Oracle® Grid Infrastructureインストレーション・ガイド 12cリリース1 (12.1) for IBM AIX on POWER Systems (64-Bit) E49837-10 |
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この章では、Oracle Universal Installer(OUI)を起動してクラスタ用Oracle Grid Infrastructureをインストールする前に完了する必要があり、クラスタにOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)をインストールする場合に完了する必要があるシステム構成作業について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
アップグレードに関して次の点を確認してください。
すでにOracleがインストールされている場合は、次の手順を実行します。
注意: 構成の変更を開始する前に、既存のデータベースのバックアップを必ず作成してください。 |
バージョン番号、パッチおよびその他の構成情報を記録します
既存のインストールのアップグレード手順を確認します。
インストールを進める前に、アップグレードに関するOracleドキュメントを確認し、その後の処理を確認します。
最新のソフトウェア更新情報や、アップグレードの前後、互換性、相互運用性に関する推奨ベスト・プラクティスについては、「Oracle 12c Upgrade Companion」(My Oracle SupportのNote 1462240.1)を参照してください。
https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1462240.1
Oracle ASMアップグレードに関して、次の問題に注意してください。
Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM) 11gリリース1(11.1)以上では、クラスタ内の個別のノードに対して、または複数のノードに対してまとめてローリング・アップグレードを行うことで、Oracle RACデータベースを停止することなくアップグレードできます。ただし、Oracle ASMを使用しているクラスタにスタンドアロン・データベースがある場合、アップグレードする前にそのスタンドアロン・データベースを停止する必要があります。Oracle ASM 10gからアップグレードする場合は、Oracle ASMクラスタ全体を停止してアップグレードを行う必要があります。
Oracle Grid Infrastructure 11 gリリース2 (11.2)では、Oracle ASMがOracle ClusterwareとともにOracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)にインストールされるように、Oracle ASMホームの場所が変更されました。
以前のリリースのOracle ASMホームがすでにある場合は、Oracle Clusterwareのアップグレードに使用する予定のユーザーが所有している必要があります。
ローリング・アップグレードに関して、次の情報に注意してください。
オペレーティング・システムのローリング・アップグレード時に、そのオペレーティング・システムの両方のバージョンが、使用しているOracle Databaseリリースで保証されている場合は、異なるオペレーティング・システム・バイナリを使用できます。
異なるバージョンのオペレーティング・システムを混在させて使用できるのは、アップグレードの間のみです。
異なるバージョンのオペレーティング・システムを使用できるのは、アップグレードの間の数時間のみであることに注意してください。
Oracle Clusterwareでは、同じクラスタに異なるインストラクション・セット・アーキテクチャ(ISA)を使用するプロセッサを搭載するノードはサポートされていません。各ノードは、クラスタ内のほかのノードとバイナリ互換が必要です。
たとえば、同じクラスタ内で、あるノードではIntel 64プロセッサを使用し、別のノードではIA-64(Itanium)プロセッサを使用することはできません。同じクラスタ内のあるノードでIntel 64プロセッサを使用し、別のノードでAMD64プロセッサを使用することはできますが、これはこれらのプロセッサが同じx86-64 ISAを使用し、同じバイナリ・バージョンのOracleソフトウェアを実行するためです。
セキュアなオペレーティング・システムは、一般的なシステム・セキュリティの重要な基本です。オペレーティング・システムのデプロイメントが、オペレーティング・システム・ベンダーのセキュリティ・ガイドに記載されている一般的なセキュリティの措置に準拠していることを確認してください。
インストールの最小要件を満たしていない場合はOracle Universal Installer(OUI)によって検知され、要件を満たしていないシステム構成手順を実行するために、修正スクリプトと呼ばれるシェル・スクリプトが作成されます。OUIによって不完全な作業が検知されると、修正スクリプト(runfixup.sh
)が生成されます。「修正および再チェック」をクリックした後で、修正スクリプトを実行できます。
CVUで、インストールの前に修正スクリプトを生成することもできます。
関連項目: cluvfy コマンドの使用の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
