次のリストでは、CRSを構成するプロセスについて説明します。
クラスタ・レディ・サービス(CRS):クラスタで高可用性操作を管理する主要プログラム。
CRSDは、各リソースのOCRに格納されている構成情報に基づいて、クラスタ・リソースを管理します。これには、起動、停止、監視およびフェイルオーバー操作が含まれます。CRSDプロセスは、リソースのステータスが変更されるとイベントを生成します。Oracle RACをインストールしている場合、CRSDプロセスはOracle Databaseインスタンスやリスナーなどを監視し、障害が発生した場合にこれらのコンポーネントを自動的に再起動します。
クラスタ同期サービス(CSS): クラスタのメンバーシップを管理し、ノードがクラスタに対して追加または削除された際にメンバーに通知することによって、クラスタ構成を管理します。保証されているサード・パーティ製クラスタウェアを使用している場合、CSSプロセスは、クラスタウェアとともに動作して、ノードのメンバーシップに関する情報を管理します。
cssdagent
プロセスは、クラスタの監視およびI/Oフェンシングを実行します。このサービスは、以前はOracle Process Monitor Daemon(oprocd
)(WindowsではOraFenceService
とも呼ばれる)によって提供されていました。cssdagent
で障害が発生した場合、Oracle Clusterwareによってノードが再起動されることがあります。
Oracle ASM: Oracle ClusterwareおよびOracle Databaseのディスク管理が提供されます。
クラスタ時刻同期化サービス(CTSS): Oracle Clusterwareのクラスタで時間管理が提供されます。
イベント・マネージメント(EVM): Oracle Clusterwareによって作成されたイベントを発行するバックグラウンド・プロセス。
グリッド・ネーミング・サービス(GNS): 外部DNSサーバーから送信されるリクエストを処理し、クラスタで定義されている名前の名前解決を実行します。
Oracle Agent (oraagent
): クラスタウェアを拡張して、Oracle固有の要件および複雑なリソースをサポートします。このプロセスは、FANイベントが発生した場合にサーバー・コールアウト・スクリプトを実行します。このプロセスは、Oracle Clusterware 11gリリース1(11.1)ではRACGと呼ばれていました。
Oracle Notification Service (ONS): 高速アプリケーション通知(FAN)イベントの通信用のパブリッシュおよびサブスクライブ・サービス。
Oracle Root Agent(orarootagent
): root
が所有しているネットワークやグリッド仮想IPアドレスなどのリソースをCRSDが管理するのを支援する専用のoraagent
プロセス。
クラスタ同期サービス(CSS)、イベント・マネージメント(EVM)およびOracle Notification Service (ONS)コンポーネントは、同じクラスタ・データベース環境で、他のノードのクラスタ・コンポーネント・レイヤーと通信します。また、これらのコンポーネントは、Oracle Database、アプリケーションおよびOracle Clusterwareの高可用性コンポーネント間における主要通信リンクです。さらに、これらのバックグラウンド・プロセスは、データベース操作を監視および管理します。