クラスタには、異なるリリースのOracle Clusterware、Oracle ASMおよびOracle Databaseをインストールできます。クラスタに異なるリリースのソフトウェアをインストールする場合、次のガイドラインに従ってください。
クラスタ内で実行できるOracle Clusterwareのインストールは1つのみであり、Oracle Clusterwareは自身のホーム(Grid_home
)にインストールする必要があります。使用するOracle Clusterwareのリリースは、クラスタ内で実行するOracle ASMおよびOracle RACのバージョン以上である必要があります。クラスタ内で実行するOracle Clusterwareのバージョンより後に公開されたOracle RACのバージョンをインストールすることはできません。つまり、次のことが必要です。
Oracle Clusterware 12cは、Oracle ASM 12cのみをサポートしていますが、これは、Oracle ASMがOracle Grid Infrastructureホームにあり、これもOracle Clusterwareを含んでいるためです。
Oracle Clusterware 12cは、Oracle Database 12c、Oracle Database 11gリリース2 (11.2)と11gリリース1 (11.1)、およびOracle Database 10gリリース2 (10.2)と10gリリース1 (10.1)をサポートしています。
Oracle ASM 12cには、Oracle Clusterware 12cが必要で、Oracle Database 12c、Oracle Database 11gリリース2 (11.2)、Oracle Database 11gリリース1 (11.1)、Oracle Database 10gリリース2 (10.2)および10gリリース1 (10.1)をサポートしています。
Oracle Database 12cには、Oracle Clusterware 12cが必要です。
次に例を示します。
Oracle Clusterware 12cをクラスタウェアとしてインストールしている場合、1つのノードでOracle Database 10gリリース1 (10.1)単一インスタンス・データベースを実行し、またクラスタで別個のOracle Real Application Clusters 10gリリース1 (10.1)、10gリリース2 (10.2)、およびOracle Real Application Clusters 11gリリース1 (11.1)データベースも実行できます。ただし、Oracle Clusterware 10gリリース2(10.2)をクラスタにインストールして、Oracle Real Application Clusters 11gをインストールすることはできません。Oracle Clusterware 10gリリース2(10.2)のクラスタ内のノードにOracle Database 11g(シングル・インスタンス)をインストールすることは可能です。
異なるリリースのOracle ASMおよびOracle Databaseを使用する場合、各製品の機能は、より古いリリースのソフトウェア機能に依存します。したがって、Oracle Clusterware 11gをインストールし、後でOracle ASMを構成し、Oracle Clusterwareを使用して既存のOracle Database 10gリリース2 (10.2.0.3)インストールをサポートする場合、Oracle ASM機能は、10gリリース2 (10.2.0.3)リリース・バージョンで使用可能な機能にのみ相当します。ディスク・グループのcompatible属性は、使用されているソフトウェアの適切なリリースに設定します。
関連項目:
ディスク・グループのcompatible属性の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。
クラスタでは、Oracle Database(シングル・インスタンスおよびOracle RACの両方)の複数のOracleホームを使用できます。Oracle RACデータベースのすべてのノードのOracleホームは同じである必要があります。
Oracle ClusterwareとOracle Databaseのホームでは、属しているプライマリ・グループが同じであれば異なるユーザーを使用できます。
Oracle Clusterware 12cでは、クラスタ内で実行できるOracle ASMのインストールは1つのみです。Oracle ASMは常にOracle Clusterwareと同じバージョンであり、Oracle Clusterwareは、Oracle Databaseのリリースと同じか、それ以上のリリースである必要があります。
Oracle9iが稼働するOracle RACでは、Oracle9iのクラスタを実行する必要があります。UNIXシステムでは、HACMP、Serviceguard、Sun ClusterまたはVeritas SFを使用します。WindowsおよびLinuxシステムでは、Oracle Cluster Managerを使用します。Oracle RAC 10gをインストールするには、Oracle Clusterwareもインストールする必要があります。
連携して動作する保証がないかぎり、同じサーバーでは異なるクラスタ・ソフトウェアを実行しないことをお薦めします。クラスタの一部であるサーバーにOracle RACを追加する場合は、Oracle Clusterwareに移行するか、次のことを確認します。
実行するクラスタウェアは、Oracle RAC 12cで動作するようにサポートされています。
Oracle Clusterwareと他のベンダーのクラスタウェアが連携して動作するための適切なオプションをインストール済であることを確認します。
関連項目:
バージョンの互換性の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。