インストール時、またはインストール後にoifcfg setif
コマンドを使用してインタフェースのロールをプライベートとして分類することにより、冗長なインターコネクトの使用に対して複数のインタフェースを定義できます。このようにすると、定義したインタフェースの数に応じて1つから4つの高可用性IP(HAIP)アドレスがOracle Clusterwareによって作成され、Oracle DatabaseおよびOracle ASMインスタンスは、これらのアドレスを使用して高可用性のロード・バランスされた通信を実現します。
デフォルトでは、Oracleソフトウェア(11gリリース2(11.2.0.2)以上のOracle RAC、Oracle ASMおよびOracle ACFSなど)は、そのすべてのトラフィックのHAIPアドレスとして、「プライベート」ロールを指定したインタフェースのHAIPアドレスを使用するので、提供されたクラスタ・インターコネクト・インタフェースのセット全体でロード・バランシングが可能になります。定義済のクラスタ・インターコネクト・インタフェースのいずれかに障害が発生するか、または通信できなくなった場合、Oracle Clusterwareは、機能している残りのインタフェースのいずれかに対応するHAIPアドレスを透過的に移動します。
たとえば、インストール後に新しいインタフェースを、サブネット番号が172.16.2.0のeth3
というサーバーに追加する場合は、次のコマンドを使用して、このインタフェースをプライベート・インタフェースとしてOracle Clusterwareで使用できるようにします。
$ oifcfg setif -global eth3/172.16.2.0:cluster_interconnect
Oracle Clusterwareではeth3
で169.254.*.*というHAIPアドレス(HAIP用の予約済サブネット)が使用され、データベースOracle ASMおよびOracle ACFSはそのアドレスを通信に使用しますが、Oracle Clusterwareは自身の通信に172.16.2.0アドレスも使用します。
注意:
HAIPサブネット(169.264.*.*)を分類するためにOIFCFGを使用しないでください。OIFCFGは、Oracle Clusterwareのインタフェース名、サブネットおよびタイプ(パブリック、クラスタ・インターコネクトまたはOracle ASM)を記録するために使用できます。ただし、OIFCFGを使用して各インタフェースの実際のIPアドレスを変更することはできません。
注意:
Oracle Clusterwareが使用するインタフェースは、定義されているインタフェースの数に関係なく、常に最大で4つです。あるインタフェースに障害が発生すると、HAIPアドレスは、定義されたセット内の別の構成済インタフェースに移動します。
HAIPアドレスが1つのみで、選択するインタフェースが複数ある場合、HAIPアドレスの移動先のインタフェースは、そのアドレスが構成された元のインタフェースではなくなります。Oracle Clusterwareは、HAIPアドレスの追加先として、数が最も小さいサブネットのインタフェースを選択します。
関連項目:
インタフェースの定義については、ご使用のプラットフォームの『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。