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Oracle® Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
12cリリース1 (12.1) for IBM AIX on POWER Systems (64-Bit)
E49837-10
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2 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのサーバーの構成

この章では、クラスタ用のOracle Grid InfrastructureとOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)をインストールする前に、サーバーで完了する必要があるオペレーティング・システム構成タスクについて説明します。この章に示す値は、最低限のインストール用です。計画されたシステム負荷に応じて、本番システムを設定することをお薦めします。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 サーバーのハードウェアとメモリー構成の確認

次のコマンドを実行して、現在のシステム情報を収集します。

  1. 次のコマンドを入力して、物理RAMのサイズを確認します。

    # /usr/sbin/lsattr -E -l sys0 -a realmem
    

    システムに搭載されている物理RAMのサイズが要件のサイズより少ない場合、次の手順に進む前にメモリーを増設する必要があります。

  2. 次のコマンドを入力して、使用可能なRAMおよびスワップ領域を確認します。

    # /usr/sbin/lsps -s
    

    注意:

    • 値をファイナライズする前に、使用可能なRAM領域およびスワップ領域用に複数の値を選択することをお薦めします。これは、使用可能なRAMとスワップ領域が、ユーザーとコンピュータの対話に応じて変化するためです。

    • サーバーのスワップ領域の割当てガイドラインについては、ご使用のオペレーティング・システムのベンダーにお問い合せください。ベンダーのガイドラインは、このマニュアルに示すスワップ領域要件より優先されます。


  3. 次のコマンドを入力して、構成されたスワップ領域のサイズを確認します。

    # /usr/sbin/lsps -a
    

    追加のスワップ領域を構成する(必要な場合)方法については、ご使用のオペレーティング・システムのマニュアルを参照してください。

  4. 次のコマンドを入力して、/tmpディレクトリで使用できるディスク領域の大きさを確認します。

    # /usr/bin/df -k /tmp
    

    /tmpディレクトリで使用できるディスク領域が1GB未満の場合、次のいずれかの手順を完了します。

    • 必要なディスク領域を確保するために、/tmpディレクトリから不要なファイルを削除します。

    • oracleユーザーの環境設定の際に、環境変数TEMPおよびTMPDIRを設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じてシステム管理者に連絡してください。

  5. システム上の空きディスク領域の量を確認します。Oracle Clusterwareファイルを配置する場所に合わせて次のいずれかのコマンドを使用します。

    # df -g
    # df -m
    
  6. 次のコマンドを入力して、システム・アーキテクチャでOracleソフトウェアを実行できるかどうかを確認します。

    # /usr/bin/getconf HARDWARE_BITMODE
    

    このコマンドで想定される出力は64です。想定した出力が表示されない場合、このシステムにそのソフトウェアはインストールできません。

  7. サーバーの実行レベルを検証するには、次のコマンドを入力します。

    /usr/bin/who -r
    

    このコマンドの結果がrun-level 2の場合、現在の実行レベルは2です。

  8. 次のコマンドを入力して、システムが64-bitモードで起動されているかどうかを確認します。

    # /usr/sbin/bootinfo -K
    

    このコマンドの結果は、64-bitカーネルが有効であることを示す64になるはずです。

    プロセッサ・アーキテクチャがインストールするOracleソフトウェアのリリースと適合することを確認します。想定した出力が表示されない場合、このシステムにそのソフトウェアはインストールできません。


注意:

AIXベース・システムについては、Oracle Grid Infrastrutureでは、64ビット・カーネルがサポートされます。32ビット・カーネル・アプリケーションはサポートされません。

2.2 一般的なサーバーの最小要件

  • 同じ命令セット・アーキテクチャのサーバーを選択します(同じクラスタ・スタックで32-bitおよび64-bitのOracleソフトウェア・バージョンを実行することはできません)。

  • サーバーが実行レベル2で起動されていることを確認します。

  • システム・コンソールベースのインストールを実行する間、OUIが正しく表示されるように、ディスプレイ・カードのディスプレイ解像度を1024×768以上にします。

  • 各サーバーで、同じオペレーティング・システム・バイナリが実行されていることを確認します。

  • Oracle Grid InfrastructureインストールとOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)では、同一クラスタ内でハードウェアが異なるサーバーを使用できます。クラスタに異なる処理速度やサイズのCPUを搭載するノードをインストールできますが、ハードウェア構成が同じノードを使用することをお薦めします。

    異なる構成を使用してクラスタを構成する場合、サーバー・カテゴリ化管理ポリシーの一部として同種のプールにクラスタ・ノードを分類することをお薦めします。


    関連項目:

    サーバーの状態と構成属性の詳細およびサーバー・プールを使用してリソースとワークロードを管理する方法の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

2.3 Oracle Grid Infrastructureをインストールするためのサーバー記憶域の最小要件

システムが、クラスタにOracle Grid Infrastructureをインストールするための次のディスク領域の最低要件を満たしていることを確認してください。

  • /tmpディレクトリに5GBの領域。

    /tmpディレクトリの空き領域が、必要な領域の要件を満たさない場合、次のいずれかの手順を実行します。

    • 必要な領域を確保するために、/tmpディレクトリから不要なファイルを削除します。

    • /tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じてシステム管理者に連絡してください。

  • クラスタ用Oracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)に15.5GB以上の領域。パッチ用の追加領域を確保するために100GBを割り当てることをお薦めします。

  • トレース・ファイル・アナライザ(TFA)コレクタによって生成された診断収集用に、グリッド・インフラストラクチャ所有者のOracleベース・ディレクトリに最大10GBの追加の領域。

Oracle Databaseのインストールでは、自動バックアップを構成する場合は、高速リカバリ領域用に追加の領域(ファイル・システムまたはOracle Automatic Storage Managementディスク・グループ)が必要です。


関連項目:

高速リカバリ領域のサイジングの詳細は、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイドを参照

2.4 サーバーの最小メモリー要件

システム・アーキテクチャに応じて、システムが次の最小要件を満たしていることを確認します。


注意:

スワップ領域のサイズが足りないというOUIエラーが発生したにもかかわらず、スワップ領域はここに記載された要件を満たしている場合は、エラーを無視してかまいません。

2.4.1 64-bitシステムの最小メモリー要件

各システムは、次の最小メモリー要件を満たしている必要があります。

  • (Oracle RACをインストールする計画があるインストールを含む)クラスタ・インストール用のOracle Grid Infrastructure用に4GB以上のRAM

  • 次の表に示す使用可能なRAMの倍数と同等のスワップ領域

    表2-1 64-bit AIXシステムで必要なスワップ領域

    使用可能なRAM 必要なスワップ領域

    4GBから16GB

    RAMと同等

    16GBを超える

    16GBのRAM



    注意:

    32ビット・システムはサポート対象外となりました。

2.4.2 共有メモリーの要件

Oracle DatabaseまたはOracle RACデータベースをクラスタ上にインストールする場合、各サーバーの共有メモリのマウント領域は、サーバーのデータベースのシステム・グローバル領域(SGA)およびプログラム・グローバル領域(PGA)よりも大きいサイズである必要があることに注意してください。SGAおよびPGAの予想サイズをデータベース管理者に確認し、データベースをクラスタにインストールした後に共有メモリのマウント領域のサイズを増やす必要がないようにしてください。