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Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
リリース12.1 For Windows
B72965-06
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1 システムのハードウェア、ソフトウェアおよび構成のチェックリスト

次の表に、システムの基本的なチェック要件を示します。

このリストは、すべてのデプロイメント・オプションを網羅するものではありません。これらのチェックおよびその他の構成情報の詳細は、第3章から第7章を参照してください。

1.1 WindowsとLinuxまたはUNIXでのインストールの相違

LinuxまたはUNIX環境でOracleコンポーネントをインストールした経験がある場合、LinuxまたはUNIXで必要であった多くの手動の設定作業が、Windowsでは不要であることに注意してください。

LinuxまたはUNIXと、Windowsでのインストールの主な相違点は、次のとおりです。

  • サービスの起動および停止

    Windowsでは、管理者権限を持つユーザー・アカウントにログインして、Oracle Databaseソフトウェアをインストールします。また、インストール中に、(管理者でない、標準的なWindowsユーザー・アカウントに基づいて) Oracleホーム・ユーザーを指定することもできます。LinuxおよびUNIXシステムでは、ソフトウェア所有者ユーザー・アカウントを作成および使用する必要があり、このユーザーはOracleインベントリ・グループに属している必要があります。

  • 環境変数

    Windowsシステムでは、Oracle Universal Installer (OUI)によって、レジストリ内のPATHORACLE_BASEORACLE_HOMEORACLE_SIDなどの環境変数が設定されます。LinuxおよびUNIXシステムでは、ユーザーがこれらの環境変数を手動で設定する必要があります。

    あるOracleホームに複数のOracle Databaseがある場合、レジストリに設定されるのは最後のOracle DatabaseのSIDのみです。Oracleホームの管理の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • オペレーティング・システム・グループ

    Windowsシステムでは、OUIはORA_DBAORA_OPERORA_HOMENAME_DBAおよびORA_HOMENAME_OPERグループを作成します。これらはオペレーティング・システムのOracleインスタンスに対する認証に使用されます。LinuxおよびUNIXシステムの場合、オペレーティング・システム・グループを手動で作成する必要があります。

  • Oracle Universal Installer (OUI)を実行するためのアカウント

    Windowsでは、管理者権限を持つユーザー・アカウントにログインして、Oracle Databaseソフトウェアをインストールします。また、インストール中に、(管理者でない、標準的なWindowsユーザー・アカウントに基づいて) Oracleホーム・ユーザーを指定することもできます。LinuxおよびUNIXシステムでは、ソフトウェア所有者ユーザー・アカウントを作成および使用する必要があり、このユーザーはOracleインベントリ・グループに属している必要があります。

関連項目:

『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』のOracle DatabaseのWindowsとUNIXでの相違点に関する説明

1.2 Oracle Grid Infrastructureインストールのサーバー・ハードウェアのチェックリスト

すべてのインストールで次のハードウェア・チェックリストを確認します。

表1-1 Oracle Grid Infrastructureのサーバー・ハードウェアのチェックリスト

チェック 作業
サーバー・ハードウェア サーバーの構造、モデル、コア・アーキテクチャおよびホスト・バス・アダプタ(HBA)が、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACで実行できるようにサポートされていることを確認します。
ネットワーク・スイッチ
  • 1GbE以上のパブリック・ネットワーク・スイッチ(パブリック・ゲートウェイに接続)

  • 1GbE以上、10GbE推奨のプライベート・ネットワーク・スイッチ(他のクラスタ・メンバー・ノードにのみ使用するための専用)。かわりに、インターコネクトにInfiniBandを使用することもできます。

ランダム・アクセス・メモリー(RAM)の要件

Clusterインストール用(Oracle RACをインストールする場合を含む)Oracle Grid Infrastructureのために、4GB以上のRAM

仮想メモリーの構成 ページング・ファイルのサイズは、サーバー上で使用可能なRAMの容量に合ったサイズで、16GB以下に設定することを推奨しています
一時領域の割当て 1GB以上を%TEMP%に割り当てます。
オペレーティング・システム
  • 「ソフトウェア要件の特定」に記載されているサポート対象のリリースのリストでサポートされています。