修正スクリプトでは、次のことが実行されます。
必要に応じて、インストールを正しく実行するために必要な値を次のカーネル・パラメータに設定します。
共有メモリーのパラメータ
オープン・ファイル記述子とUDP送受信のパラメータ
Oracle Inventory(中央インベントリ)ディレクトリに権限を作成し、設定します。
インストール所有者、必要な場合はOracleインベントリ・ディレクトリおよびオペレーティング・システム権限グループの、プライマリおよびセカンダリ・グループ・メンバーシップが作成または再構成されます。
必要に応じて、シェル制限に必須の値を設定します。
インストールに使用するユーザー・アカウントのために、クラスタ・メンバー・ノード間でSSHを構成している場合は、インストール前にクラスタ構成を確認し、インストールを開始する前にオペレーティング・システムの変更を行うための修正スクリプトを生成できます。
これを行うには、インストールを実行するユーザー・アカウントでログインし、runcluvfyコマンドがあるステージング領域に移動し、次のコマンド構文を使用します(ここで、node
は、クラスタ・メンバーにするノードをカンマで区切ったリストです)。
$ ./runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n node -fixup -verbose
たとえば、node1
とnode2
の2ノードがあるクラスタを構成する場合は、次のコマンドを入力します。
$ ./runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n node1,node2 -fixup -verbose
インストール中は、rootまたは他のユーザーとして、リモート端末上で作業を行う必要があります。リモート表示できるようにする必要があるユーザー・アカウントに対して、次の手順を実行します。
注意: 別のユーザー(oracle など)としてログインする場合は、そのユーザーでもこの手順を繰り返します。 |
リモート表示を可能にするには、次のいずれかの手順を実行します。
ソフトウェアをX Window SystemワークステーションまたはX端末からインストールする場合は、次の手順を実行します。
Xターミナル・セッション(xterm
)を開始します。
ソフトウェアを別のシステムにインストールし、そのシステムをX11ディスプレイとして使用する場合は、次の構文を使用してコマンドを入力し、リモート・ホストがローカルのXサーバーでXアプリケーションを表示できるようにします。
# xhost + RemoteHost
RemoteHost
は完全修飾されたリモートのホスト名です。次に例を示します。
# xhost + somehost.example.com somehost.example.com being added to the access control list
ソフトウェアをローカル・システムにインストールしない場合は、ssh
コマンドを使用してソフトウェアをインストールするシステムに接続します。
# ssh -Y RemoteHost
RemoteHost
は完全修飾されたリモートのホスト名です。-Y
フラグ(Yes)により、元のX11ディスプレイに対する完全なアクセス権がリモートのX11クライアントに付与されます。次に例を示します。
# ssh -Y somehost.example.com
root
ユーザーでログインしていない場合は、次のコマンドを入力してユーザーをroot
に切り替えます。
$ su - root password: #
Xサーバー・ソフトウェアがインストールされているPCまたはその他のシステムからソフトウェアをインストールする場合は、次の手順を実行します。
注意: 必要に応じて、この手順の実行の詳細についてX Window Systemのドキュメントを参照してください。使用しているXソフトウェアによっては、異なる順序でタスクを実行することが必要な場合があります。 |
X Window Systemソフトウェアを起動します。
X Window Systemソフトウェアのセキュリティ設定を、リモート・ホストでローカル・システムのXアプリケーションを表示できるように構成します。
ソフトウェアをインストールするリモート・システムに、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureソフトウェアの所有者(grid
、oracle
)として接続し、システムでX端末(xterm
)などの端末セッションを開始します。
リモート・システム上で別の端末セッションを開き、root
ユーザーとしてリモート・システムにログインします。プロンプトが表示されたら、root
としてスクリプトを実行できます。
インストールする製品に応じて、必要なオペレーティング・システム・カーネルとパッケージがインストールされていることを確認してください。
このマニュアルに記載されているのは、タイトル・ページに記載されている日付での最新の要件です。カーネル要件の最新情報については、次のURLのOracle Technology Networkでオンライン版を参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html
OUIによって、ご使用のシステムが示されたオペレーティング・システムの要件を満たしていることを確認する検証が実行されます。これらの検証が正常に完了するように、OUIを起動する前に要件を確認してください。
