ファイル・システム(Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)またはその他)を含むデバイスをOracle Clusterwareスタックに追加して、自動マウントおよび高可用性を実現します。このコマンドはOracle Grid Infrastructureホームから1回だけ実行される必要があります。
Oracle ACFSファイル・システム・リソースは通常、アプリケーション・リソースの依存性リストで使用するために作成されます。たとえば、Oracle Databaseホームとして使用するためにOracle ACFSファイル・システムが構成されている場合、ファイル・システム用に作成されたリソースは、Oracle Databaseアプリケーションのリソース依存性リストに含まれます。これによって、データベース・アプリケーションの起動アクションのためにファイル・システムおよびスタックが自動的にマウントされます。
注意:
このコマンドはOracle Clusterwareでのみ使用できます。
Oracle Database 12cインストールでOracle ACFSを管理するには、クラスタのOracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)にあるSRVCTLバイナリを使用します。Oracle RACまたはOracle Databaseがすでにインストールされている場合、データベース・ホームでSRVCTLバイナリを使用してOracle ACFSを管理することはできません。
srvctl add filesystem
コマンドは、次の構文で使用します。
srvctl add filesystem -device volume_device -path mountpoint_path [-volume volume_name] [-diskgroup disk_group_name] [-node node_list | -serverpool server_pool_list] [-user user_list] [-fstype {ACFS | EXT3 | EXT4}] [-fsoptions options] [-description description] [-appid application_id] [-autostart {ALWAYS | NEVER | RESTORE}]
注意:
-fstype
パラメータの値EXT3
およびEXT4
は、Linuxに対してのみサポートされています。
表F-26 srvctl add filesystemのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
-device volume_device
|
追加するファイル・システム・ボリューム・デバイスへのパスを指定します。 |
-path mountpoint_path
|
マウントをネストするために他のリソースへの依存性を設定する場合に使用する、マウント・ポイント・パスを指定します。これは、絶対的パスである必要があります。 |
-volume volume_name |
ボリュームの名前を指定します。 |
-diskgroup disk_group_name
|
デバイスの追加先のOracle ACFSディスク・グループの名前。 |
-node node_list |
-serverpool server_pool_list
|
ファイル・システム・デバイスのマウント先ノードのカンマ区切りリストを指定します。ノードまたはサーバー・プールのリストを指定した場合は、SRVCTLによって単一ノードのファイル・システム・リソースが作成されます。ノードまたはサーバー・プールを指定しない場合、SRVCTLはすべてのクラスタ・ノードで実行されるファイル・システム・リソースを作成します。 ファイル・システムが実行されるサーバー・プールのカンマ区切りリストを指定します。サーバー・プールのリストを指定する場合、ファイル・システムが実行されるノードの数またはタイプを動的に制限します。これは、HANFSなどのクラスタ全体のOracle ACFSリソースを必要とする可能性のある今後の使用に対しては、クラスタ全体のファイル・システムとして考慮されないことに注意してください。 注意: ノードとサーバー・プールは相互に排他的です。 |
-user user_list
|
ファイル・システムのマウントおよびアンマウントを許可されたユーザーのカンマ区切りリストを指定します。 ユーザーを指定しない場合、 |
-fstype {ACFS | EXT3 | EXT4} |
マウントするファイル・システムのタイプを指定します。デフォルト値は マウントするファイル・システムのタイプが |
-fsoptions options
|
ファイル・システムのマウントに使用するオプションを指定します。オプションはファイル・システムおよびオペレーティング・システムによって異なります。 |
-description description
|
ファイル・システムの説明を指定します。これは、管理者が後で参照できるよう属性として格納されます。 |
-appid application_id
|
アプリケーションID (ファイル・システムを論理グループに分類するために使用する一意の識別子)を指定します。この方法は、各種ノードによって異なる可能性があるファイル・システムのうち、リソース・タイプ |
-autostart {ALWAYS | NEVER | RESTORE} |
ファイル・システム・リソースの自動起動ポリシーを指定します。
|
ディスク・グループRAC_DATA
にd1volume1-295
ディスク・デバイスをOracle ACFSボリュームVOLUME1
として追加し、マウント・ポイントは/oracle/cluster1/acfs
とします。
# srvctl add filesystem -device /dev/asm/d1volume1-295 -path /oracle/cluster1/acfs1
動的ボリューム・デバイスasm-test-55
にOracle ACFSファイル・システムを追加し、指定したノードの1つに同時にこのファイル・システムをマウントにします。
# srvctl add filesystem -fstype ACFS -device asm-test-55 -path myacfs -node node1,node2,node3