『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドfor Windows』の変更点を示します。
Oracle Clusterware 12cリリース1 (12.1.0.2)の『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』には、次の変更点があります。
グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリの自動インストール
グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリは、Oracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1.0.2)とともに自動的にインストールされます。
ClusterおよびOracle RACの診断ツールの強化
Oracle Clusterwareは、Oracle Database障害診断インフラストラクチャを使用して診断データとアラート・ログを管理します。このため、ほとんどの診断データは自動診断リポジトリ(ADR)(インストール時に指定したベース・ディレクトリ内のディレクトリとファイルのコレクション)に含まれます。
注意:
Oracle Trace File Analyzer (TFA)コレクタは、Windowsオペレーティング・システムではサポートされていません。パブリック・ネットワークに対するIPv6のサポート
Oracle Clusterware 12cリリース1 (12.1)では、IPv6ベースのパブリックIPアドレスおよびパブリックVIPアドレスがサポートされます。
今日のデータ・センターでの情報テクノロジ・インフラストラクチャでは、IPv6ベースのIPアドレスが標準になってきています。このリリースにおいて、Oracle RACおよびOracle Grid Infrastructureはこの規格をサポートしています。インストール中に、同じネットワーク上のIPv4アドレスまたはIPv6アドレスのいずれかで、クラスタ・ノードを構成できます。データベース・クライアントは、IPv4アドレスまたはIPv6アドレスのいずれかに接続できます。単一クライアント・アクセス名(SCAN)のリスナーは、クライアントの接続要求を、そのクライアント要求のIPプロトコルに適したデータベース・リスナーへ自動的にリダイレクトします。
Oracle Clusterware 12cリリース1 (12.1)の『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』には、次の変更点があります。
WindowsでのOracle ASMファイル・アクセス制御の拡張
Windows環境の個別のロールにアクセス制御を使用できるようになりました。Oracle DatabaseサービスがLocal SystemではなくOracleホーム・ユーザーの権限で実行中の場合、Windowsでロールの分離をサポートするために、Oracle ASMアクセス制御機能が有効化されます。以前のリリースでは、すべてのOracleサービスがローカル・システムとして実行されたため、Windowsでのこの機能は無効になりました。
ユーザーを削除して再作成する必要なく、Oracle ASMユーザーのIDを、あるオペレーティング・システム・ユーザーから別のオペレーティング・システム・ユーザーに変更でき、この場合、ユーザーが所有するすべてのファイルを削除する必要があり、これにより、Oracle ASMユーザーおよびユーザーが所有するファイルの管理性が向上します。
chgrp、chmod、chownなどのASMCMDファイル・アクセス制御コマンドを使用して、ファイルが開いている間に、Windowsファイル・アクセス制御を変更できます。
『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』および『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。
クラスタ状態モニターの拡張
クラスタ状態モニター(CHM)が拡張され、オペレーティング・システムやクラスタ・リソースに関連する品質低下や障害の検出機能が向上し、可用性の高いサーバー・モニター・サービスが提供されるようになりました。
Oracle Clusterware管理およびデプロイメントに関するガイドを参照してください。
Oracle ASMディスク・グループへのOracle Cluster Registryバックアップの格納のサポート
Oracle Cluster Registry (OCR)バックアップ・メカニズムによりOracle ASMディスク・グループでOCRのバックアップを格納することができます。Oracle ASMディスク・グループにOCRのバックアップを格納すると、OCRのリカバリが必要になった場合にクラスタの任意のノードからOCRバックアップへのアクセスを許可することによって、OCR管理が簡素化されます。
Oracle Grid Infrastructureの個別パッチ対応ローリング・マイグレーション
Oracle Grid Infrastructureの個別パッチのローリング移行およびOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)とOracle Clusterwareへのアップグレードにより、個別パッチによる、クラスタ化されたOracle Grid Infrastructureノードへのアップグレードまたはパッチ適用を、データベースの可用性に影響することなく、独立して実行することができます。この機能によって、稼働時間の増加および柔軟なパッチ適用が実現されます。このリリースでは、ローリング・パッチと呼ばれる新しいクラスタ状態も導入されています。パッチ停止状態での操作は、既存のローリング・アップグレードのクラスタ状態と類似しています。
