモリー量は、処理ニーズに応じて動的に増減されます。データベース・インスタンスの合計メモリー使用量が、ユーザーが指定したメモリー量を超えることはありません。この自動メモリー調整を自動メモリー管理と呼びます。PGAおよびSGAの詳細は、インスタンス・メモリー構造についてを参照してください。

  • カスタム: この方法では、「標準」オプションよりも構成作業が増えますが、データベース・インスタンスによるシステム・メモリーの使用方法をより細かく制御できます。このオプションは、熟練したデータベース管理者向けです。SGAと集計PGAだけでなく、共有プール、バッファ・キャッシュなどのサブ構造のメモリー・サイズも直接指定できます。

    カスタム・メモリー管理のオプションとして、次のいずれかを選択します。

    • 自動共有メモリー管理: SGAおよび集計PGAに特定のメモリー容量を割り当てるために使用します。この設定により、SGAの自動共有メモリー管理が有効になり、必要に応じて個々のPGAにメモリーが割り当てられます。

    • 手動共有メモリー管理: 個々のSGAコンポーネントおよび集計PGAに値を入力します。このオプションを選択すると、自動共有メモリー管理が無効になり、SGAメモリー・コンポーネント間でSGAメモリーをどのように配分するかを指定できます。

関連項目:

メモリー管理オプションの詳細は、「Oracleインスタンスの管理」を参照してください

2.3.2.9.2 サイズ指定

Database Configuration Assistant (DBCA)の「初期化パラメータ」ウィンドウの「サイズ指定」タブでは、最小のブロック・サイズを指定したり、データベースに同時に接続できるオペレーティング・システム・ユーザー・プロセスの最大数を指定します。

  • ブロック・サイズ: このリストを使用して、ブロック・サイズを選択したり、デフォルトのブロック・サイズにすることができます。Oracle Databaseのデータは、指定のサイズのデータ・ブロックとして格納されます。1つのデータ・ブロックは、ディスク上の物理領域の特定のバイト数に対応しています。デフォルトの8KB以外のブロック・サイズを選択するには高度な知識が必要なため、どうしても必要な場合にのみ実行してください。

    事前定義されたテンプレートを使用している間は、データベースがデフォルトの8KBのブロック・サイズで作成されるため、このリストは無効になっています。「データベース・タイプ」ウィンドウで「カスタム・データベース」を選択した場合は、ここでブロック・サイズの変更が可能です。

  • プロセス数: このフィールドでは、同時にデータベースに接続できる最大プロセス数を指定します。数を入力するか、またはデフォルト値の300を受け入れます。このパラメータのデフォルト値は、多くの環境に適した値です。すべてのバックグラウンド・プロセス、ユーザー・プロセスおよびパラレル実行プロセスを考慮して値を選択してください。

2.3.2.9.3 キャラクタ・セット

Database Configuration Assistant (DBCA)の「初期化パラメータ」ウィンドウの「文字セット」タブを使用して、データベースで使用される文字セットを定義します。キャラクタ・セットは、コンピュータ画面に文字を表示するために使用するコード体系です。キャラクタ・セットによって、データベース内で表現できる言語が決定します。

データベースのキャラクタ・セットには、Unicode(AL32UTF8)を使用することをお薦めします。AL32UTF8とは、Unicode標準であるUTF-8エンコードに対してOracleで使用している名前です。Unicode標準は、現在世界で使用されている言語のほとんどをサポートする汎用キャラクタ・セットです。Unicode標準を使用することは、データベース処理を含め、すべての多言語テクノロジにおいて不可欠です。

データベースが作成され、本番データが累積された後にデータベース・キャラクタ・セットを変更することは、時間がかかる複雑なプロジェクトになります。そのため、インストール時に適切なキャラクタ・セットを選択することが重要です。データベースに現在多言語データが格納されていなくても、数年内に多言語データを格納する予定がある場合、通常は、データベース・キャラクタ・セットにAL32UTF8を選択することのみが、適切な判断となります。

マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)を作成する場合、選択するキャラクタ・セットによって、他のどのデータベースを後でCDBに接続できるかが決まることを考慮してください。互換性のあるデータベース・キャラクタ・セットを使用するデータベースのみをCDBに接続できます。

UNIX、LinuxおよびMicrosoft Windowsの各プラットフォーム用のOracle Universal Installer (OUI)とDBCAで使用されるデフォルトのキャラクタ・セットは、AL32UTF8ではなく、ANSIコード・ページと呼ばれるMicrosoft Windowsキャラクタ・セットです。キャラクタ・セットは、OUIまたはDBCAを起動したオペレーティング・システム・セッションの現在の言語(ロケール)に基づいて選択されます。言語がアメリカ英語または西ヨーロッパ言語である場合、デフォルトのキャラクタ・セットはWE8MSWIN1252になります。各Microsoft Windows ANSIコード・ページには、西ヨーロッパ言語、東ヨーロッパ言語、日本語のような1つの言語または限定された言語グループのデータのみ格納できます。

クライアント・ワークステーションのプラットフォームとしてMicrosoft Windowsが普及しているため、UNIXおよびLinuxの各プラットフォームで作成されたデータベースの場合にも、Microsoft Windowsのキャラクタ・セットがデフォルトとなっています。Oracle Clientライブラリでは、データベース・キャラクタ・セットと、Windows以外のクライアント・アプリケーションで使用されるキャラクタ・セットとの間で必要なキャラクタ・セット変換が自動的に実行されます。

