Oracle Clusterwareでは、投票ファイルを使用して、フェンシングの提供およびクラスタ・ノードのメンバーシップの判断が行われます。OCRではクラスタ構成情報が提供されます。Oracle ClusterwareファイルはOracle ASMまたは一般共有ディスク記憶域のいずれかに格納できます。ファイルの冗長性が提供されない記憶域でOracle Clusterwareを構成する場合は、OCRおよび投票ファイル用に複数の場所を構成することをお薦めします。次に、投票ファイルおよびOCRについて説明します。
投票ファイル
Oracle Clusterwareでは、投票ファイルを使用して、クラスタのメンバーであるノードを判断します。投票ファイルはOracle ASMまたは共有記憶域で構成できます。
投票ファイルをOracle ASMで構成する場合は、投票ファイルを手動で構成する必要はありません。ディスク・グループの冗長性に応じて、適切な数の投票ファイルが作成されます。
投票ファイルをOracle ASMで構成しない場合は、高可用性を確保するために、物理的に異なるストレージに3つ以上の投票ファイルを配置することをお薦めします。これによって、シングル・ポイント障害を回避できます。単一の投票ファイルを構成した場合、冗長性のために外部のミラー化を使用することをお薦めします。
最大15の投票ファイルがサポートされていても、6つ以上の投票ファイルを使用しないことをお薦めします。
Oracle Clusterwareでは、Oracle Cluster Registry(OCR)を使用して、Oracle Clusterwareで制御するOracle RACデータベース、リスナー、仮想IPアドレス(VIP)、サービスと任意のアプリケーションなどのコンポーネントの情報を格納および管理します。OCRには、一連のキーと値のペアからなる構成情報がツリー構造に格納されます。クラスタの高可用性を確保するために、複数のOCRの場所を定義することをお薦めします。さらに、次もあります。
最大5つのOCRの場所を使用できます。
各OCRの場所は、クラスタ内のすべてのノードがアクセスできる共有記憶域に存在している必要があります。
障害が発生したOCRの場所がOCRの唯一の場所でないかぎり、オンラインで交換できます。
OCRは、Oracle Enterprise Manager、Oracle Clusterware制御ユーティリティ(CRSCTL)、サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)、OCR構成ユーティリティ(OCRCONFIG)、Database Configuration Assistant(DBCA)などのサポートされているユーティリティを介して更新する必要があります。
関連項目:
投票ファイルとOCRの詳細は、「Oracle Clusterwareの管理」を参照してください。