プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71322-07
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
次

CVUのトラブルシューティングおよび診断出力

この項では、次のCVUのトラブルシューティングに関する項目について説明します。

トレースの有効化

トレースを無効にしないかぎり、CVUによってトレース・ファイルが生成されます。トレースを無効化するには、SRVM_TRACE環境変数をfalseまたはFALSEに設定します。たとえば、tcshsetenv SRVM_TRACE FALSEなどのエントリを使用するとトレースが無効になります。

デフォルトではCVUトレース・ファイルはORACLE_BASE/crsdata/host_name/cvuディレクトリに作成されます。ログ・ファイルは自動的にローテーションされ、最新のログ・ファイルの名前はcvutrace.log.0になります。必要に応じて不要なログ・ファイルを削除またはアーカイブしてディスク領域を解放する必要があります。

Oracle Clusterwareによって、CVUの定期的な実行時に生成されたログ・ファイルがORACLE_BASE/crsdata/host_name/cvu/cvutrcディレクトリに格納されます。

トレース・ファイルのデフォルト以外の場所を使用するには、CV_TRACELOC環境変数に適切なトレース・ディレクトリの絶対パスを設定します。

クラスタ検証ユーティリティの既知の問題

この項では、次に示すクラスタ検証ユーティリティ(CVU)の既知の制限について説明します。

クラスタ検証ユーティリティによってサポートされるデータベースのバージョン

現行のリリースのCVUでは、Oracle Database 10g以上、Oracle RACおよびOracle Clusterwareのみがサポートされており、CVUには下位互換性がありません。CVUは、Oracle Database 10gより前のOracle Database製品をチェックまたは検証することはできません。

Linuxの共有記憶域アクセス性(ssa)チェックのレポートの制限

現行のリリースのcluvfyには、共有記憶域アクセス性のチェックに関して、Linuxに対する次のような制限があります。

  • OCFS2(バージョン1.2.1以上)がサポートされています。

  • NASの共有性チェックの場合、cluvfyコマンドを実行するには、指定されたパスに対する書込み権限が必要です。cluvfyコマンドを実行するユーザーに書込み権限が付与されていない場合、cluvfyはそのパスがnot sharedであるとレポートします。

Red Hat Linuxでの共有ディスクの検出

CVUを使用してRed Hat Linux 5.0(以上)、Oracle Linux 5.0 (以上)およびSUSE Linux Enterprise Server上のSCSIディスクの検出および共有記憶域のアクセス性のチェックを実行する場合、CVUQDISKパッケージが必要です。CVUの使用を試行したときにOracle RAC環境のいずれかのノード上にCVUQDISKパッケージがインストールされていない場合、CVUでエラーが発生します。

CVUQDISKパッケージをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. パッケージcvuqdisk-1.0.9-1.rpm (またはこれ以上のバージョン)をローカル・ディレクトリにコピーします。このrpmは、Oracle Clusterwareのインストール・メディアの最上位ディレクトリのrpmサブディレクトリ内にあります。たとえば、cvuqdisk-1.0.9-1.rpmは、/mountpoint/clusterware/rpm/というディレクトリにあり、この場合のmountpointはディレクトリが配置されているディスクのマウント・ポイントです。

    # cp /mount_point/clusterware/rpm/cvuqdisk-1.0.9-1.rpm /u01/oradba
    
  3. CVUQDISK_GRP環境変数を、CVUQDISKパッケージ・バイナリを所有する必要があるオペレーティング・システム・グループに設定します。CVUQDISK_GRPが設定されていない場合、デフォルトで、oinstallグループが所有者グループになります。

    # set CVUQDISK_GRP=oinstall
    
    
  4. コマンドrpm -q cvuqdiskを実行して、以前のバージョンのCVUQDISKパッケージがインストールされているかどうかを判別します。以前のバージョンのCVUQDISKパッケージが検出された場合、コマンドrpm -e cvuqdisk previous_versionを実行してこのパッケージを削除します(この場合のprevious_versionは、以前のバージョンのCVUQDISKの識別子です)。

    # rpm -q cvuqdisk
    cvuqdisk-1.0.2-1
    # rpm -e cvuqdisk-1.0.2-1
    
    
  5. コマンドrpm -iv cvuqdisk-1.0.9-1.rpmを実行して、最新のCVUQDISKパッケージをインストールします。

    # cd /u01/oradba
    # rpm -iv cvuqdisk-1.0.9-1.rpm