表示されるキャラクタ・セットのリストから、他のキャラクタ・セットを選択して使用することも可能です。このオプションは、アプリケーション・ベンダーで必要な特定のキャラクタ・セットを選択したり、データベースに接続しているすべてのクライアントが共通して使用しているキャラクタ・セットを選択するときに使用できます。

AL32UTF8はマルチバイト・キャラクタ・セットであるため、文字データに対するデータベース操作の速度は、WE8MSWIN1252などのシングルバイト・データベース・キャラクタ・セットと比較すると若干遅い可能性があります。使用する文字がASCIIの対象外である大部分の言語について、その言語のテキストに必要な記憶領域をみると、その言語をサポートしているレガシー・キャラクタ・セットを使用した場合よりもAL32UTF8を使用した場合の方が大きくなります。記憶域の増加は文字データと英語以外のデータのみに影響することに注意してください。Unicodeでは、汎用性や柔軟性があるために、通常はこうした過剰な負担が生じます。

  • データベース・キャラクタ・セット: ここでは、次のオプションのいずれかを選択します。

    • デフォルトを使用: すべてのデータベース・ユーザーおよびデータベース・アプリケーションに対して、オペレーティング・システムが現在使用している言語のみを選択する場合は、このオプションを選択します。

    • Unicode(AL32UTF8)を使用: データベース・ユーザーおよびデータベース・アプリケーションに対して複数の言語をサポートする場合は、このオプションを選択します。

    • 次のキャラクタ・セットから選択: Oracle Databaseで、オペレーティング・システムが使用するデフォルトのキャラクタ・セット以外のキャラクタ・セットを使用する場合は、このオプションを選択します。

    注意:

    AL32UTF8は、可変幅のマルチバイト・キャラクタ・セットです。文字データの処理にAL32UTF8を使用するデータベースに接続するアプリケーションは、そのキャラクタ・セットと連携して機能するように適切にプログラムされている必要があります。データベースを使用するアプリケーションのキャラクタ・セット要件は常に確認する必要があります。現在のアプリケーション・バージョンがUnicode標準をサポートしていない場合は、アプリケーション・ベンダーに連絡してUnicode対応バージョンについて問い合せてください。

  • 各国語キャラクタ・セット: このリストでは、キャラクタ・セットを選択するか、またはデフォルト値をそのまま使用します。NCHARキャラクタ・セットとも呼ばれる各国語キャラクタ・セットは、データ型NVARCHAR2NCHARおよびNCLOBのデータを格納および処理するために使用されるキャラクタ・セットです。これらのデータ型によって、Unicodeデータベース・キャラクタ・セットがないデータベースにUnicode文字を格納できます。使用しているアプリケーションのインストール要件で別途指定されていないかぎり、各国語キャラクタ・セットとしてデフォルト値AL16UTF16をそのまま使用します。

    注意:

    このキャラクタ・セットはSQL標準(ISO/IEC 9075)に従い、「各国語」と呼ばれますが、データベース・キャラクタ・セットよりもグローバルなアプリケーションに適しているわけではありません。各国語キャラクタ・セットと連携させるにはクライアント・アプリケーションで追加のAPIコールが必要であり、Oracle Textなどの一部のデータベース・コンポーネントでは各国語キャラクタ・セットがサポートされていないため、多言語アプリケーションではVARCHAR2CHARおよびCLOBデータ型とデータベース・キャラクタ・セットAL32UTF8を含むOracle Databaseを使用することをお薦めします。

  • デフォルト言語: このリストでは、デフォルトのデータベース言語を選択するか、デフォルトをそのまま使用します。デフォルトの言語は、日および月の省略形、文字データのデフォルトのソート順序、記述の方向(左または右)など、ロケールに依存する情報をデータベースがサポートする方法を指定します。

  • デフォルト地域: このリストでは、日および週の表記規則として従う地域名を選択するか、デフォルトを受け入れます。デフォルトの地域によって、デフォルトの日付書式、デフォルトの小数点文字とグループ・セパレータ、デフォルトの国際標準化機構(ISO)およびローカル通貨記号が決定されます。たとえば、イギリスではデフォルトの日付書式はDD-MON-YYYYです(DDは日付(1-31)を示し、MONは月の短縮名を示し、YYYYは4桁の年を示します)。

2.3.2.9.4 接続モード

Database Configuration Assistant (DBCA)の「初期化パラメータ」ウィンドウの「接続モード」タブを使用して、データベース接続モードを選択します。データベースは次のいずれかの接続モードで実行できます。

  • 専用サーバー・モード: このモードでは、各ユーザー・プロセスで専用のサーバー・プロセスを使用できます。クライアントの総数が50以下など、少ないと予想される場合は、このオプションを選択します。時間のかかる要求を継続的にデータベースに送信する場合も、このオプションを選択できます。デフォルトでは、データベースは専用サーバー・プロセス用に構成されます。

  • 共有サーバー・モード: このモードでは、データベースによって割り当てられたリソース・プールを複数のクライアント接続で共有できます。このモードは、メモリーおよびその他のリソースに対してクライアント・ロードの負荷が高いと予想される構成で使用します。共有サーバー・モードを選択した場合は、データベース・インスタンスの起動時に作成するサーバー・プロセスの数も指定する必要があります。このパラメータの設定の詳細を確認するには、「ヘルプ」をクリックします。