この項に記載されているファイルセットおよびAuthorized Problem Analysis Report (APAR)は、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructure 12c向けのIBM AIX on POWER Systems (64-Bit)システムでサポートされています。
次の情報を使用して、サポートされているIBM AIX 7.2 on POWER Systems (64-Bit)の最小バージョンを確認します。
表3-1 IBM AIX 7.2 on POWER Systems (64-Bit)オペレーティング・システムの最低要件
項目 | 最小要件 |
---|---|
AIX 7.2オペレーティング・システム |
AIX 7.2 Technology Level 0 Service Pack 1 ("7200-00-01")以上、64ビットカーネル 注意: Service Pack 1は必須です。 |
AIX 7.2オペレーティング・システムのファイル・セット |
次のオペレーティング・システムのファイル・セットが必要です。
|
AIX 7.2 APARおよびその他のオペレーティング・システム修正 |
次の、またはそれ以降のパッチが必要です。 前述のAIX 7.2の最小オペレーティング・システムのTLレベルを使用している場合、次のAIX APAR修正をインストールします。
注意: IV79441 (procfsを使用した32ビット・プロセス・マップ・ファイルの読取りによるシステム・クラッシュの可能性)に必要な修正を含むIV80412m1aをインストールしてください。 注意:
|
次の情報を使用して、サポートされているIBM AIX 7.1 on POWER Systems (64-Bit)の最小バージョンを確認します。
表3-2 IBM AIX 7.1 on POWER Systems (64-Bit)オペレーティング・システムの最低要件
項目 | 最小要件 |
---|---|
AIX 7.1オペレーティング・システム |
AIX 7.1 Technology Level 1 Service Pack 3 ("7100-01-03-1207")以上、64ビットカーネル 注意: AIX 7.1 Technology Level 1へのインストールは可能ですが、AIX 7.1 Technology Level 3以上にインストールすることをお薦めします。後者には、この表にリストされているすべてのAPARおよびオペレーティング・システム修正が含まれます。 |
AIX 7.1オペレーティング・システムのファイル・セット |
次のオペレーティング・システムのファイル・セットが必要です。
|
AIX 7.1 APARおよびその他のオペレーティング・システム修正 |
次の、またはそれ以降のパッチが必要です。 前述のAIX 7.1の最小オペレーティング・システムのTLレベルを使用している場合、AIX 7.1 TL1 SP3のすべてのAIX 7.1 APARおよび次のAIXフィックスをインストールします。
Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)を使用する場合、次のパッチまたはそれ以降のパッチが必要です。
Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)を使用する場合、次のパッチまたはそれ以降のパッチも必要です。このリリースの時点では、パッチはTL7では使用できないため、APAR番号はベースAPARを指します。
注意:
|
次の情報を使用して、サポートされているIBM AIX 6.1 on POWER Systems (64-Bit)の最小バージョンを確認します。
表3-3 IBM AIX 6.1 on POWER Systems (64-Bit)オペレーティング・システムの最低要件
項目 | 最小要件 |
---|---|
AIX 6.1オペレーティング・システム |
AIX 6.1 Technology Level 7 Service Pack 3 ("6100-07-03-1207")以上、64ビットカーネル 注意: AIX 6.1 Technology Level 7へのインストールは可能ですが、AIX 6.1 Technology Level 9サービス・パック3 (6100-09-03-1415)以上にインストールすることをお薦めします。後者には、この表にリストされているすべてのAPARおよびオペレーティング・システム修正が含まれます。 |
AIX 6.1オペレーティング・システムのファイル・セット |
次のオペレーティング・システムのファイル・セットが必要です。
|
AIX 6.1 APARおよびその他のオペレーティング・システム修正 |
次の、またはそれ以降のパッチが必要です。 前述のAIX 6.1の最小オペレーティング・システムのTLレベルを使用している場合、次のすべてのAIX APAR修正をインストールします。
Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)を使用する場合、次のパッチまたはそれ以降のパッチが必要です。
Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)を使用する場合、次のパッチまたはそれ以降のパッチも必要です。このリリースの時点では、パッチはTL7では使用できないため、APAR番号はベースAPARを指します。
注意:
|
追加のドライバやパッケージをインストールする必要はありませんが、次のリストのドライバおよびパッケージをインストールまたは構成することが可能です。