  • 各クラスタ・メンバー・ノードで同じバージョンのオペレーティング・システムが実行されています。

ストレージ・ハードウェア ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)またはネットワーク・アタッチ・ストレージ(NAS)が必要です。Oracle Clusterwareファイルまたはデータ・ファイルは共有できないため、NTFSフォーマットされたディスクまたはパーティションは使用できません。
Oracleソフトウェア用のローカル記憶領域
  • クラスタ用Oracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)に7GB以上の領域。パッチ用の追加領域を確保するために100GBを割り当てることをお薦めします。

  • Oracle Grid InfrastructureソフトウェアのOracleインストール・ユーザー(Gridユーザー)のOracleベース用に3.5GB以上の領域があります。Oracleベースには、Oracle ClusterwareとOracle ASMログ・ファイルが含まれます。

    .
  • x86_64プラットフォームのOracle Databaseソフトウェアに5.8GB以上の領域があります。

Intelligent Platform Management Interface (IPMI)の構成
  • IPMI管理者のアカウント情報をOracleインストール・ユーザーが使用できる状態でインストールが完了したことを確認します。

  • IPMIを使用する場合は、Baseboard Management Controller(BMC)インタフェースが構成されていることを確認し、インストール時の指示に従って管理アカウントのユーザー名およびパスワードを指定できるように用意します。

  • 非標準のインストールで、インストール後に1つ以上のノード構成の変更が必要な場合は(たとえば、クラスタ・ノード上のBMCインタフェースの管理者のユーザー名およびパスワードを別のものにする場合は)、インストール後にBMCインタフェースを構成しなおすかどうかや、IPMI管理者アカウント情報を変更するかどうかを決定します。

時間の同期 Windows Timeサービス(WTS)、ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)またはOracleクラスタ時刻同期化サービス(CTSS)を構成して、クラスタ内の各サーバーが使用する時刻を同期します。

1.3 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RAC環境のチェックリスト

すべてのインストールで次の環境チェックリストを確認します。

表1-2 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACの環境構成

チェック 作業
ユーザーの作成

特定の要件向けに作成する必要のあるユーザーの詳細は、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのインストール・グループおよびユーザーの作成を参照してください。Oracleインストール・ユーザーの要件は、Oracleホーム・ユーザーの要件とは異なります。ユーザー名には、ASCII文字のみを使用する必要があります。

ソフトウェア実行ファイルのマウント・ポイント・パスを作成します

ご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』のOptimal Flexible Architectureに関する説明に記載されている、Optimal Flexible Architecture構成のガイドラインに従うことをお薦めします。

Gridホーム(Oracle Grid Infrastructure用に選択するOracleホームのパス)に、ASCII文字のみが使用されていることを確認します。

この制限には、ホームのパスによってはデフォルト名に使用されるOracleインストール・ユーザー名に加えて、パスに選択する可能性があるその他のディレクトリ名も含まれます。

Oracleソフトウェアの環境変数の設定を解除します

環境変数にORA_CRS_HOMEを設定した場合は、インストールまたはアップグレードを開始する前に、その設定を削除します。ORA_CRS_HOMEをユーザー環境変数に使用しないでください。

システムに既存のインストール環境があり、同じユーザー・アカウントを使用して今回のインストールを行う場合、次の環境変数ORA_CRS_HOMEORACLE_HOMEORA_NLS10TNS_ADMINの設定を削除します。

1.4 Oracle Grid Infrastructureのネットワークのチェックリスト

すべてのインストール環境でクラスタに必要なハードウェア、名前およびアドレスがあることを確認します。

インストール時、インタフェースをパブリック、プライベートまたはOracle ASMインタフェースとして使用するように指定します。また、他の目的に使用され、Oracle Grid Infrastructureインタフェースには使用できないインタフェースを指定することもできます。

表1-3 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのネットワーク構成作業

チェック 作業
パブリック・ネットワーク・ハードウェア
  • パブリック・ゲートウェイおよび各クラスタ・メンバー・ノードのパブリック・インタフェース・ポートに接続されるパブリック・ネットワーク・スイッチ(冗長スイッチを推奨)。

  • イーサネット・インタフェース・カード。

    推奨される冗長ネットワーク・カード。これらが1つのイーサネット・ポート名として表示されるようNICチーミングを使用します。

  • スイッチおよびネットワーク・インタフェース・カードは、1GbE以上である必要があります。

  • ネットワーク・プロトコルはTCP/IPです。

インターコネクト用のプライベート・ネットワーク・ハードウェア
  • 各クラスタ・メンバー・ノードのプライベート・インタフェース・ポートに接続される、専用のプライベート・ネットワーク・スイッチ(1つのイーサネット・ポート名として表示されるようNICチーミングを使用した冗長スイッチを推奨)。

