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Oracle® Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71322-07
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Oracle ASMでの投票ファイルの格納

Oracle ASMでは、投票ファイルは、格納されている他のファイルとは異なる方法で管理されます。投票ファイルをOracle ASMに格納するようにすると、Oracle ASMは、選択したディスク・グループにクラスタのすべての投票ファイルを格納します。Oracle ASMに格納される投票ファイルとOracle ASMに格納されない投票ファイルは、同じクラスタ内で使用できません。

Oracle ASMで投票ファイルを構成した後、投票ファイルの構成に変更を加えることができるのは、crsctl replace votediskコマンドを使用する場合のみです。これは、作業投票ファイルがない場合にもあてはまります。crsctl query css votediskによって使用中の投票ディスクがないと報告されても、Oracle ClusterwareはOracle ASMが使用中だったことを記憶しているため、replaceが必要になります。replaceを使用して、Oracle ASM以外の記憶域に投票ファイルを移動した後でのみ、add css votediskおよびdelete css votediskが再び使用可能になります。

特定のOracle ASMディスク・グループに格納できる投票ファイルの数は、ディスク・グループの冗長性に依存します。

デフォルトでは、Oracle ASMが、ディスク・グループ内のそれ自体の障害グループに各投票ファイルを配置します。障害グループは、ディスク・グループ内のディスクのサブセットです。障害グループは、あるディスクに障害が発生し、コンポーネントを共有する他のディスクにも障害が発生した場合などに、コンポーネントを共有するディスクを定義します。障害グループとして定義する可能性のある対象の例として、同じSCSIコントローラを共有しているSCSIディスク・セットがあります。障害グループは、冗長データの格納に使用するOracle ASMディスクを決定するために使用されます。たとえば、ファイルに2方向のミラー化が指定されている場合、ファイル・エクステントの冗長コピーは別の障害グループに格納される必要があります。

Oracle ASMディスク・グループに選択した冗長レベルによって、Oracle ASMでディスク・グループ内のファイルをミラー化する方法および必要となるディスク数とディスク領域が決まります。投票ファイルがディスク・グループにある場合、Oracle Clusterwareファイル(OCRおよび投票ファイル)があるディスク・グループの障害グループの最小数は、投票ファイルが定数障害グループに格納されているため、他のディスク・グループよりも多くなります。

クォーラム障害グループは特殊なタイプの障害グループで、Oracle Clusterware投票ファイルを格納するために使用されます。定数障害グループは、指定した障害グループの定数が使用可能であることを確認するために使用されます。Oracle ASMでOracle Clusterwareファイルが含まれるディスク・グループがマウントされるときに、1つ以上の障害グループが失われた場合にこのディスク・グループをマウントできるかどうかを判別するために、クォーラム障害グループが使用されます。定数障害グループ内のディスクにはユーザー・データが含まれないため、ユーザー・データを格納するための冗長性要件を決定するときには、このグループは考慮されません。

冗長性レベルには次のものがあります。

crsctl replace votediskコマンドを使用すると、特定の投票ファイル・セットを、あるOracle ASMディスク・グループから別のOracle ASMディスク・グループに、または動作保証されているファイル・システムに移動できます。あるOracle ASMディスク・グループから別のOracle ASMディスク・グループに投票ファイルを移動する場合は、以前のディスク・グループとは異なる冗長レベルのディスク・グループに投票ファイルを配置することで、投票ファイルの数を変更できます。

注意:

  • 1つのディスク・グループで、投票ファイルの数を直接変更することはできません。

  • Oracle ASMではディスク・グループの冗長性レベルに従って投票ファイルの数が管理されるため、 Oracle ASMディスク・グループに格納されている投票ファイルに対してcrsctl add | delete votediskコマンドを使用することはできません。

  • 投票ファイルがOracle ASMディスク・グループに格納されている場合は、クラスタ・ファイル・システムに投票ファイルを追加できません。Oracle ASM、および同じクラスタのクラスタ・ファイル・システム上に直接、投票ファイルを同時に格納することはサポートされていません。

関連項目:

  • ディスク・グループの冗長性の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

  • 投票ファイルの移行の詳細は、投票ファイルの追加、削除または移行を参照してください。