関連項目: 『Oracle Application Expressインストレーション・ガイド』の「Oracle Application Expressのインストール要件」およびインストール前の推奨タスクに関する項 |
Open Database Connectivity (ODBC)をインストールする場合は、次の項を確認してください。
Open Database Connectivity(ODBC)は、データベースにアクセスするためのAPIのセットで、データベースに接続してデータベース上でSQL文を実行します。ODBCドライバを使用するアプリケーションは、スプレッドシートやカンマ区切りファイルなど、不均一なデータ・ソースにアクセスできます。
IBM AIXでは、Oracle ODBCドライバはODBCドライバ・マネージャ2.3.1について動作保証されています。Oracle DatabaseでODBCを使用するには、gcc 4.2.1
以上もインストールする必要があります。
Oracle ClusterwareまたはOracle DatabaseにODBCドライバは必要ありません。
次のWebサイトからODBCドライバをダウンロードし、インストールしてください。
Oracle Messaging Gatewayをインストールする場合は、次の項を確認してください。
Oracle Messaging Gatewayは、Oracleデータベースの機能の1つです。Oracle以外のメッセージ・システムとOracle Streams Advanced Queuingに基づくアプリケーション間の通信が可能になります。
Oracle Messaging Gatewayでは、Oracle Streams Advanced Queuing (AQ)とWebSphereおよびTIBCO Rendezvousをベースとするアプリケーションとの統合がサポートされています。サポートされるバージョンについては、『Oracle Databaseアドバンスト・キューイング・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle Messaging Gatewayは、Oracle Databaseとともにインストールされます。
AIX7.1の場合は、My Oracle Supportの証明書で最新の要件を確認してください。
https://support.oracle.com
IBM WebSphere MQのCSDが必要な場合は、次のWebサイトでダウンロードおよびインストールの情報を参照してください。
プログラミング環境をインストールする場合は、次の項を確認してください。
Oracle Databaseでは、様々な環境におけるアプリケーション開発用に複数のプログラミング言語がサポートされています。一部の言語では、オペレーティング・システムに追加のコンパイラ・パッケージをインストールする必要があります。
プログラミング環境はオプションです。Oracle Databaseには必要ありません。
参照: プログラミング環境の概要は、Oracle Databaseアドバンスト・アプリケーション開発者ガイドを参照してください。 |
システムが、構成するプログラミング環境の要件を満たしていることを確認してください。
表3-4 IBM AIX on POWER Systems (64-Bit)のプログラミング環境の要件
プログラミング環境 | サポート要件 |
---|---|
Java Database Connectivity (JDBC) / Oracle Call Interface (OCI) |
Oracle Java Database ConnectivityおよびOracle Call InterfaceのドライバとJNDI拡張機能付きJDK 6(Java 6 64-bit 6.0.0.325 SR10)以上。 Oracle Java Database ConnectivityおよびOracle Call InterfaceのドライバとJNDI拡張機能付きJDK 7 (Java 7 64-bit 7.0.0.0)以上。 このリリースでは、JDK 1.6がインストールされています。 注意:これらはデータベース・インストールの要件ではありません。 |
Oracle C++ Oracle C++ Call Interface Pro*C/C++ Oracle XML Developer's Kit (XDK) |
IBM XL C/C++ Enterprise Edition for AIX, V11.1 (11.1.0.9) January 2012 PTF. IBM XL C++ Runtime for AIX, V11.1 (11.1.0.4) November 2011. 次のURLからソフトウェアをダウンロードします。
注意: IBM XL C/C++コンパイラをインストールしない場合でも、AIX Runtime Environmentコンポーネントにコンパイラが必要です。ランタイム環境のファイルセットは、ライセンス要件なしにダウンロードすることができます。IBM AIXの最低推奨ランタイム環境は、IBM XL C/C++ for AIX V11.1.0.4 Runtime Environmentです。次のURLにあります。
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Pro*COBOL |
IBM COBOL for AIX Version 4.1.1 (March 2012 PTF) Micro Focus Server Express 5.1 |
Pro*FORTRAN |
