次の表に、システムの基本的なチェック要件を示します。
このリストは、すべてのデプロイメント・オプションを網羅するものではありません。これらのチェックおよびその他の構成情報の詳細は、第3章から第7章を参照してください。
LinuxまたはUNIX環境でOracleコンポーネントをインストールした経験がある場合、LinuxまたはUNIXで必要であった多くの手動の設定作業が、Windowsでは不要であることに注意してください。
LinuxまたはUNIXと、Windowsでのインストールの主な相違点は、次のとおりです。
サービスの起動および停止
Windowsでは、管理者権限を持つユーザー・アカウントにログインして、Oracle Databaseソフトウェアをインストールします。また、インストール中に、(管理者でない、標準的なWindowsユーザー・アカウントに基づいて) Oracleホーム・ユーザーを指定することもできます。LinuxおよびUNIXシステムでは、ソフトウェア所有者ユーザー・アカウントを作成および使用する必要があり、このユーザーはOracleインベントリ・グループに属している必要があります。
環境変数
Windowsシステムでは、Oracle Universal Installer (OUI)によって、レジストリ内のPATH
、ORACLE_BASE
、ORACLE_HOME
、ORACLE_SID
などの環境変数が設定されます。LinuxおよびUNIXシステムでは、ユーザーがこれらの環境変数を手動で設定する必要があります。
あるOracleホームに複数のOracle Databaseがある場合、レジストリに設定されるのは最後のOracle DatabaseのSIDのみです。Oracleホームの管理の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』を参照してください。
オペレーティング・システム・グループ
Windowsシステムでは、OUIはORA_DBA
、ORA_OPER
、ORA_HOMENAME_DBA
およびORA_HOMENAME_OPER
グループを作成します。これらはオペレーティング・システムのOracleインスタンスに対する認証に使用されます。LinuxおよびUNIXシステムの場合、オペレーティング・システム・グループを手動で作成する必要があります。
Oracle Universal Installer (OUI)を実行するためのアカウント
Windowsでは、管理者権限を持つユーザー・アカウントにログインして、Oracle Databaseソフトウェアをインストールします。また、インストール中に、(管理者でない、標準的なWindowsユーザー・アカウントに基づいて) Oracleホーム・ユーザーを指定することもできます。LinuxおよびUNIXシステムでは、ソフトウェア所有者ユーザー・アカウントを作成および使用する必要があり、このユーザーはOracleインベントリ・グループに属している必要があります。
関連項目:
『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』のOracle DatabaseのWindowsとUNIXでの相違点に関する説明すべてのインストールで次のハードウェア・チェックリストを確認します。
表1-1 Oracle Grid Infrastructureのサーバー・ハードウェアのチェックリスト
チェック | 作業 |
---|---|
サーバー・ハードウェア | サーバーの構造、モデル、コア・アーキテクチャおよびホスト・バス・アダプタ(HBA)が、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACで実行できるようにサポートされていることを確認します。 |
ネットワーク・スイッチ |
|
ランダム・アクセス・メモリー(RAM)の要件 | Clusterインストール用(Oracle RACをインストールする場合を含む)Oracle Grid Infrastructureのために、4GB以上のRAM |
仮想メモリーの構成 | ページング・ファイルのサイズは、サーバー上で使用可能なRAMの容量に合ったサイズで、16GB以下に設定することを推奨しています |
一時領域の割当て | 1GB以上を%TEMP% に割り当てます。 |
オペレーティング・システム |
|
ストレージ・ハードウェア | ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)またはネットワーク・アタッチ・ストレージ(NAS)が必要です。Oracle Clusterwareファイルまたはデータ・ファイルは共有できないため、NTFSフォーマットされたディスクまたはパーティションは使用できません。 |
Oracleソフトウェア用のローカル記憶領域 |
|
Intelligent Platform Management Interface (IPMI)の構成 |
|
時間の同期 | Windows Timeサービス(WTS)、ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)またはOracleクラスタ時刻同期化サービス(CTSS)を構成して、クラスタ内の各サーバーが使用する時刻を同期します。 |
すべてのインストールで次の環境チェックリストを確認します。
表1-2 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACの環境構成
チェック | 作業 |
---|---|