  • スイッチおよびネットワーク・インタフェース・アダプタは1GbE以上である必要があり、推奨は10GbEです。かわりに、インターコネクトにInfiniBandを使用することもできます。

Windows固有のネットワーク構成タスクの実行
  • TCP/IPのメディア検出機能を無効化します。メディア検出機能では、ローカル・スイッチへのリンクが失われた際に、ネットワーク・インタフェース・カードとIPアドレスを切り離すことができます。

  • ネットワークのバインド順とプロトコルの優先順位を構成します。バインド順序の1番目がパブリック・ネットワーク・アダプタ、2番目がプライベート・ネットワーク・アダプタであることを確認します。

  • パブリック・ネットワーク・インタフェース用DNSへの自動登録の選択を解除します。Windows Server 2008で、サーバー再起動後に、ノードに対する誤ったIPアドレスがDNSに登録されないようにするには、パブリック・ネットワーク・アダプタの「この接続のアドレスを DNS に登録する」オプションを構成解除する必要があります。

  • 自動メトリック値を手動で構成します。Windows Server 2012には、リンク・スピードに基づいてローカル・ルートのメトリックを自動で構成する新機能である自動メトリックが導入されました。この機能のデフォルト値を使用する場合、Oracle Grid Infrastructureのインストール時にサーバーのデフォルトのパブリック・ホスト名としてプライベート・ネットワーク・インタフェースが選択される場合があります。

これらのタスクの詳細は、「Windows Serverデプロイメント用のネットワーク構成タスク」を参照してください。

クラスタの名前およびアドレス

クラスタの次の名前およびアドレスを決定して構成します。

  • クラスタ名: インストール時に入力したクラスタの名前。クラスタ名は、DNSドメインが異なる場合も含め、すべてのホスト間でグローバルに一意である必要があります。クラスタ名の長さは、1文字以上、15文字以下である必要があります。RFC 1123に準拠して、ホスト名に使用されるキャラクタ・セット(ハイフン(-)およびシングルバイト英数字(aからz、AからZおよび0から9))と同じキャラクタ・セットを使用します。

  • グリッド・ネーミング・サービスの仮想IPアドレス(GNS VIP): GNSを使用する場合は、GNS VIP用にDNSでGNS名および固定アドレスを構成し、クラスタ・アドレスを構成します。GNSのドメイン委任は、動的パブリック・ネットワーク(DHCP、自動構成)では必須です。

  • 単一クライアント・アクセス名(SCAN)およびGNS使用時のアドレス: DNSにはSCAN名とアドレスを構成しないでください。GNSはSCANを管理します。

  • SCANおよびアドレスの手動構成: GNSを使用していない場合は、ドメイン・ネーム・サービス(DNS)で3つのアドレスに解決されるSCAN名を構成します。

標準ノードのパブリック、プライベートおよび仮想IP名およびアドレス

グリッド・ネーミング・サービス(GNS)を使用する標準クラスタを構成する場合、パブリック・ホスト名および仮想ホスト名のアドレスは自動的に構成されるため、OUIはこれらのアドレスにAUTOと表示します。このオプションを使用するには、DNS上に、解決がGNSに委任されるサブドメインを構成する必要があり、かつ、委任されたサービス・リクエストをルーティングできる固定GNS VIPアドレスが必要となります。

GNSを使用せず、標準クラスタを構成する場合は、各ノードに対して次を構成します。

  • パブリック・ノード名およびアドレス: DNSおよびhostsで構成します(例: node1.example.com、アドレス192.0.2.10)。パブリック・ノード名は、各ノードのプライマリ・ホスト名(hostnameコマンドによって表示される名前)である必要があります。

  • プライベート・ノード・アドレス: 各ノードのプライベート・インタフェースで構成します。インストーラは、デフォルトでプライベートの範囲内のアドレスをプライベートIPアドレスとして識別します。たとえば、10.0.0.10などです。