IBM XL Fortran Runtime for AIX, Version 13.1, January 2012 PTF |
ADA |
OC Systems PowerAda 5.5 OC SystemsおよびPowerAdaの詳細は、次のURLを参照してください。
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Oracle RACおよびHACMP |
High Availability Cluster Multi-Processing(HACMP)7.1 注意: HACMPが必要となるのは、Oracle Clusterwareまたはデータベース・ファイル記憶域にRAW論理ボリュームを使用する場合のみです。ただし、これはすべてのインストールでサポートされます。OCRまたは投票ディスク・ファイルにRAWデバイスを使用することはできません。 HACMPを使用する場合は、My Oracle Supportの証明書で最新の要件を確認してください。証明書は次のURLで入手できます。
HACMPを使用しない場合は、システムにHACMPをインストールしないでください。HACMPを使用する場合は、パッチ・セットを確認して、必要なパッチを確実に適用します。 |
Oracle RACおよびGPFS |
General Parallel File System(GPFS): GPFSまたはIBM Spectrum Scaleを使用する場合は、My Oracle Supportの証明書で最新の要件を確認してください。証明書は次のURLで入手できます。
注意: GPFSまたはIBM Spectrum Scaleは必須ではありません。GPFSまたはIBM Spectrum Scaleは、Oracle Clusterwareにさらにクラスタ・ファイル・システムが必要な場合のみインストールしてください。 |
Oracle Enterprise Manager Database ExpressおよびOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用する場合のみ、Webブラウザが必要です。WebブラウザがJavaScriptおよびHTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。これらの要件を満たすブラウザの一覧については、My Oracle SupportでEnterprise Manager動作保証マトリックスを参照してください。
https://support.oracle.com
関連項目: Enterprise Manager動作保証マトリックスにアクセスする手順については、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。 |
システムがこれらの要件を満たしていることを確認するには、次の手順を実行します。
インストールされているAIXのディストリビューションおよびバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。
# oslevel -s
オペレーティング・システムのバージョンが第3.6項「IBM AIX on POWER Systems (64-Bit)のオペレーティング・システム要件」の記載より下の場合は、現在サポートされている以上のバージョンおよびレベルにアップグレードします。
AIXのメンテナンス・パッケージは次のWebサイトから入手できます。
必要なファイルセットがインストールおよびコミットされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。
# lslpp -l bos.adt.base bos.adt.lib bos.adt.libm bos.perf.perfstat \ bos.perf.libperfstat bos.perf.proctools
サポートされているカーネル・モードかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。
# getconf KERNEL_BITMODE
注意:
|
APARがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。
# /usr/sbin/instfix -i -k "IV16716 IV20880 IV21128 IV28319"
APARがインストールされていない場合は、次のWebサイトからダウンロードして、インストールします。
WebSphere MQ用のCSDが必要な場合は、ダウンロードおよびインストール情報について、次のWebサイトを参照してください。
注意: このシステムに、より新しいリリースのOracleデータベース・ソフトウェアをすでにインストールしている場合は、rootpre.sh スクリプトを実行しないでください。 |
rootpre.sh
スクリプトは、次の手順で実行します。
ユーザーをroot
に切り替えます。
$ su - root
インストールの場所に応じて、次の手順のいずれかを実行します。
インストール・ファイルがディスクにある場合は、次のコマンドを入力します。directory_path
は、ディスク・マウント・ポイント・ディレクトリまたはDVDのデータベース・ディレクトリのパスです。
# /directory_path/rootpre.sh
インストール・ファイルがハード・ディスクにある場合は、ディレクトリをDisk1ディレクトリに変更し、次のコマンドを入力します。
# ./rootpre.sh
rootアカウントを終了します。
# exit
クラスタのすべてのノードで手順1から3を繰り返します。