ユーザーの作成 | 特定の要件向けに作成する必要のあるユーザーの詳細は、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのインストール・グループおよびユーザーの作成を参照してください。Oracleインストール・ユーザーの要件は、Oracleホーム・ユーザーの要件とは異なります。ユーザー名には、ASCII文字のみを使用する必要があります。 |
ソフトウェア実行ファイルのマウント・ポイント・パスを作成します | ご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』のOptimal Flexible Architectureに関する説明に記載されている、Optimal Flexible Architecture構成のガイドラインに従うことをお薦めします。 |
Gridホーム(Oracle Grid Infrastructure用に選択するOracleホームのパス)に、ASCII文字のみが使用されていることを確認します。 | この制限には、ホームのパスによってはデフォルト名に使用されるOracleインストール・ユーザー名に加えて、パスに選択する可能性があるその他のディレクトリ名も含まれます。 |
Oracleソフトウェアの環境変数の設定を解除します | 環境変数に システムに既存のインストール環境があり、同じユーザー・アカウントを使用して今回のインストールを行う場合、次の環境変数 |
すべてのインストール環境でクラスタに必要なハードウェア、名前およびアドレスがあることを確認します。
インストール時、インタフェースをパブリック、プライベートまたはOracle ASMインタフェースとして使用するように指定します。また、他の目的に使用され、Oracle Grid Infrastructureインタフェースには使用できないインタフェースを指定することもできます。
表1-3 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのネットワーク構成作業
チェック | 作業 |
---|---|
パブリック・ネットワーク・ハードウェア |
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インターコネクト用のプライベート・ネットワーク・ハードウェア |
|
Windows固有のネットワーク構成タスクの実行 |
これらのタスクの詳細は、「Windows Serverデプロイメント用のネットワーク構成タスク」を参照してください。 |
クラスタの名前およびアドレス | クラスタの次の名前およびアドレスを決定して構成します。
|
標準ノードのパブリック、プライベートおよび仮想IP名およびアドレス | グリッド・ネーミング・サービス(GNS)を使用する標準クラスタを構成する場合、パブリック・ホスト名および仮想ホスト名のアドレスは自動的に構成されるため、OUIはこれらのアドレスにAUTOと表示します。このオプションを使用するには、DNS上に、解決がGNSに委任されるサブドメインを構成する必要があり、かつ、委任されたサービス・リクエストをルーティングできる固定GNS VIPアドレスが必要となります。 GNSを使用せず、標準クラスタを構成する場合は、各ノードに対して次を構成します。
|
既存のOracle Grid InfrastructureまたはOracle RACインストールがある場合は、このアップグレード・チェックリストを確認します。クラスタは、すべてのクラスタ・メンバー・ノードでOracle Grid Infrastructure 12c リリース1 (12.1)が実行されて、新しいクラスタウェアがアクティブなリリースになるまでアップグレードされます。
注意:
Windowsプラットフォームで、Oracle Clusterwareをリリース10.2.0.5および11.1.0.7からリリース12.1にアップグレードするには、Oracle Clusterwareで11.2.0.3への中間アップグレードを実行する必要があります。Oracle Clusterwareのリリース11.2.0.3へのアップグレード後に、Oracle Cluster Registry (OCR)および投票ディスク(VDSK)をOracle ASMに移動する必要があります。また、WindowsまたはRAWデバイスのOCFSに格納されているファイルを、サポートされている記憶域メカニズムに移行することも必要となります。その後、Oracle Clusterwareをリリース11.2.0.3から12cリリース1 (12.1)にアップグレードできます。Oracle RACをインストールする場合は、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)リリースのOracle RACをインストールする前に、まず、すべてのクラスタ・ノードでOracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1)へのアップグレードを完了する必要があります。
注意:
Oracle Grid Infrastructureのアップグレード(Oracle ClusterwareおよびOracle ASMの既存のインストール環境のアップグレード)は、すべてアウトオブプレース・アップグレードです。チェック | 作業 |
---|---|
『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を確認します。 | Oracle Databaseのアップグレード・プロセスをよく理解してください。 |
使用可能な最新のパッチセット・リリースをインストールします。 | 以前の一部のパッチセット・リリースからのアップグレードはサポートされないことがあります。 |
Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)インスタンスで、標準のOracle ASMインスタンス名が使用されていることを確認します | 単一インスタンス・データベース用のデフォルトASM SIDは デフォルト以外のOracle ASMインスタンス名がある場合は、クラスタをアップグレードする前に既存のリリースの |
標準のOracle Grid Infrastructureデプロイメントのネットワーク・アドレスの確認 | パブリック・ネットワークおよびプライベート・ネットワークで次のIPアドレスの条件が満たされていることを確認します。
|
現在のオペレーティング・システムが新しいリリースでサポートされることの確認 | サポート対象のオペレーティング・システム、パッチ・リリースおよび新しいOracle Grid Infrastructureインストールに必要なすべてのオペレーティング・システム・パッケージを使用していることを確認します。 |
ocrcheck コマンドの実行 |
Oracle Cluster Registry (OCR)ファイルの整合性を確認します。このチェックに失敗した場合は、続行する前にOCRを修復します。 |
「Oracle 12c Upgrade Companion」(My Oracle SupportのNote 1462240.1)の確認 | このドキュメントには、その他のアップグレードの問題に関する最新の情報が含まれています。 https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1462240.1 |
Oracle Databaseのアップグレード前ユーティリティの実行 | アップグレード前ユーティリティはSQLスクリプトであり、パス 詳細は、My Oracle SupportのNote 884522.1を参照してください。 https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=884522.1 |
すべてのインストールで次の記憶域構成作業のチェックリストを確認します。
表1-4 Oracle Grid Infrastructureの記憶域の構成チェック
チェック | 作業 |
---|---|
Oracle Clusterwareファイルのパスの指定 | インストール中に、次のOracle Clusterwareファイルのパスを指定するように求められます。インストール時に作成されるファイルはすべてのクラスタ・メンバー・ノードが利用できる必要があるため、これらのファイルは、Oracle ASMにあるクラスタのすべてのノードで共有される必要があります。
|
インストール前の作業を実行するには、次のチェックリストを使用します。
チェック | 作業 |
---|---|
Oracleプロセスの実行を確認し、必要に応じて停止する |
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スケジュールされたタスクがインストール中に実行されないことを確認する | 日常のスケジュールされたタスクが開始するときにインストーラが実行中の場合、インストールの完了前にスケジュールされたタスクによるクリーンアップが実行されて一時ファイルが削除されると、予期しないインストールの問題が発生することがあります。日常のスケジュールされたタスクを実行する前にインストールを完了するか、インストールが完了するまで、ファイルやディレクトリのクリーンアップを行うスケジュールされたタスクを無効にすることをお薦めします。 |
他の言語をインストールするかどうかを決定する | インストール中に、ユーザー・インタフェースのテキストをデフォルト(英語)以外の言語に翻訳するかどうかを選択します。オペレーティング・システムの言語セットがインストーラでサポートされていない場合、インストーラは、デフォルトでは英語で実行されます。 キャラクタ・セットおよび言語構成の詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。 |
ネットワーク上にプロキシ・レルムがある場合は、プロキシ・レルムの認証情報を取得する | インストール中、インストーラによってOracleソフトウェアの更新のダウンロードが試行されます。プロキシ・レルムを構成済の場合は、プロキシ・サービスを介してインターネットにアクセスするために、プロキシ・レルム情報およびユーザー認証情報を入力する必要があります。プロキシ・レルムがない場合は、プロキシ認証のフィールドを空白のままにします。 |
Oracle Grid Infrastructure管理リポジトリをインストールします | Oracle Grid Infrastructure 12cリリース12.1.0.1の拡張インストールを実行する場合、クラスタのパフォーマンスを監視および分析するためにOracle Grid Infrastructure管理リポジトリをインストールするオプションを選択します。Oracle Grid Infrastructure 12cリリース12.1.0.2以降の場合、Oracle Grid Infrastructure管理リポジトリは自動的にインストールされます。 Oracle Grid Infrastructure管理リポジトリをインストールしない場合、インストールに対して次の機能を永続的に無効化します。
これらの機能を有効化することを後で決定する場合、Oracle Grid Infrastructure管理リポジトリとともにOracle Grid Infrastructureを再インストールする必要があります。 |