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Oracle® Database 2日でデータベース管理者
12c リリース1 (12.1)
B71307-08
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9.1 データベースのバックアップとリカバリの概要

Oracle Databaseのバックアップおよびリカバリでは、データベース・ファイルの物理バックアップを行い、データベースを再構築できるようにすることが主な目的になります。Oracle Recovery Manager (RMAN)はコマンドライン・ツールで、Oracle Databaseを効率よくバックアップおよびリカバリする際に使用することをお薦めします。RMANに組込みのバックアップおよびリカバリ機能によって保護されるファイルには、データファイル、制御ファイル、サーバー・パラメータ・ファイルおよびアーカイブREDOログ・ファイルがあります。これらのファイルを使用すると、データベースを再構築できます。RMANは、サーバーと密接に作用するよう設計されており、バックアップおよびリカバリ中のブロックレベルの破損を検出します。RMANにより、ファイルの多重化やバックアップ・セットの圧縮によるバックアップ時のパフォーマンスと領域消費を最適化でき、前のテープやストレージ・メディア製品と統合できます。バックアップ・メカニズムは、データファイルの間違った削除やディスク・ドライブの障害などによるファイルの損傷を回避するために、物理レベルで機能します。また、RMANを使用すると、フラッシュバックなどの他の手法を使用できない場合に、Point-in-Timeリカバリを実行して論理的な障害からリカバリすることもできます。

論理バックアップ(表や表領域のようなデータベース・オブジェクトのエクスポートなど)は、物理バックアップの補助手段としては有効ですが、データベース全体の保護はできません。効果的なバックアップ計画は物理バックアップに基づいたものであることが必要です。

Oracle Databaseフラッシュバック機能は、物理および論理バックアップに対する使いやすい効率的な代替方法として一連の物理および論理データ・リカバリ・ツールを提供します。フラッシュバック機能を使用すると、バックアップからデータファイルをリストアしなくても、不要なデータベースの変更の結果を取り消すことができます。

この項では、次のフラッシュバック機能について説明します。

最初の2つの機能は論理レベルで実行され、3つ目の機能は物理レベルで実行されます。これらの機能では、失われたデータを回復する場合に、論理エクスポートの作成などの詳細な準備を必要としませんが、Oracle Flashback Databaseでは機能を有効にするのに詳細な準備が必要です。ユーザーのデータベースが使用可能である場合は、すべての機能を使用できます。Oracle Databaseのフラッシュバック機能の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』で説明しています。

注意:

Oracle Flashback Databaseでは、消失したデータファイルのリカバリは実行できません。