注意: このシステムに、より新しいリリースのOracleデータベース・ソフトウェアをすでにインストールしている場合は、rootpre.sh スクリプトを実行しないでください。 |
IBM AIX on POWER Systems (64-Bit)において、I/O完了ポート(IOCP)を使用可能にし、データベースおよびグリッド・インフラストラクチャが正常にインストールされるようにします。
IOCPモジュールが使用可能であるかを確認するには、lsdevコマンドを実行します。
$ lsdev | grep iocp
次のサンプル出力では、IOCPステータスが「定義済」に設定されているため使用可能ではありません。
iocp0 Defined I/O Completion Ports
デフォルトでは、IOCPは「定義済」に設定されています。IOCPを使用可能にするには、次のプロシージャを使用してIOCPを「使用可能」にします。
root
としてログインし、次のコマンドを実行します。
# smitty iocp
I/O完了ポートの特性の変更/表示を選択します。
システム再起動時に構成される状態を「定義済」から「使用可能」に変更します。
lsdev
コマンドを実行して、IOCPステータスが「使用可能」
に設定されていることを確認します。
$ lsdev | grep iocp iocp0 Available I/O Completion Ports
システムを再起動して変更を確定します。
AIXプラットフォームでは、/etc/security/login.cfg
ファイルが、システム上のユーザーのリソースを制御および制限します。サービス攻撃の否認を防ぐために、pam.conf
ファイルを通じて認証が行われるようにするため、ログイン時にシステム上のユーザーのリソースの制御および制限を設定する必要があります。
AIXオペレーティング・システムに対して、リソース制限はデフォルトではstd_auth
に設定されます。usw
スタンザのauth_type
をstd_auth
からpam_auth
に変更するには、ファイル/etc/security/login.cfg
ファイルを編集します。
これらのリソース制限が考慮されることを確認するには、login session required /usr/lib/security/pam_aix
行が/etc/pam.conf
に設定されていることを確認します。次に例を示します。
dtsession auth required /usr/lib/security/pam_aix dtlogin session required /usr/lib/security/pam_aix ftp session required /usr/lib/security/pam_aix imap session required /usr/lib/security/pam_aix login session required /usr/lib/security/pam_aix rexec session required /usr/lib/security/pam_aix rlogin session required /usr/lib/security/pam_aix rsh session required /usr/lib/security/pam_aix snapp session required /usr/lib/security/pam_aix su session required /usr/lib/security/pam_aix swrole session required /usr/lib/security/pam_aix telnet session required /usr/lib/security/pam_aix xdm session required /usr/lib/security/pam_aix OTHER session required /usr/lib/security/pam_prohibit websm_rlogin session required /usr/lib/security/pam_aix websm_su session required /usr/lib/security/pam_aix wbem session required /usr/lib/security/pam_aix
すべてのクラスタ・ノードで、次のシステム・チューニングおよび構成を実行します。
注意: この項には、パラメータおよびシェル制限の推奨値のみを示します。本番データベース・システムでは、これらの値を調整してシステムのパフォーマンスを最適化することをお薦めします。カーネル・パラメータの調整については、ご使用のオペレーティング・システムのマニュアルを参照してください。 |
vmo
コマンドを使用して、仮想メモリーで次の値を使用するようにチューニングすることをお薦めします。
表3-5 Virtual Memory Managerの推奨値
パラメータ | 値 |
---|---|
minperm% |
3 |
maxperm% |
90 |
maxclient% = 90 |
90 |
lru_file_repage |
0 |
strict_maxclient |
1 |
strict_maxperm |
0 |
次に例を示します。
vmo -p -o minperm%=3 vmo -p -o maxperm%=90 vmo -p -o maxclient%=90 vmo -p -o lru_file_repage=0 vmo -p -o strict_maxclient=1 vmo -p -o strict_maxperm=0