Oracle自動ストレージ管理管理者ガイドを参照してください
Oracle DatabaseおよびOracle Grid InfrastructureのOracleホーム・ユーザーのサポート
Oracle Database 12cリリース1 (12.1)以降、Oracle DatabaseではOracleホーム・ユーザーを使用でき、インストール時に指定できます。Oracleホーム・ユーザーには、組込みアカウントまたはWindowsドメイン・ユーザー・アカウントを指定できます。Windowsユーザー・アカウントを指定すると、ユーザーは標準的な(標準的な)アカウントになり、Oracleホーム・ユーザーが持つ一連の権限は限定されます。Oracleホーム・ユーザーを使用すると、Oracle Databaseサービスが持つ権限はOracle製品を実行するときに必要な権限のみになります。
『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド for Microsoft Windows』を参照してください
Oracle RACのハング検出とノード削除の検出
クラスタ速度の低下(主にOracle Databaseインスタンスに影響します)が検出されると、ハング・プロセスまたはハング・インスタンスとして分類され、結果として不要なノード削除が発生しないように削除されます。Oracle RACクラスタで必要に応じて行われるノード削除はアプリケーションからは意識されませんが、この機能によって最小限に抑えられます。また、グローバル競合解決(GCR)プロセスの機能強化により、ノード削除が発生する問題の検出と回避の性能が向上しました。
ポリシーベースのクラスタ処理および管理
Oracle Grid Infrastructureによって、1つのクラスタで複数のアプリケーションの実行が可能です。ポリシーベースのアプローチを使用すると、これらのアプリケーションで導入されたワークロードを、ポリシーを使用してクラスタ全体で割り当てることができます。また、ポリシー・セットを使用すると、時間の経過とともに必要に応じて異なるポリシーをクラスタに適用できます。ポリシー・セットはWebベースのインタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して定義できます。
同じクラスタ内で様々なワークロードを受け入れることで、共有インフラストラクチャにワークロードを集約することができ、高可用性とスケーラビリティが実現されます。集中管理されたポリシーベースの手法を使用することによって、要求の変更に応じてリソースの動的な再割当ておよび優先順位付けが可能です。
Oracle Clusterware管理およびデプロイメントに関するガイドを参照してください。
複数のクラスタに渡る共有グリッド・ネーミング・サービス(GNS)
以前のリリースのグリッド・ネーミング・サービス(GNS)は、1つのOracle Grid Infrastructureベースのクラスタ専用であり、自身のクラスタ・メンバー・ノードに対してのみ名前解決が可能でした。このリリースでは、1つのOracle GNSで、自身のクラスタのクラスタ・メンバー・ノードを管理することや、名前解決がOracle GNSに委任されたデータ・センターのすべてのクラスタに渡るすべてのノードの名前解決が可能です。
データ・センターのOracle Grid Infrastructureクラスタに属するすべてのノードに対して、1つのOracle GNSを使用すると、ネーミング規則が簡素化されるだけではなく、データ・センター・クラウドの日々の管理労力を最小限にすることができます。
データベース管理義務の分離のサポート
Oracle Database 12cリリース1 (12.1)では、SYSDBAシステム権限を必要としない、タスク固有で、かつ最小限の権限を備えた管理権限が導入されたことにより、Oracle Databaseの管理職務の分離がサポートされます。これらの新しいシステム権限は、バックアップとリカバリ用のSYSBACKUP、Oracle Data Guard用のSYSDGおよび暗号化鍵管理用のSYSKMです。
『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』の管理権限の管理に関する項、および「役割区分用の拡張Oracle Databaseグループ」を参照してください。
Oracle ASMファイル・アクセス制御コマンドへの更新およびオープン・ファイルのサポート
この機能によって、ファイルが開いている間に、Windowsファイル・アクセス制御を変更できます。この機能は、chgrp
、chmod
およびchown
などのASMCMDファイル・アクセス制御コマンドへの更新をサポートしています。
Oracle自動ストレージ管理管理者ガイドを参照してください。
次の機能は、今回のリリースで非推奨であり、将来のリリースではサポートされなくなる可能性があります。
スタンドアロン削除ツール
削除ツールはインストール・メディアに統合されました。
削除ツールの-cleanupOBase
オプション
削除ツールの-cleanupOBase
オプションは、このリリースでは非推奨です。このオプションの代替機能はありません。