    プライベート・インタフェースが使用するプライベート・サブネットは、クラスタ・メンバーにする予定のすべてのノードに接続する必要があります。

  • パブリック・ノードの仮想IP名およびアドレス(例: node1-vip.example.com、アドレス192.0.2.11)。

    GNSを使用していない場合は、各ノードに仮想ホスト名を指定します。仮想ホスト名はパブリック・ノード名で、これにより、ノードが停止している場合にノードに送信されるクライアントの要求を再ルーティングできます。Oracle Databaseでは、クライアントとデータベース間の接続にVIPを使用するため、VIPアドレスはパブリックにアクセス可能である必要があります。名前は、hostname-vip形式で指定することをお薦めします。たとえば、myclstr2-vipです。

1.5 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのアップグレードのチェックリスト

既存のOracle Grid InfrastructureまたはOracle RACインストールがある場合は、このアップグレード・チェックリストを確認します。クラスタは、すべてのクラスタ・メンバー・ノードでOracle Grid Infrastructure 12c リリース1 (12.1)が実行されて、新しいクラスタウェアがアクティブなリリースになるまでアップグレードされます。

注意:

Windowsプラットフォームで、Oracle Clusterwareをリリース10.2.0.5および11.1.0.7からリリース12.1にアップグレードするには、Oracle Clusterwareで11.2.0.3への中間アップグレードを実行する必要があります。Oracle Clusterwareのリリース11.2.0.3へのアップグレード後に、Oracle Cluster Registry (OCR)および投票ディスク(VDSK)をOracle ASMに移動する必要があります。また、WindowsまたはRAWデバイスのOCFSに格納されているファイルを、サポートされている記憶域メカニズムに移行することも必要となります。その後、Oracle Clusterwareをリリース11.2.0.3から12cリリース1 (12.1)にアップグレードできます。

Oracle RACをインストールする場合は、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)リリースのOracle RACをインストールする前に、まず、すべてのクラスタ・ノードでOracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1)へのアップグレードを完了する必要があります。

注意:

Oracle Grid Infrastructureのアップグレード(Oracle ClusterwareおよびOracle ASMの既存のインストール環境のアップグレード)は、すべてアウトオブプレース・アップグレードです。
チェック 作業
『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を確認します。

Oracle Databaseのアップグレード・プロセスをよく理解してください。

使用可能な最新のパッチセット・リリースをインストールします。

以前の一部のパッチセット・リリースからのアップグレードはサポートされないことがあります。

Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)インスタンスで、標準のOracle ASMインスタンス名が使用されていることを確認します

単一インスタンス・データベース用のデフォルトASM SIDは+ASM、Oracle Real Application ClustersノードのASMのデフォルトSIDは+ASMnode#です(node#はノードの番号)。Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.1以上では、デフォルト以外のOracle ASMインスタンス名はサポートされません。

デフォルト以外のOracle ASMインスタンス名がある場合は、クラスタをアップグレードする前に既存のリリースのsrvctlを使用して、デフォルト以外の名前を持つ個々のOracle ASMインスタンスを削除し、デフォルト名を持つOracle ASMインスタンスを追加します。

標準のOracle Grid Infrastructureデプロイメントのネットワーク・アドレスの確認

パブリック・ネットワークおよびプライベート・ネットワークで次のIPアドレスの条件が満たされていることを確認します。

  • プライベートIPアドレスおよびパブリックIPアドレスがそれぞれ関連性のない別々のサブネット内にある。プライベート・サブネットは、専用のプライベート・サブネットにある必要があります。

  • パブリックIPアドレスおよび仮想IPアドレス(SCANアドレスを含む)が同じサブネット内にある(サブネット・ネットワークのサブネット・マスクで許可されるアドレスの範囲)。

  • プライベートIPアドレスでもパブリックIPアドレスでもリンク・ローカル・サブネット(169.254.*.*)が使用されていない。

現在のオペレーティング・システムが新しいリリースでサポートされることの確認

サポート対象のオペレーティング・システム、パッチ・リリースおよび新しいOracle Grid Infrastructureインストールに必要なすべてのオペレーティング・システム・パッケージを使用していることを確認します。

ocrcheckコマンドの実行

Oracle Cluster Registry (OCR)ファイルの整合性を確認します。このチェックに失敗した場合は、続行する前にOCRを修復します。

「Oracle 12c Upgrade Companion」(My Oracle SupportのNote 1462240.1)の確認

このドキュメントには、その他のアップグレードの問題に関する最新の情報が含まれています。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1462240.1