これらの変更を有効にするには、システムを再起動する必要があります。
ARG/ENVリストへの領域割当てを128に増やすことをお薦めしますサイズは4Kブロックの数で指定します。
次に例を示します。
/usr/sbin/chdev -l sys0 -a ncargs='1024'
AIXシステムでは、OpenSSHパラメータLoginGraceTimeはデフォルトでコメント・アウトされており、AIXでのOpenSSHのデフォルトの動作は、タイムアウト・エラーになる場合があります。これらのエラーを回避するには、次の手順を実行します。
rootユーザーでログインします。
テキスト・エディタを使用して、OpenSSH構成ファイル/etc/ssh/sshd_config
を開きます。
コメント行#LoginGraceTime 2m
を検索します。
その行をコメント解除して、値を0
(無制限)に変更します。次に例を示します。
LoginGraceTime 0
/etc/ssh/sshd_config
を保存します。
SSHを再起動します。
各ユーザーに許可されているプロセスの最大数が16384以上であることを確認します。
注意: 本番システムの場合、この値は、システムで実行している各データベースのPROCESSES およびPARALLEL_MAX_SERVERS 初期化パラメータの合計に128を加算した値以上である必要があります。 |
次のコマンドを入力します。
# smit chgsys
「Maximum number of PROCESSES allowed for each user」に表示される値が16384以上であることを確認します。
必要に応じて既存の値を編集します。
変更が完了したら、[Enter]を押した後、[Esc]+[0]を押して終了します。
次の表に示すネットワーク・チューニング・パラメータが、表に示されている値以上に設定されていることを確認します。表の後に、値を確認して設定する手順を示します。
ネットワーク・チューニング・パラメータ | 推奨値 |
---|---|
ipqmaxlen | 512 |
rfc1323 | 1 |
sb_max | 4194304 |
tcp_recvspace | 65536 |
tcp_sendspace | 65536 |
udp_recvspace | 655360
注意: このパラメータの推奨値は、udp_sendspaceパラメータの値の10倍です。これは、sb_maxパラメータの値より小さい値である必要があります。 |
udp_sendspace | 65536
注意: この値は、デフォルトのデータベース・インストールに適しています。本番データベースの場合、このパラメータの最小値は、データベースの ( |
これらのパラメータに指定されている現行の値を表示し、必要に応じて変更するには、次の手順を実行します。
次のコマンドを入力して、ネットワーク・チューニング・パラメータの現行の値を確認します。
# no -a | more
パラメータの値を変更する必要がある場合は、次のコマンドを入力し、システムが互換性モードで実行されているかどうかを確認ます。
# lsattr -E -l sys0 -a pre520tune
システムが互換性モードで実行されている場合、出力は次のようになり、pre520tune属性の値がenableであることが示されます。
pre520tune enable Pre-520 tuning compatibility mode True
システムが互換性モードで実行されている場合は、次の手順に従って、パラメータの値を変更します。
次のコマンドを入力して、各パラメータの値を変更します。
# no -o parameter_name=value
次に例を示します。
# no -o udp_recvspace=655360
前述の手順で変更した各パラメータの/etc/rc.net
ファイルに、次のエントリを追加します。
if [ -f /usr/sbin/no ] ; then /usr/sbin/no -o udp_sendspace=65536 /usr/sbin/no -o udp_recvspace=655360 /usr/sbin/no -o tcp_sendspace=65536 /usr/sbin/no -o tcp_recvspace=65536 /usr/sbin/no -o rfc1323=1 /usr/sbin/no -o sb_max=4194304 /usr/sbin/no -o ipqmaxlen=512 fi
これらの行を/etc/rc.net
ファイルに追加すると、システムの再起動時に値が保持されます。
chdev
コマンドを使用して、デバイスまたはインタフェースの特性を変更することもできます。たとえば、次のように、システムを再起動することなくネットワーク・インタフェースen5のRFC1323値を設定します。
chdev -l en5 -a rfc1323=1
システムが互換性モードで実行されていない場合は、次のコマンドを入力して、パラメータの値を変更します。
ipqmaxlen
パラメータ:
/usr/sbin/no -r -o ipqmaxlen=512
その他のパラメータの場合:
/usr/sbin/no -p -o parameter=value
注意: ipqmaxlen パラメータを変更した場合は、システムを再起動する必要があります。 |
これらのコマンドによって/etc/tunables/nextboot
ファイルが変更され、システムの再起動時に属性の値が保持されるようになります。
パラメータを変更する必要があり、システムを再起動しない場合は、noグローバル設定の変更後、ifconfig
コマンドを使用し、各ネットワーク・パラメータを確認します。
次に例を示します。
# ifconfig en0 en0: flags=1e080863,2c0<UP,BROADCAST,NOTRAILERS,RUNNING,SIMPLEX,MULTICAST,GROUPRT,6 4BIT,CHECKSUM_OFFLOAD(ACTIVE),LARGESEND,CHAIN,MONITOR> inet 192.0.2.1 netmask 0xfffff800 broadcast 192.0.2.0 inet 192.0.2.2 netmask 0xfffff800 broadcast 192.0.2.0 inet 192.0.2.3 netmask 0xfffff800 broadcast 192.0.2.0 inet 192.0.2.4 netmask 0xfffff800 broadcast 192.0.2.0 tcp_sendspace 131072 tcp_recvspace 65536 rfc1323 0
ISNOパラメータtcp_sendspaceの設定には、次のコマンドを使用します。
# ifconfig en0 tcp_sendspace 65536
関連項目: 使用しているシステムに合わせAIXパラメータを調整する方法の詳細は、IBMのマニュアルを参照してください。 |
Oracle Clusterwareでは、すべてのクラスタ・ノードで同じのタイムゾーン設定が必要です。インストール中に、インストール・プロセスは、OUIを実行しているノードでグリッド・インストール所有者のタイムゾーン設定を選択し、Oracle Clusterwareによって管理されるすべてのプロセスのデフォルトのTZ設定として、すべてのノードでその設定を使用します。このデフォルトは、データベース、Oracle ASMおよびその他の管理プロセスで使用されます。
時刻を同期させるための手段は2つあります。オペレーティング・システムに構成されているネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)と、Oracleクラスタ時刻同期化サービスです。Oracleクラスタ時刻同期化サービスは、クラスタ・サーバーからNTPサービスにアクセスできない組織のために設計されています。NTPを使用する場合は、Oracle Cluster時刻同期化デーモン(ctssd)は、オブザーバ・モードで起動します。NTPデーモンがない場合、ctssd
はアクティブ・モードで起動し、外部時間サーバーに接続しなくても、クラスタ・メンバー間で時刻を同期します。
注意: Oracle Grid Infrastructureのインストールを開始する前に、すべてのノードの時計が同じ時刻になっていることを確認することをお薦めします。 |
サーバー上にNTPデーモンがあっても時間サーバーの時刻と同期されるように構成できない場合に、クラスタ時刻同期化サービスを使用してクラスタ内で同期化サービスを提供する場合は、NTPを非アクティブにし、削除します。
NTPサービスを無効にするには、次のコマンドをroot
ユーザーとして実行します。
# stopsrc -s xntpd
NTPプロトコルがアクティブでないとインストーラによって判断されると、クラスタ時刻同期化サービスがアクティブ・モードでインストールされ、ノード間で時刻が同期されます。NTPが構成されていると判断された場合は、クラスタ時刻同期化サービスはオブザーバ・モードで起動され、クラスタ内でOracle Clusterwareによるアクティブな時刻同期化は行われません。
インストール後にctssd
がアクティブになっていることを確認するには、グリッド・インストール所有者として次のコマンドを入力します。
$ crsctl stat resource ora.ctssd -t -init
Oracleソフトウェアをインストールするには、すべてのクラスタ・メンバー・ノード間にセキュア・シェル(SSH)の接続が設定されている必要があります。OUIは、インストール中にssh
およびscp
コマンドを使用して、他のクラスタ・ノードに対してリモート・コマンドを実行し、そのクラスタ・ノードにファイルをコピーします。これらのコマンドを使用する際にパスワードを求めるプロンプトが表示されないように、SSHを構成する必要があります。
注意: SSHは、Oracle Configuration Assistantによる、ローカル・ノードからリモート・ノードに対する構成操作に使用されます。Oracle Enterprise Managerでも使用されます。 |
Oracle Universal Installer(OUI)インタフェースから、インストール中に、インストールを実行しているユーザー・アカウントにSSHを構成することができます。自動構成によって、パスワードなしのSSH接続をすべてのクラスタ・メンバー・ノード間に作成することができます。可能なかぎり、この自動手順を利用することをお薦めします。
スクリプトを実行できるようにするには、すべてのOracleソフトウェア・インストール所有者のプロファイルからstty
コマンドを削除するとともに、ログイン時にトリガーされる他のセキュリティ手段で、端末に対してメッセージを生成するものを削除する必要があります。これらのメッセージやメール・チェックなどが表示されていると、Oracleソフトウェア・インストール所有者は、Oracle Universal Installerに組み込まれているSSH構成スクリプトを使用できません。これらの表示が無効になっていない場合は、SSHを手動で構成してからでなければ、インストールを実行できません。