Oracle Databaseのアップグレード前ユーティリティの実行

アップグレード前ユーティリティはSQLスクリプトであり、パス%ORACLE_HOME%\rdbms\adminにあります。Oracle Grid Infrastructureのインストール後にこのスクリプトを実行し、アップグレードのためにデータベースを準備します。

詳細は、My Oracle SupportのNote 884522.1を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=884522.1

1.6 Oracle Grid Infrastructureの記憶域の構成作業

すべてのインストールで次の記憶域構成作業のチェックリストを確認します。

表1-4 Oracle Grid Infrastructureの記憶域の構成チェック

チェック 作業
Oracle Clusterwareファイルのパスの指定

インストール中に、次のOracle Clusterwareファイルのパスを指定するように求められます。インストール時に作成されるファイルはすべてのクラスタ・メンバー・ノードが利用できる必要があるため、これらのファイルは、Oracle ASMにあるクラスタのすべてのノードで共有される必要があります。

  • 投票ファイルは、Oracle Clusterwareでクラスタ・ノードのメンバーシップおよび状態の検証に使用されるファイルです。

  • Oracle Cluster Registry (OCR)ファイルには、Oracle Clusterwareのクラスタおよびデータベースの構成情報が含まれます。

1.7 Oracle Grid Infrastructureのインストール開始時の作業

インストール前の作業を実行するには、次のチェックリストを使用します。

チェック 作業
Oracleプロセスの実行を確認し、必要に応じて停止する
  • Oracle ASMを使用していないスタンドアロンのデータベースが存在するノードの場合: Oracle Grid Infrastructureソフトウェアのインストールの間、データベースを停止する必要はありません。

  • Oracle RAC Databaseノードの場合: このインストールでは、Oracle ClusterwareがOracle RACを実行する必要があるため、Oracle Clusterwareのアップグレードが必要です。アップグレードの一環として、データベースを停止する必要がありますが、その際、一度に1ノードずつ停止します。これは、ローリング・アップグレードがノードからノードへと実行されるためです。

スケジュールされたタスクがインストール中に実行されないことを確認する

日常のスケジュールされたタスクが開始するときにインストーラが実行中の場合、インストールの完了前にスケジュールされたタスクによるクリーンアップが実行されて一時ファイルが削除されると、予期しないインストールの問題が発生することがあります。日常のスケジュールされたタスクを実行する前にインストールを完了するか、インストールが完了するまで、ファイルやディレクトリのクリーンアップを行うスケジュールされたタスクを無効にすることをお薦めします。

他の言語をインストールするかどうかを決定する

インストール中に、ユーザー・インタフェースのテキストをデフォルト(英語)以外の言語に翻訳するかどうかを選択します。オペレーティング・システムの言語セットがインストーラでサポートされていない場合、インストーラは、デフォルトでは英語で実行されます。

キャラクタ・セットおよび言語構成の詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。

ネットワーク上にプロキシ・レルムがある場合は、プロキシ・レルムの認証情報を取得する

インストール中、インストーラによってOracleソフトウェアの更新のダウンロードが試行されます。プロキシ・レルムを構成済の場合は、プロキシ・サービスを介してインターネットにアクセスするために、プロキシ・レルム情報およびユーザー認証情報を入力する必要があります。プロキシ・レルムがない場合は、プロキシ認証のフィールドを空白のままにします。

Oracle Grid Infrastructure管理リポジトリをインストールします

Oracle Grid Infrastructure 12cリリース12.1.0.1の拡張インストールを実行する場合、クラスタのパフォーマンスを監視および分析するためにOracle Grid Infrastructure管理リポジトリをインストールするオプションを選択します。Oracle Grid Infrastructure 12cリリース12.1.0.2以降の場合、Oracle Grid Infrastructure管理リポジトリは自動的にインストールされます。

Oracle Grid Infrastructure管理リポジトリをインストールしない場合、インストールに対して次の機能を永続的に無効化します。

  • クラスタ状態モニター

  • サービスのクオリティ管理

  • メモリー保護

これらの機能を有効化することを後で決定する場合、Oracle Grid Infrastructure管理リポジトリとともにOracle Grid Infrastructureを再インストールする必要があります。